ミサトはシンジの大好きなお姉さん ~碇シンジ養育計画~   作:朝陽晴空

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幻視のスナイパー

 シンジとミサトとアスカとレイは、冬月コウゾウの司令室で次なる使徒打倒のために司令室へと集まっていた。

 

「今度の使徒はスナイパーですか?」

「うむ、シリア・レバノン戦争では9人ものVIPをヒットした元ISのアフリカ人だ。名前はンジャマ・ラミー。約4,000m先の標的も仕留めたと聞いている」

 

 ミサトの質問に対してコウゾウはそう答えた。

 

「そんなインチキな使徒、どうやって倒せばいいのよ!」

「居場所を突き止めて、大人数で取り囲み、輪を縮めるようにして追い詰めれば倒すことは出来る」

 

 アスカがそう叫ぶと、コウゾウは事務的な口調で答えた。

 

「さらに、ラミーの所在を掴むだけでも一苦労だ。小癪にもラミーは雷雨の日を狙って仕事をする。銃声もかき消されてしまう」

 

 そこまで話したコウゾウは苦々しい顔でミサトに意見を求める。

 

「包囲作戦では、多くの犠牲者を出す事になる。我々としてもそれは避けたいのだよ。そこで葛城君、何かいい作戦は無いかね?」

 

 コウゾウに尋ねられたミサトは腕組みをして思案した。

 今までのミサトはD級勤務者、普通のサラリーマンと変わらない生活をしていた。

 しかし彼女には戦争映画を観ると言う趣味がある。

 

「そうですね……まずはラミーに銃を撃たせます。その銃弾の角度や銃声のした方向から、ラミーの居場所が割り出せます。その場所を狙っての超長距離射撃と言うのはいかがでしょうか?」

「素晴らしい! その作戦ならば犠牲も最小限に抑えられるな」

 

 ミサトの提案に冬月も顔を輝かせて喜んだ。

 

「葛城君、作戦名を考えてくれたまえ」

「えっ、それでは弾道がVの形になる事から、『V作戦』でお願いします」

「ではV作戦を開始を宣言する!」

 

 冬月の号令でネルフの隊員たちは動き始めた。

 赤木リツコ博士は雷雨の中でも銃声を聞きとれる収音装置、銃弾の移動を捉えられるウルトラスーパーデラックスカメラを用意。さらに5,000m先まで照準を正確に狙撃できる銃を製作するなど多忙を極めていた。

 

「目標をセンターに入れて、指をトリガーに掛けて発射。目標をセンターに入れて、指をトリガーに掛けて発射」

 

 シンジたちは決行の日に備えて銃の訓練をしていた。まず最初に教えられた事は、指はトリガーから離しておく習慣を身に着ける事だった。

 映画などでは銃のトリガーに常に指を掛けているイメージがあるが、それだと驚いてしまった時や転んだ時の拍子で撃ってしまう危険があるからだ。

 照準を合わせる間に指をトリガーに掛ければいいのだから、タイムラグは無いと言える。

 当初シンジは、使徒とは言え人を銃で撃つなんて嫌だと拒否したが、それではアスカに任せきりで良いのかと問い掛けられて、銃を持つ決意をした。

 

「シンジ君は偉いですね。私、鉄砲で人を撃つなんて出来そうにないのに」

「そうね」

 

 マヤの呟きに相槌を打ちながら、ミサトは自分の目頭が熱くなるのを感じだ。

 いつも自分が守ってあげていた『シンちゃん』がここまで成長するなんて、感慨深いものがあった。

 

「おいおい葛城君、キミまで銃の訓練に参加する事は無いだろう? 使徒はATフィールドを持っている。通常の銃弾は通じないんだぜ」

「使徒が銃弾にATフィールドの力を注ぎ込めば、本体のATフィールドは弱くなる可能性はあるわ」

 

 リョウジが尋ねると、ミサトは自分の仮説を話した。

 これは根拠の無い仮説であり、V作戦の内容には入っていない。

 だからミサトの用意した銃も既製品だった。

 今のリツコにミサト用の狙撃銃を作る余裕は無い。

 『RF-WG5』、最大射程2,000m程度の銃だった。

 シンジたちは訓練を重ねながらラミーの襲撃の日を待った。

 

 

 

 そしてラミーにとっておあつらえ向きの舞台が整った。

 アメリカ軍司令官、マッパーサー元帥が新型爆弾で巨大なクレーターとなった旧東京を訪問するとニュースになった。

 マッパーサー元帥はシリア・レバノン戦争で三枚舌外交を使い、ISを追い詰めたラミーにとっては許せない黒幕である。

 今まで彼の側近は次々と狙撃されて命を落とし、次はいよいよマッパーサー元帥の番だと噂されていた。

 ATフィールドを纏った弾丸は、分厚いコンクリートの壁も貫通するほどの威力だったので、ラミーの犯行だと知るのは容易だった。

 もちろん、自分が100%命を落とすと分っていてマッパーサー元帥が姿を現さない。

 ラミーの銃弾はATフィールドを展開させたレイが受け止める事となっていた。

 レイがこの役目を引き受ける時、シンジはコウゾウに猛抗議した。

 

「碇君、私は死なないわ。……アンドロイドだもの」

「綾波!」

「さよなら」

 

 レイはシンジにそう言うと、マッパーサー元帥の警護へと向かった。

 

「シンジ、アンタもしっかりしなさい!」

 

 アスカに背中を押されて、シンジはミサトの赤いバイクに乗り込んだ。

 どこにラミーが居ても6,000mの射程圏内に移動するための手段である。

 アスカも行きたがったが、バイクで三人乗りが許されるのは名探偵コ〇ンだけなのだ。

 

「あーあ、アタシだけ待機だなんてつまんない!」

「俺も待機組さ。まあ二人で作戦成功を祈ろうじゃないか」

 

 アスカとリョウジは仲良く腰を下ろして作戦の行方を見守った。

 

 

 マッパーサー元帥が旧東京市民の慰霊碑の前に立った時、ラミーの銃撃は起きた。

 銃弾はレイのATフィールドを貫いたが、レイの脇腹に埋まって食い止められた。

 ラミーに2発目を撃たせてはいけない。

 リツコは直ぐにラミーの居場所を突き止めて、ミサトに座標を送った。

 幸いにもミサトたちの居る場所から5,000mの圏内にいるようだ。

 手早い動きでシンジは射撃の準備を完了した。

 

「目標をセンターに入れて、発射!」

 

 シンジは訓練通りに狙撃した。

 しかしシンジの撃った銃弾は、僅かにラミーの頭上を掠めただけだった。

 

「しまった、気付かれた! シンジ君、2発目を急いで!」

 

 ミサトはそう言うと、赤いバイクに乗り込んでラミーに向かって接近した。

 そして3,000mの射程圏内に入ると、ラミーに威嚇射撃をする。

 シンジに狙いを定めていたラミーはミサトに標的を変えて銃弾を放った。

 

「ミサトさんっ!」

 

 ミサトの赤いバイクが倒れるのを見て、シンジはミサトが撃たれたのだと思った。

 歯を食いしばってシンジは、ラミーに2発目の弾丸を放つ。

 今度は間違いなくラミーに命中したようだ。

 

 

 

「知らない天井・・・か」

 

 病室のベッドの上でミサトが目を覚ますと、椅子に座っていたシンジがミサトの身体にうつ伏せに乗っかるような形で眠っていた。

 きっと自分の事が心配で、ずっと付きっきりだったのだろう。

 ミサトはシンジの頭を優しくなでようとして、自分の右肩から右腕に掛けてギプスで固定されて、包帯でグルグル巻きにされている事に気が付いた。

 仕方なく左手でシンジの頭を撫でる。

 

「ミサトさん……良かった」

 

 目を開いたシンジは身体を起こして、椅子に座り直す。

 もう少しシンジの頭を撫でていたかったのに、ミサトとしては残念だった。

 

「ごめんねシンちゃん、心配かけて」

「そうですよ、あんな無茶、二度としないでください。ミサトさんが居なくなったら、僕は生きていけないんですから」

 

 シンジの大袈裟な物言いに、ミサトは思わず笑ってしまった。

 その時ミサトの病室にアスカとレイ、リョウジが入って来た。

 

「レイ、銃弾を受けたみたいだけど、大丈夫なの?」

「はい、パーツを赤木博士に交換して貰いました」

 

 ミサトが尋ねると、レイは淡々とそう答えた。

 アンドロイドとは言え、痛みを感じるはずだ。

 もうレイを囮にするような作戦は金輪際御免だとミサトは思った。

 ミサトの方の傷も数週間すれば回復して命に別状は無いとの事だった。

 しかし本当の惨劇はこの後にあった。

 家事不能女子(アスカ)が独り残された葛城家は、足の踏み場もない混沌とした状態になっていたのだ……。

シンジとミサトの関係について

  • R15(?)の現状でいい
  • 姉弟の関係に徹するべきだ
  • アスカやリツコとの三角関係が来い!
  • より激しく!もっと激しく!さらに激しく!
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