主な登場人物:カワカミプリンセス、トレーナー
12月31日夜、カワカミプリンセスのトレーナーは部屋でこたつに入り、テレビを見ながらゴロゴロとしている。
ようやく溜まっていた仕事か片付き、今日の午後からようやく休暇に入ったのであった。
「あー……やっぱり年末はこうやってダラダラするに限るなぁ」
そうぼやくと同時、ぐう~とお腹の音が鳴った。時間を確認すると23時を過ぎていた。
「何か作るか?だが面倒だな…あ、そういえば」
トレーナーはこたつから出て、寒さに身を震わせながら台所へと向かった。用があるのは冷蔵庫の中ではなく、食器棚の下の方にある収納スペースである。そこにはカップ麺やレトルト食品などが大量に備蓄されている。
「えーと、ここら辺にあったはず…」
トレーナーはしばらくガサゴソと中を漁り、目的のカップ蕎麦を見つけた。普段はカップラーメンしか食べないトレーナーであったが、年越しということで数個買い溜めをしていたのであった。質素だが年末気分を味わうためにはこれでも十分であった。お湯を沸かし、カップに湯を入れるため紙蓋を開けようとしたその時、
「ん?」
カップ蕎麦のパッケージに見慣れたキャラクターが印刷されているのにトレーナーは気が付いた。魔法少女服に身を包みながら拳を突き出す少女、プリファイのキャラクターたちであった。どうやらコラボ商品だったらしい。
「てきとーに放り込んだから気が付かなかったのか…」
プリファイキャラの隣には「プリファイカード付き!」の文字が書かれている。このキャラクターたちがプリントされたカードが入っているようだ。
「ふむ、せっかくだし見てみるとするか」
トレーナーはゆっくりと紙蓋を剥がし、蓋の裏面に張り付けられていたカードパックを取り外した。カードパックは灰色でプリファイのロゴが印刷されており中身は見えないようになっていた。トレーナーはハサミを棚から持ち出し、慎重に開封をした。
現れたカードには今シーズンのプリファイメンバーが勢揃いしており、虹色に輝いている。
「お、なかなかきれいじゃないか」
装飾が凝っており珍しいもののように思えたが、トレーナーはプリファイカードの価値はわからなかった。そこで、
「カワカミに見せてみるか」
スマホを取り出してメッセージアプリを起動。プリファイのカードを撮影し、画像データをカワカミプリンセスに送信した。
すぐに既読マークはついたが、返信は来ない。
(珍しいな。プリファイのことならすぐに食いついてくると思ったんだが)
不思議に思いながらもカップにお湯を注ぎ蓋をかぶせた。
待つこと約3分。蓋に手を掛けようとしたその時、
「トレーナーさん!!」
バン!と扉が開かれ、息せき切ってカワカミプリンセスが現れた。肩を大きく上下させており、かなり急いで来たことが伺える。
「お、どうした?」
カワカミプリンセスがいきなり現れることは日常茶飯事なので特に驚くことなく尋ねた。するとカワカミプリンセスはダッシュでトレーナーがいるキッチンに行き、テーブルの上にあるプリファイカードを見て叫んだ。
「こ、これが幻のプリファイカード!」
「幻?」
「ええ!私も初めて見るレア物ですわ!」
興奮気味に語るカワカミプリンセスに対し、トレーナーは首を傾ける。
「そんなにすごいもんなのか?」
「もちろんですよ!!プリファイファン垂唾ものの超激レアアイテムですわよ!?噂でしか聞いたことがありませんわ!!」
鼻息を荒くしながら熱弁するカワカミプリンセス。
「そんなに欲しいならやるぞ?ほれ」
トレーナーはカードを持ち上げ、カワカミプリンセスに突き出す。
「えええ!?い、いいんですの!?」
「もちろん」
「では遠慮なくいただきますわ!!」
カワカミプリンセスは勢いよくカードに手を伸ばし―――すぐに引っ込めた。
「…どうした?」
「だ、だだだだ大丈夫ですわよ?」
そう言うと今度はゆっくりとカードに手を伸ばし―――またしても引っ込めた。その後「スゥーーー!ハァーーー……」と何度も深呼吸を繰り返した後、バシン!と己の頬を叩き、
「っしゃあ!行きますわ!!」
「お、おおう…どうぞ」
「プリンセスキャッチィィィ!!!」
目にも留まらぬ速さでカードを掴み―――損ねた。
「何で!?何で掴めませんのおおおおぉぉぉぉ!!!!」
「……」
どうやらカードのあまりの貴重さにひよってしまっているらしい。そんな様子を見ていられなかったトレーナーはため息を一息つき、
「カワカミ、手を出してみ」
「?はいどうぞ」
カワカミプリンセスは素直に差し出した。トレーナーはその手のひらにカードをポンと置いた。
「え?あ、ありがとうございます!!!」
「どういたしまして」
幻のレアカードをついに手に入れたカワカミプリンセスは両手で大事そうに持ちながらクルリクルリとその場で回り始めた。
「ああ……夢にまで見たプリファイカード……。この輝きはまさに本物……」
そう夢心地で舞っていると足がもつれてしまい、そのまま床に倒れそうになる。
「おっと危ない」
察知したトレーナーはさっとカワカミプリンセスの元に近づき、肩を掴んで包み込むように抱き留めた。
「あっ」
「まったく、世話が焼けるな」
「は、はい……」
トレーナーの腕の中でカワカミプリンセスは顔を真っ赤に染め上げていた。
「ん?どうした?顔が赤いが」
「な、何でもありませんわ!」
カワカミプリンセスはガバッと立ち上がり、そそくさと部屋を出ていこうとしたが、
部屋の外は吹雪いており、視界が真っ白に染まっていた。唖然としているカワカミプリンセスの背中越しからトレーナーは覗き込み事態を把握する。
「あー、これはひどい。すぐに外出は無理だ」
「……」
「吹雪が止むまでここで待っておいた方がいいな」
「…はい」
寒さのせいで落ち着きを取り戻したカワカミプリンセスはトレーナーの部屋に戻っていった。
「こたつに入っとけ~蕎麦食べるか~?」
「は、はい。いただきます…」
「よし、ちょっと待ってな」
トレーナーはキッチンに向かいカップ蕎麦1個を取り出し、紙蓋を開けてお湯を注ぐ。この蕎麦は先ほどとは異なる商品であったためプリファイカードは付いていなかった。待ち時間の間にカワカミプリンセスの寮へ連絡する。年末であり、トレーナーが築き上げた信頼があったため、トレーナー同伴なら遅帰りが許可された。
先ほど作って少し伸びたカップ蕎麦と新しいカップ蕎麦を持って部屋に戻るとカワカミプリンセスはこたつに入りながらテレビを見てくつろいでいる。トレーナーはテーブルの上に2つのカップを置き、向かい合う形で座る。
「ほれ、できたぞ」
「はーい」
「熱いうちに食べてくれ」
「わかりましたわー」
トレーナーは割り箸を手に取り、麺を持ち上げズルズルズゾゾゾとすする。カワカミプリンセスもズゾォ!ズッズッ!ズッズズオ!と勢いよく蕎麦をすすり込んでいく。蕎麦を食べ終え、そのまましばらく談笑していると、テレビでは今年1年の出来事を振り返り始めていた。
「今年もいろいろあったなぁ」
「そうですわねぇ~」
「私生活もレースもカワカミに振り回されっぱなしだったな~」
「いろいろぶっ壊しましたものね~」
「…はぁ、来年はもう少し落ち着いてくれることを祈るよ」
「それは無理ですわ」
カワカミプリンセスはすくっと立ち上がり、
「私はいつでもどこでもどんな時でも全力全開!それが私らしさですもの!」
右手拳を勢いよく突き出した。そんなカワカミプリンセスを見て唖然としていたトレーナーであったが、すぐにクスリと笑い、
「…だな。そんなカワカミだから俺は―――」
「あ!トレーナーさん!カウントダウンが始まりますわよ!」
テレビを見ると画面には「10、9……」と表示されている。
「5!」
カワカミプリンセスはカウントダウンを始めた。トレーナーもそれに乗り、
「「4!」」
今年1年のカワカミプリンセスと過ごした日々のトレーニングを振り返り、
「「3!」」
カワカミプリンセスと共に挑んだレースの熱さと喜びを思い出し、
「「2!」」
カワカミプリンセスとの出会いを感謝しつつ、
「「1!」」
次の年もカワカミプリンセスと充実した毎日を送れるようにと願いながら、
「「0!」」
カワカミプリンセスとトレーナーはともに新年を迎えたのであった。
「「ハッピーニューイヤー!!」」
AIのべりすとに手伝ってもらいながら作成。