感想返信
>>若林さんの「幸せに、しろよ……!!」が葛藤の末出た言葉でこっちも複雑な感情が湧き出てきた...
→今作だと駆くんの知名度とか幼馴染で両思いという関係性が強すぎたので下手な介入を避けました。多分若森は自分より頼もしい部分があるのを理解してしまったら素直に認めるタイプ。
>>放送席でのセブンの駆呼びの余波も気になるところ
→駆くんのファン「駆くんだけ呼び捨てで草。流石幼馴染」
セブンの新人ファン「は!?なんかこいつだけ距離感違くない!?」
セブンの古参ファン「おっ、今日はちょっと濃いめの匂わせだな。やっぱ舞衣ちゃんいると無意識に独占欲出てるぜ〜(脳破壊済み)」
セブンが駆くんの事を呼び捨てにするのはインタビューとかでちょいちょいやらかしてるので作中1年くらい前から知ってる視聴者は割と慣れてます。ただ踏み込んだ発言はそこまでないので「こいつら付き合ってるな(確信)」まで考えてる人は“殆ど”いません。
>>オリンピック本番もレアルもセブンとのいちゃいちゃもすごく楽しみ
→すみませぬ……多分上記内容を執筆するとしても本編完結後になると思われます。詳しくは後書きに。
サッカー
この試合までとは打って変わり、高校生がスタメンの半数を占めるという大胆な抜擢。他国と比べても平均年齢は若いものの、それとは裏腹に自国からの評価は高かった。
それは自国であるが故の過大評価ではなく、クウェート戦前に示した結果だ。
招集から1週間で達した韓国への完勝、開催地且つ優勝候補筆頭のブラジルとの引き分け。
また、開幕したJリーグでの招集選手たちの活躍が著しく、招集メンバー発表時の批判は一転し期待が高まっていた。
高校サッカーにも国内プロリーグにも属さない駆の存在を不安視する者もいたが、先の親善試合での結果により異論が起きることはない。
そして迎えたクウェート戦。日本にとってはアウェーとなるクウェートの地で行われた試合は、苦しい場面を迎えながらも4-1で勝利を収めた。
スターティングメンバーはブラジル戦とほぼ同じ。先制点は19分に若森が奪い取ったものの、堅い展開が続き前半終了間際に同点に持ち込まれた。
だが後半開始と同時に若森に代わり投入された駆の存在により、攻撃力は爆発。後半3分で鷹匠が決めてリードを広げると、9分に傑のミドルで得点が加算。ハーフタイムでの修正により守備が整えられて日本の流れが安定し、焦るクウェートの隙を突くように後半37分に駆のダメ押しゴール。
これにより、最終予選進出へ大きな一歩を踏み出した。
続くホーム戦は帰国から1日を置いての開始。
ホームを落としたクウェートにとっては得点を稼いで勝たなければならず、死に物狂いで掛かってくることが予想されていた。日本のホームであっても、若さが全面的に出ているチームでは勢いに押されて苦戦は免れない可能性が高い。
守備固めの戦術も致し方ない───そんな各国の予想を裏切るように、日本はホーム戦を9-0という得点差で圧勝した。
スタメンは3トップのセンターに駆。ウィングは左が若森、右に荒木。中盤は世良と佐伯と倉知。ディフェンスは左に中塚、右に島。CBとGKは固定されており、飛鳥とハロルド2枚の壁と眞弓という最後の砦。
親善試合でも試していなかったメンバー構成。守備固めとも攻撃特化とも言えず、また主力を休ませる目的でもない。先勝で余裕があったとはいえ会場で発表された時は観客に大きく動揺が走ったものの、蓋を開ければ選手層の厚みを実感する展開が待っていた。
序盤こそ勝ちを拾うために死に物狂いで掛かってきたクウェートに押される時間があったが、前半14分。若森からのサイドチェンジを荒木がダイレクトで華麗に地面を這う斜めパス。そこに抜け出した駆がニアの上隅へと叩き込む圧巻のシュートテクで先制。
そこからは日本のボール支配率が大きく上がり、前半19分には荒木。42分に若森と、3トップが各自決めて後半へと折り返し。後半からはフォーメーションはそのままに世良→傑、若森→四季の二枚替え。
アウェイ戦では監督の指示により制限されていた世界最高峰のトライアングルが、後半からは遺憾なく発揮。支配力と前への推進を披露し、後半2分に四季がゴールを奪いリードを4点に。クウェートは流れに対応することが出来ず、立て続けに後半9分に倉知。11分に佐伯。
後半15分に荒木との交代で鷹匠の投入。フレッシュな前線の選手が入ると攻撃は加速し、23分に駆が唯一の複数得点となるゴールを奪取。そして27分、日本が待ち望んでいたFWは自分だと誇示するように、注目集まるこの大舞台で駆はハットトリックを達成。
トドメの一撃を鷹匠が叩き込み、試合は終了。これにてアジア最終予選の国が決定したことになる。
数字上の活躍として最も印象的な駆。だがそんな彼は、年齢相応の高校サッカーにも活躍に値する国内プロにも名前が載っていない。
一体何故か。注目度が高まると同時に疑問の声も大きくなる。
その実情は、翌日のニュースで大々的に明らかとなった。
情報のソースは日本時間で深夜2時。発信元のスペインでは夕方の6時に当たる時間帯。
それが、『レアル・マドリード』が逢沢 駆という日本人選手の獲得を明確にした瞬間だった。
欧州リーグがシーズン終盤を迎え、SNSの公式アカウントで発せられるその情報は、信憑性があまりにも高すぎる。
元より噂こそされていたが、公式で断言されるのとでは反響が天と地ほどに差がある。クウェート戦のハットトリックと重ねてニュースにされたこともあり、サッカーファンのみならず一般的にも『逢沢 駆』という名が浸透していた。
その熱は一カ月以上も続き、スペインへと飛び立つ彼を見る為だけに多くの一般人が空港へと押し寄せるほどだった───
『───ここで試合終了のホイッスル! なんとまたも勝利、何という強さ! 今シーズンの横浜エルマーレス、14節を終えて13勝1分けと未だ無敗!』
スペイン、マドリードへと向かう飛行機の一席。フライトから3時間弱が経過し漸くファーストクラスの雰囲気に馴染んだ駆は、両耳にイヤホンを当て嵌めながらスマホの画面を見つめる。
約2時間。乗り継ぎの時間まであと少しというタイミングで、画面の動きは三度のホイッスルと共に終わりを迎えた。
それはサッカーの試合。日本国内プロサッカーのリアルタイム配信。己の兄が所属する横浜エルマーレスと大宮オランジェの対戦だ。
結果は2-0で横浜エルマーレスの勝利。実況の言葉通り、折り返しまであと僅かの現時点で未だに無敗を継続する強さを見せていた。
『さぁ今回のMOMは───やはりこの人、逢沢 傑選手! これにより今シーズン8度目の選出となります。後半23分での交代となりましたが、1G1Aの記録を考えれば当然と言えるでしょう。ここからはインタビューの様子を映していきます』
ピッチの隅に用意されたインタビューの場が映し出される。
そこに背番号19番のユニフォームを着た傑が現れ、質問が始まった。
───まずは無敗記録を継続する勝利、おめでとうございます。
『ありがとうございます』
───非常に安定した活躍を見せてくれました。今期8度目のMOMとなりましたが、今のお気持ちを聞かせていただけますか?
『活躍出来るのは後ろの頼もしさあっての事ですから、ちょっと申し訳ない気持ちもありますね。ゴール・アシストという数字が重要である以上は自分が選ばれやすいというだけで、幾つかはDF陣に分けたいくらいです』
───えー、ベテランの方々から『主役が気を遣ってんじゃねぇ!』と野次が飛んでいますがさておき。シーズン折り返しも近いという事で、これからの目標などがあればお聞かせ願えますか?
『まずはリーグ優勝。これを掲げて自分を加入させてくれたエルマーレスに応える為に、必ず遂げます』
───頼もしいお言葉、ありがとうございます。
『そして、ここからは私情になりますが……昨シーズンの高校サッカー開幕前に掲げていた“偉業”の達成が出来ない状態になってしまいましたので、代わりにJリーグの舞台へと引き継がせて貰おうかと思います』
───と、言いますと?
『Jリーグの無敗優勝。ルヴァンカップ、天皇杯といった国内タイトルの総取り。そしてACL、アジア王者の冠の奪取』
───なるほど、目標は高い方が良いですからね! それだけの自信がおありという事でしょうか?
『
───これはまた、大胆な発言ですね。
『そうですかね? 今のエルマーレスにはタレントが揃っていますし、不可能とは思いません。自分としては過去にない偉業をエルマーレスに捧げてから欧州五大リーグに行きたいと思っていますし、何より兄貴が弟に甘えるわけにもいきませんから』
───甘える、ですか?
『……アイツは必ず欧州と日本を繋げてくれる。これからの日本サッカーを加速させる存在になるでしょう。でもアイツの作る“道”だけに頼るつもりはありません。俺は俺なりのやり方で欧州へと飛び立ちたい。いつかW杯という舞台で、日本を世界一の王座へと導く為に。その為の第一歩が、先ほど述べた“偉業”です』
───愛国心故の目標ということですね。未来の日本代表で貴方が10番を背負う時を、楽しみにしています。
では続きまして、今回のクリーンシート勝利に大きく貢献した飛鳥 享選手へのインタビューです───
(なんか大胆な発言繰り返す様になったなぁ、兄ちゃん。あ、めっちゃ弄られてる)
日本国内のレベルは、決して低いとは言えない。もちろん欧州の上位チームに比べれば差はあるだろうが、それでも創設初期に比べて遥かに発展しているのは事実だ。
その国内タイトルの総なめに加え、アジア最強の座すらも『通過点』と称する大胆不敵さ。
本来の規約を考えれば日本人選手が欧州チームへと加入するには18歳以上である事が前提だ。最速で移るにしても今シーズンは横浜エルマーレスで終える必要があり、来シーズンの冬移籍期間から移動が可能となる。
国内で果たせる偉業となればその辺りになるのは確か。とはいえ傑の才能があっても、果たせるとは断言できないのが実情。
何よりビッグマウスは叩かれ易い。本人の内情がどうあれ、その内容を軽く見ていると捉えられてもおかしくないからだ。
元々表面上は上手く取り繕っていても、その実繊細な人柄である事は“記憶”でカウンセラーの峰から聞き及んでいた。
これだけの発言をかませば周囲からのプレッシャーは更に大きくなるだろうに大丈夫だろうか───なんて思いつつ、一瞬だけ移動したカメラに映っていた先輩に頭を揉みくちゃに撫でられている笑顔の傑を見る。
(最近は峰さんに頻繁に会ってるって訳じゃないみたいだけど、凄くメンタル安定してる……よね?)
自分がそういった部分に鈍感な方であるから気付いていない可能性もあるかもしれないが、少なくとも駆から見た傑はサッカー関連では常に楽しそうな雰囲気を纏っていた。
最近ではドイツ語の語学勉強に苦悩しているみたいだが。しかしそれ以外で悩む様子は特に無い。
(まあ、それは良い事か。僕は僕でこの先、兄ちゃんの事を気にする余裕がない時期が続くだろうし……頑張らないとな。少なくとも、兄ちゃんが達成する“偉業”に見劣りしないくらいの実績を)
マドリーへと向かう人に向けた乗り継ぎのアナウンスが流れる。
駆は改めて自分を鼓舞し、スペインでの活躍を決意した。
夏。スペイン・マドリーの地。
8月下旬から5月下旬までが基本的な開催期間となる欧州リーグのクラブにとってはシーズンオフとなる時期。
昨年の練習参加から一年が経過し、改めてレアル・マドリードの選手としてスペインに在住する事となる。
欧州リーグは殆どが8月31日までが夏の移籍期間となる。その時期にはリーグ戦が開幕している訳だが、その前にプレーシーズンと呼ばれる期間が存在していた。
それは非公式の試合。プレシーズンマッチと称されるそれは、シーズン開始前に加入した選手を試せる場だ。
正式にクラブに加入した選手であれば出場可能。大抵の場合は新加入の選手が戦術に適応出来るかを試したり、クラブに連なる下部組織の選手に実践経験を積ませる目的が主と言っていいだろう。
シーズン終了とほぼ同時にスペインに現地入りした者であれば、数試合は実戦で試せる。
だがその期間の間に、逢沢 駆がレアル・マドリードの選手として出場する機会は、訪れなかった───。
今話は短めなので早めに仕上げました。
以前にも似た様な告知はしましたが、一応予定では次話から始まる試合が本編での最終試合の内容となります。その試合の終わりが本編最終回の予定です。
本編終了後も主に掲示板形式で投稿していくつもりではありますが、色々と書けそうな内容があって何故次の試合がラストかというと……単純に試合内容を描写するカロリーがエグい!
試合内容が被らない様にしつつ、濃く描く部分をしっかりと……というのを以降繰り返せる自信がなかったこと。
単純に次の試合内容が今作を執筆する上で最終試合になる事を最初から決めていた為。
とまあ理由は色々とありますが……下手に続けると着地点とか終わらせ方が分からなくなるので、ここはプロット通りにやらせて頂きます。
『ピッチの王様』というタイトルを入れた割には傑の活躍を明確に描写出来なかった点は悔やまれますが、経歴プロフィールとか掲示板で結果を色々載せていくつもりなのでそちらを見て頂けたらと思います。
長々とした後書きで失礼しました。
前話は感想がいつもより多めで嬉しかったです。
本編完結までにはエリアの騎士原作で1位の総合評価になれると良いなぁ、と思いつつ仕上げていきます。
予定だとあと3話!