「んん……うぅん……」
ねむ。大学ももうすぐ3年目。
そろそろ就活も考えていかないとなんだけど、これからの未来みたいなのも思いつかない。
惰性で大学に行って、惰性でバイトで稼いで。それから……。
あー、ねむい。まだ春休みだし、バイトの時間が数時間後だし。
まだ眠いからもうひと眠りしよう……。そうしよう。わたし一人なんだし。
「……リ! 起きて……!」
「んん……」
なんだろう。優しく揺れるゆりかごみたいな心地よさでさらに眠くなりそう。
声もまるでわたしの好きな人の声みたいで、より眠くなる。
「エ……リ! あーさー……きて!」
「うぅん……」
揺れがどんどん強くなる。んん、うっとうしい。
わたしの眠りを妨げるな。わたしの家だぞ。この家の自由はこの家の主である……。ん?
あれ、なんだったっけ。この違和感。うぅん……。
「エンリ、起きて―!!」
「んん……。あぁ……ユカリ? どうしてここ……っ!!」
突然ボディに走る痛み!
これは、ユカリのボディプレス!
「うぐっ!」
「ぐあー!」
お互いに大ダメージ。ユカリ、あんたも普通にダメージ受けるのね……。
「ぐえへへ、おはようございます、エンリ!」
「……人を起こすのに命がけすぎるでしょ」
「だってー! エンリが起きてくれないからこうするしかないじゃないですか!」
「それは、ごめん……」
朝が弱いっていうか、あんまり頭に血が回ってない感じがしてよろしくない。
ふあぁ……。あくびまで出るぐらいには眠いし、やっぱりもうひと眠りしようかな。
「ユカリ、二度寝してもいい?」
「ダメです! 朝食作ったんですから、温かいうちに食べてください!」
おぉ、わたしの彼女はもうお母さん気取りらしい。
んなわけあるか。この子はただ単純にわたしとご飯が食べたいだけだと思う。
でも勘弁してほしい。昨日やって来たユカリのために荷物を段ボールから取り出して、その辺に投げたり飛ばしたり捨てたり。
まぁなんというか。一日でやる量じゃなかった。
おかげで今日なんかソファーで寝てたし。二人でシングルベッドに寝る気力はなかった。
やっぱりダブルサイズベッド欲しいなぁ。とは思ってしまう。
だって狭いし。わたしも伸び伸びとベッドに横になりたいのだ。
ユカリがこっちに来てからというもの少し浮かれていたばかりか、疲れが真っ先に来ることになってしまって、彼女にもちょっと申し訳ないという気持ちもあった。
浮かれていたとは言え、金銭面の問題は本当に油断していた。
「だって、昨日の疲れが……」
「私も疲れてますけどぉ! それとこれとは別ですし」
まぁ朝食を食べるのは健康への第一歩とは言う。
でも多少抜いたって問題ないと思ってる。お腹は空くけど。
「それにこれでも怒ってるんですよ?」
「……ユカリ、まさかホントに抱かれて寝たかったの?」
「うぅ……それはっ! ……まぁ」
くっ! この女、本当にかわいいが過ぎるが?!
ダメダメ。クールにならなきゃ。寝起きでもちょっと頭を動かして……。
「分かったわ。今日の夜なら」
「やったぁ! 早くご飯食べましょ!」
「はいはい」
まだちょっと眠いけど。眠いんだけど……。
その辺は今後少しずつ合わせていこう。まだ同棲生活2日目なんだから。