ミサトはシンジの大好きなお姉さん ~碇シンジ養育計画~   作:朝陽晴空

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半貴石の価値は

 使徒を倒した後、ミサトとシンジとアスカは形式的には前の通りの生活に戻ったが、アスカのツンツンと態度は続いていた。

 三人で顔を合わせてご飯を食べる時もアスカはムスッとした顔で食べ物を胃に掻き込むだけ。

 学校ではミサトとシンジの作ったお弁当を食べず、クラス委員長のヒカリのお弁当と交換していた。

 

「へえ、碇君ってば、料理も出来るんだ」

「フン、最近ミサトが仕事で忙しいから始めたらしいけど、大したことないわ」

 

 アスカはヒカリがシンジの事を熱い眼差しで見つめている事に気が付いて居なかった。

 シンジに対する当て擦りをするつもりが、恋のライバルを増やしてしまうと言う墓穴を掘ってしまった事に気が付かなかった。

 

「アスカは碇君を許してあげるつもりは無いの?」

「アタシは一番、アイツは二番、三番目もどこの馬の骨か知らない女とキスするに決まってるわ!」

 

 アスカは腕組みをしながら鼻息を荒くしてヒカリにそう答えた。

 

「でも意外ね、アスカは加持さんって人が好きだったんじゃないの?」

「加持さんねぇ……アタシの事を子供扱いしかしてくれないし、ミサトを食事に誘ったりして色目を使っているらしいのよ」

 

 ヒカリと話しながらもアスカの目は同じ教室に居るシンジを追いかけている。

 トウジとケンスケと何やら話していたシンジは、本を読んでいるレイの席へと向かった。

 

「むむむ、こんどはレイとイチャラブする気ね!」

「アスカ、碇君は綾波さんと普通に話しているみたいよ」

 

 ヒカリが諫めても、目の曇ったアスカには届かないようだった。

 

 

 

 その日の放課後、レイと一緒に帰るシンジを、アスカとヒカリは尾行していた。

 

「何で私まで付き合わなくちゃいけないのよ……」

「乗り掛かった舟でしょ」

 

 ため息を付くヒカリにアスカはそう答えた。

 なんだかんだでヒカリはアスカの面倒見がいい。

 シンジとレイが入ったのは宝石も扱うアクセサリーショップだった。

 アスカとヒカリも緊張して客として入った。

 シンジとレイの二人は熱心に宝石を見ている。

 ショーケースに入った宝石のアクセサリーを見て、シンジは深いため息を吐き出す。

 

「アスカは赤い色が好きだと思ったんだけどな……」

 

 そのシンジの呟きを聞いてアスカは耳をピクリとさせる。

 

「ほら、碇君はアスカと仲直りするためのプレゼントを買いに来たのよ」

「ま、まあバカシンジにしては気が利く事をするじゃない」

 

 ヒカリに言われてアスカはまんざらでもない顔になった。

 しかしシンジにルビーなどの高価な宝石が買えるはずも無い。

 最低でも価格は数万円はするのだ。

 宝石店の店員も学生であるシンジとレイを見てその点は心得ているようだった。

 

「お客様、それならば『半貴石』をお求めになってはいかがでしょう」

 

 宝石の値段より、加工代金が高いものは『半貴石』と呼ばれる。

 中にはただ同然の赤い石を加工してアクセサリーにしたものもあるそうだ。

 それならば数千円で買えるので、シンジでも手が届く。

 

「じゃあこのハート形の赤い宝石を下さい。えっ、300円!? そんなに安いんですか?」

 

 シンジは宝石に詳しそうなレイを連れて、安い宝石を選んでもらうつもりだった。

 アンドロイドのレイなら、宝石とガラス玉の真贋を見極められるだろうと思ったのだ。

 

「あっ、碇君がこっちに来る。店を出るわよ、アスカ」

 

 ヒカリに促されたアスカは店の外に出た。

 アスカの機嫌はすっかり直っていた。

 シンジのファーストキスの相手ではなかったと言う傷ついたプライドは癒された。

 

 

 

 シンジより先回りして家へと帰ったアスカは、浮かれているのを悟られないように碇ゲンドウポーズでリビングのテーブルに両肘を付いていた。

 

「これ……アスカと仲直りしようと思って……!」

 

 シンジが差し出した包装された箱をアスカはひったくるように取って開けた。

 中に入っていたのは、アスカの予想通り、ハート形の赤い宝石で作られたネックレスだった。

 加工費込みで3,300円(税込)也。

 

「何コレ……安っぽいし、ダサいわね」

「ごめん……」

 

 シンジはアスカの反応を見て凹んでしまった。

 

「まぁでもせっかくなんだし……受け取っておくわ」

 

 アスカははにかみながらそう言うと、ネックレスを首に掛けた。

 

「たっだいまー、どうしたの? そのネックレス」

「シンジに貰ったのよ」

 

 帰って来たミサトにアスカが上機嫌でネックレスを見せる。

 

「そっか、無事に仲直りできたのね」

 

 ミサトは嬉しそうに微笑んで、その日は久しぶりに和やかな夕食となった。

 

 

 

「ミサトさん、起きてますか?」

「どうしたの、シンジ君?」

 

 その日の夜、シンジはミサトの部屋を訪れた。

 

「ミサトさんに、このネックレスを受け取って欲しいんです」

 

 シンジはそう言って、ミサトに金色に光る宝石のネックレスを渡した。

 

「これって、ルチルクォーツじゃないの!?」

「はい、ミサトさんの誕生石です」

 

 ルチルクォーツは最低でも1万円はする宝石だ。

 太陽の様な金色の輝きは人々を魅了する。

 しかしミサトは、ルチルクォーツにしては金色がくすんでいるように見えた。

 明るいところで見ると、金色より茶色に近い気がする。

 

「ねえシンちゃん、これって……」

「ごめんなさい、プチプラのスモーキークォーツ(煙水晶)のネックレスなんです」

 

 アスカのネックレスを買った店とは別の店で、税込み1,100円のこのネックレスをシンジは何とか探し当てたのだ。

 

「ありがとうシンちゃん、でもあたしは……」

「ミサトさんにはあの十字のネックレスをしていて欲しくないんです!」

 

 シンジの強い口調に、ミサトは驚いた。

 

「十字架って、自己犠牲とか、そう言う意味があるんでしょう? 僕はミサトさんに、父さんと母さん、僕のためじゃなくて、自分のために生きて欲しいんです!」

 

 ミサトにはシンジの言わんとしている事が分かった。

 でも自分はシンジの為に生きる事は辛い事ばかりではないし、シンジの世話を焼けるのも、シンジが子供の間だと愛おしく思っている。

 ここまで自分の身を案じてくれるほどシンジが成長したのだと思うと、ミサトは嬉しくなった。

 

「分かったわ。ネックレスは有難く頂戴します。でも知ってる? 誕生石をプレゼントするって事は、プロポーズするようなものなのよ?」

 

 ミサトがそう言うと、シンジは顔を真っ赤にした。

 明日の朝、ネックレスを変えた事をアスカにどう言い訳しようか。

 シンジからプレゼントされたと話せばまたアスカはつむじを曲げてしまうだろう。

 それはシンジにも理解できた。

 だからこの半貴石のネックレスの件はミサトとシンジ、二人だけの秘密だ。

シンジとミサトの関係について

  • R15(?)の現状でいい
  • 姉弟の関係に徹するべきだ
  • アスカやリツコとの三角関係が来い!
  • より激しく!もっと激しく!さらに激しく!
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