ありふれない神器で世界最強   作:ヘルメス・トリスメギスタス

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異世界召喚3

 ジン達を一瞬の浮遊感が襲った。

空気が変わったのを感じ、次いで地面に叩きつけられた。

すぐさまジンは立ち上がり、臨戦態勢をとる。

先の魔法陣は転移させるものだったらしい。

ジン達が転移した場所は、巨大な石造りの橋の上だった。

メルド団長は状況を確認すると、階段側へ向かうよう生徒達に指示を出した。

しかし、撤退は叶わなかった。

橋の両サイドに魔法陣が現れ、魔物が出現した。

階段側には数百体の骸骨兵が現れた。

しかし、ジンは通路側に出た魔物がヤバいと判断した。

近い物だとトリケラトプスだろうか。

「まさか……ベヒモス……なのか……」

メルド団長が呟く。

その時、ベヒモスが凄まじい咆哮を上げた。

メルド団長は正気に返り、矢継ぎ早に指示を飛ばす。

生徒達はもはや恐慌状態で騎士のアランの言うことを聞かない。

 

 「荒海に降る神雷!」

ジンは雷雨のごとき突きの雨を降らせ骸骨兵…トラウムソルジャーを倒していく。

(くっ! 混乱が収まらない限りこのままでは……ハジメ!?)

ハジメが光輝達の方向…ベヒモスのいる…に向かっていた。

「怒れる波濤!」

荒れ狂う波濤のごとき突きを繰り出し、トラウムソルジャーを倒しつつ、

ハジメの方に向かうジン。

ハジメの元にたどり着いた時、障壁が破られ、衝撃波が襲ってきた。

その後にはメルド団長と騎士三人が倒れ伏していた。

ハジメ達は無事なようで安堵するジン。

「ハジメ! 撤退しろ!」

「でも……」

「でももクソもない! とにかく……」

ジンの言葉は途中で遮られた。

衝撃波が襲ってきたのだ。

ジンがそちらを見ると、光輝達が動けなくなっていた。

ベヒモスの攻撃を受けたのだ。

どうにか動けるようになったメルド団長が近寄ってきた。

「お前等、動けるか!」

返ってきたのは呻き声だけだ。相当のダメージと推察された。

メルド団長が香織を呼ぼうとして、駈け寄るジン達を見つける。

「二人共、香織と光輝を連れて逃げろ!」

そう言うメルド団長にハジメがある提案をする。

しかし、博打に近い提案だ。

だが、全員生還するにはこれしかない。

メルド団長は決断を下し、ハジメに託した。

「それじゃあ俺も残るか」

「ジン! 何で……」

「俺はいつでも正しき者の味方だ。

それに俺がハジメを担いで逃げた方が早い」

「ジン……」

「俺も攻撃を仕掛ける。そっちは頼んだぞ」

「任せて!」

ハジメが錬成でベヒモスを動けないようにする。

ハジメは必死でベヒモスを押さえつけた。

 

「四十日四十夜の大洪水!」

ジンは奥の手を出していた。

ジンの動きが速すぎて残像がまるでドームのように見えた。

まさに斬撃の嵐である。だが…。

(くっ! この槍では決定打に欠ける!)

この場合、ミョルニルを出せばいいが、

ジンは皆が見ている前での使用に躊躇していた。

これが後にジンを後悔させることになる。

 

 「皆待って! 南雲君達を助けなきゃ! たった二人であの怪物を抑えてるの!」

香織が皆に向かって叫ぶ。

皆がその方向を見るとベヒモスの上半身が埋まっていた。

そこには確かにハジメがベヒモスを押さえ、ジンが凄まじい攻撃を仕掛けていた。

「ハジメ! 後、どの位押さえられる!」

「もうすぐ魔力が尽きるよ!」

「よし。俺がハジメを担いで離脱する! 合図をくれ!」

「3・2・1・0!」

「撤退するぞ!」

ジンはハジメを担いで離脱する。それと同時にあらゆる属性の攻撃魔法が殺到する。

その間にジン達は安全距離を取っている。

これで大丈夫と思った時、未来視がこちらに向かう攻撃魔法をとらえた。

槍で素早く弾くジン。

その間にベヒモスが突進してきた。

そして未来視でジンは視てしまった。

自分達が奈落に落ちる場面を。

ベヒモスの攻撃により遂に橋は崩落。

ハジメとジンは奈落に向かって落ちていった。

 

 (クソッ! 何としてもハジメは守らなくては!)

ジンは落下しつつも何とかしようともがく。

しかし、そこに横合いから鉄砲水が襲いかかった。

その衝撃でハジメとジンはバラバラになった。

「ハジメ!」

ジンも何とかしようとするが、次々襲いかかる鉄砲水の為、

行動の自由が利かない。

あっという間にハジメは見えなくなった。

「クソッ……!」

ジンは絶望の呻きをもらした。

 

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