ソードアート・オンライン ~The Chosen Stars~   作:ASNE

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大変お待たせいたしました!再開します!


始まりの日②

2022年11月6日、ソードアート・オンラインのサービス開始日にして運命の日。その一日の始まりは、普通の穏やかなものであった。

 

俺、桐ヶ谷和人は七時に起床した。平日ならば六時に起床するが、この日は日曜日のため少し遅くても大丈夫なのだ。

自室のベッドから起き上がった俺は、用意していた家着に着替えてキッチンに向かう途中で洗濯機に寝巻を放り込んだ。その後直ぐに自分と妹たち三人の計四人分の朝食の支度を始めた。両親共に仕事で忙しく、直葉は部活、双子はまだ幼いため必然的に朝食は俺の担当になる。今ではすっかり慣れてしまい、手際よく出来るようになった。

四人分の食パンを焼きつつ、目玉焼きやサラダ、スープ等を並行して準備する。普段は料理をする間は考え事をしないが、今日は待ちに待ったSAOのリリース日のため珍しく気分が高揚していた。

(いよいよだな…、楽しみだ)

妹たちに、自分が味わった興奮を感じて欲しい。彼らがどのように感じるか、今から楽しみで仕方がなかった。

 

五十分ぐらいかけて準備を終えると、俺は双子たちを起こしに部屋に向かう。双子の部屋のドアを開けると、まだ可愛い双子の妹たちは夢の中で、ベッドですやすやと寝息を立てていた。

「おーい、朝ですよー」

俺は足音をなるべく立てないように接近し、小声で呼びかけながら優しく体を揺さぶった。すると、二人は

「ううん……」

と唸りながらうっすら目を開けた。

「おにいちゃん…?」

「兄さん、朝ですか…?」

「朝だよ。もう起きな」

まだ眠気眼ながらもそう尋ねてきた二人に苦笑しつつ、起床するよう告げた。

「「はーい…」」

起き上がってもぞもぞ着替える素振りを見せた双子の部屋を去り、俺は離れにある剣道場に向かった。

 

剣道場に着くと、直葉が竹刀を繰り返し振るって練習していた。剣を真っ直ぐに振るい、汗が飛び散る様は見ている側からすると見惚れるほどに美しく、俺はしばらく黙って剣道場の入り口に寄りかかり、終わるまで見守っていた。

やがて素振りを終え、息を整えていた直葉がこちらに気が付いた。

「あれ、お兄ちゃん?おはよう」

「おはよう、直葉。朝食、出来てるぞ」

「本当?ありがとう!」

「着替えたらリビングに来いよ。用意して待ってるから」

「分かった!」

俺の言葉を聞いて剣道着から部屋着に着替えるべく片付け始めた直葉を残し、俺はリビングに戻って朝食の用意を始める。その途中から双子も到着して手伝ってくれ、やがて食卓に四人分の朝食が並んだ。

 

着替え終わった直葉が戻ってきて、席に着くと朝食が始まる。

「「「「いただきます!」」」」

わいわい騒ぎながら、思い思い朝食に手を付ける四人。これがいつもの日常であり、笑顔の絶えない生活に和人たちは心地良さを感じていた。

―たとえ血がつながっていなくても、この四人は中の良い兄妹であった。

 

 

朝食が終わると、少し慌ただしくなる。朝食の片付けと、洗濯、歯磨きなどが目白押しだ。この日は和人と蘭が食器洗い担当、直葉と木綿季が洗濯担当だった。

食器洗いが終わり、少しすると洗濯も終わる。四人は協力して洗濯機から洗濯物を取り出し、物干し竿に干していく。

 

家事が終わると、一時間ほどは空き時間だ。本来なら日曜日のため自由なのだが、今日は特別なため宿題をしておく。四人はそれぞれ自室に戻り、一生懸命勉強に取り組んだ。

 

十一時が過ぎると、また慌ただしくなる。今日は直葉が部活、和人と双子がSAOのため早めに昼食を済ませておきたいのだ。今度は四人で協力して昼食を作り、十二時には昼食が完成した。

 

 

 

 

十二時四十五分頃、制服に着替え終えた直葉を俺たち三人で見送る。本来ならもう少し遅くても良いのだが、直葉が気を遣ってくれたのだ。

「じゃあ、行ってくるね!」

「行ってらっしゃい、すぐお姉ちゃん!」

「行ってらっしゃい、頑張ってくださいね!」

「行ってらっしゃい、すぐ」

「うん、じゃあSAO楽しんでね!」

三人に見送られながら、直葉は玄関を出た。

―彼らは知らなかった。再会が大分先になることも、再会するのが現実世界でないことも。

 

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