プロローグ
人は恋をすると、世界が色付いて見えるのだという。
モノクロだった日常が彩られた様に見えたとか、日常を形作る全てが輝いて見えるとか、よく聞く表現だとそういうヤツだ。恥ずかしながら俺自身がそうだったから、恐らく間違いない。
烏の濡れ羽のように艶やかな長髪に、均整の取れた目鼻立ち、そんな凛とした雰囲気とは180°反対な悪戯っぽい笑顔。
彼女──
とある理由で進学することになってしまった高校に絶望していた俺は、彼女に出会ってから息を吹き返した。モノクロだった世界が色づいて見え、彼女と同じクラスということもあって日常全てが輝いている様だった。
恋は盲目、そんな格言に然りと頷けるほどの変化だった。
そのおかげで、キャラの濃い級友とも仲良くバカを出来る様になったのだと思うし。
だからこそ、告白するという勇気を振り絞ることが出来たのだろう。
「烏羽さん、初めて会った時から好きでした! 付き合ってください!」
我ながらベタな話だが、クリスマスイヴの日だった。いつもバカやっている連中とのパーティーに向かう、2人きりになれるよう気を使った夕暮れの道。
「……やっっと告白してくれた! ずっと待ってたんだからね、ボク」
一世一代の告白に対し、夕陽の色に染まった顔で烏羽さんははにかんだ。
「え……あ……え……?」
「ほらほらどうした〜? 告白しておいて、彼女の手を握る勇気もないのか〜?」
あまりにも呆気なく終わってしまった告白に、呆気に取られながらも差し伸べられた手を取って。その手が、冬の寒さに冷え切っているのにとても暖かかったことを覚えている。
「さあ、これでボクとキミは相思相愛! あのバカ共にラブのハリケーンを浴びせに行こう!」
「え、あ……そう、ですね?」
「ちょっと、これじゃボクだけが舞い上がってるみたいじゃん……
恥ずかしそうに笑いながら烏羽さんは言って、ようやく思考が現実に追いついてきた。
「ちょっと、信じられなくて思考が追いついてませんでした」
頷きながら、頭を振って正気に戻る。きっと今の俺も顔は真っ赤な染まっているのだろう。そんなことを思いながらも、なんとか笑い返して。
「あ、雪……」
「ホワイトクリスマスだね」
「ですね、そんな予報無かったのに」
「ボク達を祝福してくれてるんじゃないかな。それと、その敬語やめない?」
「そうですね……あ、そうだね……な?」
なんて、我ながら初々しいとしか思えない会話をしながら、雪が舞う小道を歩き始めた。
そしてこれが、私立
「[#0000ff]い空! そして[#ffffff]い雲! 絶好のデート日和だと思わない? コウ君!」
「あれぇ……!?」
始まった2年生最初の日、我が校特有のクソ理不尽が遂に俺にも降りかかってきた。混乱は収まらないが、それでも彼女の笑顔と[#000000]髪が空に映え──ファッキン!
アイエエエエ! カラーコード!? カラーコードナンデ!?
「そんなに驚いてどうしたのさ、綺麗な[#ff0000]い目を右往左往させて」
おおブッダよ、あなたは今も寝ておられるのですか!
真っ暗な話ばっかり書いてたので明るいのを書きたくなって書きました。
大体こんなお話です。