ピッチの王様とエリアの騎士   作:現魅 永純

58 / 63


 掲示板回を見てない方には申し訳ありませんが、46話の後の説明は特になくぬるっと今回は始まります。


47話『五輪代表』

 

 

 

 オリンピック───4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典。

 競技の一つに含まれるサッカーの、その大会に於ける概要は、W杯と殆ど同じと言っていい。

 W杯、また他の競技と違う点を挙げるとすれば、23歳以下*1の選手に区切られている点だろう。オーバーエイジの制度により3人までは対象年齢を超える選手を呼べる様にはなっているが、大多数は規定年齢以下の選手となっている。

 

 これは同じく4年に一度開催されるW杯の盛り上がりを損なわせない為、そしてオリンピックに於いてのサッカー競技をより魅力的なものにしたいという考えの下で生まれている制度。

 大会形式こそ同じではあるが、この規定によりオリンピックで開催されるサッカーは若手選手にとって世界へとアピール出来る場所になっていた。

 

 1試合が90分という長い時間で行われるサッカーは、世界各国の中からオリンピック本戦へと勝ち上がるチームを可能な限り平等に決める為、1年以上掛けて多くの試合を行なっている。

 本戦こそ新年を迎えたばかりの今年度どころか翌年の夏季開催となるわけだが、既に各国は大陸予選のためのチーム作りを始めている。

 

 それは高校サッカーの一年間を飾る選手権を終えたばかりの日本も例外ではなく───

 

 

「……まさか、公太まで呼ばれるとはな」

「まさかってなんだよ、まさかって!」

 

 

 オリンピック代表に招集された選手の内の2人が、合宿所の入り口前で会話を繰り広げていた。

 片方は数日前に行われた選手権で惜しくも準優勝という結果になった鎌学のキャプテンを務めていた佐伯 祐介。そしてもう片方は、中等部まで鎌学に在籍し、学力不足により外部入学で江ノ島高校へと進んだ中塚 公太。

 

 2人とも15歳という若手*2。規定年齢ギリギリを狙って招集を行う国が多い中で、次回開催の東京オリンピックにまで出場可能な選手までをも呼ぶ選択は大胆と言えるだろう。

 それもこの2人だけではなく、招集されている内の半数は高校世代。

 

 逢沢 傑、鷹匠 瑛、飛鳥 享───熱心なサッカーファンは若い才能をよく知っているので大抵が呼ばれてもおかしくない面子だと思っているが、オリンピック観戦者の多くはミーハーだ。

 あくまでも彼らを高校世代の選手としか認識していないファンは、招集メンバー発表当初にSNSなどのネットでかなり荒れていた。

 

 『今回のリオ・オリンピックは捨てか?』『東京世代に経験積ませて自国開催を取りに行く布石だろ』『次回出れる選手も多いんだから倉知とかがやり易いチームにしろよ』等々。

 

 JFA、及び監督が出す声明はあくまでも「金メダルを本気で獲りにいくチームを作るための招集です」という毅然としたものだったが、疑いは大きい。

 近々行われる親善試合では、その発言の証明をする必要がある。

 

 

「監督が若菜さんだからね。あの人って結構な才能(タレント)好きだし、突出した部分があるなら使いたくなるんだと思うよ」

「駆は監督さんのこと詳しいのか? 去年までジュニアーズの監督だったってのは聞いてるが」

「現役時代はほんのちょっとだけ……監督として分かりやすいのは、新人王の龍樹さん。轟さんもだけど、16歳からドンドン起用してたらしいから、スポーツだとありがちな年功序列の意識が殆どないんじゃないかな」

「ははーん、俺の素晴らしさが分かるとはいい目をしてるぜ監督さん」

「公太の武器は分かりやすいもんな」

 

 

 J1から大学リーグまで、招集対象年齢以下の選手が在籍するチームを巡った結果、J3のYSGC横浜で練習参加していた中塚の姿が目に留まったらしい。

 そもそもYSGC横浜に目をつけられたキッカケも、即戦力を期待して鎌学対江ノ島を観戦していたスカウト(元々は鎌学の選手目当て)によるものだったというのが本人談。

 この話を聞いた西島は「一生分の運を使い切ったんじゃねーの?」と悪態吐いていた。

 

 

閑話休題(それはさておき)

 

 

 今回の五輪代表候補に招集されたメンバーは36名*3。正式登録人数は18人と、バックアップメンバーに3人。候補から残れるのは21名になっている。

 また合宿後に行われる親善試合でこそ候補からの21名に厳選される訳だが、必ずしも五輪本戦まで今回選ばれた選手だけで行われる訳ではない。

 怪我などのアクシデント・チーム事情による招集不可・より良い選手の発掘などから、新たに呼ばれる選手も存在する。1年後には半数が別選手になっている可能性もある訳だ。

 

 

「傑の弟か」

「あ、四季さん」

 

 

 後ろから話しかけてきたのは四季 遥。数日前の選手権で蹴学の選手として出場し、鎌学と対戦していた相手だ。

 彼は振り返って返事した駆から少しだけ視線を逸らし、考える素振りを見せながら口を開いた。

 

 

「『選手権では世話になったな』」

「!……『いえ、こちらこそ』」

 

 

 その口から出てきたのはスペイン語。四季にはスペインの下部組織に在籍していた経緯があるから、言語習得しているのは当然だろう。

 どういう意図があるかは分からないが、取り敢えずはと同じくスペイン語で言葉を返す。

 

 

「『マドリーとの噂は本当なのか?』」

「『はい。来シーズンから正式に契約する手筈です』」

「『……スペインは───欧州の多くに該当するが、悪意なく差別意識というのが蔓延っている。実力面で心配はなくとも、そこ以外の要因で弾かれる事になるかもしれない。オレも、眼の件が無くても続けられてたかは分からない』」

「『昔はもっと酷かったって聴きますね。でも、先人達の活躍で舞台に立てる様になったんです。僕はそれに倣いたいし、これからの日本の才能を世界という舞台に見せつけたいと思ってます』」

「『強いな、お前は。……駆と呼んでも?』」

「『もちろん!』」

「『あと、スペインでやるなら多少は強気な言い方にしておけ。そこまで丁寧だと舐められるぞ』」

「『その辺は勉強中です……』」

 

 

 日本人の選手が集う合宿所の前で、日本人から放たれるスペイン語の応酬。異様な光景に、佐伯は顔を引き攣らせていた。

 

 

「ここ日本だぞ」

「なんて言ってるか分かるか、祐介」

「ドイツ語以外は分からん」

 

 

 そんな中塚とのやり取りを眼の端で捉えたのか、駆は咳払い一つ。意識を日本語へと切り替えて四季に言葉を送る。

 

 

「四季さん、インパルスでの契約おめでとうございます」

「……ああ。眼の事を知ってても契約を望んでくれたチームだ。貢献できるように頑張るさ」

「世良くんもインパルスと1年の契約を交わしたって流れてますね」

「右京か。アイツはユニークで面白い奴だよ」

「……そう、かなぁ?」

 

 

 ユニークなのは否定しないが、というか貴方も大概変人では? という本音が頭の中で過ったが、会って二日目の相手にその発言は失礼にも程があるので駆はグッと堪えた。

 

 

「は〜、プロ契約だのなんなの肩身が狭い話ばっかしてくれんね」

「荒木さん」

「お前はJ1に拘らなければ直ぐに契約できるだろ? ……よっ。久しぶり、ハル」

「久しぶりだな、傑」

「なに、知り合いだったのお前ら?」

「世代別代表でスペインに行った時にちょっとな」

 

 

 荒木の問いに対して傑が答える。数秒の間を置いた後、訝しげな視線を送っていた四季は傑へと問いかけた。

 

 

「誰?」

「……クッソこんにゃろう、選手権で全国逃す奴は認知してませんってか」

「はは……ハル、こいつは荒木。ダイレクトプレーだったら多分俺より上手い。二列目とかウィングなら出来るから、ポジション争いも共存する事もある筈だ。覚えてやれ」

「へぇ、お前がそこまで評価するとはな。タイタニック号くらいは期待しとくよ」

「それ沈んでね!?」

 

 

 そんな高校二年組のやり取りを眺めていた駆は、「この人意外と冗談好きだよね」という視線を四季に送った。

 彼は荒木の事を知っている筈だ。招集メンバーの顔写真によるものではなく、そのプレースタイルも。

 

 何せ似たような会話をした“記憶”がある*4。その時とは状況が違うから断言こそ出来ないが、チームメイトとなる選手の情報は連動を高める為に知るタイプの選手であると理解してる。

 この会話の癖はスペインで暮らしていたが故の名残なのだろうと、駆はそう結論づけた。

 

 

 

♢♦︎♢

 

 

 

「世間からは色々と言われていますが───」

 

 

 選手達が集い、コーチからの連絡事項を終えた後、監督である若菜から言葉が紡がれる。

 

 

「目標は依然として優勝! 金メダルを獲れるメンバーを私は招集したつもりです」

 

 

 実績や年齢は関係なく、その素質と才能を存分に発揮したのであれば、日本は必ず金メダルを獲れる筈だと。絶対の自信をもってそう宣言した。

 

 

「今回は敢えて呼びかけなかったオーバーエイジの候補も居ますが、本戦を含め、ここにいるメンバーでチーム構成を立てていくつもりです。自分に出来ること、熱意。それらを是非、プレーでアピールして下さい」

 

 

 そこからは“記憶”にある流れと同じで、半分に分かれての紅白戦を行う運びとなる。

 駆視点で想定外の事があったとすれば、プロやユースが中心となっているAチームに傑が呼ばれなかった点だ。高校組をBに集めているとしても、実力面を考えればレギュラー想定のAに入れられてもおかしくなかったのだが───。

 

 

「監督、言われた通りの振り分けにしましたけど……逢沢兄弟をBにしたのはどんな意図が?」

 

 

 それはコーチにとっても同じで、試合開始前に若菜へと問い掛けている。

 若菜は笑顔を崩さないまま、二つのチームがそれぞれ話し合ってフォーメーションを決めている様子を眺めつつ、その問いへと答える。

 

 

「単純に、今のメンバーで各選手がやり易い組み合わせにした結果ですよ」

「はぁ」

「加納くんも知っての通り、高校中心となっているBチームにはU-17世界大会で優勝した面子を揃えています。お互いにやり易いチームにした方が、私の“意図”を選手達が汲み取ってくれるだろうと思ったんですよ」

「意図、ですか?」

「ええ」

 

 

 明確な答えは言わない。あくまでも“意図”という言葉で濁し、そこで区切りをつける。

 一体それは何なのかと、各ポジションに着いた選手達を眺めながら思考を続けた。

 

 紅白戦はキックオフ。90分の中で監督が独自にメンバーを入れ替えていく事になる。

 Bチームから始まったボールは即座にトップ下の傑へと渡る。ゆったりと全体を見渡しながらボールを運ぶ彼に迫るのは、ブンデスリーガでも活躍中の倉知。

 

 

「一緒にプレーするのは久し振りだな、傑! お互いのレベル状況でも確認するか?」

「……乗らないっすよ、その挑発には。監督の“意図”が何となく分かったんで」

「チッ、クレバーな奴め」

 

 

 傑はボールを左へと叩き四季へと渡す。

 

 

(しかし、監督の“意図”か。個人の才能(タレント)を測る目的だとは思うが……傑が敢えて言葉にするってことは、もう一歩踏み込んだ考えがあるのか?)

 

 

 倉知はコート全体を見渡しながら、チームの動きを見る。

 一度も練習してないメンバーでいきなりの紅白戦。多少は組み立てる時間があったとはいえ、最低限の準備しか出来ていない。普通に考えれば連携も何もあったものではないが───始まって1分。BチームはAチームの選手に一度もボールを触れさせることなくパスを繋げている。

 底だけで様子見のパス回しならまだしも、中盤・前線も絡めた上で、だ。

 即席とは思えない連動。個人戦術が優れている、だけでは決して説明がつかない。

 

 

(特に目を見張るのは、ボランチ(佐伯)か。アイツが飛鳥と傑のポジションと流動的に入れ替わるせいで、マークが上手く分散される。傑がいるんだ、油断しているつもりは無かったが……)

 

 

 元より今回呼ばれた高校世代の実力は認めている。何せ自チームのブンデスリーガ1部フランクフルトに所属し、17歳にしてレギュラーCBを定着させた若き皇帝『カール・フォン・ゼッケンドルフ』を有するドイツ代表に4得点を奪い勝利したのだ。

 傑の献身と駆の覚醒があったとはいえ、チーム全体の地力が無ければ成り立たない勝利。当時呼ばれていなかったメンバーも含まれてるが、油断はない。

 

 だが、警戒心は薄かった。

 地力が高くとも、傑()()()のサッカーに変わりはないのだろうと。ピッチの王様として君臨する彼は、チームの在り方さえも変えてしまうから。個人能力の高さ故に負担も依存度も大きくなってしまう。

 傑の出方さえ塞ぎに掛かればチーム全体の勢いを鎮める事が出来ると、倉知はそう判断してしまっていた。

 

 

(想定以上にバラけてるな。傑に依っていない。あくまでもその場面での最善を貫けている。チームとしての完成度は間違いなくAチーム(こっち)以上だな)

 

 

 “個”の力は勝る部分も多いだろう。それでもサッカーはあくまでも11人。

 警戒に幅を効かせた方が良いと判断する。

 

 

(それは兎も角、もう全員触ったろ。積極的な所も見せてくれよ!)

「龍樹、ハードプレス! 前線から潰すつもりで行くぞ!」

「おうっ!」

 

 

 佐伯にパスが渡ると同時に倉知は若森へと指示を出す。全体の距離感を把握し、DF陣のラインが揃ってる事を確認した上で、ハードプレスを選択した。

 甘いパスコースを選べば受け手を窮屈にさせる。完璧なポゼッションで組み立てるか、狭いところを突いてくるか、或いは逃げのクリアか。

 チームとしての完成度は高くとも若い集まり。プロの経験をしていない彼らがどこまでやれるかを試そうと、試合の動きを早くする。

 

 ───という判断を下した刹那。

 

 

「……!」

「なに……ッ!?」

 

 

 タイミングを見計らったように、鋭い縦パスが一本入る。その先には傑。全体が連動したハードプレスだ。当然傑への寄せも早かったのだが、パスの鋭さがインターセプトを許さない。

 そして傑はワンタッチでそのパスを落とし、走り込んでくる飛鳥へと渡す。飛鳥も呼応してダイレクトのグラウンダーで左サイドへとパスを出した。

 

 ただただ縦パス一本を通すのではなく、堅実なポゼッション。それもプロの速さに適応した上での繋ぎだ。

 ワンチャンスを通すのではなく、的確に崩してきた。Aチーム全体の意識がハードプレスに切り替わるその瞬間を見計らって。

 動きを見てからでは成り立たない連動。間違いなく、飛鳥も傑も佐伯も、この瞬間を予知し次のプレーを共有していた。

 

 パスの先には四季。サイドラインからは余裕を取りつつ、サイドバックが駆け上がるスペースを生んでボールをキープ。

 そこにFWの一角である駆が近付いた。

 四季がドリブルで仕掛け、仮に奪われようとも即座に詰められるフォローの立ち位置。当然四季に寄せるDFの視界にも入るので、迷いが生じれば彼のテクニックなら余裕で躱せる。

 

 そう判断してのポジショニングだったのだが。

 

 

「『駆、パスを前提に動け!』」

「───……!」

 

 

 ()()()()()()放たれる指示(コーチング)に、駆は思わず目を見張る。そして同時に、その意図と合宿所前での会話の理由を察した。

 先の会話でスペイン語を用いたのは、駆が問題なくスペイン語を理解出来るかを把握するため。

 

 なぜなら今回の五輪代表メンバーにラ・リーガへ在籍している選手は存在しない。言語だけならば習得している選手はいるかもしれないが、即座に対応できるほど浸透している事はないと断言していい。四季は事前に収集している情報からそう推測していた。

 日本語で指示(コーチング)を出せば相手にも伝わってしまう。だがスペイン語ならば、その言葉の内容をほぼタイムラグなしに理解できない限り対応が一歩出遅れる。

 

 このコート上で2人だけが、アイコンタクトでは通じない細かな指示を交わす事が出来る。

 

 

「『左サイドの縦に向かう動きからバックステップで移動先を反転します!』」

「『オーケー。受け取ったら中にダイアゴナルで入ってキープしろ! 今ならスペースがある!』」

「『はい!』」

 

 

 一呼吸を入れた後の駆の言葉。周りにとってはそれがスペイン語であるという事すら認識出来ていないのが殆どだ。試合の流れの中ではその意味を探る時間も作れない。

 駆は宣言通りに四季の前方向、左サイドの縦に身体を向ける。その縦パスを受け取ろうとする動きは非常に分かりやすく、駆の付近にいたAチームの選手は「言葉は分からんが読みやすい」とパスコースに割り込む。

 

 だが、分かりやすいのも当然。駆が敢えてその選手の視界に映りながら動き、四季が縦方向へのパスを出すようにスイングしていたからだ。

 宣言に沿い、マークについた選手の重心が左サイドへと向かったのを確認して駆はバックステップ。四季は振るった脚を止める事なく軌道修正。ホイップキックの特性により縦から斜めへとパスコースが変動し、駆の動きに合わせてボールが出される。

 

 中央を向いて受け取る事が出来た駆は指示通りに緩くドリブルをしてボールキープ。前線がハードプレスを仕掛けたAチームは、中盤とDF陣に少なからずギャップが生まれている。保有する余裕が生まれるのも当然だ。

 

 

「『駆、近付く素振りを見せてDFを釣ってからサイドライン際に走るからロブで俺に出せ!』」

「『公太の駆け上がるスペースは残しておいて下さい!』」

「『ああ、分かってるさ』」

 

 

 言葉を交わし、パスが繋がる。都度7回のやり取りを終える頃には、2人の顔に笑みが浮かんでいた。

 

 

(やり易い。まるでシーズンを通して同じチームでやってきたような安心感がある。パスの意図をちゃんと汲み取ってるし、もう指示(コーチング)無しでも合わせられそうだな)

(ホイップキックの精度が物凄く高いから、フェイクの動きが段違いに映える。何より()()()()()()。またこの人とプレー出来ることに、気持ちが昂ってるや)

 

 

 回数を重ねる毎に四季は駆へと適応していき、駆は“記憶”に順応していく。

 たった2人だけで行われるパス回し。だが幾ら聴き取れない指示(コーチング)ありきとはいえ、パス相手が分かりきってるならば対応も慣れてくる。

 四季は鋭く視線を向け、その瞬間は言葉を発さずにボールを駆へと向かう並行にグラウンダーで放つ。

 

 

「……!」

(さあ、読み取れるか? 今ならミスしても取り返し易い、この程度の挑戦(チャレンジ)なら充分に試せる。お前の選択を見せてみろ)

 

 

 前後から2人に寄せられている。ボールキープしポストプレーか、細かくコントロールしドリブル突破か、左脚の加速を利用したラン・ウィズ・ザ・ボールか。

 どれをとっても成功すれば正解だ。得意を選んでもよし、相手の動きからして出来そうな選択に賭けるのもよし。

 

 

「……───」

(もし、俺の考える最善を読んでくれるなら、ここで選ぶのは───)

 

 

 駆の足下にボールが到達しようとする刹那、2人は誰の耳にも届かない声量で言葉を溢した。

 

 

「「スルー」」

 

 

 トラップするよりも早く開いた脚の間をボールが抜ける。四季が視線を向けていたのが自分ではなく、その奥にいる相手だと把握したが故の触れない選択。

 流れるボールを中で受け取るのは、傑。

 

 

「完璧だ」

 

 

 この瞬間、駆は四季から全幅の信頼を得た。

 片目が見えない事を知っていながら、己の読みを疑わずプレーしている事。言葉からだけでなくパスの質からその意図を察する事。自身の主張もぶつける事。

 傑の弟だからではない。逢沢 駆という選手の能力の一端を味方として知る事で、信頼に足ると判断したのだ。

 

 

(ったく、二人とも楽しそうにしやがって)

 

 

 “記憶”の件を知ってるとは言え、傑視点で2人がチームメイトとして試合するのは初めての筈だ。それを僅か八度のパスで思考を共有するまでに至った事実に対して、傑は思わず苦笑する。

 

 

「俺も混ぜてもらうぞ」

 

 

 その言葉を耳で捉えたのか、四季は挑発的な笑みを浮かべながら傑へとアイコンタクトを送る。「合わせられるか?」という言葉のない問い掛け。傑は言葉や表情ではなくプレーで示す。

 ここに、日本でも稀有なホイップキックの使い手によるトライアングルが完成した。

 

 サッカーの基本はトライアングルだ。守備人数の揃っていない相手へのカウンターや繋ぐだけのサッカーならば2人でも可能だが、ゴールへと向かうポゼッションで完結まで至るには、適切な距離を保った3人による攻撃が必要となる。

 もちろんプロの人間はそれを熟知しているだろう。駆と四季の2人によるパス回しに翻弄されていたのも『スペイン語』という余計な雑音(ノイズ)が耳を差していたからで、八度目のパスが出される頃には動きのみに集中出来ていた。

 

 個人の状況判断能力、対応力、適応能力というのは、プロになるにあたって強く求められる。五輪大会日本代表という限られた選手だけが集うこの場所に於いては、そういった能力の高い選手が多く集められていると言っていい。

 普通のトライアングルであればどれだけ個人能力が高かろうと、即興なDF編成であっても容易に突破させることはない。

 

 だが───

 

 

「くっそ!」

「なッ、そっち!?」

「……っ」

 

 

 この3人のトライアングルは前述通り普通ではない。各々がホイップキックという『後出しの権利』を有しており、どれだけDFが完璧な読みで止めに掛かろうとも、次の瞬間にはズレる。

 左サイドで展開される洗練されたパス回し。針の穴に糸を通すような繊細なコントロールではないのに、相手DFに一度も触れさせず繋ぎ続ける。Aチームが彼らのトライアングルに当たるディフェンダーは4人という数的不利な状態にも関わらずだ。

 

 高校世代の3人がプロキャリアを重ねている相手にこれは異常。彼らを代表メンバー候補として招集した若菜監督ですら驚愕の笑みを浮かべている。

 

 

(信じらんねぇ───)

 

 

 それは、現在ブンデスリーガ上位クラブのフランクフルトに所属する倉知も同感だった。

 数的有利な状況を作るために自らも最終ラインに近い位置でDF対応に走っている、プロサッカー選手として最高のキャリアを歩めている彼だからこそ、一度のパスの間に込められた濃密さへと気付くことが出来る。

 

 

(こんなモン、CL*5ですらお目にかかれないレベルだぞ……ッ!?)

 

 

 倉知はその思考に確信を感じている。この場で披露されているトライアングルのレベルは、世界()()()に達していると。

 

 

(流石にこれを即興のチームで対応しろってのは無理が───いやつーかコイツらも急造の組み合わせっ、駆と傑(兄弟)の2人ならまだしも四季(コイツ)まで混ざって何でここまで上手くいく?)

 

 

 ホイップキックにより選択肢を増やせるから、も正しいだろう。結論で言えば間違いなく筆頭の理由に当たる。

 選択肢が増えれば増えるだけそれを読み取るディフェンスに情報処理の負担を与える事が出来るし、下手な寄せは四季や傑のドリブルによって剥がされてしまう。純粋なパスワークだけではない個としての力があるからこそ、より多くの選択権を得ている。

 

 だがそれは、オフェンス側も同様だ。

 どれだけ選択肢が多かろうとも、選ぶのは一つだけ。出し手と受け手の両方が意識を共有させながら相手を出し抜く選択というのは、それだけ高度な判断力が求められる。

 傑と四季は分かる。彼らの個人能力はこの招集メンバーの中でも頭一つ抜けており、ゲームメイク能力を考えれば慣れきっている事だろう。

 

 だが駆はFWとしての質は一級品であるものの、ポゼッション戦術で絡めるには少々不安だ。

 それが一切置いていかれず、兄弟の傑とだけならばまだしも初めてチームメイトとしてプレーする四季を含め指示(コーチング)のない状態で噛み合っているその理由。

 

 

(ああ、これもホイップキックの影響か……! より厳密には、振り抜く直前にGKの逆を突き続けたが故の経験値の積み重ねによる判断力! 足下の技術で劣っていてもそこが磨かれているなら、このトライアングルで見劣りしねぇ)

 

 

 そう。例え軌道修正可能なホイップキックと言えど、それを十全に扱うには相手の動きを見て判断する能力が必須。

 この3人は数年以上このキックモーションを磨き続けてきたのだ。通常よりも判断力が磨かれるのも当然。何より特性を知っているが故に迷いがない。

 

 

(───なるほど、監督の“意図”か。掴めた気がする。要は個人ではなく、()()()()()()()()()()()って事だ)

 

 

 個人の才能(タレント)を測るのはチームに組み込む為には必要であり、今回の試合に於ける一番の重要な点は間違いなくそれだ。

 だがチームとしての実力を発揮しやすい組み合わせにしたのは、もう一段階踏み込む為。

 

 分かりやすく言い換えれば、『この選手は活かされた時にこれだけの能力を発揮出来る』というプレーを現時点で魅せる為だ。

 一切チームとしての練習を行なっていない紅白戦の中でその“意図”が潜んでいるという事は即ち、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()になる。

 

 

(まー流石に若菜さんもこのレベルは想定外だろうがな。何せこれ以上のクオリティなんざそうそう生まれる訳ない)

 

 

 それは若菜が驚愕の笑みを浮かべていた事からも推測可能な事実である。倉知はその表情こそ見ていなかったが、思考はリンクしていた。

 彼の想定していた上限は『鎌学のチーム力』だ。この範囲ならば既にプレミアで情報を掴んでいるし、目安として非常に想像し易かった上に実力も素晴らしい。

 

 だがそれを、今回のトライアングルは大きく上回る形となる。

 クオリティの高い戦術を披露してくれるならば喜んで導入するだけだが───若菜は悩ましげな表情で駆・傑 ・四季のトライアングルを眺めていた。

 

 その様子に気付かないまま、倉知はDF対応を続ける。

 

 

(正直、このパス回しをインターセプトはほぼ不可能だ。ゼッケンドルフ(カール)がいりゃ別だが、ないものねだりしても仕方ねぇ。DFの仕事は点を取らせない事。パスカット出来ないだけなら問題ないんだ)

 

 

 サイドへと身体を向け、重心を落とし半身の状態。

 重点的に中を警戒しつつ的確にコースを限定。ディフェンスのお手本とでも言うべき完璧な構えに、傑は目を細める。

 

 

(傑のミドルコースに身を置きつつ、)

 

 

 瞬間、爆発的なまでに加速した存在が倉知の横を抜けていく。

 

 

(フィニッシャーを最大限に警戒───ッ!)

 

 

 完璧な裏抜けをされた。完璧なタイミングでパスを出された。

 だが倉知に焦りの様子はない。警戒していたシチュエーションがドンピシャに的中した。

 この加速に追いつくのはまず不可能。それでも戸惑いを捨て確信を得ることで追い縋る事は出来る。

 

 元々は攻撃的なMFとして起用される事の多かった倉知だが、ドイツで対人能力が鍛えられた事によりこういった読みが鋭くなった。

 このシチュエーションでFWが嫌がる行動についても、よく分かる。

 

 

(直線上、だがエリア内に入ってちょうど触れられるくらいの球速。ゴールからはちょい斜めの位置。ワンタッチで狙われたらキツいが───)

 

 

 視線を駆へと向けながら、視野を広く保つ。視界の端から迫る存在を感じ取り、倉知は口元を僅かに緩めた。

 

 

(っし、ナイス飛び出し真弓(まゆ)さん! そんで(コイツ)()()()()な……!)

 

 

 この場面でダイレクトを打ってくるとなると、キーパーの位置把握に割く時間は短くなる。後ろから迫るボールだ、そこに脚の振りを合わせるならば相応の集中力が必要となるだろう。

 この時点でワンタッチシュートの可能性はほぼ消えた。強引に打っても迫る事で狭くしたシュートコースに通る事はない。体勢が悪すぎるからだ。

 倉知は駆のFWとしての才能を評価している。この場面ならばキーパーの立ち位置を見た上で多少の粗はあれど的確にコースを突いてくるだろうと。だから事前に指示を出して真弓(キーパー)を飛び出させる事でワンタッチシュートの選択肢を無くした。

 

 こうなると出来るのはトラップ。しかしボールを止めれば倉知が追いつくし、仮に躱せたとしても手を使える真弓との挟み撃ちだ。

 

 

(上げたのは右脚、インサイドが後ろへと向けられたトラップ。優れたトラップをしようと、奪え───)

 

 

 経験を積み重ねた事により、凝縮された思考はこの後の展開を鮮明にイメージさせる。

 ファールにはならないように細心の注意を払いながら駆の動きに制限を掛ける選択をして。

 

 

「───はァッ!?」

 

 

 眼前の動きに思わず目を剥く。

 駆の集中力は間違いなく真弓(キーパー)に割かれている割合の方が大きかった。後ろからくるボールをダイレクトで蹴れる程の認識は出来ていない筈。

 にも関わらず、駆は迫るボールをワンタッチで放つ。

 

 直線上に置かれた右脚を僅かに寝かせ、掬い上げる。ボールの勢いを僅かに緩めながら真弓の頭上を越すループシュート。

 飛び出した背後のゴールはガラ空きで、勢い弱くネットを僅かに揺らし、ゴールの判定となる。

 

 

(お……おいおい、あの状況でダイレクトを枠内に撃つってだけでもヨーロッパですら上澄みの部類だぞ。予測? いや、なら真弓(まゆ)さんに視線を向ける必要なんざねぇ。ボールの到達地点の方を殆ど見ずに把握し、キーパーの立ち位置を見ていた?)

 

 

 駆の【見ないトラップ】については倉知も知っている。しかしその技は、あくまでもボールの軌道の直線上に身を置き、勢いを吸収するトラップだからこそ出来るものだと思っていた。

 だが今の駆は、ほぼピンポイントでボールの下を掬い上げる挙動を行った。動いているボールから一度視線を外したにも関わらずだ。

 

 倉知は駆の才能を評価している。それ故に、本来なら高一の選手相手に見据えるには過剰とも言える『欧州五大リーグの中でもトップ層のFW』のレベルであると仮定して対応に当たった訳だが───

 

 

(それすら過小評価だったってか……!?)

 

 

 油断はなく、舐めて掛かるわけでもなく、ブンデスリーガで積み重ねてきた経験の全てを使った出来る最大限の対応を前にしても、逢沢 駆はゴールという結果を叩き出した。

 

 

(……あの皇帝(カール)に「彼が舞台に上がってくるのが楽しみだ」とまで言わしめる訳だ)

 

 

 己の所属するクラブの若き天才との会話を思い出しながら、倉知は思わず笑みを溢す。

 

 

 ───その後、試合は早い展開が続いた。

 一度の練習も無しに紅白戦に入ったとは思えない程に両チームのパスは繋がり、DFは澱みなく連動して対応を続ける。

 流石に個人の実力はプロキャリアを歩む選手の多いAチームの方が高く、チームの流れが良くなり始めると、前半16分に同点となるゴールを若森 龍樹がクロスに合わせたヘディングをニアで奪う。

 

 負けじと活気付くBチームは、前半27分。傑のミドルシュートをキーパーが弾くと、こぼれ球に駆が反応。DFが完璧なブロックでシュートコースを塞ぎに掛かるが、ホイップキックによりパスへと軌道修正されたボールは中央へと放り込まれ、押し込む形で鷹匠が1点リードとなるゴールを奪った。

 前半31分。今度はAチーム、倉知の強烈なミドルシュートがキーパーに反応を許さないままネットを突き刺し、再び同点へ。

 

 シーソーゲームとなり、2-2の同点のまま終わるかと思えた前半終了間際。44分を過ぎた頃、左サイドの敵陣深くまで切り込んだ四季が中央へとグラウンダーのパスを出す。

 一度ファーに入り込む動きを見せ、ニアへと切り替えるオフ・ザ・ボールで重心の逆を突いた駆がそれを受け取った。

 

 シュートコースは狭く、殆ど角度のない場所。少しでもズレればポストに弾かれるだろう位置から躊躇いなく左脚を振るい、ボールは真弓(キーパー)の顔横スレスレを抜けて突き上げる様にネットを揺らした。

 個人では2点目、チームとしては再びリードする3点目を奪うと、スコアはそのまま前半を終える。

 

 

「いやー……噂に違わぬ怪物っぷりですね。まさか高校生中心のBチームが拮抗どころかリードして前半を終えるとは」

「高校生中心と言っても、殆どは来シーズンからのプロ入りが決まってる選手だしね。U-17で世界を経験したメンバーも多いし、問題はプレースピードについてこれるかってところだったけど……確かに期待以上だった」

「ですね。……しかし監督、後半頭から逢沢弟を代えて良かったんですか? 彼の強みは運動量でもありますから、後半からの動きを確認しても良かったと思いますが」

 

 

 紅白戦の基本的なルールは概ね通常の試合と同じ。45分ハーフで休憩を15分、アディショナルタイムは無しの構成。

 前半を終え、後半頭から入れ替えるメンバーを発表してから休憩へと突入する。“記憶”の時とは違い、交代メンバーの中には駆の名前もあった。

 

 駆の特性を知っているコーチが彼を前半のみの出場になった事へと疑問を覚えるのも当然だ。問いに対して若菜は表情を崩さないまま毅然と答える。

 

 

「見たいものは充分に見れたからね。期待以上のものを体現してくれた。だからこそこのまま続けるのは()()()と思ったんだ」

「危うい……ですか?」

「うん。ここまで上手くいく連動が試合を通して続けられると、他のアイデアを潰してしまいかねないし……何より、あれが中心に()()()()()()

 

 

 高いクオリティの連動を安定して発揮出来るならば問題ないのではないか。

 年功序列に拘りのない監督だ。この発言は決してプロキャリアを歩んでいる選手を立てる為のものではない。その意図を理解しようと、質問はせずに続きを促した。

 

 

「少なくとも予選の段階では彼を呼べない試合が増えるだろう。本戦に向けてクオリティを磨くのは良いけど、そこに至る過程が疎かになってしまうのは良ろしくない」

「……! レアルの件ですか」

 

 

 監督には事前に本人(かける)から知らされているし、そもそも熱心なファンの間では既に状況証拠が揃い過ぎている。確信はなくとも噂が真実に近いというのはコーチ陣も知るところではあるし、「呼べない試合が増える」という言葉の意味は問うまでもなかった。

 若菜は呟かれた言葉に対して頷き、後半からの動きを話し合うBチームへと視線を向けながら言葉を紡ぐ。

 

 

「彼らには『駆くんのいないサッカー』に慣れてもらわないと」

 

 

 その発言が示す現象は、後半に実現する。

 駆がいなくとも、傑と四季を中心にBチームは攻守ともに勢い衰えず実力を拮抗させていた───()()()()

 だが後半が進むにつれてAチームの繋がるパス回数が増え、逆にBチームはボール保持率が僅かに下がり始めていた。

 やがて、Aチームは同点弾。続け様に逆転弾を獲得する。

 

 そのカラクリは、Aチームが落ち着いてDFで回せる様になったからだ。駆の前線プレスが無くなり、焦らずに組み立てる時間を作り出す事に成功したため。

 鷹匠は決して前線守備をサボる訳ではないが、駆に比べると些か『優等生』だ。クラブユースで育ってきたが故の基本に忠実な前線プレス。それではプロとしての速さに慣れきっているAチームを動揺させるには至らず、冷静に戦況を把握させてしまうだけだった。

 

 攻撃は攻撃で、最前線の停滞が現れていた。

 駆への集中をせずに済んだ分が鷹匠へと寄せられ、傑と四季は最後の一手に踏み込む回数が少なくなっていた。中盤の繋ぎは完璧に近いが、点を奪う為のラストパスに至れない。

 だから『表面上』は拮抗していても、こうしてスコアに影響が出てしまう。

 

 

 それでも意地として傑が同点弾を奪ったが、試合は4-4の引き分け(ドロー)で終える事となった。

 こうして、五輪代表合宿の初日が過ぎていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
2020年東京オリンピックはコロナ騒動により1年延期となったため24歳以下の例外となっている

*2
中塚は1月20日、佐伯は2月25日が誕生日。中塚は五輪合宿中に16歳になる

*3
原作では34名だが、傑・佐伯・四季・中塚を招集し原作で呼ばれていた名前の出てない2人の選手を候補から外したため、合計人数は2人の加算となっている。入れ替えにしなかったのは「18人で振り分けた方が本番想定らしくて良いのでは?」と思ったため

*4
単行本53巻457話にて、東京キングダムのムサシとの会話

*5
UEFAチャンピオンズリーグ。欧州内のリーグで上位成績を残したチームのみが次シーズンにて参加資格を得ることが出来る、世界で最もレベルの高い大会

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。