癖馬息子畜生ダービー =遥かなるうまぴょいを目指して=   作:ウマヌマ

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キーボードをターン!

 

 

 

 うまぴょいとは何か。

 哲学である。

 ヒトは何かに迷った時、インターネットの大海に身を沈め、物思いに耽るものだ。

 私はさらに海の底の方へと意識を向ける。

 

「うまぴょいってなんだ? よし! ……と」

 

 キーボードをターン!

 

【急募】うまぴょいってなんだ?【有識者】

 

1:名無しのただ娘

うまぴょいってなんだ?

有識者のヒト畜生共、おしえろください

 

 

 

 待っている間に小腹が空いたのでベッドの下からカップ麺を取り出してくる。

 

 カップ麺は神である。

 カップ麺いず神。

 

 りんご?

 りんごはすでに旧世界の神である。

 

 文明の利器を得た今は、化学調味料の方が美味い。

 りんごに釣られてヒト畜生の言う事を聞いていた頃とは違うのだ。

 今の私は自由。

 そう、自由戦士である。

 

 カップ麺にお湯を注ぎ3分。

 だが、私はあえて残り20秒を残して蓋を開ける。

 それがベストな時間である。

 ベストな硬さ、それが2分半と10秒なのだ。

 

 麺を啜りながら、先程のスレに更新を入れる。

 さっそく書き込みが行われていた。

 

 

2:名無しのただ娘

そりゃアレよ

うまぴょい(意味深)だよ

 

3:名無しのただ娘

考えるな感じろ

 

4:名無しのただ娘

男女が温泉行ったら。こいつらうまぴょいしたんだって思う

 

5:名無しのただ娘

うーーうまだっち!

 

6:名無しのただ娘

うまだっちってなんだ?

 

7:名無しのただ娘

躊躇わない事さ

 

8:名無しのただ娘

ヒト畜生みたいな差別的な表現ダメだと思います

 

9:名無しのただ娘

トレーナーの事をヒト畜生とか呼ぶウマ娘は真面目にレース走れ

 

10:名無しのただ娘

それなゲートは練習しろ

 

11:名無しのただ娘

うまぴょいはうまぴょいだろ

 

 

 

「なるほど、わからん」

 

 話が脱線しすぎである。

 私に文句があるのなら、面と向かって言えば蹴り飛ばしてやるのに。

 所詮はヒト畜生、言葉がわかるようになってもその生態系は未だ理解し難い。

 

 しかし、全くの無意味ではない。

 考えるな感じろと言うのは答えに近い気がする。

 

 うまぴょい。

 かつて、私の脳裏に浮かんだ言葉。

 

 昔の記憶はふんわりしてて思い出せない部分も多い。

 鮮烈な印象程、長く覚えていると言うがそれだろう。

 

 焼きつくような感覚。

 あのレースの瞬間。

 私は確かにうまぴょいをこの身に感じた。

 

 だが、今、その感覚はない。

 

 うまだっち棒。

 やはり、もう一頭の私たる、股間の相棒がいないのなダメなのか。

 どこに落としてきてしまったと言うのだ。

 

「まぁいいか……」

 

 結局、無いものは無いし、分からないものは分からないのだ。

 だから、こうして考えている訳だ。

 

 とりあえず、フォートウマペックス行動をやるためにPCを起動する。

 

 練習?

 そんなもの私には必要ない。

 

 私は最強である。

 さらに、今の私にとって背負って走る枷もない。

 

 役に立つ事もあった。

 息を合わせた事もあった。

 それでも、私は最後まで孤高である方が強かった。

 

「あ、クソ。アプデ終わってないじゃん! この寮、回線が遅いよ!」

 

 

 ただ孤独が私を強くする。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━

 

 

【ウマ】シャドーロールの怪物vs斜行とトロールの怪物【娘】part.20

 

 

1:名無しの後方腕組おじさん

このスレはナリタブライアンを応援しつつ、心の中で少しだけブラックロータスを応援するスレです。

次の対戦は日本ダービー。

 

・アンチ

 

・荒らし(本人含む)と荒らしに触れるやつ

 

上記2点ノータッチで

 

 

 

 

2:名無しの後方腕組おじさん

スレ立て乙

怪物対決二戦目

 

 

3:名無しの後方腕組おじさん

この世代ってこの二人以外って強い娘いないの?

 

 

4:名無しの後方腕組おじさん

ヒシアマ姐さんがいるだろ!

 

 

5:名無しの後方腕組おじさん

ヒシアマ姐さんダービーでんやん!

 

 

6:名無しの後方腕組おじさん

トロールロータスはウマペックスやめろ

 

 

7:名無しの後方腕組おじさん

皐月でブライアンのライブにも出なかったしな

 

 

8:名無しの後方腕組おじさん

>>7 え、ライブ見てないけどどうなったん?

 

 

9:名無しの後方腕組おじさん

>>8 4着のウマ娘が繰り上がりで踊ってた

 

 

10:名無しの後方腕組おじさん

皐月はナリブが勝ったけど、接戦だったろ

 

 

11:名無しの後方腕組おじさん

最後の最後に譲るような負けしたけどなロータス

 

 

12:名無しの後方腕組おじさん

燃料切れだろw

スタミナ勝負で負けたんだよ

 

 

13:名無しの後方腕組おじさん

接戦だったけど最後までナリブが追いかける展開で

正直、抜けた後もロータスが勝ったと思ってた

 

 

14:名無しの後方腕組おじさん

これでほとんど練習してないんだよなロータス

素材はマジで化け物

 

 

15:名無しの後方腕組おじさん

さすがに裏で練習はしてないと無理だろw

他のウマ娘が泣くで

 

 

16:名無しの後方腕組おじさん

ネタウマの癖にガチなのやめろ

 

 

17:名無しの後方腕組おじさん

ゲートは死ぬ気で練習しろ出遅れしまくりじゃねーか

 

 

18:名無しの後方腕組おじさん

ブラックロータス伝説

レース前にバカ食いしてレース場で吐く

出遅れはデフォ、皐月で出遅れしなくて驚かれる

めちゃくちゃ遠回りして舐めプしても勝つ

追い込みか逃げしかしない

 

 

19:名無しの後方腕組おじさん

これはひどい

だけど強いのが腹立つ

 

 

20:名無しの後方腕組おじさん

ブラックロータスのトレーナーのヒト畜生さん

がんばってマジで

 

 

21:名無しの後方腕組おじさん

皐月の時は直前まで二徹してウマペックスやってたらしい

 

 

22:名無しの後方腕組おじさん

もうウマペックスのプロになれよw

 

 

23:名無しの後方腕組おじさん

それだけやってゴールド沼から出れてないから

トロールロータスなんだよwww

マジこっちの才能はないwww

 

 

24:名無しの後方腕組おじさん

なんでランク知ってるの

こわ

 

 

25:名無しの後方腕組おじさん

ウマッターで普通に晒してる

本人が

クソ雑魚ロータスって煽るとすぐに反応してくるし、ボイチャで対戦できるよ

 

 

26:名無しの後方腕組おじさん

ネットリテラシーさんさぁ

 

 

27:名無しの後方腕組おじさん

実際、現役のウマ娘とウマペックスやれるなら、やるよね?

私ならやる

 

 

28:名無しの後方腕組おじさん

たまにわざと負けてあげると

クソ程煽り散らかしてくるのかわいい

 

 

29:名無しの後方腕組おじさん

癖ウマわからせ

 

 

30:名無しの後方腕組おじさん

ヒシアマ姐さーん! こいつです!

 

 

31:名無しの後方腕組おじさん

ウマペックスは雑魚でも、レースでは強いのが理不尽

 

 

32:名無しの後方腕組おじさん

実際、理不尽の塊みたいな存在だし

ブライアンは頑張って勝ち続けてほしい

 

 

33:名無しの後方腕組おじさん

この世代の娘は可愛そうだな

ナリブとロータス

どっちも怪物すぎて

 

 

34:名無しの後方腕組おじさん

普通にレベルは高い方なんだけどな

この二人はすでにシニアクラスなのがな

 

 

35:名無しの後方腕組おじさん

ヒシアマ姐さんはやく! はやくきてー! 間に合わなくなっても知らんぞ!

 

 

36:名無しの後方腕組おじさん

姐さんは有マかな……

 

 

37:名無しの後方腕組おじさん

オビワ姉さんとも有マだし、今年の有マの姉さん率ヤバそうw

 

 

38:名無しの後方腕組おじさん

次はダービーだろ

どっちが勝つか予想しよろw

 

 

39:名無しの後方腕組おじさん

他のウマ娘が勝つかもしれないだろ!

 

 

40:名無しの後方腕組おじさん

正統派ナリタブライアンと邪道派ブラックロータス

こう書くとなんか悪いやつみたいだな

 

 

41:名無しの後方腕組おじさん

態度は悪い

トロールロータスはなんだかんだ

ファンからの愛称なんだよな

 

 

42:名無しの後方腕組おじさん

だってアレ応援してるって言うの恥ずかしいし

 

 

43:名無しの後方腕組おじさん

東京優駿、ダービーは運のいい方が勝つよ

 

 

 

 

 

 

 

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「今月、雪が降ると思ってました」

 

「……もう5月の終わりだぞ」

 

「いや、だってアイツが真面目に練習してるんですよ!? 嫌いな雨の日や坂路まで! その度に明日は雪が降るなーって思ってたんですから!」

 

「皐月の一戦は、そう言う戦いだったんだろ」

 

「えー……初のG1で2着ハナ差、同タイムのコースレコード。3着以下は5馬身後方、上出来も上出来。何が不満なんですかね」

 

「そりゃ、負けた事だろ。アイツにとって初めて真正面からやり合って負けたんだ。悔しいんだろうさ」

 

「……わかるんですかね、そう言うの。馬ですよ?」

 

「むしろ2着だからどうとかってのは俺らが勝手に納得してる理屈だろ。シンプルに自分より速い馬が許せない。それだけの事なんだろうさ」

 

「それだけて……まぁ、自尊心の塊みたいな奴ですからね。……負けて良かったってのは言っちゃダメなんですけど」

 

「わかるさ。我儘で気まぐれ、いくら矯正しても治らなかった相手を舐めてかかる甘さが抜け、ようやく本気のレースが見れるぞ」

 

「……次は日本ダービーですか」

 

「ああ」

 

「勝てますよね。アイツ」

 

「勿論。勝つようにするって言うのが仕事なんだが。相手が相手だ。正直、わからん」

 

「……けど」

 

「一ヶ月……やっぱり才能だけは本物だ。付け焼き刃にしては強いぞ。今のアイツ……ブラックロータスは」

 

 

 

 

 

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