いろは「"人を助ける"って、楽じゃないよ】   作:一時キリカ

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「注意事項です。この小説では、二人の視点を交代して話を進む事が頻繁に起こります」

「タグにもあるけど、片方はオリキャラで別作品と強く関わるよ」

「原作のマギアレコードと設定や物語を変えたり、キャラ崩壊も有り得るので注意してくださいね? それでは、マギアレコード始まります!!」





Episode10【Be The One・重なり合う魂の本質】

 

 

ねえ、聞いた? 誰から聞いた?

 

私は友達から聞いた。

 

ある服を着ていると、不幸な目に遭う噂!

 

それを体験した友達は....

 

 

――みーんな、ボロボロで血塗れになるの

 

 

それでみんな口を揃えて

 

 

「私じゃない」 「知らなかった」

「助けて」

 

「来ないで」

「何もしてないのに」

 

 

ピンクと黒の魔法少女を見つけたら、

 

気を付けて....

 

 

..."絶対に逃げられない"から

 

 

 

It's such a bad day today(今日はなんて厄日だ!)

 

 

−−−−−−− −−−−−−−ーーーー ーーーーーーーーーーーーー

 

 

一時 紫百合いろは

 

 

 

 

 

 

バキィッッ!!

 

 

「あーもう、動かないでよ。動くと"当たらない"でしょ?」

 

「戯け。 大層な"モノ"を持っておるのに、好き好んで当たろうとする者はおらん」

 

今まで見たこともない大剣を振り回すいろは、そして振り回される大剣を避けるゴスロリ少女だ。いろはが使っている大剣は、"斬った箇所(キズ)を治せない"...そんな呪い染みた能力、主な被害者たるマギウスの翼に限らず脅威に値する。

 

魔法少女の中にも"治癒"を得意とする者もおり、魔女相手に戦う魔法少女チームからすれば"普通の日常"に生きて帰る為の保険だ。

 

 

((傷が入った箇所を強力な呪いで纏わせ、外部からの干渉を弾く魔剣。原因たる呪いを解かない限り医療どころか、治癒魔法も役に立たない.....そもそも元の持ち主は))

 

「改めて見れば....そんな武器(モノ)、お前の身の丈には合わんよな」

 

「......アハッ♡」

 

いろはの目に、建物の隙間から僅かに照らされる。光に照らされても尚、どこまでも黒く濁った桃色の瞳。指摘された事により無表情へと変えた顔は、唐突に口が裂けんばかりの笑顔へと再び変える。

 

 

当然だよ! これは"拓未さんの剣"だからっ!!

そんなことぐらい....

 

 

――"ユネス"さんだって分かってるでしょ!!

 

 

 

 

―――― ユネス ――――

 

 

拓未の一番最初の仲間であり、始祖吸血鬼をベースにした精霊の亜種となる"Returner(朽ちぬ者)"、その中でも特別な"OriginAL(創られし者)"。本来知る筈のない彼女を、まるで"今まで見て来た"かのように真名看破する環いろは。

 

 

「....故に解せんのだ。"八つ当たり"に使う馬鹿者に、力を貸す理由が見当たらん。(わたし)達の過去を見たのならば、尚更だとは思わんか?」

 

 

「思わないよ」

 

「....即答か」

 

「だって...."私達"が守るんだから!!」

 

擬似憑依(ソウル・トレース)

 

ジャラッ!

 

「ふむ」

 

トプンッ!

 

いろはが投影した鎖の数々がユネス襲いかかるも、届く前に"血の壁"が鎖を呑み込んで消滅する。

 

 

シュンッ!

 

「油断大敵だよっ!」

 

シュッ!

トプ..

 

ボンッッ!!

 

「....考えたな、投擲武器を爆破させるなど。エミヤを参考にでもしたか?」

 

「♪」ニコニコ

 

カッ!

 

「"ブラッド・スフィア"」

 

投影したダガーを血で受け止め、それに対して爆破。先程壁になった血は文字通り"血の雨"となった。次にユネスが戦法に関して指摘するが、いろはは気味が悪いくらいに笑顔を向けるだけ。次の瞬間、ユネスの足元に光が膨らむ。

 

 

―――間一髪の所で、自身の周囲を赤い結界で防ぐ。

 

 

「残念、いけると思ったんだけどなー」

 

「....このやり口」

 

 

「じゃあ、"次"行くね?」

 

彩色憑魂(ソウル・カラーズ)黄色の弾丸

 

ズズズッ...

 

パシッ!

 

「"見滝原ベテラン魔法少女"の力、宛にさせてもらいますよ...!!」ダッ!

 

 

いろはの服装が侵食するように変わり、ブラウス、茶色のミニスカート、ベレー帽やコルセットへと変化している。またソウルジェムの色はそのままで、変身先と同じように髪飾りとなっている。

 

変身を終えたいろはは、リボンを生み出しては"マスケット銃"へと変化させて手に取って走り出す。

 

 

 

「拓未の"−変身(シフト・チェンジ)−"

 

 

――――いや、これは.....」

 

 

「やっ! とっ! はっ!」

 

バンッ! バンッ! Bang!!

 

 

「コフィン!」

 

 

ヒュー....ガンッ!!

 

カカカンッ!!

 

 

「まだまだだよー♪」

 

バンッ! バンッ! Bang!!バンッ! バンッ! Bang!!

 

 

 

召喚された紅い棺に、いろはの放つ弾丸を遮る。それでもマスケットを撃っては捨て、繰り返し撃ち続ける。これに動けないユネスは、ただ棺の後ろから離れはしない。

 

 

シュルッ....

 

レガーレ(捕まえて)

 

ガシィッ!

 

「ぬぅ...っ!!?」

 

「そのままこっちに」

 

ズズズ

 

 

瓦礫の隙間から黄色いリボンが蛇のようにユネスを棺ごと絡みつき、無抵抗な彼女を自身の前に来るようリボンで運ぶ。

 

 

「それで...なんだったかな?ユネスさんが"私達"を叱りに来てー」

 

「......」

 

「私に捕まっちゃった! 拓未さんの記憶と違って、呆気なさ過ぎだよ〜!!」アハハ!

 

「―――まるで"愚者"だな。

 

ここまで狂い切れば、自分すらも分かりやしない。今のお前では、寝ている拓未を任せるなぞ夢のまた夢よ」

 

「...黙ってよ」

 

 

ガンッ!

 

ガンッッ!

 

 

ガンッッッッ!!

 

 

巻き付いたリボンで、ユネスの上に棺が乗るよう地に何度も叩き付ける。人間なら"即死"だ、魔法少女なら"再起不能"。

 

リターナーは...."軽傷"で済む

 

 

それを身を持って知っている、私達だからこそ躊躇なく行う。拓未さんの願いから生まれたリターナーは、元々から生存に特化している。自分の義姉と喧嘩するのは今更で、あの時はよく拓未さんに止められたんだっけな...

 

 

――――何を呆けている

 

 

「まだ口答えする元気があるんだね、ユネス」

 

 

 

ガバッ!!

 

 

「それはケホッ!....そうじゃろ。お前の自分勝手さには、毎度手が焼ける。幾度も尻拭いさせられる妾のことも、偶には労え」

 

「そんなの知らないよ、だって私達は....私達は.....」

 

フラッ...フラ....

 

シュゥゥウ....!!

 

突然いろはは立ち眩み、変身していた姿にも変化が起きる。自身が纏っていた魔法少女の力は崩れ落ち、蒸発するように消えた。

 

 

「さっき知った妾が言うのもなんだが.....ようやく気付いたか、お前の"自己矛盾"を」

 

 

「私は....私は....!! なんで、いままで、私は、っ!!」

 

ワタシタチハ、"マチガッテナイ"。

 

「違う、違うよ、こんなの拓未、さんが、望んで、...!!」

 

 

ユルサナイ...ワタシタチヲヒキサイタヤツヲ!!

 

「聞いて、よ、! 拓、未さ、んの、₢₴ならッ!!」

 

 

過呼吸したかのように、ふらつきながらも上手く話せないいろは。しかし....その言葉を投げた先は、ユネスではない。

 

 

――――ここには居ない"誰か"だ。

 

 

カランッ!

 

「えっ...(人の..."骨"?)」

 

 

壊してやる.....

 

一片すら残さず壊してやるわ....!!

 

 

【――――――――ソウル:――――】

 

パキパキパキ!

 

「まって...いやっ...!!」

 

 

「やめんか、"紫百合"ッッ!!」

 

 

 

[いたぞっ!!]

 

「なっ...マギウスの翼だと!?」

 

いろはは紅い彼岸花に絡みつかれ、"誰かの骨"が自分を寄生するかのように纏い始める。そんな状況に、黒いローブを纏うマギウスの翼達が大群を率いてやって来る。

 

 

["環いろは"だ、殺せっ!!]

 

[やっと...やっと...同じ目に合わせられる!!]

 

[仲間の"仇"、楽に死ねると思うなッ!!]

 

[私に殺らせてよ!! アイツのせいで...!!]

 

 

[どいてよ、ボクが先なんだからっ!!]

 

ゾロゾロ....

 

 

怨念を発しながら、迫る黒羽根達。最早理性など無い、討死になろうとも、"死なば諸共"と狂気と殺意を増して襲いかかろうとする。それ程までに、いろははマギウスに属する魔法少女を敵に回したのだ。

 

 

「来るなっ!! 早死にしたいか、貴様らッ!!!」

 

 

「来な...い...で」

 

壊して...償わせてやる!!

 

 

「あっ....」

 

 

いろはの左半分の髪は黒に染まり、左目は桃色から紫色へと変色する。遂に表に出てしまったのだ。

 

 

――――憎悪に満ちた彼岸花が。

 

 

「.....憑依変身(ソウル・コネクト)、"リリィ・ブラッド"』

 

憑依変身(ソウル・コネクト)烈華/時壊(リリィ・パラドックス)

 

 

カッッッッ!!

 

禍々しい黒い閃光と共に、いろはから発する衝撃波がユネスを除いて何もかも吹き飛ばす。

 

廃墟のビル?

 

ああ、消えたとも。ユネスの血で護られたマギウスの翼はともかく、人間の手で作られた物では存在が"朽ちて"しまう。

 

それをやって、やっと存在が"確立(へんしん)"する。紅いドレスに、心臓を掴んでいるような骨の装飾、ノイズを発するローマ数字が浮かぶ。

 

 

「紫百合よ、今から何をする気だ?」

 

「"鏖殺"、拓未を苦しめる者に"時間(いのち)"は必要無い。私達は、ただ償わせるだけよ! これは決定事項だ、姉様に邪魔なんかさせません』

 

 

一度の会話に、口調が激しく変化する"いろは"だった者。いろはと紫百合が混じり合い、別の生命体へと"進化(へんしん)"した。しかし...紫百合は、数々の人格が存在する。今のいろはは、砂漠の中に埋まる宝石と変わりはしない。

 

 

 

「お前がこのまま鏖殺したとしよう。拓未が護ったモノを壊して、悲しまないとでも言うか?」

 

「朽ちれば良い....朽ちれば良い....私達は決めた、たかが人間のちっぽけな時間(いのち)

 

 

 

―――ちっぽけなんかじゃないっ!!

 

 

「...!?』

 

 

魔女の因子が強まり、愛した人以外を"害悪(てき)"と捉えて暴走した紫百合の意志。その中で"ちっぽけな存在"が、その意志を否定する。

 

 

「アナタには許せるの!? この恩知らずの屑どもに、私達が愛する彼を踏み躙る愚行をッッッ!!』

 

 

―――そんなことしても、

誰かがまた悲しむだけだよ。

 

 

「知った事じゃない! 私達は...!!』

 

 

――――もうやめようよ、39ちゃん。

 

 

「...!?』

 

 

――――誰も傷付けたくないよね、

 

....私もそうなんだよ?

 

 

「私達は...私は.....』

 

スゥ....ポロッ....ポロッ....

 

 

赤いドレスは紫色に変色し、骨の装飾はポロポロと崩れ落ちる。さっきまで無かった黄緑色のカチューシャが投影され、"本来"の紫百合へと再統合される。

 

 

―――もう...見たくないの。誰かが傷付く姿なんて...

 

 

「うん...帰ろう」

 

 

「全く、心臓が止まるかと思ったぞ。いや....元から止まっておったな、妾ヴァンパイアじゃし」

 

「すみません、手を貸してくれませんか...?」

 

 

ユネスはいろはの言葉に、彼女の脚を見ると...いつ倒れてもおかしくないくらいに、ガタガタと震えていたのだ。それに気付くと、とっさにいろはに肩を貸す。

 

 

「手間のかかる妹が増えおったのぉ」

 

「あはは....」

 

気絶したマギウスの翼達を残し、立ち去る二人。本来大きく取り上げかねない事件だが...."不自然"にも、話題に上がることは無かった。

 

こうして新たなみかづき荘の住人が一人、加わる事となった。

 

 

 

 

 

 

――――残るリターナーは、"8"人....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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