あとは紅茶と産駒実績。念能力を添えて。
日本の戦記物には、結構馬の表現も多いですよね。
さぁ、またまた新キャラ登場です。
実は彼女、ウマ娘で一番好きなキャラなんですよ。
~前回までのあらすじ~
次なるリクルート先を求めるハルウララ。
二件目はこの頃流行りの仮面魔法ウマママ少女ライダー。
ヒシアマゾンの撮影現場。
スタッフを即座に配下と化し、見学を試みる、未来の大女優。
マスコットの示現流。
響く銃声、轟く猿叫。
その果てに現れる、明治ガトリング浪漫譚。
感銘を受けた彼女は、銀幕での二度目のメイクデビューを決める。
だが。現実は甘くない。
バクシンメイデンされた監督。
打診されるアームストロング砲。
胸への闘魂注入により、バ鹿どもにガイドラインの重要性を言い聞かせ。
彼女は次の職場へ向かう。
待っているのは、果たして……
あとキングちゃんがなんかすげーサタンした。
「つ、疲れた……」
そんな声を漏らす違法ロリ。
人語で辞世の句を告げる、キモくて美味い鳥。
珍奇なガンアクションをする外道ママと薩摩隼人。
SAN値直葬待った無し。
このまま次のリクルートは、精神状態が危うい。
ここは休憩するべきだろう。
そういえば、面接時の当然のマナーとして、ウマホを走行モードにしていた。
ウマ娘専用レーンがあるこの社会では、必須の機能である。
加湿器の芸を、交通事故で再現するわけにはいかぬのだ。
コンプライアンスに違反してしまう。
「Оh……」
アメリカンな驚嘆の声が漏れる。
ウマホの画面には大量の着信。
『サイコパス』、『愛娘』、『牛』、『愛娘』、『バ鹿』、『愛娘』。
『ゲルマン怨霊』、『愛娘』、『社会主義の権化』、『愛娘』、『AV女優』。
『愛娘』、『クソ映画』、『愛娘』。『骨なしチキン』、『愛娘』。
『ツバメ』、『愛娘』、『国家権力の猪』、『愛娘』。エトセトラ。
その他諸々の着信が、数百件溜まっている。
愛娘の着信件数が些か多いが、親離れできぬ年頃なのだろう。
かわいいヤツである。
しかし、まだ帰るわけにはいかぬ。
このままエロめの哀願動物に堕ちるわけにはいかぬのだ。
せめて内定を貰わねば。
でもちょっと休憩してから。
商店街でせしめたコロッケをぱくつきつつ、ゲームセンターに入る。
あの場のアイドルたるこの身は、愛想を振りまけば食うには困らぬのだ。
屋根としま〇らさえあれば、生きていける自信はある。
どうしようもならなくなれば、ツバメの巣に転がり込もう。
さすがは公威さんの旦那さん。いい味をしている。
大恋愛の後に、見事婚姻を果たした、肉屋の薔薇カップル。
性的嗜好はイカれているが、陸軍仕込みのコロッケの味は良い。
ならば多少の狂乱には目を瞑るのが、大人の女である。
だがうちの娘にゲイチャイチャを見せつければ殺す。
覚悟を決めつつ、自動ドアをくぐる。
「クソわよっ! なんですのこのキャラッ! しゃがみガード貫通なんて!
見てから昇竜余裕でクソがッ!」
「ゲームでも、あたしが一番待った無しッ!」
おっと。知り合いの声だ。
この、ゲーミングなお嬢様風言葉遣い。
トップを常に狙い続ける、事業仕分けの大敵。
あの二人で確定だろう。
源平合戦のような、格ゲー対戦。
「コンティニューですわっ! 貴顕の使命はこの胸にっ! エドモンド増田は最強なんですのっ!」
筐体に硬貨を叩き込む、薄い胸のウマ娘。
そのような物、入る余積が有るようには見えぬ。
そう……平氏の郎党・平熱盛の愛バ。
連銭葦毛ならぬ、連コ葦毛。
紅茶とスイーツが大好きな、黒い噂が絶えぬ一家の当主。
メジロマックイーンである。
彼女を見るたびに思う。
何故、まだグランブルー〇ァンタジーに出演しておらぬのか。
あの絶壁栗毛ですら胸を盛られるあのゲーム。
彼女のコンプレックスを解消する良い機会だと思うのだが。
対するは。
「あたしが負けるッ!? 絶対にノウッ! 女王は常にこのあたしッ! カサブランカ、君に決めたッ!」
レバガチャにてクリークママに匹敵する山脈とぶっといふとももを、震わせるウマ娘。
そのマグニチュードは、このハルウララへの嫌味か。
そう……源氏の郎党・羆谷直実の愛バ。
権田栗毛ならぬ、ごん太栗毛。
勝利の二文字が何より好きな、子沢山な一家の若奥様。
ダイワスカーレットである。
彼女を見るたびに思う。
何故、まだラストオ〇ジンに出演しておらぬのか。
ふとももの太さが戦闘力を決めるあのゲーム。
ウルトラレアは堅いと思うのだが。
「オラッ! エドモンド! 暗黒大相撲奥義・ピストルですわッ!」
「ソラッ! カサブランカ! アマゾン示現流奥義・ロシアン肝練りよッ!」
そして決着が着いた。
もちろん、勝つのはごん太栗毛。
歴史再現というものである。
アマゾン原産の薩摩隼人が天井から吊り下げ、ブン回した火縄銃。
回転を止めたそれが火を噴き。
拳銃をまわしから取り出そうとした、暗黒横綱の胸板を貫通した。
ピストルでは火縄銃には勝てぬ。
自然の摂理というものである。
「おファ〇クですわっ! このデブ、クソも使えませんわっ!」
「ふふんッ! あたしが一番なんだからッ!」
勝鬨を上げるダイワスカーレット。
遠吠えをするメジロマックイーン。
もはやメジロマックEーンと言えるだろう。
育成失敗である。
敗因はホープフルステークスでの逆噴射だ。間違いない。
「二人とも、元気そうだねっ!」
明るいウララちゃんによる挨拶。
これにはさすがに気付くであろう。
「さぁ! 勝負は始まったばかりっ! 今の所、100戦5勝95敗ッ!
メジロの勝負はここからですわっ!」
「200勝まで終わらないッ! あたしの一番、魅せてあげるッ!」
気づいておらぬ。こやつら、熱中しすぎ。
三十路を超えているとは思えぬ大人げなさである。
「ママ、また負けず嫌いが発動してる……」
「教育を何だと思ってるのかしらねー」
「パパには負けっぱなしなのにね」
「あれはわざと負けてるんだよ」
「あのダサいマスク、いつの間に消えてたね」
「この前ゆう〇ックに出してたよ」
「あれ持って帰って来たの、メモリーが産まれた後だっけ」
「いやぁ。エトワールの時じゃない? 5年前でしょ確か」
「おぎゃあ!」
「ばぶー」
ゲーミング栗毛の背後には、10の幼児と赤子ども。
ぴーちくぱーちく好き勝手に囀っている。
全員彼女の実子である。
彼女はやたらと子沢山なのだ。
あと三十路独身怪鳥恥ずかし固め事件の犯人が、今明らかとなった。
髪染めと、ティアラの有無だけでも気づかない物である。
どうせ旦那に、リングで輝く君が見たいとでも言われたのだろう。
彼女の世界は、旦那様を中心に回っているのだ。
どれ。幼子は嫌いではない。
ゲームに夢中な栗毛に放置されている、彼奴めらの相手でもしておくか。
「みんな、おひさしぶり」
「「「「「「「「ウララおばさんだっ!」」」」」」」」
「「ばぶー!」」
「お前らの身代金って、纏めて幾らになるのかな」
「レジェンドッ! ママに抱き着いて気づかせてっ! 目がマジよっ!」
「レーヌお姉ちゃんはっ!?」
「ここで食い止めるッ……! あたしが一番ッ!!! お姉ちゃんなんだからっ!」
「遺伝子濃すぎィッ! ママッ! 集団児童誘拐の危機ッ!」
おやおや。冗談だったのだが。
二番目の子の必死のハグに、ごん太ママが振り返る。
「あら。ウララじゃないの。お久しぶり。まだ独身?」
「月の無い夜には気を付けろよ」
「じょ、冗談じゃない……顔が殺人鬼よ。そんなに怒ることないでしょ?」
「シャオラァッ! 誇りの勝利ですわぁッ!」
連コ葦毛が、貴族の誇りの欠片も見えぬ、勝利の雄たけびを上げる。
画面内では、ブラジリアン剣士が暗黒大相撲奥義・焼き入れにて。
切腹を強要され、果てていた。
情けない薩摩隼人も居たものである。まぁゲームだから致し方なし。
「マックイーン! それはあたしの負けではないわ! ウララ―ストップよ!」
「なんですのそれ。あら、ウララさん? おひさしぶりですわ!」
筐体の向こうから、連コ葦毛が歩いてきた。
メジロマックイーン。メジロ家当主。
オラつきゲーマーと化しているが。
れっきとした名家のご令嬢だった。
10年前までは。
『トレーナー……! トレーナー……!』
『どうしたのさマックイーン。そんなに泣いて。また足痛めた?』
『どうしたのマックイーンちゃん。ぽんぽん痛いの?』
『テイオー……ウララさん……実は……
トレーナーが、家中の者に連れ去られましたの……』
『へぇ。いつかはそうなると思ってたけど……』
『ライアンちゃん? アルダンちゃん? 大穴でパーマーちゃん?
やっぱり恋愛でもマックEーンしちゃったかー』
『かなぐり捨てますわよ貴様ら』
『貴族の誇りを?』
『もう……誇りなんてクソですわ……! あんな裏切り……!』
そう。メジロ家専属トレーナー。
何故かメジロ家の全ウマ娘を担当することとなった、一般トレーナー。
彼女たち全員に。恋慕の情を寄せられていた、彼。
ハーレム物主人公のようななろうムーヴをカマしていた、彼が。
同じメジロのウマ娘に、拐かされたのだ。
『道理でドーベルとブライトとラモーヌも、そこでじめじめしてると思った。
辛気くさいねぇ』
『加湿器がそれ言っちゃう?』
『おっ。いいのか? また有マの奇跡魅せちゃうよ? ボク』
『また折れるぞ』
『ウララさんは、全方位に喧嘩を売らないと気が済みませんの……?』
『まぁ今に始まったことじゃないし……いいよ。あとでネイチャに慰めてもらうし』
『うわぁ。ところで、今居ないのって、あの3人だけでしょ? 誰なの?』
『あの3人じゃ、ありませんわ……今捜索隊として血眼で探しております』
『んっ? メジロに他にウマ娘って居たっけ?』
『居るではないですか。犯人はおばあ様ですわ』
『『ババァ無理すんな』』
そう。彼女は当時の当主に愛するヒトを奪われ、やさぐれ令嬢と化したのだ。
まさかの大穴。120億円が紙切れになるよりもひどいオチである。
トレーナーが熟女好きであることも災いした。
捜索隊による相互協力型(ジョイントタイプ)の領域。
紅茶を触媒にして顕現した、メジロ家秘奥義。
『対空型パンジャンドラム』も、逃避行に使われた飛行機をパンジャンするだけに留まり。
トレーナーの「このまま連れ戻されるぐらいなら、君と共に海に沈もう……」
ヒロイン台詞に胸キュンしちゃったメジロ家当主。
彼女の熟練のメジロ式泳法・愛情バタフライにより、振り切られてしまったのだ。
今は彼らは、ドバイで悠々自適のイチャイチャライフを送っているらしい。
一姫二太郎の幸せな家庭。
メジロ家元当主。
老いてなお、お盛んであった。
「ケッ。ライアンもドーベルも。他の者どもも。
家でじめじめしっとりテイオー。
ゲームでもしなきゃ、やってられませんわ」
「やさぐれたわよね、マックイーン。それでも当主?
呼び出されたと思ったらゲーセンなんて。
あたし、子供の世話で忙しいんだけど」
「おしぼり代で収入は十分です。
新しい恋を探すのも、しばらくはいいですわ……」
「そうして、二十年の時が経ったのであった……」
「ウララさん。相変わらずブーメランがお得意なようで」
「あ? 私は結婚しないだけだし。マックイーンちゃんと違って、娘もいるし」
なんと失礼なやつか。
ウマホの待ち受けにしている、愛娘の写真を見て、己が不明を悟るがいい。
「カッコウの被害に遭った鳥ってこうなるのね……」
「完全に洗脳されてますわね……そういえば、何故ゲーセンに?」
「ああ、それは……」
かくかくウマウマ。
「あら。ならばメジロ家でメイドでもしませんこと?
週休無し。三食おやつ付き。住み込み可。
仕事は三十路の量産型加湿器どもの世話。
あとわたくしの格ゲーの相手と、おしぼり代の徴収ですわ」
「それで頷くバ鹿、居る?」
「お給料はクソほどあげますわよ。雇ったメイドたちも長くは続かなくて……
今は主治医と爺やにメイド服を着せて、なんとかしています」
「地獄絵図すぎる……」
「メジロ家も終わりね……」
彼らの忠誠心は、いったいどこから湧いてくるのか。
「「「「「「「「ママ―。おなか減ったー」」」」」」」」
「「ばぶー」」
「あら。もうお昼? 熱中しすぎたわね……」
「ママは勝負を持ちかけられると、我を忘れるもんね」
「遺伝子が死ぬほど濃い、レーヌお姉ちゃんに謝って?」
「なんで今あたしが煽られたの?」
「とにかくー。早く帰ろうよー。パパに早く会いたい」
「あわよくばキスしたい」
「そのままベッドイン」
「ママのミルクよりも、きっとパパのミルクの方が……」
「やったぜ。さっさとゴーホーム!」
「「ばぶー! ぱぱ!」」
「……血を感じますわね。スカーレットさん。普段どんな教育を?」
「あ、あたし何もしてないわ……
トレーナーとラブラブチュッチュしてるだけよ。
彼が家に居る間はずっと。たまに我慢できない時は、学園に押し掛けるけど」
「幼い娘たちの前でやるなよ……」
さすがは皇帝に次ぐレース実績。
明晰な頭脳。
さらにはその淫らな栗毛ぶりを評価され、生徒会長の座を受け継いだ女である。
10人の娘たちにも、その栗毛は受け継がれているらしい。
ハルウララは、教育の重要性を再認識した。
やはり、教育番組は天職なのでは。
……ん? 教育?
「スカーレットちゃん。ベビーシッターとか欲しくない?」
「えー。ウララお姉ちゃんがあたしたちの世話を?」
「なんか独身がうつりそう」
「幼児を砲弾にする以外の特技ある?」
「選考結果は」
「残念ながら、今回はご縁がなく」
「貴殿のご期待には添えかねます」
「せっかくご足労頂いたのに恐縮ですが」
「ハルウララ様の、より一層のご活躍をお祈り申し上げます」
「「ばぶー」」
「スカーレットちゃん。放火魔とか欲しくない?」
「教育の必要性を感じますわね……ある意味仕上がっておりますが」
「こいつら、誰に似たのかしら……」
「「あんただよ」」
「でも、ベビーシッターはいい考えね……」
「コイツ、また話を聞いておりませんわ」
「なんでウマの話を聞かないヤツって、多いんだろうね……」
「鏡、要りますこと?」
「おいィ? どういう意味?」
「……そうねっ! こいつらをウララに預ければっ!
トレーナーとイチャイチャし放題ッ!
新しい我が子が待ってるわっ! 今日から末っ子の成人まで、よろしくねっ!」
「「「「「「「「「「大胆に 育児放棄を 目論むな」」」」」」」」」」
パパパパパパパパパパワァッ!!!!!!
「あっひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! 母性の高まりを感じるわっ!」
「「ばぶー……」」
物心ついた実子どもと、特別移籍の贄になりそうな葦毛。
さらにはこの母性の塊・ハルウララによる。
相互協力型(ジョイントタイプ)の乳ビンタ川柳により。
ダイワスカーレットの邪悪な企みは潰えた。
だが、忘れてはならぬ。
カッコウは、どこにでも存在することを……
ハルウララは身を翻し、ゲームセンターを後にしつつ思う。
また一匹のカッコウを始末した。
だが、哀れな犠牲者はまだまだ存在するだろう。
自分のような、隙の無い精神を持つ者ばかりではないのだ。
彼らのためにも、世界の平和を守らねば。
『夕飯までには帰る』
そう、愛娘にメールを打ちながら。
彼女は、次の就職先へと向かう。
その手に宿る力。
また新たな贄を喰らったそれは、不気味に胎動していた。
つづかない
そういえば、ぺくしぼでひっそりと投稿している成人向けオリジナルを、はーめるんにもマルチ投稿することにしました。
成人済で興味のある方は作者マイページからどうぞ。