ハルウララさんじゅういっさい   作:デイジー亭

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今さらながら。
この作品においては、具体的なレース名は、なるべく出さないようにしております。
ええ。コンプライアンスは重要ですから。
有マは例外とする。漢字が違いますから。
元ネタは、黙示録と花の傾奇者。あと雅楽。
一部抜けがあったので、修正しました。
以前の映画の部分ですね。


ファル子さんじゅういっさい そのさん 猛禽類っぽい何か

~前回までのあらすじ~

 

 猛禽類の失職の危機。

 

 だが、桜色の勇者は慌てない。

 

 登場シーンで腰を痛め。

 

 ツバメのネズミーランド二丁目。

 

 湿布の時間はASMR。

 

 忠実なる下僕のメイドスカート。

 

 しゃぶしゃぶはおいしいね。

 

 獄中にて梅雨の到来を告げる汚い帝王。

 

 代打として、綺麗な帝王を配備。

 

 それぞれのクズどもに対し、番組の要として。

 

 雅やか、かつ万全な気遣いを魅せる。

 

 猛禽類はスルー。マイル中距離での恨み。

 

 勇者は敗戦の屈辱を決して忘れぬ。

 

 昨今は暗い過去を克服する、成り上がりの需要が高い。

 

 流行りを追うのは当然のことだ。

 

 筆者とて、人気は欲しい。

 

 高評価待ってます。

 

 そして、猛禽類のアンサー。

 

 蠢動する愉快な宇宙海賊一味。

 

 オリジナルウマ娘リアクション芸人。

 

 第二のマルチ、ロックオン。

 

 無茶振り芸人、スマートファルコン。

 

 彼女の愛は、とても大御所だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ファル子さん。愛してはいけません。

 

 

 あなたの愛は、歪んでいる。

 

 

 あなたが仕上げたリアクション芸人。

 

 

 その数なんと、九十九。

 

 

 Übung macht den Meister. 素晴らしい成果です。

 

 

 ニホンのお笑い界を牽引する、有為の人材ではありますが。

 

 

 いかんせん、ツッコミの供給が追い付いていません。

 

 

 ウララさんはもっといけません。

 

 

 彼女は既に、一人前のリアクション芸人。

 

 

 きっとあなたは、彼女を壊してしまうでしょう。

 

 

 無茶振りのエスカレーションは、腰痛の元。

 

 

 やはりあなたの愛を受け入れられるのは。

 

 

 安産型の、私以外に居りますまい。

 

 

 待っててください、ファル子さん。

 

 

 ドイツ仕込みのツッコミは。

 

 

 あなたに捧げる、愛の証。

 

 

 Ich liebe dich.愛しの隼よ。

 

 

 とあるニホンの空港で。

 

 

 彼女はそっと、微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よいこのみんなー♡クリークママといっしょ、始まりますー♡」

 

 いつもの甘く蕩けたタイトルコール。

 

 教育番組に、非日常は似合わない。

 

 

 

 「ウマのお姉さん、ウララだよっ!」

 

 くるっと回ってプリファイポーズ。

 

 ぐきりと唸りをあげる腰。

 

 やはり、愛する我が子のおねだりとはいえ。

 

 三代目は若すぎた。

 

 あと一年早ければ。

 

 完璧なぺドフィリアを魅せられたものを。

 

 

 

 ハルウララは腰を抑えつつ、呻いた。

 

 冷や水である。

 

 だが、クリークママの叱責は無い。

 

 彼女も、昨日の収録でのダメージが大きかったのだろう。

 

 珍しく、中腰気味である。

 

 

 

 「大丈夫かウララ。

 後で痛い痛い気持ちいいしてやろう。

 あ、がろうくんだ。がおー」

 

 

 

 最近マッサージを習得したツバメ。

 

 そのいやらしい手つきの効果は高い。

 

 心地よさに、按摩時は寝入ってしまう。

 

 やはりあのドリンク。盛られていたか。

 

 美味であったので油断した。

 

 まぁ、ヤツに不埒な事を企む度胸は無いだろう。

 

 問題なし。

 

 

 

 「ウマ褐色合法ロリお姉さんのメイドさん、アフちゃんである」

 

 おっと。迂闊な後輩め。

 

 また名乗りを間違えおった。

 

 ふわふわと浮かぶ彼女を睨めつける。

 

 

 

 「わんっ♡きゃいんきゃいんっ♡」

 

 

 

 腹を見せて転がったので、許してやることとしよう。

 

 空中で服従ポーズとは。器用な犬である。

 

 みえた。はえてない。

 

 このハルウララの眼力。舐めてもらっては困る。

 

 眼球舐めは失明の恐れがある。

 

 良い子のみんなはやらないように。

 

 

 

 「ブルスコッ! ブルスコッ! オネエサーン! コレハヒドイ! アッフンッ!」

 

 ウマ美ちゃんの学習機能も正常に動作している。

 

 ナイフは電化機器にも効果的だったのだろう。

 

 やはりゾーリンゲン製は違う。

 

 

 

 「す、スマートウィークですっ! 頑張りますっ!」

 

 「サイレンスマイクよ。アゲて行きましょうね。スペちゃん」

 

 「アゲませんッッッッッ!!!」

 

 

 

 小粋な一週間の到来をお知らせする。

 

 少しばかり黒鹿毛な、道産子猛禽類。

 

 

 

 音響機器としての欠陥を高らかに告げる。

 

 ポンコツ栗毛な、起伏の足りぬ小道具。

 

 

 

 猛禽類の特徴の一つである、急な発狂まで完備。

 

 

 

 やはり彼女らを招聘したのは正解であった。

 

 ハルウララは自らの神采配に、深く満足した。

 

 

 

 音の出る面白いおもちゃ。

 

 その最大の特徴は、握り締めたマイク。

 

 完璧な替え玉である。

 

 

 

 蠱毒のグルメ出張版が、中央でやっていて助かった。

 

 快く乳ビンタに喘いだ、アイアンオペラオーには感謝しかない。

 

 

 

 まったく、あの猛禽類。

 

 心配は特にしなかったが。

 

 まさかあのような粗相をやらかすとは。

 

 シベリア送りは当然である。

 

 

 

 昨日の収録での、ヤツの蛮行を思い出す。

 

 鋼の暴風の中を駆け抜ける、一羽の猛禽。

 

 その羽ばたきは、我が投擲術をもってしても。

 

 仕留める事は叶わなかった。

 

 

 

 そしてそのまま、ヤツは。

 

 何故かバナナの皮を、地面に設置し始め。

 

 うっかりそれを踏んだクリークママが。

 

 素晴らしいドリフを披露したのだ。

 

 

 

 あの時のハーリティーの顔は、忘れられない。

 

 危うく、漏らしかけた。

 

 

 

 気遣いの達人たる、愛娘に。

 

 帰宅後、パルン○アをそっと手渡される事態になりかねぬ。

 

 

 

 彼女が幼稚園のお絵かきの時間。

 

 描き出したる三世代型住宅。

 

 バリアフリーまで完備であった。

 

 我が娘ながら、天晴れ。

 

 一級建築施工管理技士も狙える器である。

 

 

 

 「さて♡今日はスペシャルなお歌の時間♡

 太めのファル子ちゃん♡備品♡張り切ってどうぞ♡」

 

 このママ、言葉遣いと性癖破壊を除けば。

 

 理想的な鬼子母神であるのだが。

 

 世の中、ママならぬものである。

 

 ハルウララはそっと嘆息した。

 

 

 

 「行くわよスペちゃん! フォーメーションBよ!」

 

 「なんですかそれ」

 

 「豚」

 

 「このポンコツ、追い出してやろうか……」

 

 「からのー?」

 

 「私、なんでこんなの好きになっちゃったんでしょう……

 ごめんね、お母ちゃん……」

 

 

 

 スペシャルファルコンは、オグリキャップと共に。

 

 罪もない飲食店を破滅に追い込んだ証。

 

 そのぽっこりおなかを撫でながら、慨嘆した。

 

 いつの世も、惚れた者の敗けである。

 

 

 

 信じて送り出した愛娘が。ニホン一となり。

 

 エヘ顔Wピースでポンコツを伴って。

 

 帰ってきた際のご母堂の気持ち。察せる筈も無い。

 

 

 

 プリンセスの運命の小僧とやらは。

 

 真の母たる、このハルウララの厳正な審査を受けねばならぬ。

 

 ナイフと銃弾とミサイルの雨。

 

 それを潜り抜けた勇者にこそ、トドメの閃光魔術。

 

 勇者の代替わりにはまだ早い。

 

 

 

 思索に耽っている間も、繰り広げられる愁嘆場。

 

 このハルウララ、愉悦の笑いを抑えきれぬ。

 

 クリークママも、ケツを抑えつつ満足げだ。

 

 こやつら、反面教師としても適性が高い。

 

 

 

 安産型は、胎児の保護には向くが。

 

 代償として、転倒時の自身へのダメージも大きい。

 

 凄まじい快音に、快哉の叫びを挙げた我等。

 

 危うく全員永久凍土送りになるところであった。

 

 

 

 「さて。スペちゃん。おいで」

 

 ぽんぽん、と。床に女の子座りし。

 

 自らの膝を叩き、スペードウィルコンを誘う栗毛。

 

 

 

 「えぇ……ほんとにやるんですか……

 絶対幼児の教育に悪いですよ、あれ」

 

 「映画にまで出ておいて、今さら何を言ってるの。

 お義母様も大喜びだったじゃない」

 

 「知りたくなかった一面でしたね……」

 

 しぶしぶと、誘いに乗るスマシャルファルク。

 

 膝に頭を沈めた瞬間。

 

 

 

 彼女の表情が一変する。

 

 ここだ。ここからが彼女の本質。

 

 二ホン一のウマ娘たる、威容が見られる。

 

 

 

 「スペーッペッペッペッペッペッペッぺ! 

 このむっちむちのふとももだけで! 

 ポンコツ具合もなんのその! 

 一生養ってあげますからね、スズカさん!」

 

 

 

 全力で後頭部から頬にかけてを、大腿部に擦り付け。

 

 とんでもなく淫らな助平ヅラを魅せる、ニホン一。

 

 さすがは総大将である。二重人格を疑いかねぬ醜態。

 

 彼女はふとももフェチなのである。

 

 

 

 以前の令和狸合戦・奔放鼓では、まだ栗毛の練度が未熟であり。

 

 嫌がるスぺちゃんにウマ乗りになって演奏する、旧式の奏法のため。

 

 逆シューティングスターで夜空に打ち上げられる事態となった。

 

 

 

 だが。この新・スぺちゃんおなか鼓奏法。

 

 スぺちゃんに大好物を味合わせつつ、演奏することにより。

 

 Win-Winの法則により、逆撃を受ける可能性はほぼゼロ。

 

 

 

 欠点は、前屈みという無理な姿勢での演奏となることであるが。

 

 グランブ〇ーファンタジーに出演せぬ限り。

 

 栗毛の胸が障害となる事は無い。

 

 

 

 むしろ、ふとももには勝てぬものの。

 

 絶壁に興奮する、登山家のような習性を持つスマぺーフィ―ンに対しては、効果は絶大。

 

 まさに、サイレンスマイクにのみ許された、スぺちゃんおなか鼓の奥義である。

 

 

 

 この世界では、抱える業が深いほど。

 

 レースの実績も高い傾向にある。

 

 この、ハルウララを除いてな。

 

 彼女はキメ顔でそう思った。

 

 

 

 栄光の日曜日。そう謳われたレースがある。

 

 秋のやんごとなき方が見守る、そのレースにおいて。

 

 事件は起こった。

 

 

 

 今ふとももを楽しまれている、栗毛の故障である。

 

 テンションをアゲすぎた彼女は、うっかりウマ娘の限界を超え。

 

 大欅を超えた瞬間、汚いユニコーンに助けられたのだ。

 

 

 

 愛するふとももの危機を第六感で感じ取った、彼女。

 

 スマールファルークによって。

 

 栗毛は足に違和感を感じた瞬間、抱き上げられ。

 

 黒鹿毛はそのふとももを抱え上げ、頬ずりしたままに、一着でゴールした。

 

 

 

 不敬罪である。

 

 

 

 賓客席に居た、時の権力者は言った。

 

 『汝、何故神聖なるレースを穢したか』

 

 彼女は答えた。

 

 『我、ふとももフェチ故に。愛する彼女のふとももの危機。

 我が命を失おうと、見過ごすことなどできませぬ。

 赦しなど請いませぬ。

 ふとももに劣る太さしかありませぬが。

 不敬の代償。この素っ首をもって、贖わせて頂きます。

 ……グラスちゃんっ!』

 

 『スぺちゃん。私にあなたの首を落とせと言うのですか。

 しかも彼女を助けるために、その身を擲ったあなたを。

 ……ひどいウマ。よもや違う女のために。

 私に愛するあなたの命を絶つことなど……』

 

 『さっさとやれデカケツ。ふとももよりもケツが目立つから、タイプじゃないんです』

 

 『介錯しもす!!!!!!』

 

 『グラスっ! 落ち着くデース!!』

 

 振り上げられる薙刀。

 

 目を瞑る観衆。

 

 だが。

 

 

 

 『待てィッ! ……そのふとももを想う気持ち。誠に天晴。

 性癖に罪は問えぬ。汝、これより二ホン一の、ふとももフェチウマ娘。

 ふともも総大将を名乗れィっ! ふともも御免であるッ!』

 

 高らかに告げる、時の権力者。

 

 ふとももフェチの首魁。

 

 太(もも)閤。トヨトミ・モモキチ。

 

 

 

 二ホンの(ふとももフェチ)総大将。

 

 彼女はこの一事をもって。

 

 二ホン一の(ふとももフェチ)ウマ娘を名乗る事が赦されたのだ。

 

 彼女はお母ちゃんとの約束を守ったのだ。斜め下の方向に。

 

 

 

 ええ……こうはならんやろ……なんやこの日曜日……

 

 そう呟いた、URAの職員の嘆き。

 

 それを略し。

 

 ええこう(栄光)の日曜日と号された、輝かしいレースの記憶である。

 

 

 

 「さて、皆様。これより奏でるは。二ホンの誇りし雅楽にあらず。

 二鼓、四鼓は途絶えるも。一と三は未だ残る。

 しかしてこれは、数えられぬ、第五の鼓。

 スぺちゃんおなか鼓。とくとご覧あれ」

 

 

 

 朗々と唄い上げられる、前口上。

 

 相変わらず良い声をしている。思考は異次元に逃亡しているが。

 

 それでも、現役時代は並みいる強者を置き去りにして。

 

 ウィニングライブにて観衆を魅了した、魔性の逃げウマ。

 

 

 

 「ヨォーッ!」

 

 すぺんっ。

 

 「ハッ!」

 

 すぺぺんっ。

 

 「ヤッ!」

 

 すぺぺぺん。

 

 「イヤー!」

 

 すぺぺぺぺぺん。すっぽこぽん。

 

 

 

 どこかノスタルジィを感じさせる、懐かしき音。

 

 そして、今前奏が終わった。始まる。

 

 

 

 『ぽんぽこおなかのスぺちゃんは』

 

 すぺん! 

 

 『いつもかわいいアイドルで』

 

 すぺぺん! 

 

 『食べ過ぎ愛嬌、うっかりアポリオン』

 

 すっぽこぽんっ! 

 

 『なんともはや、飛蝗が如き、飢饉だね』

 

 すっぺんぺんっ! 

 

 『オグリの相棒、タマちゃんの』

 

 「スーペッペッペッペッ!」

 

 『実装めでたし、やれ愉快』

 

  

 

 蟲毒のグルメ、9thシーズン主題歌。

 

 

 

 『大食ウマ音取』。

 

 

 

 その音は、幼児たちの性癖に、優しく響き渡り。

 

 おなかフェチが量産されたという。

 

 タマちゃん、実装おめでとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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