ミサトはシンジの大好きなお姉さん ~碇シンジ養育計画~ 作:朝陽晴空
フェイクニュースにより失墜したネルフの名誉を復活させたのは、大手メディア企業『ゼーレ』のCEO、キール・ローレンツだった。
彼がネルフやスポンサー企業に係わる一連の疑惑は一人の犯罪者による捏造だと発言すると、ネットからもネルフを非難する声は消えて行った。
ゼーレは各国政府の他にネルフを支援する最大手のスポンサー企業。
コウゾウはキールCEOに多大な感謝をしていた。
適格者をヒーローとして広告塔に使うアイディアを出したのもキールだった。
こうしてネルフには平穏が訪れたが、一部では軋轢が生じていた。
ミサトはこの前の騒ぎで初めてネルフの地下に自爆装置が仕掛けられている事を知った。
ネルフは機密情報を扱う機関だとは言え、自爆してまで情報を隠そうとするのは異常だ。
地下を見せて欲しいとコウゾウに頼んだが、頑なに拒否された。
さらにミサトの心をざわつかせて居るのはコウゾウを含めれば三人の男性だ。
それは恋愛感情と言えるものではない。
二人目は加持リョウジ。
事あるごとにミサトをデートに誘って来るチャラい男だと思っていたが、ネルフの停電事件、爆破未遂事件と肝心な時にアリバイが無い。
ネルフ内部に犯罪を手引きしたものが居るとしたら彼なのではと警戒を強めていた。
最後の三人目は最愛の弟であるシンジだった。
その時のミサトは酔い潰れていて自信は無かったが、シンジが夜に自分の寝室に来ていやらしい事をしていると思ったのだ。
自分が嗅いだビール臭の吐息以外の微かな匂いがそれを感じさせたのだ。
ミサトはシンジを育てると言う固い決意があり、まだ男性と交際した経験はない。
だからその匂いがソレであると確信は持てなかった。
ミサトは自分はシンジの姉であり、そのような事はあってはならないと思っていた。
問い詰めてもシンジは嘘と沈黙で返すしかないだろう。
認めてしまえば、家にとても居づらくなる。
アスカとシンジをくっ付けてしまえばシンジは健全な子になれるともミサトは思ったが、二人はまだ中学生だ。
高校生になったとしても肉体関係まで行くのは早い。
こうなったら自分に恋人が出来た振りをすればシンジの恋慕も離れるかもしれない。
危険人物だがリョウジのデートの誘いにも応じてやるか……などとミサトは考えていた。
ちなみにミサトは日向マコトの気持ちには1ミクロンも気が付いていない。
マコトは冗談でもミサトを食事に誘ったことが無い。
ネルフ本部が自爆するか、戦略自衛隊に攻め込まれるか、命の危機にさらされた時にサラダを食べてくれるように誘うのが最高にカッコいいと思っている某アニメマニアだった。
「君たちは、人が眠ったまま死んでしまうと言う事件が最近多発しているのを知っているかね?」
「はい、最近では大規模VRMMOゲームのプレイヤーが多数亡くなり、開発者が逮捕されたと聞きました」
ネルフに呼び出されたミサトは、コウゾウの質問にそう答えた。
頭にヘルメットのような器械を装着するフルダイブ式のバーチャルゲームが年齢を問わずに人気を集めていた時に起きた事件だった。
「死因はヘルメットのような器械がプレイヤーの脳に何らかのダメージを与えたと感がられ、開発者が逮捕されたのだが、どうやら違うようなのだよ」
コウゾウは、そのVRMMOゲームの開発者は安全性を第一に開発したので過失致死も有り得ない、VRゲームをプレイしていない人間にも変死事件は起きている、そして最大の特徴は、死亡したのがほとんど男性プレイヤーだったのだと話した。
再調査のきっかけとなったのは、10歳の少年の小学生の証言だった。
『綺麗なお姉さんが夢に出て来て、気持ちがフワッとする事をしてくれた』
その女性はしばらく少年を愛撫していたが、少年の反応が気に食わなかったのか、鬼のような形相になって力一杯両手で握り締めて来た。
その痛さで少年は目が覚めたが、恥ずかしくて家族にも夢の内容を話せなかったので、再調査まで時間が掛かった。
多くの犠牲者が出たので、検死も脳や上半身に集中して下半身は調べていなかった。
精気は夢の世界で奪われてしまったのだろう、下半身の状態を調べるまで外見では気が付かなかった。
「夢魔のような使徒が居る……と言う事でしょうか」
「ミサトも回りくどいわね、サキュバスって言えばいいじゃん!」
「アスカはストレート過ぎるのよ」
ミサトとアスカが言い争いをしていると、レイがスッと手を上げた。
「犠牲者に女性が居ると言う事は、インキュバスの可能性もあるのでしょうか?」
「うーむ、私には分からないが、今はダイバーシティの時代であるから……な」
司令室に居た全員は、申し訳ないと思いながらもマヤの顔を思い浮かべた。
「シンジが一番危ないわよ、夜は……」
アスカがそこまで言いかけると、シンジは必死の形相でアスカの口を押えた。
ミサトはアスカからシンジの秘密を聞き出しても家族は崩壊すると危機感を強めた。
「しかし、夢の中に居る使徒をどうやって見つけるのですか?」
「それは赤木君の発明品がある」
ミサトの質問にコウゾウはそう答えた。
『夢見ミラー』。リツコが発明したこの機械は、他人の夢の世界に入るために造られた。
「寝ている人の手に触れれば入れるとかじゃないんだ」
「ATフィールドはそこまで便利じゃないわ」
シンジの質問にリツコはそう答えた。
その割には使徒は人外の能力を使っているような気がする。
「それにしても、リツコってポンポンと発明品を作れるのね」
「江戸時代の発明家のご先祖様が残した大百科があるからよ。レイもそれで作ったの」
「江戸時代にあんなに可愛い女の子のロボットが居たの? むしろワガハイは××助ナリとか言ってそうなものだけど」
「それは碇シンジ君の父上、碇ゲンドウさんの提案よ。『可愛いは正義』だって話していたわ」
リツコの言葉を聞いたミサトは噴き出した。
だからリツコは猫ちゃんグッズなど集めたり、マヤを可愛がっているのかと勝手に納得した。
「司令も反対しなかったのですか?」
「その時の私は副司令、反対出来るわけが無かろう!」
コウゾウが感情的に反論するなど初めての事だったので、尋ねたミサトの方が驚いた。
「アンタたち、話が脱線してるわよ」
年下のアスカに指摘されて、コウゾウたちはシュンとなった。
「それでシンジを囮にして使徒にXさせてさせている間に、アタシたちで使徒を倒す作戦?」
アスカが躊躇いも無く淡々と言い放つと、司令室に激震が走った気がした。
ATフィールドを持たない人間は使徒の攻撃には耐えられない。
その作戦が合理的かつ確実ではあるのだが、ミサトには到底受け入れられない作戦だった。
「もしそんな作戦を行うのであれば、私は地球を破壊します」
ミサトにそうまで言われては、コウゾウも強行するわけには行かなかった。
アスカも本気でシンジにやらせようと思っていたわけではない。
しかし、幼い子供を囮にすると言うのも倫理的に許されない。
「おいおい、俺を絶倫男だと勘違いしてないか? 酷い扱いだな」
「加持のアイディアを聞きたいのよ」
ミサトに聞かれたリョウジはしばらく考えた末に、ポンと手を打った。
「前の事件で逮捕された使徒、まだコアの摘出手術はしていないんだろう?」
「ええ、アンチATフィールドの牢獄に収監しているわ」
リョウジの質問にミサトはそう答えた。
「そいつなら搾取されても持ちこたえる事が出来るんじゃないか? えっと、その別嬪さんの使徒の名前は何て言うんだ?」
「目撃者の証言の話では『天使ライラ』と名乗っていたそうだ」
「フン、本体は人間なんでしょ? 堕天使もいいところだわ」
コウゾウの言葉を聞いたアスカは不機嫌そうにそう言った。
「でも、どうやって使徒ライラを、使徒ロウルイの夢の中に釣り出すの?」
「そりゃあ、奴の欲しがっている餌を集めるのさ」
ミサトの質問にリョウジはそう答えた。
「大量の精気をどうやって集める気かね?」
「それはもちろん、日本中……ぐはっ!」
コウゾウの問い掛けに答えたリョウジの腹にミサトのキックが炸裂した。
協議の結果、ネルフの男性職員全員の協力を仰ぐ事となったが、会社でそのような破廉恥な行為を行うなど恥ずかしい事この上ない。
マヤなど耐性の無い職員は作戦開始前に帰宅してもらう事になった。
そして使徒ロウルイを特別室へと連行して、『夢見ミラー』を設置し、作戦開始の準備は整った。
「シンジ君や司令たちは使徒ライラに精気を搾り取られてしまう可能性があります、なるべく遠くへと離れてください」
夢の世界へと入り込むのは、アスカとレイ、ミサトの三人となった。
『夢見ミラー』を操作するのはリツコ、サポートもマコトとシゲルではなくアオイ・サツキ・カエデの三人が行う事になった。
レイは使徒ロウルイの目の前で紐に通した五円玉を振り子のように振った。
「あなたはだんだん眠くなる……」
「どうして腕時計型麻酔銃を使わないのよ? その方が手っ取り早いじゃない」
「あれは違法武器だからよ。麻酔は医師免許を持ってる人間にしか使えないの」
アスカの疑問にミサトはそう答えた。
じゃあアニメで使っている少年は罪を犯しているのかと尋ねると、彼は医師免許を持っているとミサトは話した。
「フフフ、美味しそうな雄の匂いがするじゃない」
むわっとした精気の匂いが辺りに満ちると、ついに使徒ライラが姿を現した。
大量の人間の精気を搾取できる機会を彼女が見逃すはずがない。
使徒ライラは天使のように純白の身体に黒い羽根、白と黒が入り混じった長い髪をしていた。
現実世界でこんな女性が居れば目立つだろうから、これが夢の世界での彼女の姿なのだろう。
「さあて、時間も無い事だからさっそく始めようかしらね」
元々下着姿のような薄着だったライラは、そう言って使徒ロウルイに近づいた。
ロウルイは魅了の術にかかったのか、大の字になって待ち受けている。
「くっ、ちょっとは抵抗しなさいよ!」
ミサトの投げた小型爆弾が天使ライラの背中の羽に直撃するが強力なATフィールドに阻まれて効果は無い。
「それなら動きを封じさせてもらうわ!」
ミサトの放った布製メジャーが天使ライラに纏わり付くが、あっさりと引きちぎられた。
「うそっ、使徒の攻撃にも耐えられる強度なのに!?」
「それは今まであんたが戦って来た使徒が弱かったからじゃないの?」
「このーっ!」
棒立ちになっている使徒ライラに、アスカがATフィールドの力を込めたジャンプキックを叩き込むが、弾き飛ばされてしまった。
「フン、あんたみたいに男を一人も喰った事の無いやつの攻撃なんか、通じるものかい。あたしはたくさんの精気を食べて来たんだよ」
こいつはどれだけの人間の精気を吸い取って来たのか、十人や百人では下るまい。
人を多く喰らうほど使徒は強くなるのかと、アスカは歯ぎしりした。
「邪魔者たちを倒してから、ゆっくりと精気を喰らうとするかね。あんたも幸せな夢を見ながら死ねるんだ。感謝しなさいよ」
ライラはロウルイに向かって妖艶に微笑んだ。
ロウルイの目は焦点が合っていない。
こいつがATフィールドを展開して抵抗すれば時間が稼げるのに、とアスカは思った。
レイは冷静にライラの言葉を聞いていた。
ATフィールドを展開する時間は限られている。
なのにどうして使徒は目の前の餌に喰らい付こうとしないのか。
レイは精気の集まった容器を掴むとリツコに告げた。
「赤木博士、ジェネレータの出力を最大限に上げてください」
「うぐっ、何をする!」
レイは強い力で精気の集まった容器をライラの喉の奥深くまで押し込んだ。
そんな事をしてはライラをパワーアップさせてしまうのではないか。
ミサトとアスカが青い顔をして見つめるうちに、ライラの身体は組織崩壊を起こした。
凄まじいエネルギーの奔流に耐え切れなくなったのだ。
レイがライラにした事は、無理やりお酒の一気飲みをさせるような事だった。
ライラの身体から白い水流が噴水のように噴き出す。
今まで溜めた精気が拡散されたのだろう。
失われた人の命は戻って来ないが、敵を討つことは出来た。
抜け殻のように枯れ果てた姿になったライラは、現実世界でも老婆のような姿になっているだろう。
急に年齢をとった人間を探せばいいのだから、使徒を特定して逮捕するのは容易い。
後日のニュースで、一人のアイドル女優が行方不明になったと世間で騒がれたのだった。
シンジとミサトの関係について
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R15(?)の現状でいい
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姉弟の関係に徹するべきだ
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アスカやリツコとの三角関係が来い!
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より激しく!もっと激しく!さらに激しく!