ハルウララ不在の番組。
果たしてどうなることでしょう。
ちなみに本作品のスーパークリーク。
短編「マ魔王の産まれた日」の彼女と同一ウマ物です。
元ネタはダイ大。
~前回までのあらすじ~
名誉の負傷を負い、安心に過ぎる病院へ運び込まれたハルウララ。
猛禽類は己の罪の重さにその翼を折り。
ケジメを求められ、そのケツをピンチにし。
残された者たちは、失った物のあまりの大きさに、言葉は特に失わなかった。
代打を要請しようにも、エースにして四番打者。
主人公たる二刀流(バイセクシャル)。
桜色のエースのリリーフは、並みの合法ロリでは務まらぬ。
悩む彼ら。モンスター(エナジー)保護者による苦情。
そして万策尽きた時。
起死回生の策が、猛禽類に舞い降りる。
クソかわTS異世界転生ウマ娘。
アフガンコウクウショーである。
彼女こそが最高のコンテンツを作る会社の呪縛から解き放たれた存在。
ロリコンにとって、途方もなく都合のいい合法ロリである。
精神年齢は還暦を迎えているが、些末事。
そして、TSジジイはメイド服に身を包み、スタジオに舞い降りた。
クリークママを瞬時に篭絡。
変態二人は一目で満足。
そして猛禽類の扱いに長けた彼女は、己のつがいとは異なる猛禽類をも手中に収めた。
事態は混迷を極め、ハルウララは5階からダイブしようとしていた。
安心沢は勘弁である。
「よい子のみんなー♡クリークママといっしょ、はじまりますー♡」
いつも通りの甘く蕩けたタイトルコール。
だが。幼児たちの顔に映し出されたのは疑問。
「歌のお姉さん、ファル子だよっ☆」
猛禽類の年齢を弁えぬ仕草も、その疑問を払拭できぬ。
「がろうくんだがおー」
飢えた狼は、いつも通り幼児に避けられている。
「ウマ美ちゃんだウマー」
総スルー。
そして上がる、疑問の声。
「……ウララお姉ちゃんは?」
そう。幼児たちの守護者。
マ魔王の性癖破壊から幼児を守る、桜色の勇者が不在なのだ。
「ウララお姉ちゃんがいないクリークママといっしょなんて!」
「これじゃあトト○の居ない隣のト○ロだよ!」
「隣にはいったい何がいるのさ!」
もちろん、変態である。
「み、みんなー、ちょっと落ち着いて……」
「デーモン閣下は黙っとれ!」
「じゃがいもぶつけんぞ!」
信頼する彼女の不在に、幼児は容易く暴徒と化す。
猛禽類の必死の制止も、違法なロリ中毒の彼らには効果が無い。
むしろ彼らは攻撃性をさらに高めた。
彼らもこの世界に生きる者たち。
五年も生きれば悟るのだ。
強くならねば生きてはゆけぬと。
無力な存在と考えるのは、早計である。
「金返せ!」
あっくん。(5)
「責任者を出せ!」
いっくん。(5)
「あなたを詐欺罪と性癖損壊罪で訴えます! 理由はもちろんお分かりですね? あなたが皆をこんなウララ抜きで騙し、番組の存在理由を破壊したからです! 覚悟の準備をしておいて下さい。ちかいうちに訴えます。裁判も起こします。裁判所にも問答無用できてもらいます。慰謝料の準備もしておいて下さい! 貴方は犯罪者です! 刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい! いいですね!」
ジョルノ。(15)
幼児たちが口々に。無垢な嘆きの叫びを上げる。
その狂奔は、西軍に襲いかかる薩摩隼人の群れが如く。
番組は、ハルウララの不在により。
容易くその地盤を揺るがし、倒壊するバベルの如き様相を呈していた。
だが。
パァン!
五歳以下の幼児に、覿面に作用する音量とタイミングでの拍手。
崩れ落ちる暴徒たち。
ヤクザキックでジョルノを始末し。
放送事故をも恐れぬ貫禄。
威風堂々とした立ち姿。
クリークママが、ここにいる。
「みんなー♡ちょっと、落ち着きましょうねー♡」
彼らは、間違えたのだ。
勇者のバフ無しでマ魔王に挑もうなどと。
ひのきの棒で撲殺できるのは、そこらに転がっている、十把一絡げの惰弱な魔王どもまでである。
行けたとしても、ハド○ーまで。
彼の後に控える、大マ魔王に勝てるはずは無い。
彼女は常に全盛期。弱体化も期待できぬ。
クリークママが、次々と倒れた無謀な挑戦者も。
特に何もやっていない無実の幼児も。
一切合切の、区別も容赦も無いママに。
むぎゅむぎゅと、熱い抱擁にて幼児の性癖をシリアルキラーしていく。
男児はママ堕ち、女児は牛乳フェチ。
ジェンダーフリーはここにあり。
等しく彼らは産道を通らず、新たなる産声を上げる。
今、新生の時。
勇者のバフが無いため、彼らの防御力はゼロに等しい。
このママ全員西松屋。
そう、思われた。
バッドエンドである。
「く、クリークママ……」
「なんでちゅか♡がろうくん♡」
だが、勇気ある一匹の餓狼が立ち上がった。
罪なき幼児を守るため。
愛する違法ロリの帰る場所を守るため。
真の勇気を胸に、彼はマ魔王に懇願する。
「お許しを……! 彼らに罪は有りませぬ!
ただ、間違えてしまっただけなのです!
このがろうくん、誠心誠意勤めます!
決して、二度とママを煩わせることなど……!」
そして、五体を地面に打ち付ける。
男の土下座である。
ブライドを捨て。
既に存在しない世間体を捨て。
ただ、許しを請う。
愛する者を守るために。
この番組が破綻すれば、彼女は無職となり。
自分との繋がりも、希薄となるであろう。
それだけは、断じて認める事はできぬのだ。
マ魔王の怒りを収めねば、ハッピーエンドに至ることはできぬ。
違法ロリ嫁と結納。それが彼のハッピーエンド。
「がろうくん♡……このような醜態を見せて、それを信じろと……? バ鹿も休み休み言いなさい」
だが、マ魔王には通じぬ。
「退きなさい。性癖が惜しくないのですか?」
「退けませぬ……!
愛バのためならこのがろうくん、己のロリコンなど、惜しくは無い……!
例えママ堕ちしようとも!
愛する彼女の為ならば!
この身の全てを贄として捧げ尽くしましょうぞ!」
だが、退けぬ。
男には決して退いてはならぬ時があるのだ。
それが、今である。
彼の頑なさに焦れたマ魔王が、ゆっくりと構えを取る。
左手で天を。
右手で地を。
そして、その雄大なる巨峰で悪い子を指す。
天地ママ闘。
悪い子を確実に良い子堕ちさせるための、三位一体の構えである。
振り下ろされる左掌。
『バースデイ』によるなでなで脳破壊。
振り上げられる右掌。
『西松屋』による顎クイでちゅねASMR。
そして魔胸。
『アカチャンホンポ』によるむぎゅむぎゅ甘やかし。
それらを完全同時に行い、如何なる者も赤ちゃんにしてきた、必殺の構えである。
マ魔王に防御など要らぬ。
ただ只管に前進制圧あるのみ。
がろうくん……いや、ウララTは悟る。
今が、性癖の死に時である。
なに、ママ堕ちしても、彼女の側には居られる。
ならば、問題は無い。
愛しい彼女との子を成すことは出来ぬ身となるだろう。
だが。
愛している。その気持ちだけは、失わぬ。
この想いだけは、マ魔王ですらも穢し得ぬ。
確信できる。
例えロリコンでは無くなったとしても。
ただひたすらに、君を想う気持ちは変わらぬ。
それだけで、幸せ。
それだけが、幸せ。
性癖が死に瀕した今、気づいた。
これこそが、真実の愛であるのだ。
業腹ではあるが。
彼女との可愛い子は、他の誰かに任せよう。
ウララ。
ベビーカーから、ずっと君を見守るよ。
ロリコンやめても、愛してる。
不動の構え。
土下座にて、迫りくるマ魔王に相対しよう。
「……聞き分けの無い子ですね。
良い機会です。あなたのロリコンは目に余る。
その性癖、矯正してあげましょう」
そして、マ魔王がゆっくりと近づく。
受け入れよう。もう何も怖くは無い。
桜舞う、あの日の誓いは、この胸に。
後は任せたぞ、同胞たちよ。
そして、ゆっくりと。
マ魔王の抱擁が……
「クリークママ……! 待ってください!」
「ママ! がろうくん(の性癖)を殺さないで!」
「オレも居るぜ!」
だが、彼の性癖の死を認められぬ者たちが居た。
熱い魂を共有する、頼れる変態たちはここに。
汚い帝王、ナイスネイチャ。
怨霊鬼女、スマートファルコン。
テリー○ン。(20)
いづれも万夫不当の社会不適合者である。
「あなたたちもですか……何故私の邪魔を?」
天地ママ闘を使うまでもなく。
テ○ーマンを地獄突きで始末し、マ魔王が問いかける。
答えによっては。
彼女らも、ママ堕ちさせねばならぬ。
そして、孤独な玉座で凱歌を歌おう。
何、寂しくは無い。
玉座の周りは、ベビーベッドに溢れているのだから。
「が、がろうくんに罪はありません……!
あたしも、止められなかった!
ママ堕ちさせるならあたしを!
正直興奮する! 全然守備範囲内!」
性癖のオールラウンダー、ウマ美ちゃん。
「わ、私も……! ウララちゃんみたいに出来なかった!
でも、きっと! きっと、ウララちゃんなら……!
諦めたりなんてしない! 私、気づいたの!
必死に足掻く彼女の姿は、愛らしすぎて結婚したい!」
怨霊からロリコンカサブランカに昇華した、猛禽類。
なんというやつらだ。
当初の目的を瞬時に忘却し、イカれた性癖を自白し始めた。
この乱行、手を止める価値はある。
性癖を殺すには惜しいバ鹿どもである。
ママ堕ちさせればこの性癖芸は味わえぬ。
多様性もまた重要。クリーク覚えた。
「……良いでしょう。あなたたちの性癖に免じ。
今回は不問とします。
この展開は予測していました。カメラはまだ回っていない。
準備したら、始めますよー♡
あ、スタッフさん♡ウララちゃんが居ないからって、不審者を見逃すのは駄目でちゅよー♡
次は無いぞ」
語尾に♡マークを戻そう。
やれやれ、手のかかる子たちだ。
スーパークリークは、ジョルノとテリー○ンをスタッフに引き渡すと。
大きく手を拡げた。
仲直りの抱擁だ。
さぁ飛び込んでおいで、愛しい我が子たちよ。
「「「ママッ!!!」」」
幼児たちの転がる中。
母と子の感動の抱擁。
性癖を求めて三千里。
確かに今、彼らの心は一つになったのだ。
計画通り。
がろうくんが、『あの男』と同じ領域に達しかけたのは焦ったが。
寸での所で踏みとどまった。
障害をこれ以上増やすわけにはいかぬ。
だが……増えた所で問題はないが。
なんとなれば、時間は無限にあるのだ。
我が第三領域、決して破ることは叶わぬ。
これで、あの愛しき桜色の勇者を。
自分だけの我が子にする日が、また一歩近づいた。
スーパークリークは、密やかに笑った。
ラスボスの後には、大魔王が控えるのは、お約束である。
アフガンコウクウショーは、天井にスパイダーマッ! しつつ思った。
私の出番、まだかな。
つづかない