ポケットモンスター・パールストーリー   作:ましゅ

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第29話   ヨスガシティ

「ふむ……まあ、こんなところだろう」

 

 ニルルとアカギのニューラの一騎打ちはしばらく続いていたが、ふとしたタイミングでアカギがニューラをボールに戻した。

 どちらもまだまだ戦えそう、しかし決定打一つで大勢決しそうな接戦だったため、パールもここからだと熱くなっていたところである。

 

「あ、あれ? アカギさん?」

「もう、勝負はついた。

 続けたところで君のカラナクシがニューラの隙を突くだろう。

 続けるだけ、互いのポケモンが傷を増やすだけだ」

 

 パールの目にもプラチナの目にも、勝負付けが済んだようには見えなかったが、アカギの目にはその先が見えたのだろう。

 勝敗に拘る局面であれば、最後までわからないの精神で続けてもいいのかもしれないが、どうやら今日はアカギにとってそうではない。

 ニューラの入ったボールを見下ろす、アカギの眼差しは冷静だ。

 

「こいつは少々、頭が切れる割には前のめりな所がある。

 今の戦いでも踏み込みが過ぎて、徐々に劣勢となっていた。

 後でその辺りは教え込むつもりだが、こいつも自覚はあるだろう。

 こちらにとっても良い経験となった。良いバトルだった、礼を言う」

「いいえ、そんな、こちらこそ。

 ニルルもいい経験になったよね、きっと」

「――――♪」

 

 はっきりとした勝利の形で戦いを終えられなかったことに首をかしげていたニルルだが、どうやら勝ちでいいんだろうと思って笑顔を見せてくれた。

 最後までやらせろ、という顔をしないのは、無為に傷付け合うことを好まない性分をしているからだろうか。

 そんなニルルを見て小さく笑っているのは、パールでもプラチナでもなく、他ならぬアカギである。

 

「ポケモンバトルと、傷付け合うだけの争いは違う。

 君のポケモンは、それをよくわかっているようだな」

「えへへ、わかります?

 みんな優しくていい子なんですよ」

「戦争や争いの無い世界、それが私にとっての理想郷だ。

 いつかそんな世界を、私の手で実現したいと思っている」

「わわ、すっごく大きな夢なんですね

 アカギさんもしかして凄い人ですか?」

「ふっ……さあな」

 

 大願を唱える大人は、子供の目には立派な人として映るものだ。

 パールには、アカギが腕の立つポケモントレーナーだと見えているから尚更なのだろう。

 はじめ怖がっていた顔はすっかり失われ、アカギを尊敬の眼差しで見上げるパールに、何故かプラチナが悶々としていたり。

 

「さあ、出口はすぐそこだ。

 私はもう少し、テンガン山を見て回ってから山を抜けることにしよう。

 ここでお別れだ、縁があればまた会おう」

「はいっ!

 アカギさん、よかったらまた会った時も、色んなことを教えて下さいね!」

 

 ご挨拶を済ませ、パールとプラチナは洞窟の出口へと向かっていく。

 外の日差しを目の前にした時、振り返ったパールの目には、見送ってくれているかのようにこちらを眺めるアカギの姿があった。

 すっかり敬愛の情を抱いているのかパールが笑顔で手を振ると、アカギもまた無表情ながら小さく頷いて応えてくれた。

 

 洞窟を出れば208番道路を経て、やがて間もなくヨスガシティである。

 薄暗い空間を抜けた二人を明るく照らす日差しは、これから何に出会えるのだろうというわくわくをいっそう駆り立ててくれるものだ。

 

「……僕もちょっと、ポケモンバトルが上手になってみたくなってきたな」

「えっ、プラッチ急にどうしたの?

 プラッチは元々強くない?」

「や、僕はまだまだ……いやぁ、別になんとなく……」

 

 ポケモンバトルに秀でた大人を前に、敬愛に満ちた眼をしていたパールの姿が、プラチナに今までと違う感情を抱かせているようだ。

 長く一緒に旅していれば、出会う前と違う見方を得ることもあろう。

 勿論そんな彼の内心なんて、パールも知る由無しである。

 

 

 

 

 

 テンガン山の洞窟とヨスガシティを繋ぐ208番道路は、ヨスガシティのポケモントレーナーが多い。

 道行く中でパールは何度もポケモンバトルを申し込まれ、最初のうちは良かったが、街に近付くに連れて、うちの子達疲れてないかなという懸念も膨らむほど。

 途中からは、じゃあ僕がとプラチナが申し込まれたバトルを引き受けたりもしたぐらいである。

 かつての彼ならあまりやらなそうなことだ。心境の変化は行動にも表れている模様。

 

 さて、そんな過程も経て辿り着いたヨスガシティ。

 シンオウ地方、西の中心地がコトブキシティだとすれば、東の中心地と最も謳われるのはこのヨスガシティだ。

 商業の発展と共に出来上がったこの街は、テンガン山を挟んだシンオウ西部との交易の要でもあり、人々の流入も多く人口も多い。

 特筆すべきは何と言っても、ポケモンコンテスト会場、ふれあい広場、ポケモン大好きクラブ、噴水など、憩いの施設や場が数多く目立つことだろう。

 坂道が少なく、子供にもお年寄りにも歩きやすい街全体の造りもまた、わざわざ語られることは少ないものの、この街の大きな魅力の一つである。

 ベビーカーを押すには怖い坂道一つ無いというのは、結婚したらこの街に住みたいね、という人が多い一因でもあろう。

 心が触れ合う場所、というこの街のキャッチフレーズは、実に偽りなくヨスガシティの在り方を物語っている。

 

「よしっ、ジムに行こう!」

「ええっ、パールのポケモンみんな疲れてるでしょ。

 流石に無謀過ぎない?」

「ご挨拶だけ! 明日来ます、っていうのだけ言うの!」

 

 しかし、パールの一番の興味はヨスガジム。

 何せ旅の通過点でも何でもなく、ジム目当てでここを訪れているのだから。

 しかしそれにしても、街に着くや否や、疲れたポケモンを引き連れながら早速ジム、とは、真意抜きにしてここだけ切り取ると戦闘狂みたい。

 そんなことはないけれど。アカギのニューラはアカギ曰く"前のめり"だそうだが、パールも大概な前のめりである。

 

 パールとプラチナはテンガン山より東側に来たことが無く、せっかく二人とも初めて来る街なので、散策だってしてみたいが今日はもう時間が足りない。

 山越えに、ポケモンバトルを繰り返しながらの208番道路を行く旅と、今日は案外時間をかけての到着だったのだ。

 今日のところはジムの場所だけ確かめて、ご挨拶だけして、明日以降この街を見て回ろうというのは、二人の間で暗黙めいて決まっている。

 というわけでジム。元気な足取りで進むパールに、プラチナもやれやれと微笑ましく思いながらついていく。

 

 が、いざヨスガジムに着いてみると。

 

「えっ、ジムリーダーさんいないんですか!?」

「ここしばらくはホウエン地方のポケモンコンテストの特別審査員として招待されていてね。

 今朝出発したばかりだから、当分の間は帰ってこられないのよ」

 

 受付の女性に突き付けられたのは残念なお知らせである。

 ホウエン地方といえばたいそう遠い場所であり、今朝出発したばかりの人が、明日や明後日に帰ってくるとは考えにく過ぎる。

 せめてあと二日でも早く着いていれば、出発前のジムリーダーさんと一戦は交えられたはずだったのだが。

 パールにとっては、ジムリーダーが帰ってくるまでに一番時間のかかる、非常に間の悪いタイミングでこの街に着いてしまった形である。

 

「"メリッサ"さんはこの街のポケモンコンテストでも、出場者としても審査員としても大活躍のスーパースターだからね。

 ジムリーダーでありながら、シンオウ地方随一の、ポケモンコンテストの有名人なの。

 他の地方のコンテストに招待されると断るわけにもいかないのよ」

 

「えー、どうしよう……

 一週間ぐらい待ってたら帰ってきてくれそうですか?」

「厳しいんじゃないかなぁ……

 コンテストの審査員だけじゃなく、向こうでの社交界にも顔を出すだろうし……二週間ぐらいは見て欲しいところよ。

 ヨスガジムではメリッサさんの立場上、年に何度かどうしてもこういう日が出来ちゃうの。

 申し訳ないけど、納得して貰えないかな」

 

「うぐぐ、仕方ないか……

 どうしようプラッチ、二週間もこの街で留まっていくのはなんか焦れちゃいそう」

「ジム回りたいもんね。

 ――すいません、僕達シンオウ地方の東側に来るのは初めてなんですけど、この街から一番近いジムのある街はどこですか?」

「それだったらノモセシティ……

 あ、でもこの時期は天気が悪いから、あまり212番道路を横切るのはお勧めしないかな……

 北に進んで、トバリシティに向かうのが一番いいんじゃないかしら」

 

 受付の人が詳しく語ってくれるには、ここから行けるジムのある街は二つ。

 北に進んで209番道路を経てズイタウンを越え、210番道路と215番道路を通って辿り着くトバリシティ。

 南に進んで212番道路を抜ければ辿り着くノモセシティ。

 こう言うとノモセシティの方が近そうで、まあそれ自体は事実なのだが、ヨスガシティとノモセシティを繋ぐ212番道路がまあまあの曲者らしい。

 

 かなり長い上に、海が近いせいか天気が悪く、足元の悪い湿原も通るため、一日では通過できない人もかなり出てくる環境だそうで。

 ましてこの時期は天候が悪く、観測ではどしゃ降りの可能性も高く、そうなってしまうと事故も増えるという話だ。

 212番道路は人行く旅路としてよりも、人には少し厳しい環境で、ポケモンのトレーニングに赴く積極的なトレーナーに愛される場所だという。

 今はそんな場所を通ってノモセシティに行くより、気候も安定する北へと進み、まずはトバリシティに行く方がいい、という見立てだそうだ。

 

「トバリシティに行ってから、そこからノモセシティに向かって、それからここに戻ってくるのがいいんじゃないかなって思うわ。

 それぐらいの日が経てば、きっとメリッサさんも帰ってきてるはずだからさ」

「わかりました。

 それじゃあ、その時はまた来ますからよろしくお願いしますね」

「ええ、ごめんなさいね。

 その時は、歓迎するわ」

 

 そうして次なる目標を見定めて、パールは前向きな気持ちでジムを去る。

 今日いきなり挑戦できなくたって、待つ間に並行して他のジムの攻略を目指していければ、決して時間の無駄にもなるまい。

 どうせこれから目指すジム二つ、今までのように一日で攻略できるとも限らないのだし、二週間ぐらいの時間はかかりそうだ。

 

「今日はもう疲れたね~。

 ポケモンセンターに行こっか」

「ああ、やっとその発想に至ってくれた。

 僕もう結構へとへとだったよ」

「あはは、ごめんごめん。

 でもジムにだけは行っておきたかったんだ」

 

 比較的安定した道を造られているとはいえ、テンガン山の洞窟を歩くのは足に疲れも溜まる。

 208番道路ではポケモンバトルも多かったし、まして普段は積極的にバトルしてこなかったプラチナは、今日はまあまあ疲れている。

 パールも実は疲れを溜めていたようで、ジムへのご挨拶という今日の最終目標を終えたら糸が切れたか、肩の力を無くしてすっかりお疲れの身体を表していた。

 

 一日一日、その日の終わりに疲れ果てたと思えるのは、ある意味ではすべての日が充実しているとも言える。

 新しい地を踏みしめ続ける旅。毎日が新鮮なのだ。

 この疲れは、大人になる頃には感慨深く思い返せる素敵な思い出が、いくつも出来上がっているであろうことを示唆する、先行き明るい疲れである。

 

 ポケモンセンターに泊まる夜、ナタネに電話して旅の報告をするパールは、今日はこんなことがありましたよと話したいことがいっぱい。

 どれも全てを楽しそうに聞いてくれるナタネも相まって、それはなかなかの長電話となってしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……む」

 

 夜、テンガン山の洞窟を抜け、夜空を見上げられる山の中腹まで上り詰めていたアカギの腰元で、通信機が電波を受信した震えを打つ。

 パール達に、もう少しテンガン山を見て回ると告げたアカギだが、もう少しどころの山への滞在時間ではない。

 山越えが目的だとパール達に告げていたことも、彼の今日の行動を鑑みる限り、真意であったのか怪しいものである。

 

「"サターン"か。どうした」

 

『トバリシティでの作戦遂行が順調であることを報告します。

 近日中に、ノモセシティに移す予定です。

 どちらかと言えば本題はこちらですね』

 

「ご苦労。問題が無いようならそのまま続けてくれ。

 そちらは変わらず、お前に指導権を預ける」

 

『かしこまりました』

 

 トランシーバーめいた通信機を片手に話すアカギは、この山奥にまで電波が届き、かつ会話の内容が万一にも傍受されぬ機械での会話を交わしている。

 有事の際には必ず報告を受けられ、そして誰にも聞かれてはならぬ内容をも話すには適した、そんな通信機。

 その用途は、まるで極秘事項を隠密に進める秘密組織のそれである。

 

『テンガン山に赴かれているようですが、そちらに変わったことはありませんか?』

 

「……そうだな。

 ジュピターから報告のあった、パールという少女だったか。

 偶然だが、彼女と思しき少女と遭遇した」

 

『む……いかがでしたか?

 マーズやジュピターからこちらも話は聞いていますが、幼くもそれなりに腕の立つポケモントレーナーだそうですね』

 

「粗削りだが、成長は早そうだな。

 軽く手合わせもしてみたが、確かに将来性のある育て方をしている」

 

『始末されたんですか?』

 

「いや、片付けてはいない」

 

 通信機の向こうからアカギと会話するサターンと呼ばれた人物は、危うい発想に思い至るのがやや早い。

 マーズとジュピターの名前を口にしていることから、彼もまたギンガ団の一員であることは明白だ。

 谷間の発電所やギンガハクタイビルにて、パールと呼ばれる少女がギンガ団の邪魔をしたことは既に知っており、彼女のことは敵と認識しているはず。

 そして将来性もありそうな人物と見えれば、物言わぬよう片付けてしまえと、11歳の女の子相手にも言ってのけるほどサターンの発想は冷徹だ。

 

『子供は成長が早い。ポケモントレーナーとしてであれば尚更です。

 アカギ様の判断で敢えて処分しなかったのであれば、お考えあってのことであろうとは存じますが……

 私には、念の為に始末しておいた方が得策であったと思えてなりません』

 

 そして、ギンガ団幹部のマーズやジュピターを呼び捨てにするサターンもまた、ギンガ団内ではそれに匹敵する立ち位置なのだろう。

 そんな彼がアカギに様を付けて呼ぶ辺り、アカギの立場とは察して余るべきものがある。

 これは確かに、傍受されてはならぬ会話というわけだ。

 

「ギンガハクタイビルに、ハクタイのジムリーダーのナタネと共に踏み込んでくるほどには、正義感の強い少女ということだろう。

 ナタネはそうした、正しい心を持つ子供とやらが好きだからな。

 大方、その後にでも連絡先の交換をしていることは想像に難くない」

 

『ナタネの性格を御存じで?』

 

「"シロナ"の友人だからな。何度かはシロナから話を聞いたこともある。

 そもそもシロナと気が合う友人で、離れた地で過ごす間柄でも親しいという時点で、いかに気が合うかは充分に察しがつくというものだ」

 

 アカギはナタネと面識が無い上で、彼女の性格を推察し果たしている。

 その性格について想像するだけでなく、彼女と行動を共にしたパールをどう見ているか、その後繋がりを持ちたがるであろうというところまで読み切っている。

 これはあくまで"念の為"の思慮だが、的を射て正解している点を鑑みれば、アカギの慧眼は只ならぬものがあると言えよう。

 

「下手に手を出し、少女とナタネが連絡付かぬことにでもなれば、ジムリーダーに強い異変への勘繰りを与えてしまう。

 既にそちらには、ギンガ団が暗躍していること自体は割れているだけに尚更だ。

 ギンガ団がジムリーダーの少女に手をかけた、とでも想像させてしまえば、シロナ共々黙ってなどいまい。

 ジムを放り出してでも、ギンガ団の足取りを追うことに向け、本格的に行動させてしまうことも考え得る。

 ……まあ、考え過ぎかもしれんがな」

 

『いえ、失礼致しました。

 確かに入念が過ぎるとも捉えられ得る理屈ですが、私は共感致せます。

 万が一にも、ジムリーダーやチャンピオンに我々との積極的な敵対を煽るようなことは避けるべきでしょう』

 

 ナタネは強く、顔も広い。そして彼女の友人というシロナもそう。

 既にギンガ団の活動を訝しんでいる両者なれど、共に本来の責務があるがゆえに、今はまだ大きな動きを見せずに済んでくれているに過ぎないのだ。

 はっきりと敵に回し、向こうが本格的にギンガ団と敵対することを選べばその日から、ギンガ団の活動への制限はかなり大きくなる。

 現時点では、アカギもサターンもそれは得策ではないと考える。

 

「時が満ちた時、あの少女が再び我らの道を遮るのであれば容赦は要らん。

 だが、今はまだそうした動きに移るのは時期尚早だ。

 もしも巡り会う日が訪れても、今は事を荒立てぬように片付けろ。

 時が満ちるまではもうそれほどかからん。少々の辛抱だ」

 

『かしこまりました。

 マーズやジュピターにも、そのようにお伝えしておきます』

 

 パールにとっては非常に危うい。

 ジュピターのような、本気を出したジムリーダーと渡り合えるような実力者二人に、顔と名前を覚えられているのだ。

 それも将来性はありしと見立てられ、その上で敵対し得る正義感の持ち主とあれば、今や状況が許すなら消し去るをも厭わぬ警戒対象ですらある。

 ほんの僅かな巡り会いに由来した、アカギの入念さによって救われている幸運さえ無かったら、数時間前にどうされていたかもわからない。

 彼女はそんなことも知らず、今頃ナタネと楽しそうに長電話しているが、こんなことになっていたともし知れば、ぞっとしているような話である。

 

『すべてはギンガ団の為に。

 我ら一同、ボスであるアカギ様の為に全身全霊を投じる想いです』

 

「うむ。

 よろしく頼む」

 

 最後の挨拶に締め括り、アカギは通信機の電源を切った。

 無表情のままテンガン山の遠景を眺めるアカギの目に映るのは、やがては叶えんとする大願と、今日その目に映ったパールの残影だ。

 忘れてなどいない。今日、あの少女の姿は目に焼き付けた。

 万が一にも障害になり得るかもしれない、幼くも将来有望と見立てられた未完の大器のことを、アカギは決して忘れようとはしない。

 

 時が満ち、再び相見えることがあれば?

 サターンが口にした"始末"という手段も、アカギはきっと厭わない。

 今日の出会いでアカギを尊敬できそうな大人と見たパールが、彼とのいつかの再会を望む想いとは裏腹、その現実は全く逆の方へと突き進み始めていた。

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