ガンダムビルドダイバーズ リベスターズ   作:二葉ベス

13 / 16
やさぐれ女と初めての朝

「んん……うぅん……」

 

 ねむ。大学ももうすぐ3年目。

 そろそろ就活も考えていかないとなんだけど、これからの未来みたいなのも思いつかない。

 惰性で大学に行って、惰性でバイトで稼いで。それから……。

 

 あー、ねむい。まだ春休みだし、バイトの時間が数時間後だし。

 まだ眠いからもうひと眠りしよう……。そうしよう。わたし一人なんだし。

 

「……リ! 起きて……!」

「んん……」

 

 なんだろう。優しく揺れるゆりかごみたいな心地よさでさらに眠くなりそう。

 声もまるでわたしの好きな人の声みたいで、より眠くなる。

 

「エ……リ! あーさー……きて!」

「うぅん……」

 

 揺れがどんどん強くなる。んん、うっとうしい。

 わたしの眠りを妨げるな。わたしの家だぞ。この家の自由はこの家の主である……。ん?

 あれ、なんだったっけ。この違和感。うぅん……。

 

「エンリ、起きて―!!」

「んん……。あぁ……ユカリ? どうしてここ……っ!!」

 

 突然ボディに走る痛み!

 これは、ユカリのボディプレス!

 

「うぐっ!」

「ぐあー!」

 

 お互いに大ダメージ。ユカリ、あんたも普通にダメージ受けるのね……。

 

「ぐえへへ、おはようございます、エンリ!」

「……人を起こすのに命がけすぎるでしょ」

「だってー! エンリが起きてくれないからこうするしかないじゃないですか!」

「それは、ごめん……」

 

 朝が弱いっていうか、あんまり頭に血が回ってない感じがしてよろしくない。

 ふあぁ……。あくびまで出るぐらいには眠いし、やっぱりもうひと眠りしようかな。

 

「ユカリ、二度寝してもいい?」

「ダメです! 朝食作ったんですから、温かいうちに食べてください!」

 

 おぉ、わたしの彼女はもうお母さん気取りらしい。

 んなわけあるか。この子はただ単純にわたしとご飯が食べたいだけだと思う。

 でも勘弁してほしい。昨日やって来たユカリのために荷物を段ボールから取り出して、その辺に投げたり飛ばしたり捨てたり。

 まぁなんというか。一日でやる量じゃなかった。

 おかげで今日なんかソファーで寝てたし。二人でシングルベッドに寝る気力はなかった。

 

 やっぱりダブルサイズベッド欲しいなぁ。とは思ってしまう。

 だって狭いし。わたしも伸び伸びとベッドに横になりたいのだ。

 ユカリがこっちに来てからというもの少し浮かれていたばかりか、疲れが真っ先に来ることになってしまって、彼女にもちょっと申し訳ないという気持ちもあった。

 浮かれていたとは言え、金銭面の問題は本当に油断していた。

 

「だって、昨日の疲れが……」

「私も疲れてますけどぉ! それとこれとは別ですし」

 

 まぁ朝食を食べるのは健康への第一歩とは言う。

 でも多少抜いたって問題ないと思ってる。お腹は空くけど。

 

「それにこれでも怒ってるんですよ?」

「……ユカリ、まさかホントに抱かれて寝たかったの?」

「うぅ……それはっ! ……まぁ」

 

 くっ! この女、本当にかわいいが過ぎるが?!

 ダメダメ。クールにならなきゃ。寝起きでもちょっと頭を動かして……。

 

「分かったわ。今日の夜なら」

「やったぁ! 早くご飯食べましょ!」

「はいはい」

 

 まだちょっと眠いけど。眠いんだけど……。

 その辺は今後少しずつ合わせていこう。まだ同棲生活2日目なんだから。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。