ミサトはシンジの大好きなお姉さん ~碇シンジ養育計画~   作:朝陽晴空

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ネルフ御一行様の温泉旅行

 

「慰安旅行……ですか?」

「そうだ。君は今までD級勤務者だったから知らなかっただろうが、特務機関ネルフでは親睦を深めるために温泉旅館に泊まるのだよ」

 

 コウゾウから呼び出されたミサトは、使徒殲滅の任務ではない事に驚いた。

 シンジとアスカとレイも学校は夏休みだったので問題は無い。

 

「あーあ、アタシは沖縄に行ってスキューバしたかったな」

 

 アスカはコウゾウ相手でもストレートに話すので、ミサトとしてはハラハラする。

 

「すまんな、ネルフは常に使徒に対して備えていなければならんから、遠くへは行けないのだよ」

 

 コウゾウはアスカの不遜な態度にも顔色を変えなかった。

 慰安旅行にはリョウジとリツコの他、日向マコト、伊吹マヤ、青葉シゲルの三人も参加する。

 普段適格者の三人と話す事の少ないメンバーとも交流を深めて欲しいと言うのがコウゾウの気遣いだった。

 コウゾウ総司令の留守は最上アオイ・阿賀野カエデ・大井サツキの三人に任された。

 シンジは大人数で泊るのは初めての事なので緊張した。

 コウゾウは優しくしてくれるが年の離れたお爺さんのような存在だ。

 リョウジはミサトを狙っているようで、シンジはどことなく警戒心を持っていた。

 マコトとシゲルは直接戦闘指揮に関わる事も無いので距離があった。

 アスカも大人数で同じ部屋で寝食を共にするのは『施設』の生活を思い出すのか不快な表情をしていた。

 陽気な表情ではしゃいでいるように見えるミサトを心配させまいと、シンジとアスカは我慢をしていたのだ。

 ネルフ本部から温泉旅館までバスで30分もかからない。

 そこでシンジたちは旅館に行く前に箱根神社へと寄り道する事にした。

 湖の淵に立つ立派な赤い鳥居では観光客が写真を撮っていた。

 

「あの鳥居の下で写真を撮った恋人同士は結ばれるってご利益があるらしいわよ」

 

 アスカに耳打ちされたシンジは、耳まで真っ赤になった。

 

「バカシンジには好きな相手が居るのかな~?」

 

 知っていてアスカはそう言ってシンジをからかった。

 鳥居の真下は観光スポット、シンジたちはネルフ一行全員で写真を撮る事になった。

 シンジとミサト、アスカにマヤ。

 

「本当はミサトと二人っきりで写真に写りたかったんじゃないの?」

「う、うるさいな!」

 

 からかい続けるアスカに、シンジは顔を赤くして言い返した。

 箱根神社には恋愛運の御利益が確かにあった。

 それが後に混乱を招く事になる。

 短い時間ながら、バス移動の間に慰安旅行恒例のカラオケを行った。

 コウゾウは『シムケンサンバ』を歌うなど、シンジたちに気を遣ってくれたようだ。

 シンジはミサトが歌うのを初めて聴いた。

 『美女戦士OLサン』と言うアニメは知らなかったが、ミサトにもそんな少女時代があったのだとシンジは思った。

 『施設』の中に居たアスカも、最近の流行曲を知っている事にシンジは驚いた。

 どんなに施設の職員が情報統制していても、外の世界からの情報は漏れ聞こえて来るものである。

 まるで刑務所のような施設では歌う事ぐらいしか娯楽が無かったのよ、とアスカは語った。

 ミサトはシンジに品性の無い番組を見ないように強制はしなかった。

 しかしシンジの方からJHK以外の番組は見ないようにしていた。

 だから家でアスカがJHK以外の番組を観始めた時は抵抗があった。

 JHKでもアニメを放送していたので、シンジは『ブルー・スカイ』を恥ずかしがりながら歌った。

 第三新東京市のある箱根は温泉の宝庫だが、セキュリティがしっかりしている旅館は限られていた。

 たった一泊の慰安旅行だが、午後3時のチェックインの時間には余裕で到着した。

 温泉は準備中なので、シンジたちはボードゲームをして時間を過ごした。

 

 

 

 まずはお互いの事を知るために協力系・表現系のカードゲーム『ito』。

 1~100の数字のカードのうち、1枚ずつ参加者に配り、数字の小さい順から場に出して行く事が出来たら成功だ。

 テーマを『こわいもの』と決めて、数字が99だったら『戦略自衛隊によるネルフ本部侵攻』などと表現すると言った感じだ。

 このゲームでシンジはミサトがお化けが苦手な事、アスカは暗い部屋が怖い事など意外な一面を知った。

 テーマの中には『感じる性癖』などと言うアダルトなものもあった。

 シンジは低い数字が当たったので、自分の性癖を明かさずに済んだ。

 マヤさんは耳に息を吹きかけられるだけで感じるのか、ミサトさんは胸でも感じるのか、アスカってキスが好きなの?とシンジは身近な女性の事をより深く知る事になる。

 場が盛り上がったところで、次は戦略系のゲームをやった。

 『ニムト』と言う牛の絵が描かれたカードを4つの列に置いて行くゲームでは、さすがコウゾウの圧勝だった。

 戦略系のゲームになるとコウゾウの顔は輝きが増すように見える。

 ミサトは2位に食らいついていたが、コウゾウとのポイント差は大きかった。

 最後にやったのは騙し合い系のゲームの代表格、『ワンナイト人狼』だった。

 狼になっても市民になっても、シンジはミサトに嘘を見抜かれてしまう。

 

「あたしはシンジ君の顔を小さい頃から見ているから、隠し事をしていても分るのよ」

 

 と誇らしげに言うミサトに、シンジは夜にコッソリとミサトの寝室に入っているのもバレてしまっているのかとドキリとした。

 ティッシュも隠してあるし、多分バレていないはずだとシンジは自分に言い聞かせた。

 でもたまに自分が使っていないのに減っている時がある、アスカがくすねているのだろうとシンジは思っていたが、アスカに弱みを握られている形となっているシンジは詰め寄る事は出来なかった。

 ただやんわりとティッシュはトイレに流すと詰まる原因になると忠告するだけだった。

 

 

 

 たっぷりとゲームを楽しんだ後、シンジたちは夕食前に温泉に入る事にした。

 露天風呂に入っていると、どうしても女湯からの会話が漏れ聞こえて来る。

 

「レイ、アタシより大きいなんて生意気よ!」

「まあまあ、アスカも成長すればレイを追い越せるわよ」

「……その時は胸部パーツを交換してもらう」

「そうね、あなただけずっと女子中学生の姿と言うのも可哀想だものね」

 

 女性陣の会話が聞こえて来ると、それまで裸の付き合いをしようと話していたリョウジやマコト、シゲルが真剣な顔をして黙り込んだ。

 

「……よし、そろそろ行くか」

「頃合いですね、隊長」

「これも露天風呂の楽しみの一つですよ」

 

 三人が女湯の覗きをしようとしている事は明白である。

 シンジもリョウジに誘われたが、首を大きく横に振って拒否した。

 それよりもリョウジたちにミサトの裸を見られたくない気持ちの方が強かった。

 

「……行ってこい、南東の垣根辺りが手薄だ」

 

 背中を向けたままコウゾウがそう呟くと、リョウジたち三人は喜び勇んで出撃した。

 

「どうして焚きつけるような事を言ったんですか!?」

「止めても聞くような連中では無いよ。それに彼らの作戦は失敗に終わる」

 

 シンジが抗議すると、コウゾウはそう答えた。

 リョウジたちはコウゾウから聞いた情報の通り、垣根が低くなっている部分を発見して駆け寄った。

 しかし垣根の間近に迫った時、三人の足に激痛が走った。

 その場所の地面にはベトナム戦争で用いられたようなとげとげの石の罠が仕掛けられていた。

 それを素足で踏んでしまったのだから、足つぼを刺激されたリョウジたち三人は倒れてのたうち回るしかなかった。

 

 

 

 温泉に入り終わったシンジたちは、浴衣姿で夕食を摂る事になった。

 旅館の夕食と言う事もあって、普段の夕食とは違って豪華なものだった。

 コウゾウはかなり奮発したコースを注文したらしい。

 ミサトまでもが目の色を変えて黒毛和牛のステーキやすき焼きに食らい付いていた。

 

「ミサトみたいに食べればアタシも大きくなるかな?」

 

 どうしてアスカは自分にそんな事を聞くのだろう、リョウジが好きだったのではないかと、疑問に思うシンジだった。

 コウゾウはミサトたちに酌を受けて静かにお酒を嗜んでいる。

 ビールがお代わり自由とコウゾウの大盤振る舞いもあって、1日缶ビール2本までと決めているミサトも大ジョッキを何杯も飲んだ。

 すっかり酔い潰れてしまったミサトを、リツコと一緒に部屋まで送って行く事になった。

 ふと廊下で二人きりになると、リツコはシンジに突然こんな事を呟いた。

 

「私、あなたのお父さんの事が好きだったのよ」

「えっ!?」

「どう、ビックリした?」

 

 リツコさんも酔っぱらっているのかもしれないとシンジは思った。

 

「シンジ君も段々とお父さんに似て来るのかもしれないわね」

 

 そうリツコに言われたシンジは背中がゾワッとした。

 さらに背中を誰かに突かれるとシンジは身体を大きく震わせた。

 

「先輩はシンジ君に渡しませんからね!」

 

 酔っているからなのか怒っているからなのか、マヤは赤い顔をしてシンジを睨みつけている。

 これも箱根神社にお参りしたせいなのか。

 

 

 

「はぁ……とんでもない事になったよ」

 

 シンジは夜の遅い時間帯に、露天風呂に入り直す事にした。

 ネルフ御一行様貸し切りのためか、他に誰も居ない。

 しかし耳を澄ますと女湯の方にも誰かが入っているようで、微かな水音がした。

 裸の女の人が垣根の向こうに居る事を想像したシンジは照れくさくなって露天風呂を出ようとした。

 

「もしかして、今お風呂に入っているの、シンジ君?」

「ミサトさん?」

 

 女湯から聞こえて来る声の主がミサトだと気が付くと、シンジは湯舟へと引き返した。

 

「酔いが醒めたら目が冴えちゃったのよ」

「もう、あまり飲み過ぎないでくださいね。心配したんですよ」

「ごめんごめん、……こうして一緒にお風呂に入っていると、昔を思い出すわね」

「今は男湯と女湯に別れて入っているじゃないですか」

 

 シンジはそう答えながら、ミサトに自分の身体に起きている反応を見られずに済んで安心していた。

 

「シンちゃんが一皮むけた男の子になれたのも、あたしのお陰よ。ごめんね、本当はお父さんの役目なのに。やっぱり恥ずかしかった?」

「小学生の頃の話だから、もういいですよ。それにあの頃は父さんと母さんが死んで間もない時だったから……」

 

 両親が亡くなって落ち込んでいたシンジは、ミサトからたくさんの元気を貰った。

 ミサトも慕っていたゲンドウとユイが居なくなってショックを受けていただろうに、シンジはとても感謝していた。

 

「シンちゃんは立派に成長しているのかな? ミサトお姉ちゃんがそっちに行って確かめてあげようか」

「な、何を言ってるんですかミサトさん、僕はもう中学生ですよ!」

「冗談だってば」

「ミサトさんが言うと冗談に聞こえませんよ」

「ねえ……小っちゃい頃に見たあたしの裸の事、覚えている?」

 

 急にミサトの声のトーンが下がった気がした。

 

「そんな前の事……良く覚えてませんよ」

「今のシンちゃんがあたしの身体を見たら幻滅するかな。傷もあるし、筋肉も付いちゃったから……」

「そんな、ミサトさんは今でも綺麗ですよ!」

「ありがとう、シンちゃん。……上せないうちにあがるのよ」

 

 ミサトはしばらくすると露天風呂を出て行った。

 シンジは寝ているミサトのシャツをまくり上げる程度の事はしていたが、正直にミサトに言うことは出来なかった。

 ミサトが出て行った後、シンジは申し訳ないと思いながらも、露天風呂で発散させた。

 寝ている間にミサトの裸が夢に出てきたりしたら、翌朝大変な事になってしまうと思ったからだ。

 今夜は心拍数が上昇する出来事が多すぎた。 

 シンジにとっては気の休まらない慰安旅行となってしまった。

シンジとミサトの関係について

  • R15(?)の現状でいい
  • 姉弟の関係に徹するべきだ
  • アスカやリツコとの三角関係が来い!
  • より激しく!もっと激しく!さらに激しく!
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