・原作6巻、バレット・オブ・バレット本戦。
・キリト達とは未接触。
・キリトがペイルライダーを尾行する直前。
データ
・オリ主
「ようやく見つけた」
「っ!?」
キリトは声が聴こえると同時にほとんど反射的に後ろへ跳んだ。しかし予想に反して襲撃はおろか、声の主はなんと堂々と目の前の茂みから姿を現して見せた。
現れたのは少女だった。男としては小柄な部類に入るキリトの胸ぐらいまでしかない身長。ふと友人達の中で最も小さな体躯のシリカを思い出したが目の前の少女の印象は彼女とは正反対だった。
下はきわどい位置まで短いホットパンツに、また男物のノースリーブシャツを無理矢理着たようなトップス。全体的に肌がむき出しの格好。けれどその格好に対して彼女自身に羞恥心は無いようで、青みがかった銀髪の下にある金色の瞳は、こちらに向けて好戦的な笑みを浮かべていた。
「いやぁ、本戦のフェールドっていうのは広いよねぇ。おかげで他の対戦相手と会うのも一苦労だよ」
ふぅ、と演技じみた嘆息を短く吐いてみせる。
「でもまぁ……最初から当たりを引ける辺り、ボクの運もなかなか捨てたもんじゃないよね?」
「その割には不意打ちのチャンスを捨ててよかったのか?」
そう、彼女は自分より先にこちらを見つけていた。声を掛けられるその瞬間までキリトは彼女の存在に気付くことが出来なかった。
例の《死銃》を探そうと気を取られていたとはいえ、決して油断していなかったはずのキリトの警戒網に引っかからず接近してみせたのだ。
こうして目の前にしてみた確信する。彼女は、強い。
「うーん……してもよかったけどさ、君とは少しだけお話してみたかったんだよ。あ、ボクの名前はワイアット」
今にも暴発しそうなこの緊張感の中でコロコロと笑いながら少女は言う。そんなところもシリカとは違う。
外見とのギャップに余計に恐ろしさが増す。
「ご丁寧にどうも。俺はキリトだ」
「知ってるよ。君ってば予選からド派手で、今じゃ超有名人だから!」
「そんなつもりはなかったんだけどな」
それほど人目を引くようなことをやらかしたりは――――していた。思い出せるだけでも充分に。
「だからこの大会の間に一度でいいから会ってみたいと思ってたんだ。……本命は旦那を倒したスナイパーの女の子だったんだけど」
「スナイパーの女の子……?」
後半部分は呟くような声量だったが聞き取れた。言われてとある少女の顔がはたと頭に過る。
しかしそんな余裕などすでになかったと気付くのは、間抜けにもワイアットがこちらへ銃口を向けてからだった。
咄嗟にキリトも腰のホルスターから《カゲミツ》を抜く。ブン、と音をさせて短身から青白い光剣が飛び出す。
それで襲いかかる銃弾を切り落としてやろうと身構え、弾道予測線に意識を集中させて、キリトはぎょっとする。なんと無数の赤いラインが同時に現れたのだ。
薄く笑うワイアットがトリガーを引く。
「くっ……!」
一瞬の判断で横に跳ぶキリト。それでも逃れきれなかった部分に弾が当たる。
HPバーが減少するのを目の端で確認するとあまりダメージが無かったことに気付く。改めて少女に目を向けようとして、なんとすでに少女が眼前にまで迫っていた。
そのまま空いた左拳を突き込んでくる。
「わあっ!?」
情けない声をあげつつもキリトはそれを躱す。
「いいの? そんな中途半端な間合いで」
ギクリと、キリトは今の状況を遅まきながら把握する。――――したときには体中を赤いラインが刺し貫いていた。
ワイアットのずんぐりとした形の銃が火を噴く。
今更躱せないと覚悟を決めてその場で踏ん張ったキリトは光剣で急所の数発を斬り落とすも、決して少なくない散弾が体を撃つ。再びHPバーが減少する。
「ほらほら次行くよ!」
身を低く懐までもぐり込んできたワイアット。
交差した腕に肘打ち。次いで硬い軍靴の蹴りが叩き込まれる。
キリトは短く呻きながら、このまま硬直すれば再びもろに銃撃を受けると確信して、敢えて前へ出た。
「!」
ガシャンとスライドを動かして装填させていたワイアットはそれに目を丸くする。まさかここまで攻められて前に出てくるとは思わなかったらしい。
銃口から逃れるように斜めに切り込んで、キリトはフォトンソードを構える。側面から、少女の首目掛けて斬り上げる。
それをワイアットは体を反らして紙一重で躱した。
しかし体勢は崩れている。追撃を仕掛けようと、今度は倒れかかるワイアットを斬り伏せようと上段に振り上げて――――ニヤリとワイアットの口元が歪むのを見た。
ワイアットは崩れた体勢を耐えるのではなくそのまま横に倒す。その際空いた左手で地面を掴むとクルリと片手で側転。おまけに体を回転させながらリロードしたショットガンを放つ。
まるで曲芸だ。
しかしさすがに精度は下がるのか、今度は充分な余裕を持って射線から逃れられた。
ワイアットの方は回転から足を地面に着けると体の正面をこちらへ向けて着地。すでに空薬莢は地面に転がり、銃口はこちらへ向けられていた。
ただ牽制の意味しかないのか、引き金を引く気配は無い。
「ふふ、本当に弾を切るんだ! 凄いや!」
頬を紅潮させて興奮を隠し切れないワイアット。
一方で、キリトも彼女の異質さを理解する。
ワイアットは自ら距離を潰してきた。繰り出された格闘術や身のこなし。加えてあの散弾銃。決して一朝一夕の練度ではない。
ワイアットは自分と同じ、この銃の世界で超接近戦を生業にする銃士だった。
閲覧どうもありがとうございますー。
>まず初めに、SAO3期アニメ化ひゃっほー!!
やりましたね皆様!これでシノンちゃんのホットパンツが……もとい、可愛い姿が見られますね!
>てなわけで改めて閲覧ありがとうございました。
今回のお話はSAO。それもアニメを記念してGGO編です。
>このお話は、実はキャラの設定だけはばっちり決めてあるのに物語はさっぱりで書いていませんでした。
設定というのが、主人公は女の人。現実ではスレンダー高身長なおねいさん刑事で、GGOプレイは彼女の趣味です。武闘派なのは、ちょっと(控えめに)イカレタ性格のため。
ちなみに刑事というのは最後にキリトとシノンちゃんを助けにくるときにわかります。
5巻最初に出てくるベヒモスさんと同じ北大陸出身。というか彼を旦那と呼ぶぐらいには親しい。そんなベヒモスを倒したというスナイパーと戦うために今回大会に出場した。
こんな感じで物語の最初と最後しか妄想がなくて、それまでの間がさっぱりだったので書いていません。
>あとかなりどうでもいい補足情報としては彼女の戦い方のモデルはブラックラグーンのファビオラです。あと私がショットガンみたいな武器好きなだけです(もちろんゲームの話ですが)