今回のお話は、科学技術局で進められている計画、
紀伊計画の説明ね。
あと、前回は悪かったわね。明乃なんかに任せちゃって。
ちょっと、ヒカリちゃん⁉ それどういう事⁉
ましろ「紀伊、ですか?」
ヒカリ「そうよ。この艦を語るには、とある計画について話す必要が有るわ。」
明乃「とある計画?」
ヒカリ「その計画はイズモ計画と呼ばれているわ。」
もえか「そのイズモ計画とはどういった物なのでしょうか?」
ヒカリ「イズモ計画。それは一言でいえば地球脱出計画よ。」
明乃「地球を」
ましろ「脱出?」
ヒカリ「そうよ。」
もえか「それはつまり、地球はガミラスに勝つ事ができないと判断された、という事でしょうか?」
ヒカリ「その通りよ。この計画が始動したのは、ガミラスとの戦争が始まってから1年後の事よ。」
もえか「そんなに早くから決まっていたんですか。」
ヒカリ「まぁ、当然といえば当然よ。 なんたって、相手は私達が観測できる領域外からやってきた存在で、技術力では圧倒的にこちらが劣っている。 そのうえ、どんな目的で地球にやってきたのか。どんな存在なのか。それらが全く分からなかったのよ。 分かっているのはこちらが圧倒的に不利だという事だけ。 本当。なんでこんな奴の相手をしようと思ったのかしら?まさか、本気で勝てるとでも思ってたのかしらね。」
ヒカリ「軍は最初、ガミラスは観測可能圏外からやって来ているという事実から、持久戦に持ち込めば補給が追い付かなくなって勝てると踏んでいたわ。でも、その兆候は一切なし。ま、当然よね。ワープ航行なんて技術を有しているのよ。無意味よ。」
明乃「はぇ~。そうなんだ。」
ましろ「? それってもしかして…」
ヒカリ「ましろ。そこまでにしておきなさい。それ以上詮索したら、面倒事に巻き込まれるわよ。」
ましろ「は、はい…。 分かりました。」
ヒカリ「話を戻すわね。この計画の為に建造される艦はイズモっていうんだけど、ちょっとした問題が有ったの。」
もえか「問題、ですか?」
ヒカリ「簡単な話よ。まず、当然の事だけど、この艦は脱出用だから可能な限り多くの人を乗せる必要が有るわ。更に、乗っている人達が長旅でおかしくならないよう、艦内設備も充実させなければいけない。そうやって”快適な空間”を求めて設計していたのだけど、それに力を入れ過ぎて自衛能力が貧弱なモノになっちゃったの。」
ましろ「それは仕方ないのでは?」
ヒカリ「えぇ、確かに仕方ない事よ。でもね、今はガミラスとの戦争の最中。つまり、脱出の邪魔をする”敵”がいるの。そんな状況で、大勢の命を乗せるのに自衛能力が皆無なんて、
ましろ「確かに…」
ヒカリ「そこで急遽、艦の設計を書き直したんだけどね。それでもまだ不安材料が残ってしまったの。そこで彼らに私が提案したの。『だったらそこで諦めてもう一つ、この艦を護衛する為の、戦闘に特化した艦を作ればいいじゃない。』ってね。そしたらそれが採用されてね。その護衛艦建造計画が技術局に回ってきたの。」
もえか「なるほど、それが先ほど話した”紀伊”という戦艦なのですね。」
ヒカリ「そうよ。因みに軍は”言い出しっぺのお前達がやってくれ”って言ってきたのよね。尤も、軍にはもう、追加で戦艦をもう一隻作る余裕も、配置する人員の余裕も無いっていうのが本音でしょうけどね。」
明乃「あぁ、だから私たちが乗るんだ。」
ヒカリ「そういうこと。技術局は前線には殆ど出ないけど、運用する為の軍人は居るし、そもそも、技術局の人間以上に上手く扱える人間なんて滅多に居ないしねぇ。」
ましろ「そうかもしれませんが…」
ヒカリ「だから、あんた達に託すのよ。さっきの軍の暴走のせいで、より慎重に人選を行う必要が出てきたの。で、現状、信用して託せるのはあんた達しかいないって事になったのよ。」
もえか「先ほどの件ですね。」
ヒカリ「そうよ。」
ましろ「まぁ、普通、そうなりますよね。」
ヒカリ「話を戻すわね。この戦艦は絶対に守らないといけない船を守るために建造されるから、詰め込む技術は限界まで詰め込むわ。多分だけど地球最強の艦になるわ。まぁ、その分運用には慣れが必要でしょうけどね。一応、そのあたりはしっかり対処するけど、どこまでマシになるかは実際に建造するまでは分からないわね。」
明乃「なんだか凄そう。」
ヒカリ「実際凄いわよ~。 スペシウム弾道弾やプロトン魚雷なんかのミサイルや魚雷は当然でしょう。他にも、大口径の主砲に、対空戦闘を重視した対空火器に、いろんな攻撃から艦を守るための各種シールドシステムの搭載、最新の艦載機もたくさん搭載するし、エンジンも最新の物を搭載するわ。」
ヒカリ(波動エンジンや波動砲とかも有るんだけどねぇ。地球はまだ、波動エンジンやイスカンダルの事を知らないし…ね。)
ましろ「本当にてんこ盛りですね。」
ヒカリ「私達人類にとって、宇宙への長期航海は完全に未知の領域なのよ。だから、いつ・どこで・何が必要になるのか、私達はまだ完全には分かっていないのよ。」
ヒカリ「分からないならどうすれば良いか。答えは簡単。百貨店みたいに色々搭載して、どんな状況でも対応できるようにする。紀伊はこれを体現しているわ。ある意味、実験艦と言っても良いかもしれないわね。」
もえか「なるほど。私達が運用しなければいけない理由が分かりました。ところで、その紀伊という艦はいつ頃、私たちの所に来るのでしょうか?」
ヒカリ「気が早いわよ、もえか。そうね。少なくとも1年以内にはあんた達の下に届くようにするわ。それまではコンゴウで練習しておきなさい。コンゴウを完全に乗りこなせないと紀伊は任せられないわね。」
ましろ「分かりました。」
ヒカリ「後これ。紀伊に乗る人間のリストよ。今のうちに仲良くなっておきなさい。紀伊が完成してからだと時間が足りないと思うわ。」
明乃「分かった!任せて、ヒカリちゃん!」
ヒカリ「それじゃあ、任せたわ。」
もえか「はい。それでは失礼します。」
ましろ「了解しました。失礼します。」
明乃「それじゃあ、またね!」
そう言うと三人は退出していった。
ヒカリ「さて。当面の問題は解決したし、後は私達、開発組が頑張らないとね。」
ヒカリは一人つぶやきながら紀伊の諸元を見た。
紀伊型宇宙戦艦紀伊
:艦種:
恒星間航行用超弩級宇宙戦艦
:識別番号:
BBM-01
:全長:
420m
:艦幅:
50.6m
:最大幅:
71.7m
:艦高:
118.18m
:最大高:
124.34m
:最大速力(通常航行時):
亜光速
:乗員:
184名
:メンタルモデル:
デルタコア
:主機関:
波動エンジン
:副機関:
重力子エンジン×150基
:ハイパードライブ等級:
クラス1,0
:兵装:
次元波動爆縮放射機(250サンチ口径)×1門
超重力ユニット×10基
主砲:54サンチ三連装陽電子衝撃波複合砲塔×3基(実体弾も使用可能)
副砲:25サンチ三連装陽電子衝撃波複合砲塔×2基(実体弾も使用可能)
魚雷発射管×12門(艦首および艦尾両舷)
15連装ミサイル発射塔×1基
爆雷投射機(マスト付け根)
ミサイル発射管×8門(艦底部)
垂直発射装置×54
16サンチ四連装高角速射レーザーカノン×8基
11サンチ三連装高角速射光線砲塔×4基
16サンチ連装高角速射レーザーカノン×12基
9.5サンチ連装高角速射光線砲塔×14基
9.5サンチ三連装速射光線機関砲塔×8基
司令塔近接防御火器×4基
対空高出力レーザーシステム
アクティブ/パッシブ デコイシステム
シルバーシャークG×4基
重トラクター・ビーム発生装置
重イオン砲塔×4基
:艦載機・艦載艇・艦載車両:
デルタ7イーサスプライト級軽インターセプター×2機
RZ-1 Aウィング・インターセプター×7機
BTL-B Yウイング・スターファイター×5機
TIEアドヴァンスド×2機
A/SF-01 Bウイング・スターファイター×1機
T-65B Xウイング・スターファイター×14機(予備機×3機)
ガンクルセイダー×14機(予備機×3機)
ガンクルセイダーMX×2機
ガンウィンガー×1機
ガンローダー×1機
ガンブースター×1機
低空強襲トランスポート/兵員用×2機
全地形対応戦術攻撃兵器(AT-TE)×3台
BARCスピーダー×23両
CK-6スウープ・バイク×23両
:特殊装備:
波動防壁、強制波動装甲、偏向シールド発生装置(光子・粒子、両方搭載)、ナノマテリアル、各種ソナー・センサー、多次元クローキングシステム
ヒカリ「かなり詰め込んだけど…。これでもまだ拡張性が有るのよねぇ。本当、メンタルモデル様々ね。」
そもそも、メンタルモデルが一人いるだけで、大和クラスの戦艦を十二分に運用する事が可能になる。
そこに、蒼き鋼のアルペジオのイ401を参考にした、艦の性能を最大限に引き出すベストな人数を設定。
後は、それ以外で必要な人員を追加したのだが。
ヒカリ「でもまさか、原作2199のヤマトの乗員999人を下回るとは思わなかったわね。」
そう、ヒカリの想定以上に乗組員が少なくなったのだ。
ヒカリ「まぁその分、色々詰め込む余裕はできたけど。…これで良かったのかしら?ちょっと不安になるわね。」
ここでヒカリは少し思案してみたが、
ヒカリ「…まあ、大丈夫でしょう。どうせもう、人数増やせないし。」
ヒカリは外出用の服に着替え、部屋の施錠をした後、車に乗って技術局から出ていく。
ヒカリ「結局のところ、彼女達が上手くやってくれるかどうかね。詰め込める物は全部詰め込んだんだから。」
そう言うと、ヒカリはコンゴウが入渠するドックに車を走らせた。
:技術局所属第2整備ドック:
ヒカリ「お疲れ様、群像。お手柄ね。」
群像「大袈裟ですよ。運が良かっただけです。そもそも、貴女が気付かなければ俺たちは何もできませんでしたよ。」
ヒカリ「あっ、そ。まぁ、そういう事にしておくわ。…さて。」
ヒカリは体の向きを変え、面と向かって彼と対峙する。
ヒカリ「貴方がコンゴウの艦長。千早 翔像大佐ですね。私は国連科学技術局長官の芹沢 光です。技術局へようこそ。我々は貴方を歓迎します。」
そう言うと、ヒカリは翔像に手を差し伸べた。
翔像「貴女方の歓迎、心から感謝します。ところで、貴女のその発言はつまり、
ヒカリ「えぇ、それで構いませんわ。」
翔像「分かりました。貴方の事はこちらでも有名ですから。貴方が言うのであればきっと、そうなるのでしょう。これからよろしくお願いします。」
翔像はそう答えると、彼女の手を取った。
ヒカリ「こちらこそ。」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
面白いと思っていただければ幸いです。
陽電子衝撃波複合砲塔は、ショックカノンと霧の艦隊の主砲のハイブリットです。
レーザーカノンは霧の艦隊の兵装で、光線砲よりも強力という設定です。
乗組員が少ないと思った方。大丈夫です。ちゃんと計算しています。
アルペジオのイ401はイオナを除き、5人で運用されていました。
これはオリジナルの伊401の約32分の1です。
宇宙戦艦ヤマトはオリジナルと比べると、約3.34分の1の人数で運用されています。
これを浮沈戦艦紀伊に適応させると約780人になります。この780人を32で割ると約25人。
これはハイスクール・フリートの、大和級の運用に必要な人数の30人を下回っています。
なので、艦の運用に37人、歩兵戦力45人、整備士39人、保安部11人、航空戦力52人、合計184人となります。
兵器の数が多いのは、乗員を大幅に削減できたので、その分、艦の設計に余裕ができたからです。因みに、これでも、
BBM-01のMは、アメリカ軍でマルチタスクを意味しており、宇宙戦艦紀伊はあらゆる事態を想定している為、これにしました。因みに、BBは戦艦だそうです。
デルタ7はコスモゼロ枠。 TIEアドヴァンスドは、量産性度外視の高性能プロトタイプ。 ガンウィンガー・ガンローダー・ガンブースターは、意外と(分離状態で)搭載可能なサイズの機体でした。(まさかの三機とも、Bウィングよりも小さい) このBウィングは、オリジナルに有った欠陥は有りません。
:感想返信のコーナー:
ヒカリが所属しているのは国連科学技術局、すなわち国連の組織です。
→軍
国連政府→→
→科学技術局
上記のように、軍と技術局は同じ立ち位置に在ります。
そして、ヒカリは科学技術局”長官”です。
つまり、芹沢軍務局長や藤堂行政長官と同じ、国連の人事決定に関与できる立場の人間です。
因みに、”技術局の意見”という形で政治にもある程度関与できます。
こんな立場の人間が、他の高官や幕僚の弱みを握ったらどうなるか…
ヒカリの言う「ウチの物」とは、国連科学技術局に配属させる、という意味での「ウチの物」です。決して、ヒカリ個人の物という意味ではありません。
ゲシュ=タム機関は波動エンジンだ、という事は認識しています。
しかし、ガミラスでは技術が足りず、ゲシュ=タム機関はある種の”劣化コピー品”のようなものになっていると私は考えています。
そして、コピー品はオリジナルと全く同じかと言われると、そうではありません。
なので、ゲシュ=タム機関から計算し、波動エンジンは恐らくこんな物ではないか?という考察を行うために、ヒカリはゲシュ=タム機関を解析しています。
地球が波動エンジンを作っているのだからガミラスも作れるはずだ、と言う読者の皆様。地球には真田さんが居る事をお忘れなく。