よりにもよってネバマン(女)かよ!   作:セッル@ポケモン熱発生中!

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王家の紋章のネバメン(女)成り代わりです。 
成り代わり主は、日本人成人女性です。


第1話

「はじめてお会い……いたしまする。我が兄上…。」

 

何故、このタイミングで思い出した。

 

「なんと…!」

「妹君!」

 

「兄上の…おめしにより西の砂漠の地より…はるばる都へ出て参りました。妹のネバメンにございます。」

 

「い、妹…、少女だと思っていたわ」

 

小声だったけど聞こえてる。でしょうね。本来の年齢は私の方が上だ。

でも、この時点まできた以上、本当のことを話したら死刑だ。

どんな手を使ってでも誤魔化す。

 

「さささ、召使いのペルト…。王にまず、まず妹君なる証拠のお品をお見せ申し上げい。」

 

ここからは、【原作通り】に事が進んだ。

私が私としての記憶を思い出した時点で妙な野心も何もかもない。

正直、奴隷じゃなくなった時点で、本当に西の砂漠に引っ込みたいくらいだ。でも、そうは問屋がおろさない。

私の見た目や出所を探られるのは確実。

なら…、キャロルさんには悪いけど、【母の出身】を誤魔化して、私自身のなんちゃって科学知識を披露するしかあるまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が【表に出てはならない】という母の遺言を無視してまで、名乗りを上げたのは、母の遺言の中に、最初の遺言よりも優先されている遺言があったからです。」

 

「ほう…、それはいかなるものか?」

 

よし、メンフィスが引っかかった。

 

「姉上は未来をよめるのですよね?」

「え、まあ、一応。」

 

よし、ここからが正念場だ。

 

「皆さまがお気づきのように、私は兄上に似てはいません。ですが、母は私がネフェルマアト王と血の繋がりがありながら、似ていない理由を知っていました。」

 

「えっ?」

よし、キャロル・リードが目をこちらに向けた。

 

「姉上、母は私にこう言っていました。」

ここで、改めて姿勢を正す。

 

『神は私に子を与えてくださったが、私が古代のファラオと繋がった歴史は認めなかった。かぐや…いえ、ネバメン。あなたは間違いなく、ネフェルマアト王の娘です。ですが、DNAは私としか繋がっていない。

だから、私はあなたを王宮に連れていくのをやめた。

でも、もし…、もしも、私と同じ世界から人が来たら、その人に会いなさい。そして聞きなさい。我が祖国【日本】についてを。

頼みましたよ、侍の血を引く我が子よ…。』

 

「ニホン…サムライ…DNA…まさかその人って!」

 

「はい、私が遺言を無視してまで名乗りを上げたのは、姉上、あなたに聞きたかったのです。母の祖国についてを。」

 

「キャロル、どう言う事だ?分かったのか。」

 

「ええ、メンフィス…、この人は似てはなくても、間違いなくネフェルマアト王の娘よ。似ていない理由も判明したわ。」

 

「なんと…!」

「だが、ナイルの姫が仰るならば間違いはあるまい。」

 

事例は少ないが、両親のどちらかの遺伝子しか受け付けない状態で産まれる子供はいる。

その場合、片親の遺伝子しか繋がないから、母親とDNAが完全一致する。キャロルさんは考古学者志望だ。化学や遺伝学には詳しくない。

DNAをチラつかせば、ある程度までは矛盾点も気づかない。

 

「では…教えて頂けないでしょうか?姉上。」

 

「どう言う事だキャロル。ネバメンの母親とお前に何の関係がある?」

 

急に態度を変えたキャロルに狼狽えた様子のメンフィスを放置して、キャロルさんは語った。

 

「ニホン…私の国ではJapanと呼ばれる国です。世界で最も長い王朝が続いていて、エンペラーと言う、王よりも上位の存在がおわす国です。

神話の代から数えれば建国から2000年以上続く世界一の長寿国家です。」

 

ふーん、アメリカ人考古学志望者にしては、正しい日本像だな。

ライアン兄さんの影響か。

 

「やはり…、姉上に会って正解でした。私は母上の言葉の1割程度しか理解出来なかったのに、姉上は一瞬で理解しているのですね。」

 

「【私の国】?キャロル、まさか、ネバメンの母の出身地はキャロルと同じ神の世界なのか?」

 

「ええ、国は違うけど、私の国は世界一若い国の代表、ネバメンのお母様の祖国は世界一古い国の代表格よ。」

 

「おおー、ならばその人はナイルの姫よりも格上なのか?」

「いや、国の歴史の長さは優っても、それ以外はどうだか。」

「どうりで、出身がわからないわけだ。」

 

宴に参加している兵士や臣下も、ナイルの姫と同じ世界の人と聞いて、私に向けていた疑惑の眼差しが一気に減った。

もちろん、まだ疑っている人もいるが、キャロルさんは一度信じるとよっぽどやばい事をやらかさない限り、信じきるタイプだ。

国は違えど、同じ未来人の存在を疑う理由はない。

 

「姉上…、ありがとうございます。…これで母の遺言は果たせました。

西の砂漠に帰らせて頂きまする。」

 

 




ネバメン(女) 
クルクルの髪に、黄色人種な肌色。  
前世が日本人だったので、母親を日本人と設定していますが、実際は違うので、外人顔です。

しかし、キャロル本人は考古学に夢中だったので、日本人の平均的な顔を知らず、かつ本人の出身地が多種多様な人種で形成された国であるアメリカ。
一応の日本知識は、ライアン兄さんから聞いていたので知っていましたが、日本がほぼほぼ単一民族で形成された国とは知りません。
だから、日本人から見れば、『絶対に日本人の子どもではない!』と言い切れる顔なのに、ネバメンの説明に納得してしまいました。

ネバメンという名は、偽名です。
原作と違い女なので、労働が原因の力強い手は持っていません。
しかし、手は機織りが原因で荒れています。
本名は元の世界の名。因みに【かぐや】は母親日本人説を信じ込ませる為に即興で作られた名前です。
なんといっても、キャロル・リードがどこまで日本について知っているかが分からないためです。
もし、【かぐや】を知っていたら、母親を日本人と確定させられたし、
知らなかったとしても問題はないからです。











ちなみに本人は、ガチで西の砂漠に引っ込みたがっているぞ!!

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