ガンダムビルドダイバーズ リベスターズ   作:二葉ベス

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レンズインスカイ バトローグ
付き合っちゃおっか?


「ちのお姉ちゃん、次はあっちに行こー!」

「はーいはいはい! 今日もセッちゃんはかわいいなぁ」

 

 休日にフォースネストに行けば、待ち構えていたのはフォース『ちの・イン・ワンダーランド』のリーダー、ちのっちであった。

 ハルとナツキチは受験中で今いないし、1人で過ごす感じかぁ、と思っていたところの客人だ。もてなさないわけにはいかない、とコーヒーカップを取り出した矢先だ。

 

『みんなで買い物行こ!』

 

 どこからともなく現れたちびっことちのっちの腕を掴まれそのままショッピングモールエリアへGO。もちろん同意はなしだ。

 

 そんなで連れてこられた2人の買い物にあたしはなんとなく思う。

 どっちが可愛いんだか。

 

 なんだかんだ言って、ちのっちもフォースメンバーやリスナーたちを魅了するぐらいには可愛らしい。

 ウキウキ気分でゴシックなワンピースを身にまとって、スカートをふわりと舞わせる。

 こんなところをリスナーが見たら、イチコロだ。あたしが男だったら間違いなく堕ちてた。

 

「どうしたの?」

「ん? あー、ちのっちもなんだかんだ可愛いよなーって」

「なんだかんだじゃなくて、とってもだよ!」

「そーでございましたー」

 

 そういう自信過剰なところがまた魅力の1つなんだろう。あたしからしたら鬱陶しいぐらいだけれども。

 肩掛けカバンを一度掛け直して、ちびっこの行った方を見るちのっち。

 その瞳は慈愛に満ちた親そのものの目線だった。

 ELダイバー奪還戦の時もそうだったけど、ちのっちはちびっこのことを子供同然に思っている。タッグフォースバーサスの時だって、本当はちびっこと一緒に出場したかったのだろうな。その機会をあたしが奪ったも同然なんだけど、ちびっこが楽しいなら、ってことで言葉を閉ざした。

 だからだろう。こんな言葉が自然と口から出てきたのは。

 

「ちのっち、マジママみ溢れてるよな」

「ちのがママ? いや、それは流石にぃ……」

「ヤングママは嫌だって?」

「そんなこと言ってないじゃん! でもちのは永遠の17歳だしー!」

 

 この間晩酌配信してたろあんた。日本酒うまーとか言いながら、お酒飲んで気持ちよくなってた17歳がその言葉を言えるのか。

 

「でもモミジちゃんも大概セッちゃんの親って感じするよねー」

「は? あたしが?」

「掲示板じゃちのとモミジちゃんが夫婦みたいなFA見るよ?」

「……マジ?」

「マジよ大マジ。結婚しちゃう?」

「冗談」

 

 ナツハルほど女同士の垣根がないわけじゃない。

 あたしだって、普通に男性が好きだし、一応初恋は男だったから。

 でも女の子といるほうが安心する、というのもまた事実だ。冗談半分にちのっちと付き合うという想像をしてみる。

 

「流石にないな」

「だよねー!」

 

 一瞬でも付き合おうとか思ったあたしがバカだったわ。

 ナツハルはナツハル。あたしはあたしだ。女女だの男女だの。関係ないとは思うけど、あたしとは無関係だと思っている。

 でも安心する相手という意味であれば、一番はちのっちとちびっこなんだろう。

 

「2人ともー! クレープ、セツが全部食べちゃうよ!」

「はーい、今行くよー! じゃあ、行こっか、カノピ!」

「はいはい、行きゃあいいんでしょ、カノピ」

 

 冗談みたいなやり取りに2人して鼻で笑う。

 ありえんありえん。けど面白い。こんな生活があったら、それはそれで充実した毎日なのかも。

 ほっぺたを膨らましながら、クレープを掲げるちびっこの笑顔を見ながら、あたしたちもまた笑顔になるのだった。

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