ミサトはシンジの大好きなお姉さん ~碇シンジ養育計画~   作:朝陽晴空

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恐るべきムチ! 恐るべきシンジ!

「惣流・アスカ・ラングレーです!」

「綾波レイです……」

 

 アスカとレイが転入生として挨拶をすると、教室に居た生徒たちからは歓声があがった。

 とびっきりの美少女が二人も同じクラスに転入してきたのだ、大騒ぎである。

 

「自分(=関西弁でお前)はどっちが好みなんや?」

 

 友人の鈴原トウジに声を掛けられたシンジは正直どう答えていいか迷った。

 アスカの気の強さは知っているし、レイがまだ感情を形成中のアンドロイドだとも知っている。

 それにシンジのストライクゾーンはミサトなのだ。

 

「僕は惣流みたいな明るい子と付き合ってみたいな」

「苦労すると思うよ……」

 

 同じく友人の相田ケンスケがそう言うと、シンジは小さな声でそう呟いた。

 シンジがトウジと友人になったのは、近所の公園でトウジが自転車を盗まれた事がきっかけだった。

 困っているトウジを見たシンジはトウジの友人であるケンスケと一緒に日が暮れるまで捜索に協力し、乗り捨てられていたトウジの自転車を見つけたのだった。

 それからトウジはシンジの友人となり、ミサトがシンジの中学校まで出張する事態は避けられたのだ。

 

「なあ碇、《使徒》と《適格者》って知ってるか?」

「ななななな何も、知らないよ!」

 

 突然ケンスケから話題を振られたシンジは激しく動揺した。

 

「ネルフって会社に勤めているん僕のパパの話だけどさ、使徒って悪者を倒す正義のヒーロー、適格者って言うのが居るみたいだぜ。そのうち、ネットでも話題になるかもな」

「何じゃい、そのけったいな奴らは」

 

 ケンスケとトウジはしばらくその話題に夢中になっていたが、同じ教室に居る生徒たちの話題はアスカとレイだった。

 猫を被って優等生を装うアスカの周りには生徒たちが集まり、珍妙な受け答えをするレイの周りにも不思議と生徒たちが集まっていた。

 昼休み。

 シンジとアスカの弁当の中身が全く一緒だと気付いたクラスメイトたちは騒然となった。

 

「シンジとは事情があって同居しているだけよ、アタシはこんなガキに興味は無いし、好きなのは加持さんなんだから!」

 

 アスカは顔を真っ赤にしてアタフタと言い訳をした。

 

「そうよ。碇君は、他にもムチムチプリンプリンなお姉さんと暮らしているから」

 

 レイがさらに爆弾発言を投下した。

 

「シンジ、そりゃあどういう事や、説明せい!」

 

 トウジがシンジの胸倉を掴んで問い質そうとする。

 シンジは事情を説明して落ち着いてもらう事に成功したが、その日から毎日のようにトウジとケンスケはシンジの家から登下校を共にするようになったのだ。

 

 

 

「ちょっと待ってください、冬月司令。そのような場所にこの子たちを潜入させるつもりですか!?」

 

 ネルフにシンジたちと一緒に次なる使徒の逮捕指令を受けたミサトは、そう声を上げた。

 

「うむ。旧赤線区域……いや、今はソープランド街か。そこで多くの死者が出ている。殺害方法からして、売春婦に紛れた使徒の仕業だと思われるが、ATフィールドを展開した時にしかパターン青は検出されない。そこで怪しい人物に接近し、真偽を探って欲しいのだ」

「だからどうして、シンジ君たちが行く必要があるんですか!」

 

 コウゾウの説明を聞いても、ミサトはなおも抗議した。

 

「適格者が使徒に誘惑されては逆効果になるからな。その点、中学生の少年なら大丈夫だ。ほら、学生時代は女子と手を繋ぐだけで石を投げられたりしただろう」

「いったいいつの時代の話をしているんですか!」

 

 60年前の自分の中学生時代の感覚で語らないで欲しいとミサトは思った。

 (ネルフ司令・冬月コウゾウ、御年74歳)

 

「それならば、シンジ君には女性の誘惑に耐える訓練をしなければならないな」

 

 そう言ったリョウジが持って来たのはアダルトビデオの山だった。

 

「ちょっと、AVなんか見せてシンジ君に変な性癖が付いたらどーすんのよ!」

 

 ミサトはリョウジにそう怒鳴った。

 アスカは顔を真っ赤にしてしてアダルトビデオを手に取ってパッケージを見ている。

 

「オーディオ・ビジュアル機器は青少年に悪影響を及ぼす可能性があるのですか」

「レイ、ちょっち黙っててくれる?」

 

 話し合いの結果、ミサトがシンジの特訓をする事となった。

 

 

 

「さあ、シンちゃん。こっちへいらっしゃい」

 

 その日の夜、布団に横たわるミサトに手招きされたシンジはゴクリと唾を飲み込んだ。

 

「シンちゃんはあたしが良く添い寝してあげたんじゃない。そのお陰でおねしょも直ったんでしょう?」

 

 おねしょは精神的に寂しさを抱えた子供がする可能性があると言う。

 シンジは小学校の頃までミサトと同じ布団で寝ていたが、朝起きたらパンツの中で別のものをおねしょするようになってから、一緒に寝るのを止めた。

 さらに状況が悪いことに、今のミサトは下着姿だった。

 血の繋がっていない姉にシンジが興奮しないわけがない。

 早くも股間の血流がたぎっている気がした。

 

(祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色……)

 

 シンジは平家物語の冒頭を暗唱してクールダウンしてからミサトの布団に潜り込んだ。

 

「シンちゃん、すっかり大きくなっちゃって。戦闘訓練も受けるようになってから、筋肉もたくましくなってきたかな?」

 

 シンジの髪を撫でながら、ミサトは感慨深そうに話した。

 ずっと可愛い弟だと思っていたシンジの成長を、ミサトはシンジの身体を撫でまわして感じていた。

 腹筋も上腕二頭筋もこれからもっとたくましくなるのだろう。

 

「あたしの方も、バストアップ効果が出て来たかな?」

 

 さらにミサトがそう呟くと、シンジはまた興奮がぶり返した。

 

(祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、ただ春の世の夢のごとし。たけき者も遂には滅びぬ。ひとえに風の前の塵に同じ)

 

 シンジは平家物語の暗唱で、その日の夜は乗り切った。

 

 

 

 数日後、シンジたちはパターン青が検出されたソープランド街へと派遣される事になった。

 今回はミサトも任務に同行する事となった。

 適格者ではないが、シンジたちと同じく体を覆う服の下にプラグスーツを着込んでいる。

 

「葛城君、使徒と戦いたい気持ちは分からなくはないが、並の人間がATフィールドを展開した使徒に殴り掛かれば、君の腕の方がへし折れてしまうかもしれないぞ」

「その点は問題ありません。赤木博士に私専用の武器を造ってもらいました」

 

 コウゾウの言葉にミサトは自信たっぷりにそう答えた。

 ミサトはリツコと仲を深め、特製のメジャーのような形の伸縮する武器を造ってもらったものだ。

 プラグスーツと同じ材質の布で出来ているため、使徒の攻撃にも耐えられる。

 

「もうすぐ日没か……急がないといけないわね」

 

 昼間から営業している店は少ない。

 早すぎる時間に店に行っても標的の風俗嬢が出勤していない可能性もある。

 使徒と思われる不審人物は何人か居るが、このソープランド街の女王と呼ばれる人物がダントツだった。

 名前は【比留間・ヒルダ・ディタイム】。

 アスカと同じアメリカ人のクォーターだった。

 店主の話によると、ヒルダの逆鱗に触れた同僚の風俗嬢や客が、消息不明になったり、時には惨殺死体となって発見される不審な事件が頻発していると言う。

 もしかして世間を騒がせている使徒なのでは、と店主は思ったが、本人に問い詰める前にネルフに通報したのは賢い選択と言える。

 ヒルダが使徒だったならば店主の命はその場で奪われていただろう。

 

「あんたたち、客じゃないようだね?」

 

 指名されたヒルダが呼び出された部屋に入ると、そこに居たのはプラグスーツを着たシンジとアスカ、レイの3人とミサトだった。

 

「くっ、お前たちは適格者か!」

 

 ヒルダはそう言うと、光るムチのような物を両腕から伸ばしてシンジとレイを狙った。

 

「シンジ君、危ない!」

 

 ミサトはシンジを抱きかかえて床を転げまわる。

 光るムチはミサトの背中をかすめた。

 火傷のような痛みが走ったミサトは顔を歪めた。

 レイはマトリックス避けでムチを交わした。

 ヒルダの光のムチで壁が破壊され、店の周りは大騒ぎになった。

 壁の崩壊に悲鳴を上げて逃げて行く人々。

 

「こ、腰が抜けてもうた……」

「おい、しっかりしろってば!」

「シンジ君のクラスメイト!? どうしてこんな所に!」

 

 逃げ遅れたトウジとケンスケを見て、ミサトは驚きの声を上げた。

 再びシンジたちに向かって振り下ろされたムチを、ミサトはリツコ特製の布(クロス)メジャーを使って払い退けた。

 

「こうなったら、彼らを連れて撤退するわよ!」

「嫌です、逃げません」

「シンジ君!?」

 

 ミサトは驚いてシンジの方を見た。

 

「ミサトさんを傷つけたアイツを許すわけにはいかない!」

 

 シンジの瞳は怒りに燃えていた。

 これほどシンジが怒るのを、ミサトは見た事が無い。

 正面からヒルダに向かってシンジは走って行った。

 文字通りの猪突猛進である。

 ヒルダは両腕のムチをシンジに向かって振り下ろす。

 ミサトは慌ててクロスメジャーを伸ばすが届かず、虚しく空を切った。

 

「シンジ君!」

 

 光のムチが両側からシンジの両肩を直撃した。

 かなり痛いはずだがそれでもシンジは進撃を止めない。

 驚くヒルダに至近距離まで迫ると、シンジはためらいも無くストレートパンチでヒルダの顔面を殴った!

 

「むぐっ!」

 

 ヒルダの鼻の骨と前歯が折れる音がした。

 絶世の美女がこれでは台無しだ。

 シンジはヒルダを押し倒すと、馬乗りになってヒルダの顔を殴り続けた。

 

「シンジ君のATフィールドの限界まで、およそ10秒です!」

 

 マヤの悲痛な声の通信がヘッドセットから伝わる。

 

「バカシンジ、後はアタシとレイに任せなさい!」

 

 アスカとレイはATフィールドを展開した時間が短かったのでまだ余力がある。

 ATフィールドが切れたらシンジはヒルダから激しい逆襲を受けるだろう。

 

「シンジ君の活動限界まで後、5、4、3、2、1……使徒は完全に気絶しました」

「やれやれ、無茶をしおって……」

 

 戦いを指令所から見守っていたコウゾウは大きなため息を漏らした。

 

「葛城、紙一重でヤバかったな」

「そうね、きつく叱っておかないと!」

 

 リョウジの言葉にそう答えたミサトはシンジに近づいて行った。

 ミサトは力を使い果たしてヒルダの上に馬乗りになっていたままのシンジの頬を思い切り殴った。

 

「どうして、あたしの言う事を聞かなかったの! もう少しで大変な事になっていたのよ!」

「ミサトさん……!」

 

 驚いたシンジはよろよろと立ち上がって、ミサトたちから離れて行った。

 

「ミサト、シンジを直ぐに追いかけるのよ! あいつはミサトのために無茶をしたんだから!」

 

 アスカに言われて、ミサトはハッとした表情になった。

 確かにシンジの命令違反は厳重に注意しなければならない。

 しかしミサトだってシンジを傷つけられたら同じように暴走したかもしれない。

 

「待って、シンジ君!」

 

 ミサトは走ってシンジの背中を抱き締めた。

 

「ごめんねシンジ君、あなたに手を上げてしまって。でも、あたしはシンジ君にケガをして欲しくないの。だから無茶をするのは止めて、お願い……」

「ごめんなさい、ごめんなさい、ミサトさん……!」

 

 そう言ってすすり泣きを始めたミサトに、シンジはひたすら謝った。

 トウジとケンスケがここに来たのは、ケンスケがネルフに勤める父親から使徒が居るかもしれないと聞かされて、好奇心から適格者と使徒と戦う場面を見たかったからだと言う。

 先程の会話でミサトたちの正体がバレてしまったトウジとケンスケには、口外しないようにしっかりと言い聞かせ、二度とソープランドと使徒の居る場所には近づかないように釘を刺したのだった。

 

 

 

 




次回は長距離射撃を得意とするラミエルのような敵が相手。
ミサシンのおまけ程度の使徒戦のはずが、メインになっていますね(汗

シンジとミサトの関係について

  • R15(?)の現状でいい
  • 姉弟の関係に徹するべきだ
  • アスカやリツコとの三角関係が来い!
  • より激しく!もっと激しく!さらに激しく!
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