ガンダムビルドダイバーズ リベスターズ   作:二葉ベス

3 / 16
それって焼き肉一択では?

「モミジちゃん、またやつれたでしょ」

 

 およそ3週間ぶりに会ったであろうちのっちが第一声で、本質を見抜いたかのような声を上げる。

 「そんな事ないけどなー」と声に出してとぼけるほど大人でもなければ、それが聞いてよと、悩みを共有するほどの出来事ではないので、自分の顔に笑顔の仮面を貼っつけておくことにした。

 

「だって、最近忙しそーにしてたでしょ?」

「ちのっちだって、ふあぁ……大概じゃん」

「ちのはいーの! それよりモミジちゃん、こんな時間にログインしてもセッちゃんはもう寝てるよ?」

 

 ELダイバーに寝るという概念があったのか。むしろそっちの方が驚きだ。

 

「別にそれが目的じゃないし」

「じゃー、傭兵稼業?」

「もち。最近なーんも出来てなかったしねー」

 

 結論から言う。確かに最近やつれた。というか仕事が忙しすぎるんだよ。

 年末年始の仕事がいつもどおり忙しいのは知ってたよ。これでも入社3年以上は経っている。

 けれどね、年末は厄年だった。後輩や同期がミスやらかしまくるから、こっちにまで仕事が回ってきて。はぁ、そりゃもうてんわわんやだったわ。

 

 まぁ、ちのっちがそれを察して言ってくるんだから、結構救われた気持ちにはなったけど。

 でもちのっちだってG-tuber活動で年末年始忙しいって聞いてたけど、なんだその変わらない顔色とボディは。呪うぞ。

 

「もう年始だしね。お仕事はおやすみ?」

「うんや。明日行ってから」

「うへー。ちの、絶対就職したくない」

 

 あんたなら十分G-tuberとして成功してるでしょうに。

 知ってるんだからな、あんたが普通に収益化してるの。結構トップ層にいるよなぁ?!

 

「インターンでもさせてやろうか?」

「勘弁。ちのちゃんは~、遊んで暮らした~いの~」

「あー、ファンのみんなが聞いたら幻滅するだろうなー」

「本心じゃありませんー! でももうちょっと稼ぎがあったらいいなーって思うけどね」

 

 曰く、同じG-tuberの中では稼いでいる方だと言うが、1人と1機で生活できるほどのお金はもらっていないとのことらしい。アルバイト感覚ってことか。

 

「って! ちののことはいーの! モミジちゃん、最近食べてないでしょ」

「た、食べてますが?」

「嘘だぁ! だって頬とか結構シュッとしすぎてるっていうか。ちょっと骨がうっすら反映されてるんだから」

 

 嘘でしょ。慌てて鏡を見て唖然とした。マジかー

 

「忙しいのは分かるけどさ、もっといいもの食べてよ」

「ちのっちはあたしのおかんかっての」

「じゃあ今度お母さんのお金でどこか行きますか? リアルで!」

 

 GBN内じゃカロリーに反映されないでしょーが。

 まぁ、食べるのであればやっぱりあれかな。

 

「肉食べたい。にんにくたっぷりなやつ」

 

【それって焼き肉一択では?】




年下の配信者の奢りで、焼き肉を食いに行く元ギャルがいるらしい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。