「久しぶりの~っ……!
たのもーーーーーっ!!!!!」
まあ大きな声。夕時にこれって近所迷惑レベル。
その気合の入りようが明白な声ときたら、ここが最後のジムであることまで物語るかのよう。
もっとも、ナギサシティは北上すればポケモンリーグという地理的特徴もあり、ナギザジムはバッジを集めるトレーナー達が最後に選びがちな場所でもある。
ああ多分今回の挑戦者もそうなんだろうな、というのを察しやすいのは、ナギサジムの面々であれば尚更のことでもあったり。
「プラッチ! 応援してよ!
男に二言は無いはずだっ!」
「わかってるってば。
もう機嫌直してるから、気兼ねなく全力で戦っておいで」
「よーしやる気出た!
たーーのーーもぉーーーーーっ!!」
ナギサジムの扉を開けてすぐの第一声、さらに続けてもう一度この大声。
なんか今回の挑戦者はすげぇなと、ジム生達も苦笑する。
うるさいだとか感じるより早く、でかくてよく通るこの声と、それに込められた決意の強さっぷりへの感嘆の方が勝ってしまう。
パールはとても気合充分だった。
先程、へそを曲げてしまったプラチナと一緒にナギサジムに着いたのだが、さあ入ろうかというところでプラチナの手を握ってでも足を止めて。
怒ってないで応援してよと切実な目で懇願。甘えるだとかそういう次元ではなく、応援してくれなきゃ絶対やだと、少しむくれて眼力で訴えかけるものである。
しばらく歩いていれば先の不機嫌もクールダウンしたプラチナ、自分に応援して貰えなきゃ面白くない彼女の顔には、根負けするのも早くって。
わかったよ、もう怒ってない、ほんとだよ、と表情を柔らかくして応え、しっかり応援する言質を取らせてあげる。
まあその後、ほんとのほんとに? とか、絶対だよ、とか、ぶすぶすに釘を刺されまくったのは正直面倒だったけど。
厄介な親友だが、あなたに応援して貰えなきゃやだやだと心から請うてくる相手はやっぱり愛おしいものだし、結局すべてひっくるめて許してしまう。
ああ嫌だ嫌だ。こんなちょろくさい自分が。本当、先に惚れた側は損である。
「待っていたよ。
さては、君がパールだな」
「はわっ!?
そ、そうですけど……デンジさんですよね?」
「知って貰えているとは光栄だな。
オレがナギサジムのジムリーダー、"デンジ"だ。
君にとっては、乗り越えるべき最後のジムリーダーってわけだな」
パールにはじめに声をかけてきたのは、受付の人でもなく、ジム生でもなく、その大声を聞いてジムの奥から姿を表した人物だった。
デンジの顔は、パールもここに来る前ポケモンセンターに寄った時、プラチナと一緒に暇潰しで読んでいた街のパンフレットを介して一度見ている。
エネルギーに満ちた今のナギサシティの立役者として、昨今デンジの扱いは、街単位で例年より少し大きくなっているのだ。
ナギサシティの魅力を伝えるパンフレットに、デンジの特集なんてのも組まれたりしていたため、目に触れやすかったということである。
「えっ、私がバッジを7つ持ってることを既に知られてる風」
「よく知ってるぞ。
ハクタイビルで、トバリシティで、リッシ湖でギンガ団に挑んだだとか、一度敗れたトウガン氏に一匹で3タテしたとか。
手持ちはドダイトス、レントラー、トリトドン、ミミロル、ニューラ、フワンテだろう?」
「知られ過ぎてる!?
どこにスパイが!?
……はっ!? まさかプラッチ!?」
「なんでだよ」
色々有名になってしまうことはしてきたが、手持ちにフワンテがいることまで知られていることにパールは一番びっくり。
それってつい最近のことだもの。情報が最新すぎる。
冗談なのは勿論としながら、そこまでの情報を握ってるのはプラッチぐらいしかいないのでは、というパールの主張はだいたい正しい。
「無鉄砲で、向こう見ずで、恐れ知らずの怖いもの知らずらしいな。
そばで面倒見る人も大変だ、って聞いてるよ」
「プラッチー!
いつの間にデンジさんと連絡先交換して愚痴ってるんだー!」
「ナタネさんでしょこれ」
「私もそんな気がしてる!」
「ははは、ご名答だ」
パールの性格のそういう所を、やたらと強調して人に伝える人といえば、パールもプラチナもピンときた。プラッチに一度絡むのはやはりジョークの一貫。
確かにナタネなら、パールがフワンテを手持ちに持っていることも知っていよう。ハクタイシティで6人の仲間達にもみくちゃにされたパールを見ている。
どうやらデンジには、だいたいパールの情報は入っているらしい。何しろ情報源が、パールのことを本当によく知っている。
「並外れた情熱と、人一倍のポケモン達への愛情、そしてその年とは思えないほどの実力者とも聞いている。
必ず近いうちにここに来るから、覚悟しておきなさいよとまで言われたよ。
君はあのナタネに、相当買われてるみたいだな」
「ええぇぇ、嬉しい……!
ナタネさん、私のことそんな風に……」
「ははは、その反応も聞いたとおりだな。
私が褒めてること教えてあげたら、顔を真っ赤にして喜んでくれそうだってね。
そういうところが可愛いんだとも言ってたぞ。君達ラブラブだな」
「お、おおぅ……
なんかどういうリアクションすればいいのかわかんなくなった……」
ここにいもしない人の発言で翻弄されまくるパール。
本当にパールにとってのナタネさんは特別だなぁとプラチナもしみじみ。
これは嫉妬しない。ナタネさんは女性だし。
「一昨日、いきなりナタネから着信が入った時はけっこう驚いたんだぞ。
ジムリーダーは全員連絡先を交換してはいるが、男性陣と女性陣のあまり繋がりはそこまで強くないからな。
女子同士だけのグループチャットに俺達が入っていくわけもないし、逆も然りでジムリーダーとしての業務以外で連絡を取り合うことは少ないんだ。
それがいきなりナタネから電話だから、こっちも少しドキッとしたもんだ」
「あー、それすっごいわかります!
期待しちゃいますよね! なにせナタネさんって美人ですし!」
「まあまあ、冷静に考えてそんなわけはないんだけどな」
デンジもそんなことはあり得ないとわかっているし、冗談として語りながらパールを楽しませる。
ナタネから聞いた話を聞く限り、パールも彼女に相当なついている気配がぷんぷんしたし、ナタネの話をしたら喜びそうなので。
本当、たいしたことない内容だというのに、ナタネのそんな話を聞いただけで勝手にナタネの可愛さを褒め、きゃっきゃ喜ぶパールなのでどんぴしゃりだ。
好きな相手にはとことんこうなのだろう。
そしてデンジはそんなパールを見て、大好きなポケモン達にとってもそうなんだろうなと、容易に推察できる結論に確信を得る。
「実はここ最近、オレはジムリーダーとしての業務に今一つ身が入らなくてね。
いざオレに挑戦してくる者がいても、どうにもみんな手応えが無いんだ。
熱くなれないポケモンバトル続きで、情熱が薄れてきている自覚もあるんだよ」
「うっ……そういえばデンジさん、シンオウ最強のジムリーダーだってウワサですもんね……
で、でもでも、がっかりなんかさせませんよっ!
絶対みんなが、あなたを打ち負かしてくれますから!」
「ああ、そうかもな。
ナタネははっきりとオレに言ってくれたよ。
凄い挑戦者が来る、あんたは負けるしバトルの熱さを思い出す、ってね」
凄い挑戦者とな。
文脈上、自分のことを言われているのはわかるのだが、そういう言われ方をされるのが寝耳に水なので、パールは思わずプラチナの方を見る。
君でしょ、と無言で両手の人差し指でパールを指すプラチナ。
自己評価が高くないのは知ってるけど、いちいち話の腰を折らないで頂きたいのでプラチナも投げやりになっている。
「それからというものの、楽しみでね。
ジム生達とのバトルはもう結構だ。
手の内を見て知ってしまっても興が削げてしまうしな」
「わ、わ、いきなりですか?
ちょ、ちょっと心の準備が流石に出来てないんですけど」
「いや、今日はもう遅いし明日でいいだろう。
ギャラリーも少し多めに集めてみる。明日の昼、思いっきりやろう。
ジムリーダーにそこまで言わしめた君の実力、見せて貰おうじゃないか」
デンジがパールを見据える目は、既に今からわくわくしている想いに溢れている。
一方、そんな眼差しを向けられてしまうとパールったら、そんな期待に応えられるんだろうかと表情が硬くなってくる。
自分が強いんじゃなくみんなが強いだけ、が根本的な信条にある子はこういう時に、任せて下さいなんて胸を張って言えやしないのである。
「え、えぇと……お手柔らかに……」
「…………ふむ、そうか。
なあ、パール。一つだけ聞かせてくれ」
「は、はい? なんでしょ?」
緊張し始めたパール。こうなるとあんまり強そうな挑戦者には見えない。
だが、ナタネから聞いた彼女の性格を鑑みると、こんな時のパールの本質をどうすれば炙り出せるか、デンジには何となくわかる。
シンオウ最強のジムリーダー、洞察力とて一級品だ。バトルにおける駆け引きの強さは、根本的なそうした素養に由来するものではる。
「ポケモン達のことは好きか?」
「あっ……はいっ!
死ぬほど好きです! 世界で一番、誰よりも大好きですっ!」
この問いかけにだけは、どんなに硬くなっていたとしても、すぐに我に返って大きな声で即答できる。
それも、特上の強い言葉を使ってだ。使わずにはいられないほど。
概ねわかっていたことながら、こうして改めて人並はずれたポケモン達への愛情を証明してみせる姿は、やはり本物だとデンジには嬉しくなる姿。
「そう、その調子だ。
君が愛情を注いできた、そしてその愛情に応えて強くなってきた仲間達の強さを、オレの前に見せてくれ。
物怖じする必要は無いさ、君にはそれが出来る力がある。
君のポケモン達には、それが出来る力が既にあるはずだ」
「……えへへっ、そうですね!
私のみんな、ほんとに凄いんですから!
世界一誇らしい、自慢の、大好きな、かっこいいみんなですから!」
不安は消えた。
パールの引けた腰も、弱気な少女が実力を発揮できず不完全燃焼に終わるというデンジの懸念も。
明日のジムバトルは決して期待を裏切るまい。デンジの高揚感は静かに燃え上がっている。
「明日はよろしく。
忘れられない一戦にしよう」
「はいっ、絶対に!
……最後のジムバッジを獲得した、忘れられない記念日にしてみせますからね!」
パールとデンジが、ぎゅっと握手を交わす。
デンジは小さくて柔らかい女の子の手に、子供ながらに侮れぬその実力の片鱗を感じていた。
幼いなりに、力が入っていたからだ。無自覚なれど決意の表れ。女の子が、これから挑む相手の手を、こんな力で握る根拠はそれしかない。
己ではなく自分のポケモン達の強さばかり誇るパールだが、それに支えられどここまで至った彼女もまた、精神的にも成熟したトレーナーに決まっている。
わかっているはずのことでも、やはり実感すれば違うというものだ。
誰しもが夢見る、最後のジムバッジの獲得。
そしてその先に広がる、チャンピオンロード。
長き夢路の最果てを目の前にしたパールの瞳は、デンジを見上げて燦然と輝いていた。
「あ~、疲れた……眠いなぁ……」
ナギサシティのポケモンセンターで一夜を越すパールとプラチナ。
夜更かしもほどほどに、明日に向けて早寝した方がよさそうなものだが、プラチナはポケッチをいじりながらなかなか寝ようとしない。
今日は楽しかった。表面上は落ち着いていたプラチナだが、内心では結構はしゃいでいたものである。
シャワーを浴びてベッドに横たわれば、程よく体力を使い果たした体は強い眠気を訴えてくるのだが、どうにか暇を潰しながらプラチナは目を開けている。
絶対、パールから声がかかると確信しているからだ。
明日は最後のジム戦だ。チャンピオンを目指す旅の最終関門。
それを翌日に控えたパールが、今頃そわそわしていることなんてプラチナからしてみれば目に浮かぶというもの。
ずっと一緒に旅してきたのだ。とりわけ単純な子だし、これだけ長く一緒にいればわからないはずがない。
「――――あっ、やっと来た」
ポケッチが鳴る。パールからの着信音だ。
だいたい何を言われるのかも予想済みのプラチナは、眠い目をこすって頭をしゃんとすると、通話状態に切り替える。
『プラッチ~……』
「はいはい、緊張して眠れないんだね」
『そっち行っていい~?
相談に乗って~』
もしもし、という一言を発さず待っていたら、向こうの弱った第一声。何もかも予想通り過ぎてちょっと笑っちゃう。
しかし、そっち行っていいかと言われるとプラチナも少し言葉に詰まった。
いやいや、待って? それはあんまり良くないでしょと。
「……だめ」
『えーなんで!? いつもそうやってきたじゃんー!
明日はすっごく大事は日なんだよ~! ほぐして~!』
「だめなものはだめ」
『なんでそんな突っぱねなの~?
たすけてプラッチ~! 緊張して眠れないよ~!』
今日は早く寝なきゃいけないとわかっていて、それでもこんな夜遅くまで起きてる時点で、寝ようとしても寝れないのだろう。
パールはとても焦っていらっしゃる。この緊張をほぐすことを、友達との会話に縋るぐらいに。
でもプラチナはパールを部屋に入れたくない。
夜長にパールをちょっと部屋に招くぐらいのこと、今までもやってきたことなのに、最近はなんだかしづらくなっているらしい。
「……もうパールだって、チャンピオン一歩手前のトップトレーナーでしょ。
自分のメンタルコントロールぐらい自分で出来るようにならなきゃ。
電話ぐらいだったら聞いてあげるけどさ」
『えー、おかしいおかしい!
電話がいいなら別に直接話してもいいじゃん~!』
「一緒じゃないから来たいんでしょ。
なんだったら電話切るよ」
『いじわる~!
言ってることはわかるけど急に突き放されると寂しいじゃん~!』
駄々をこねるパールの大声が電話越しに聞こえてきて参る。
緊張するからプラッチに会いに来たい。直接会ってお喋り出来れば、硬くなった心もほぐれるかも、とパールは言ってくれている。
嬉しいんだけど。そう言ってくれること、思ってくれること、彼女の中で自分がそれだけ大きいことが嬉しいのだけど。
お互いそうだと自覚した上でデートした経過があると、寝室に女の子を招くことにプラチナはひどく緊張してしまうらしい。
だって僕、男の子だよと。で、君は女の子だよと。
別に一緒に寝るわけじゃないけど、異性の寝室に夜遅くに来るなんて心配になるよ、と。
何をしょうもないことを考えているんだと客観目線ではぼろかすに突っ込める悩みを、糞真面目に抱えてプラチナはパールを部屋に招きたがらない。
これを15歳過ぎが思うならまだしも、11歳で何をそんな先のことまで勝手に想像して、己と相手に自粛を強いようとしているのかと。
プラチナは紳士である。でも耳年増である。そしてちょっぴりスケベである。
お利口さんで色々知識を持ち過ぎているのも考えものというところ。
「…………あのさ、パール。
これだけは言っておくよ」
『なになに、そんなかしこまって言うこと何かある?』
「パール、アカギさんに勝ったんでしょ?
それも、完全に手加減なしのアカギさんでしょ?」
埒が明かないので、プラチナは元々用意していた言葉を早々に紡いだ。
パールの緊張をほぐすには、彼女に自信を持たせるには、これが必ず一番効く。
現にあれだけ騒がしかったパールが、プラチナのその言葉を聞いた途端に、ぴたりとおとなしくなるんだから効果覿面だ。
『……………………うん』
「本気のナタネさんだとか、下手したら本気のシロナさんだとか、そういう人達に匹敵するほどの相手だったはずだよ。
それに勝ったパールが、手加減してくれるジムリーダーさんに負けるの?
ぶっちゃけ僕、それだけは絶対あり得ないと思ってるんだけど」
『そ……そう、かな……?』
「パール、強いから。
パールの育ててきた子、みんなみんな強いから。
何にも心配になることないから、今日は安心してゆっくり寝て、明日は万全の状態で挑めばそれだけでいいよ」
理屈の通った発破を最も信頼する親友にかけて貰ったことで、電話の向こうでおとなしくなったパールが、それを反芻する姿が目に浮かぶかのようだ。
効いてる効いてる。手応え充分。もう大丈夫だろうな、と、こんな短い会話だけで確信できる辺り、プラチナはパールの扱い方をわかり過ぎ。
「怖がらなくたっていいから、いつも通りでいなよ。
それだけで、必ず結果はついてくるからさ」
『………………あ、ありがと……
なんか、そう言って貰えると安心する……』
「負けたらパールが勝ったアカギさんにも、泥を塗る結果になるかもね。
パール憧れのアカギさんが、手加減ジムリーダーより弱いみたいなことになるかもしれないし」
『えっ、ちょっ……』
「じゃあね、おやすみ。
明日は頑張ろうね」
せっかく緊張が解けかけていたパールだったのに、プラチナは最後にちょろっとプレッシャーを促す言葉を添え、動揺したパールの声を向こうに通話を切る。
なんでこんな意地悪を最後に言いたくなってしまったのか、プラチナにもよくわからない。
好きな女の子に意地悪したくなる、男の子の悪いところがこんな所で出るとは、まして自分がそんなことするなんて、プラチナ自身も意外な心地。
でも、最後に慌てたパールの声は可愛かったとも思っちゃう。好き過ぎて変なものに目覚め始めている。健全かつよろしくない。
やってしまったことはどうしようもないのだが、まさかこれで嫌いになられたりはしないよな~……なんて少々の不安を抱きもしつつ。
そうしてベッドに潜り込んだら、ポケッチに短い着信音。
電話ではなくメッセージの着信音だ。
さて、イジワルされたパールからの反応たるや如何に。
プラッチのあほー! と短く吠える一文を見て、プラチナは寝る前に心地よく笑えた。
明日は大丈夫そうである。いつものパールだ。
プラチナは、露ほどもパールが負けるとは思っていない。デンジは強いのだろう。だけど、バッジを賭けたバトルでなど、決して本気を出してこない。
本気でパールを滅そうとしてきた数々の悪、それらを打ち破ってきたパールが、今さら本気じゃない相手に負けるはずがないと信じている。
勝負の世界は何が起こるかわからないし、負ける可能性があるとすれば、パールの精神状態がよほど緊張でかちこちだった場合ぐらいしか考えられないのだ。
そんな懸念も、概ね消えたと信頼できる。
明日はきっと、いや、間違いなく、パールが体いっぱいのガッツポーズをする姿が見られるはずだ。
明日が楽しみだ。プラチナは、確定した未来を夢に見ながら、今宵は枕を高くして幸せな眠りについていくのだった。
そうした彼の想いなど知る由もなく、くそープラッチめ~、とふくれっ面でベッドに潜り込んだパールもまた、若干不機嫌ながら眠りにつくに至りゆく。
よく寝て、元気な頭と体と心でジム戦を迎えられるだろう。
抜かり無き前夜。明日のコンディションはきっと完璧。
パールの親友にして、もはや彼女の敏腕マネージャーめいているプラチナ、なかなかたいしたものである。