「ハジメ。借りてたラノベ返すぞ」
そう南雲ハジメに声を掛けてきた男子生徒がいた。
声を掛けてきたのは神威ジン。
この少年、実は転生者である。
死因は子供を突っ込んできたトラックから守っての死。
死後、その魂はゼウスの元に運ばれた。
「ひょひょ。子供を救おうとした行動に興味がわいての。
どうじゃ一つ賭けをせんか?」
「賭けとは?」
「アムプロシア…ワシの血がその瓶に入っておる。
それを飲んで死ななかったら神として転生させてやろう。
無論特典を付けてな」
「死んだ場合は?」
「魂の完全消滅…つまり宇宙の塵になり何の救済もない」
「…………」
「お主は正しき者の味方でありたいのであろう?
そのために鍛えてきたのであろう?」
「……その申し出受けよう」
そしてジンはアムプロシアを飲み干した。
ドクンッ!!
「うぉおおおお! うぉおおおおお!」
身体が内側から灼ける程の痛み!
魂が悲鳴を上げる!
それがしばらく続きそして……。
「はあ……はあ……」
ジンはそれに耐えきった。
「ほう。見事に耐えきってみせたか。
約束を守ろう。何が欲しいかの?」
「それならば『終末のワルキューレ』の力を頂きたい」
「よかろう。デメリットは無しでその力を特典としよう」
「ありがとうございます」
「では良き神生をの」
こうしてジンは転生した。
「ハジメ。檜山達から何か嫌がらせは受けてないか?」
「大丈夫だよジン。ジンが絡まれているのを助けてくれて以来ちょっかいはないよ」
「そうか。困ったら頼ってくれ。俺は常に正しき者の味方だ」
「南雲君、神威君。おはよう」
クラスメートの白崎香織が挨拶してくる。
それにハジメとジンも挨拶を返した。
ハジメとジンが香織と会話をしていると、八重樫雫、天之河光輝、坂上龍太郎が話に入ってきた。
ジンは光輝が苦手だ。ジンの正義と光輝の正義は似て非なるものだからだ。
ハジメに対する態度も気に入らない。他人の人生に口を出す必要はないと思っているからである。
やがて始業時間になり、ジンは席に戻った。
ハジメが居眠りを開始したのを見て、やれやれと思ったのだった。
お昼休み。ジンはハジメをお昼に誘おうとした。
だが、その前に香織がハジメをお昼に誘っていた。
「ハジメ、ゼリーだけか? 俺のパンを分けてやろうか?」
そう言ってハジメの前にたくさんのパンを出すジン。
「それなら私のお弁当を分けてあげるよ」
そう言ってハジメにお弁当を見せる香織。
そこに光輝達も加わり、六人でのお昼となった。
「ハジメ、このパンうまいぞ」
ジンはハジメに同じパンを渡す。
「ありがとう」
ハジメはジンにお礼を言ってパンを食べ始めた。
その時、ハジメ達の足元が光始めた。
それは幾何学模様を形成し、魔法陣になっていく。
そして徐々に光を増していった。
(魔法陣!? いや、破壊すれば止まるか!?)
ジンは判断すると拳を振り下ろす。
しかし、破壊する前に魔法陣は爆発した。
爆発の後、教室にいた生徒達は誰もいなかった。