今回はサービスシーン満載でございます。
ですがこの作品はKENZEN作品ですので安心!
ちなみに拙作におけるネイチャを良く知りたいという危篤・・・誤字じゃないなこれ。
奇特な方は、筆者の短編「汚い帝王」に目を通していただければ。
とても良く後悔できます。ダイマです。
元ネタは仮面○イダーと、NEXC○中日本。
~前回までのあらすじ~
着々とラスボスの術中にはまりつつも、プロレタリア階級として、誇りを持って労働に勤しむハルウララ。
頼れる仲間たちは、売れないアイドル、同志ママーリン、ロリコン、欲望の権化と彩り豊か。
いつも通り、クズ共との収録に臨む。
本日は楽しいお歌の時間。
開帳される、能楽三鬼女に続く、第4の演目。
シテは猛禽、ツレは自分。
怨霊の歌声は、スタジオに響き渡り。
きっとドイツに届くことは無い。
クリークママと一緒。
未だ、海外での放送予定は無い。
最新話から読む派の方には申し訳ないが、このあらすじ。
全て物語の中で起こった事である。是非最初から読んで欲しい。
乾いた銃声。
崩れ落ちる彼。
彼女はそっと、銃口に艶やかな唇を添え、硝煙を吹き消した。
飢えが、心を満たす。
このままでは、自分は駄目になる。直感する。
カンッ。
拍子木の鳴る音。
身を翻し、自らを褒め称える監督に微笑む。
何も分かってはいない。
だが、言っても無駄だろう。
この渇望を、理解してくれる者など……
「征くのか」
この男ぐらいであろう。
「ああ。征く。この渇望を、埋めるために。
彼女には悪いが……決して損な話じゃないだろう?
アタシはこれでも人気者。視聴率も上がる筈さね」
「然り。彼女の夢の実現。
それを加速させる一助。そうなるだろう。主の考えは正しい。
だがな、主。素直に頼むのも、偶には悪い物ではない。
友人ならば、猶更にな」
信頼する相棒の言葉。
心の裡に、染み渡る。どうやら、自分は思ったよりも焦っていたらしい。
「悪いね、相棒。目が覚めたよ。アタシの道に、横道は無い。
いつだって、直線一気。タイマン勝負がアタシの信条さね。
後は頼んだよ……窮兵衛」
悠然と頷く彼。頼もしい姿だ。
「任されよ。主。
おいどんが、すぱっとこの腹掻っ捌き!!
監督どんに、おんしの不在を認めさせもす!!!
キィェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!」
突如響き渡る猿叫。
騒然とするスタジオ。
肥後同田貫宗広。2尺3寸7分の無骨な姿を白日の元に晒し。
ブラジル産のさぶらいは、監督に向かい詫び申さん。
「監督どん! アマさッ! こどんわっぜぇ好いちょっど!!!
クリークかかどんが番組いっど!!! でいなこつしもした!!
ことわいにおいどんの腹ば掻っ捌き!!!!!!!!!!!!
おんしの腹がきわを、治めもうす!!!!!!!!!!!!!」
「誰かあのバ鹿を止めろ!!! 何言っとるかわからんが、また切腹する気だぞ!!!」
「何回目だよ!? 窮兵衛の切腹からの奇跡の復活は、番組だけで腹一杯だよ!!!!
スパスパスパスパやりやがって!! まだ足りんのかアイツは!!! 漢塾じゃねーんだぞ!!」
「ぬおぉぉぉぉぉ!!!! おいどんの生き様見晒せ!!!!
チェストォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」
喧噪を背に、歩み出す。
頼りになる相棒だ。
意図せぬセクハラの度にスタント無しで切腹するため、出演回数は少ないが。
1クール目からずっと自分に寄り添う、信頼すべき薩摩隼人。
だが些かパイタッチの回数が多い。
半径10メートル以内に近寄らないように言うべきか。
自分の身体は安くないのである。
彼女はそう思いつつ、友人の元へと向かった。
「よいこのみんなー♡クリークママといっしょ、はじまりますー♡」
甘く母性に蕩けたタイトルコール。だが些か様子がおかしい。
ハルウララは思った。
……何か、いつもと違う。声から感じる違和感。
これは、何を秘めているのか。焔の如き炎熱。
熱い感情がその二子山にて燃え盛っているような。
「ウマのおねえさん、ウララだよっ!」
くるりと笑って両手を広げ、にぱっと笑い自己紹介。
まぁいい。このスタジオにおいては、一瞬の逡巡が命取りとなる。
誇りを今日も彼方へと投げ捨て、労働の報酬を寄生先へ還元せねばならぬ。
そうでなくば、己は真に愛玩動物へと堕ちるだろう。
首輪を付けられるのは勘弁である。
「歌のお姉さん、ファル子だよっ☆……はぁ」
猛禽類も同じ気持ちだ。
いつもと変わらぬ♡マークを手で作る。
だが、少々精細を欠いている。
溜息まで漏らす始末。
昨日の歌の時間にて。
ノリで燃料を与えすぎたためか。
もしくは収録が終わった後も、曖昧な状態だったため。
飲み屋でさらにビール飲み放題。山盛りポテト。
おまけにソーセージをあーん♡してやって、思う存分煽ったのが悪かったのか。
お持ち帰りのシュトーレン。良かれと思ってやったのだが。
常ならばスタジオの絶対君主に、立場をわからせられているところ。
だが同志ママ長は優しく微笑み、その無作法を見逃した。
いよいよもって違和感は加速する。
「がろうくんだがおー」
がろうくんはいつも通り。
クリークママにあまり興味がないのだ。
今日も熱心に自分と女児の尻に熱い視線を向けている。
死ねばいいのにコイツ。
「ウマ美ちゃんも元気だウマー」
ウマ美ちゃんも、今日は理性を保持しているようだ。
トウカイテイオー宅への復帰を許されたのだろう。
昨夜は余程、尻を楽しんだと見える。
余韻に浸り。手を宙に向け、怪しく蠢かせている。
こんな超弩級の穀潰しの寄生を、寛大にも許しているトウカイテイオー。
実のところ、レズなのではないか。
誘い受けの帝王。
つまりはそういうことだろう。
やはり当時のトレセン学園生徒会には碌な人材が居なかった。
生徒会長。緋色の女王。ダイワスカーレット。
副会長。奇跡の帝王。トウカイテイオー。
同副会長。汚い帝王。ナイスネイチャ。
君臨者の名を冠する、綺羅星の如き優駿たち。
レースの実績で言えば、妥当な人選であった。
だが、シンボリルドルフの目も曇っていたのだろう。
愛しい後輩たちへその座を譲り、後見として。
帝王たちの尻を満足げに揉みしだく、彼女の顔を思い出す。
女王の尻はトレーナー専用。触れた瞬間消し炭となるのだ。
一度やってみたら、首が360度回転したよ。
彼女はそう言い、寂しげに微笑んでいた。
やはり狙っていたらしい。色に目を曇らせすぎである。
色ボケ。誘い受け。変態。
トレセン学園を代表する優駿は、その実トレセン学園の乱れた性情をも代表していたのだ。
世も末である。今はどんな変態が生徒会に巣食っているのだろう。
興味はあるが知りたくはない。
「よいこのみんなー♡今日はぁ♡特別ゲストが来てくれてるんですよー♡」
クリークママによるアンブッシュ。
彼女はいつでも突然に。
こちらを殺しに掛かってくる。
幼児の性癖を殺害するだけでは、満たされないのだろうか。
特別ゲスト。どんな変態だ。
自分の許容量にも限界というものがある。
場合によっては、ハローワークの戸を叩く必要があるだろう。
こういう時は、ゲストがレギュラー化することも想定しておかねばならぬ。
甘い想定は、デスソースの如き激辛な現実にプランチャされるのが常である。
エルコンドルパサーの独り身のように。
スタジオに緊張が走る。
誰だ。誰なのか。辺りを見回す我ら一同。
どんな変態か。趣味は? 年収は?
特別ゲスト。お前は誰だ。誰だ。
焚かれるスモーク。サンマの香り。
「アーマーゾーンッ!!!!!!!!!」
バァンッ! 突如床が開き、迫りあがってくる姿。
幼児番組には明らかに不要なギミック。
またプロデューサーの胃が破砕される。
姿を探すと、七輪の前で涙を流す彼。目に沁みたらしい。
予算をケチるからである。
そして、スモークが薄まり、ヤツが姿を現す。
いや待って欲しい。心の整理がついていない。
さっき聞こえた登場の掛け声。
十中八九間違いは無いが、嘘だと思いたい。
だって人気女優なのだ。
こんな世紀末性癖教育番組に出演していい立場ではない。
願いも虚しく、彼女が煙を振り払い、ニカッと笑ってお腹を揺らす。
母性に濁った瞳。
抜群のスタイル。
だが、シルエットに一つの異物。
お腹が大層膨らんでいる。
そう、彼女は妊婦なのだ。
トレードマークの魔法少女ライダースーツではなく、マタニティドレスに身を包んだ姿。
服装がいつもと違っても。その輝きを見誤る者などいない。
性癖の伝道者。出生率の救世主。
誰もが知る彼女を、クリークママが紹介する。
「特別ゲストの、ヒシアマゾンちゃんです♡みんなもテレビで良く見てますよねー♡」
「よう! 子供たち。ヒシアマゾンだ! 今日は仮面魔法ウマママ少女ライダーじゃないがね。
気軽にアマゾンママって呼んどくれ!」
「うふふ♡ママがいつもの倍♡今日は、張り切っちゃいますよー♡」
この番組でママと名乗るのが許されるのは、偉大なるクリークママのみ。
その不文律が崩れた。なにせ、彼女自身が認めたのだ。
力の一号。力の二号。母性のゴリ押し。
2人のママが並び立ち。
辺り一帯の酸素が食い潰され。
さらに狂乱の度合いを増した、歪んだ母性が場の空気を満たす。
スタジオが、性癖の墓場と言う名のゆりかごと化した瞬間である。
わぁぁぁぁぁぁぁぁ。幼児どもの歓声。
何せ、大人気性癖特盛特撮ヒロインご本人のご登場だ。
ご家庭のテレビ越しで見ていた姿を、目の前で見られる。
彼らにとっては嬉しいサプライズだろう。
だが、彼らは幼さ故、理解できていない。
自分がこれからどうなるのかを。
これから起こる惨劇を想うと、身が竦む。
いったいどれだけの性癖が破壊されるのか。
「ねえねぇアマゾンママ! おなか、触っていい? あかちゃん!」
「ん? もちろんいいとも。ほら」
勇気ある男児がゲストに歩み寄る。屈んでお腹を差し出すアマゾンママ。
バ鹿、やめろ。
心の中で呟いた制止は、届くはずもなく。
「わー! 動いてる! すごい!」
「ふふ。あんたにもこんな時が、あったんだよ……?」
ゴリッ。男児の頭に押し当てられるデリンジャー。身に沁みついた動き。
幼児は生命の神秘に夢中で、己が命の危機に気づいていない。
引き金が引かれるその瞬間。
「アマゾンちゃんー♡めっ♡」
ドンッ!
母の皮を被った殺人者が、哀れな被害者の前から横にスライドして吹き飛ぶ。
幼児の危機は見逃さぬ、クリークママが間一髪で、滅! したのだ。
おなかの子に障らぬよう、常より優しめのヤクザキックである。
ウマ美ちゃんならば、20メートルは吹き飛んでヤムチャしているところだが。
さすがはライダー。そのままの姿勢で5メートルしか吹き飛んでいない。
ヒシアマゾンは、スライドしつつばつ牛ンの体幹で、おなかの子を庇い、態勢を立て直す。
ノーダメージ。母は強しということだろう。
「おっと、すまないねクリーク。ついいつもの癖で」
「もう♡今日は女優さんじゃなく、ただのママだっていうお約束でしょ♡
ママ、ぷんぷんですよー♡」
「はは、許しておくれよ。クリークには叶わないね。
ウララ。悪いが預かっておいておくれ」
パスされる拳銃。受け取った瞬間感じる重み。
中折れ2連式。レミントンモデルのデリンジャー。明らかに実銃である。
まさかと思い、手慣れた動きでバレルの固定をリリース。
銃弾を検めると、誇らしげにトガる、熱い母性を注入するための鈍色。
実弾である。コイツマジか。
この世界のやたらと頑丈な人類でも。
幼児では、ショート弾とはいえ、41口径を脳天に発砲されれば落命は免れぬ。
危うく番組の放送禁止と共に、職を失う所であった。
そして、今さらながらに自らの生命が脅かされていた事を認識した、もっくん(5)。
「ぼ、ぼく、死……? あっ……だ、だめ……」
その一張羅の、サスペンダーで保持した半ズボンを小水にて濡らす。
おもらしである。約束のサービスシーンだ。
これには読者諸兄もニッコリであろう。
「あらあらまぁまぁー♡」
「おやおや、これはいけないね……」
しかしながら、なんと不用意なサービスか。
致し方無いとはいえ、それは死刑執行書へのサインだ。
幼児の世話を焼く事に飢えた、凶獣たちの目が愉悦を湛え煌めく。
むぎゅむぎゅむぎゅむぎゅう。
もっくんが両側から四本の手に持ち上げられ。
二人のママのワガママなボディー。
四つの偉大なる山脈に埋もれる。
その大きさは、実に合計2メートルを越える。
K2越えの、人類の登頂を一切阻まない。
とても優しい、四つの母性に満ちた山。
だが、それこそが罠。
何時だって、無知な人類の。
無謀な登山は死を招くのだ。
「あっ……やわらか……」
もう助からないゾ♡
「あらあらー♡もっくん、おもらししちゃったんでちゅねぇ♡しょうがありまちぇん♡クリークママが、優しぃく♡おむつを履かせてあげまちゅからねぇ♡」
「おっと、待ちなよクリーク。これはアタシのやらかしのせいだろ? もっくん、もっくんは、アタシにおむつを履かせて欲しいよなぁ?」
むぎゅむぎゅむぎゅむぎゅ。
愛情たっぷりの抱擁。
熱の籠ったバイノーラルの囁きにより、理性を蒸し上げられるもっくん。
「あひっ……! ぼく……え、えらべない……!」
ばたばたと手足を跳ね回らせ、いやいやと首を振る彼。
そして最悪の選択。
どちらを選んでも性癖は死ぬ。
だが、選択をしない自由など、このケースにおいては存在しない。
否。選ばぬ事は出来る。
出来るが……その選択は己の性癖の死を加速させるだけである。
「もう♡もっくんは優柔不断でちゅねー♡こうなったら♡」
「ああ。ママが1人という法は無い。二人のママの、共同作業……アタシたちが、王様みたいに贅沢に、おむつを履かせて上げようじゃないか」
一人の哀れな男児。
甘やかしママと、勝ち気ママ。
二人の母に挟まれて。
ママっぱい四天王に退路を塞がれ、行き着く先は八王子インターチェンジ。
性癖の中央自動車道を逆走して行く幼子の運命。
理性と言う名の機動隊のサイレンも、それを最早止められぬ。
それにしても、ママが二人とは。
こやつら分かっておらぬ。
可愛いプリンセスの母は、このハルウララだけだ。
ママは二人も必要ない。
そう思いつつ、もっくんの性癖の行方を見守る。
まあ結果など。
偽りの母でうまぴょい伝説を演奏したら、淫らなヴォーカルが耳を楽しませるように。
見るまでもなくわかること。
逆走の代償とは。常に一つ。
ぎゅううううううう……♡
バタバタと跳ね回る四肢は母性の山脈に封じ込まれた。
アカチャン奔放は許されぬのだ。
「「ほら、もっくん♡はやくぅ♡きもちよぉく、なろう♡」」
息のみ最低限出来るよう、膨大な母性に埋め込まれた幼い身体。
トドメの蕩けたふたつのバイノーラル。
さぁ、新生の時だ。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!」
ぐりんと白目でWピース。
サービスシーンその2である。大サービスだな。
全身の穴から体液を垂れ流し、幼児の性癖が完全かつ徹底的に破壊された。
もはや社会に出る事は叶わぬだろう。
もっくんは、ツインママによりおむつを履かせてもらえねば、もう満足を得られぬ。
叶わぬ再度の快楽を求め、生涯おむつを手放せぬ、永遠の島の住人。
要介護ピーターパンと化したのだ。
「あら、おねんねしちゃいまちたねー♡」
「おや。こりゃおむつは起きてからだね。寝たまま履かせちゃ、可哀想だ」
痙攣を続けるもっくんを、慈愛の目で舐め回し、ねっとりとした手つきで撫で続ける彼女たち。
性癖の破壊者たちは、二重の意味で目覚めた彼を更に破壊するだろう。
今は幸せな夢を見ていて欲しい。
起きたらきっと、更なる性癖の溶鉱炉に沈み行くこととなるのだ。
ハルウララは、そっと十字を切った。
心の中で思う。
娘の運命の相手とやら、無理矢理聞き出すべきであった。
このツインママ式性癖ミキサーなら、そやつを破壊し尽くせたのに。
「ところでアマゾンちゃん♡どのぐらいの頻度で来れそうですかー♡」
「週一が限度かねぇ。うちの子供も居るし、撮影もある。何より旦那とタイマンしなきゃいけないからねぇ」
「お盛んですねー♡この負けウマ♡」
アヘ顔の男児を愛玩しながら、のほほんと井戸端会議に興じる邪神ども。
チャンスはまだまだある。
ウララは密かにほくそ笑んだ。
この後、滅茶苦茶幼児の性癖が破壊された。
被害者の数は、番組史上過去最大の数を記録したという……
つづかない