転生したこの男、龍で、剣士で、仮面ライダー   作:ナハト02

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 皆さんお待たせしました。

 時間がかかって申し訳ありません。

 あと、前回リムルを変身させると言っていましたが、次回に持ち越すことになりました。
 目標文字数に到達し、これ以上は中途半端な感じで終わりそうなので、リムル対大鬼族との戦闘は次回まで待ってください。

 


大鬼族の襲撃

 

 大鬼族の姫とその妹を保護した俺と葛乃葉は、日も落ちてきたのでキャンプをすることになった。

 

 と言っても、その実態はライドブックの『俺様はキバである』の力で召喚した『キャッスルドラン』の城の中だ。

 

 最初お姫様達はキャッスルドランの姿を見たとき竜と城が一体になった姿を見て姫様と妹は気絶してしまった。

 目を覚ました時、いきなり城の中にいたため幻でも見たのか疑問に思っていたが、キャッスルドランも俺の能力の一部だと説明したら、いきなり頭を下げてきた。

 どうやら俺をこの城の主と思ったのだろう。

 

 本来は違うのだが、キャッスルドランの内部に入ったとき少しだが内部を見て回ったが、ガルル・バッシャー・ドッガの三人のファンガイアは見当たらなかった。

 勿論、ザンバットソードも壁に突き刺さっていなかったし、その形跡も発見できなかった。

 

 このキャッスルドランはブックで呼び出せる俺専用のキャッスルドランと言う事だろうか?

 だとしたら、俺がキャッスルドランの主というのも間違ってはいないのだろうか?

 

 まぁ、いざという時の拠点に使えるのでこれからお世話になりそうだ。

 そして今は彼女達と一緒にダイニングルームで食事をしている。

 料理をできるのが俺しかいないので、厨房で料理を作るのは俺の仕事だ。

 できた料理は葛乃葉に運んでもらっている。

 お姫様達も手伝うと言ってくれたが、彼女達はお客様なので(くつろ)いでもらうことにした。

 

 ちなみに食材はキャッスルドランの倉庫部屋に新鮮な野菜・肉・魚・調味料などが保管されていたので、材料には困らなかった。

 中身は全部俺の前世の世界の物だが。

 

 メニューは

 

 ・豚肉と白菜としめじのスープ

 ・ほうれん草とベーコンのソテー ~半熟卵を絡めて~

 ・鮭のホイル焼き

 ・焼き厚揚げの餡かけ

 ・白米

 

 以上である。

 やはり元日本人としては米は外せない。

 ほかの料理もなかなかうまく作れたと思う。

 大鬼族の二人、そして葛乃葉は見たことがない料理に驚きつつ、俺が食べているところを見てゆっくりスープを口に運ぶと一瞬目を見開いて、目の前の料理を食べていった。

 葛乃葉もおいしそうに食べている。

 

 すると、二人は目から涙を流し始めた。

 

リーアル

「?! 二人とも大丈夫か?」

 

大鬼族の姫

「うぅ・・・すみません、追われる身になってからこんなに暖かい食事を食べたのはひさしぶりで・・・」

 

姫の妹

「こんなにおいしい料理・・・久しぶりです。」

「ありがとうございます・・・ぐすっ・・・」

 

リーアル・葛乃葉

「・・・」

 

 彼女達は今まであの豚頭族達に追われていたみたいだし、満足に休むことすら出来なかったはず。

 それを考えると、彼女達にとっては久しぶりのまともな食事だろう。

 そんな彼女達を見ていると、満足するまでいっぱい食べてほしくなる。

 

リーアル

「まだあるから御代わりしていいぞ。」

 

大鬼族の姫

「いえそんな、これだけいただければ十分ですよ。」

 

 大鬼族の姫様は顔を赤くしてそう言ってきたが、彼女のすぐ隣から音が聞こえた。

 

姫の妹

「ーーーーーー!!」//////

 

 どうやら彼女の腹の虫が成ったようだ。

 見てみると、彼女の前の皿は全て空だった。

 

姫の妹

「す・・・すみません。」

 

大鬼族の姫

「もう、あなたは・・・」

 

葛乃葉

「フフッ、御代わりを持ってきますね。」

 

姫の妹

「はい・・・有難うございます。」

 

 姫様の妹は普段から沢山食べるようだ。

 そんな妹を見ていたからなのか、姫様の方も控えめにお腹が鳴った。

 彼女も顔を赤くし、恥ずかしそうにうつむいてしまった。

 結局姫様も御代わりをした。

 

 食事のあと、彼女達がどうして豚頭族に襲われていたのかを聞いてみた。

 そもそも豚頭族とは前世では、漫画や小説ではゴブリンなどと同じで最初当たりに登場する、雑魚敵の分類だ。

 『相棒』に聞いてみたが、豚頭族と大鬼族では強さの格が違い、格下の豚頭族が格上の大鬼族に戦いを仕掛けることなどまず無いとのことだ。

 

大鬼族の姫

「しかし、あの者達はやって来たのです。」

 

姫の妹

「はい。 森を埋め尽くすほどの戦力で、私達の里は蹂躙されたのです。」

「そのせいで、私達は姉様と兄様そして数人の同胞と一緒に里を離れ、ここまで逃げてきたのですが・・・」

 

大鬼族の姫

「途中で追いつかれてしまい、お兄様とほかの同胞達は私とこの子を逃がすために囮になってくれたのです。」

 

姫の妹

「しかし、それでも数匹私達を追って来たみたいで、私も戦ったのですけど・・・」

 

リーアル

「そんな時俺達が現れたと言う事か。」

 

 彼女達の里を襲った豚頭族達もついさっき戦った豚頭族達と同じように、フルプレートアーマーを着込んでいたようだ。

 豚頭族の総数は分からないが、全身鉄製の鎧を用意するなんて相当金がかかるはず。

 そうなると、豚頭族だけで用意できるとは思えない。

 そしてどうやら、彼女達は豚頭族の軍勢の中に仮面をつけた太った男を見たらしい。

 

姫の妹

「あの男は間違いなく上位魔人です。」

 

大鬼族の姫

「はい、間違いありません。」

 

 なるほど。

 つまり、あいつらに協力している誰かがいると言う事か。

 その仮面の魔人は、どこかの魔王の手下とか?

 

葛乃葉

「豚頭族達はどこかの魔王の勢力に(くみ)したと言う事なのでしょうか?」

 

リーアル

「まだわからないな。」

「ただ、一つ言えるのは俺達も他人事ではないと言う事だな。」

 

 

 

 

 

 

 食事を終えた俺達は、ひとまず姫様たち二人を個室に案内した。

 そして俺はキャッスルドランの玉座の間に来ていた。

 特に特別な理由は無いが、仮面ライダーキバを見た俺としてはこの玉座を見てやはり『座ってみたい。』と思ったのだ。

 試しに座ってみると、流石玉座というだけあってただの椅子とは比べ物にならないくらい座り心地がいい。

 

 勿論ほかにも理由がある。

 リムルへの報告である。

 俺はスキル『思念伝達』でリムルに繋げる。

 

リーアル

『リムル、聞こえるか?』

 

リムル

『お! リーアルか?』

『今お前と葛乃葉はどこにいるんだ? 帰りが遅くて心配したんだぞ。』

 

 どうやら心配させてしまったようだ。

 悪いことをした。

 

リーアル

『あぁ、連絡が遅れて悪かったよ。』

『ただ、ちょっと厄介な事態に遭遇してな。』

 

リムル

『? なにかあったのか?』

 

リーアル

『実はな、大鬼族のお姫様とその妹を保護したから、明日街に連れて行くな。』

 

リムル

『いや待て!? 何がどうしてそんな事になってるんだ?』

 

 俺はリムルに経緯を話した。

 

リムル

『マジか・・・豚頭族が大鬼族の里を?』

 

リーアル

『あぁ、おそらく本当だろう。』

『俺と葛乃葉も襲われたからな。』

 

リムル

『大丈夫だったか?』

 

リーアル

『問題なかったな。 変身してたし、あいつら油断していたからな。』

 

 しかし、あの豚頭族達が全く恐怖を感じていないのが気になる。

 仲間の死に対しても、俺と葛乃葉に対しても。

 あれは異常だったと思う。

 

リムル

『う~ん・・・とにかく、それに関しては二人が戻ってきてから改めて会議を開こう。』

 

リーアル

『あぁ、今はまだ住民には伝えない方がいいだろうな。』

 

リムル

『そうだな。 道中気をつけて帰って来いよ。』

 

リーアル

『わかった。 明日の昼頃には着くだろう。』

 

 リムルへの報告を終えて、『思念伝達』に集中するために閉じていた眼を開けると。

 

リーアル

「おわ!?」

 

大鬼族の姫

「ひゃあ!」

 

 目の前には大鬼族の姫様がいた。

 どうやら彼女は、俺を探してキャッスルドランの中を歩いていたらしい。

 そしてこの玉座の間に入って来た時、俺を発見したが目を閉じて集中した様子で椅子に座っている俺を見て、声をかけにくかったらしい。

 

リーアル

「それで、俺を探していたみたいだけど、どうかしたのか?」

 

大鬼族の姫

「はい・・・あの、その・・・」

 

リーアル

「?」

 

 よく見たら彼女は微かに体が震えている。

 恐らく夜になって今日までのことを思い出して、眠れなくなったのだろうか?

 そんな彼女が見ていて痛々しかったので、彼女に近づき手を頭に置いて優しく撫でてあげた。

 

大鬼族の姫

「!? あ・・・あの、リーアルさん?」

 

 彼女が落ち着くように撫で続ける。

 

リーアル

「大丈夫、すくなくとも今このキャッスルドランにいる内は君にも君の妹にも、危険は及ばないから。」

「君達は俺が守る。」

 

大鬼族の姫

「・・・!」

 

リーアル

「それに、君のお兄さんもほかの同胞達も、必ず生きているはずだ。」

「君達を俺達の街に送り届けたら、行方を捜すために捜索隊を出すつもりだ。」

 

大鬼族の姫

「・・・リーアルさん。」

 

リーアル

「それに、今この場には俺達しかいないから無理する必要はないぞ。」

 

大鬼族の姫

「・・・!」

 

 彼女はハッとなって俺の顔を見て来る。

 俺は彼女の為に、優しく微笑んで彼女を見る。

 

大鬼族の姫

「・・・私は、大鬼族の姫で・・・」

 

リーアル

「関係ないよ。 さっきも言ったが、今は俺達しかいないんだ。」

「辛いことも悲しいことも、吐き出してしまっていいんだ。」

 

大鬼族の姫

「・・・うっ!」

 

 彼女は俺の胸に顔を埋めてきた。

 声を押し殺しながらも、彼女からすすり泣く様な声が聞こえてきた。

 俺は彼女が落ち着くように優しく背中をさするのだった。

 

 

 

 

 

 

大鬼族の姫

「すみません、洋服を汚してしまって。」

 

リーアル

「いや、かまわないよ。」

 

 彼女も落ち着き、さっきまでの自分を思い出して顔を真っ赤にし、俺の服を涙で汚したことを謝ってきた。

 そして、彼女を連れて部屋の前に戻って来たのだが。

 

姫の妹

「・・・・・・来いやあああぁぁぁ!」

 

リーアル・大鬼族の姫

「・・・・・・」

 

姫の妹

「・・・・・・逃げるなあああ・・・・・・zzz」

 

 実は姫様が俺の所に来たのは、これのせいでもあったのだ。

 彼女の妹は、たまにこんな風にすごい寝言を叫ぶことがあるらしい。

 そのせいで彼女は彼女専用の家が建てられることになったみたいだ。

 

リーアル

「なるほど、これじゃあ寝れないな。」

 

大鬼族の姫

「はい。 いったいどんな夢を見ているのやら。」

 

 仕方ないので姫様を別の部屋に案内しようとしたのだが。

 

大鬼族の姫

「あの・・・一緒にいていただけませんか?」//////

 

リーアル

「え?! ・・・いやいや、さすがにまずいだろ?」

 

 今日会ったばかりの男女が同じ部屋に居るというのは、問題があると思う。

 しかも相手は大鬼族のお姫様なのだ。

 何か問題があれば彼女の生き残った同胞全てを敵に回すことになりかねない。

 ・・・いや、何もしないぞ。

 しかし、そんな心情の俺にはお構いなく彼女は。

 

大鬼族の姫

「お願いです。 今夜・・・今夜だけでいいので・・・」

 

リーアル

「・・・」//////

 

 彼女は上目遣いで俺を見て来た。

 正直に言うと、かなドキドキしていた。

 反則級の可愛さだ。

 こんなことをされて断れる男がいるだろうか?

 ・・・いやいない!(反語)

 

リーアル

「・・・今夜だけだからな。」

 

大鬼族の姫

「・・・! はい!」

 

リーアル

(・・・今夜、眠れるか? 俺・・・)

 

 と言う訳で、彼女と同じ部屋で一夜を共にすることになった。

 ・・・いや、普通に寝ただけだぞ!

 断じて、手を出していないからな!

 という感じで、『誰に言い訳してんだこいつ』と思われるようなことを思いながら、夜は更けていったのだった。

 

 

 

 

 

 

次の日

ーリムルsideー

 

シズ

「え?! 豚頭族が大鬼族に仕掛けてきた?」

 

リムル

「そうみたいなんだ。」

 

シズ

「・・・何かの間違いじゃないの?」

 

リムル

「リーアルと葛乃葉が遭遇したみたいだから、本当だと思うよ。」

 

 昨日リーアルから連絡を受けた俺は、シズさんに相談していた。

 シズさんは英雄級の冒険者だから当然豚頭族や大鬼族のことも知っている。

 シズさんも最初は信じられなかったみたいだ。

 リーアルから報告を受けてから、『大賢者』さんにも相談したがやはり本来ならあり得ない事らしい。

 

シズ

「リーアルさん達は大丈夫なの?」

 

リムル

「あぁ、問題なかったみたいだ。」

 

シズ

「そっか・・・よかった。」

 

 それを聞いてシズさんも安心したようだ。

 昼頃に帰ってくるみたいだから、俺はそれまでにやることをやっておこうと思う。

 これからヴェルドラが封印されていた洞窟にシズさんと一緒に行こうとしたいたら、リグルドに会った。

 

リグルド

「お二人ともお出かけですか?」

 

リムル

「あぁ、封印の洞窟目でな。」

「昼頃にはリーアルと合流して帰ってくるから。」

 

リグルド

「わかりました。 シズ殿もご一緒にですか?」

 

シズ

「うん。 体を動かさないと鈍っちゃうかなね。」

 

 するとリグルドは、『今夜も食事はいいのですか?』と言われたのだが、以前の俺なら『自分の分は用意しなくていいぞ。』と言っていただろう。

 しかし、今の俺はシズさんのお陰で人間の姿を手に入れた。

 そのお陰で人間だったころの五感をすべて獲得する事が出来たのだ。

 つまり、俺も料理を食べるとき味を感じられるようになったと言う事だ。

 

 なので、今夜から自分も食べることにした。

 それを聞いたリグルドは『今夜は宴会ですな!』と喜んでくれた。

 

リムル

(メニューは何かな?)

(肉かな? やっぱり肉が食いたいな。)

 

シズ

(リムルさん楽しそう。)

 

 今日の食事のメニューに期待しながらシズさんと一緒に歩いていると、リグル達狼鬼兵達が集まっていた。

 

リグル

「あ! リムル様。 シズ殿。」

 

リムル

「よう皆、周辺警備と食料調達か?」

 

リグル

「はい、これから出発するところです。」

 

リムル

「そうか、気をつけてな。」

「あと、今夜は宴会の予定だ。 旨そうな獲物を頼むぞ。」

 

ゴブタ

「リムル様も今夜は食べるっすか?」

 

リムル

「おうよ! この体には味覚があるからな。」

 

 そう言って俺がドヤ顔でいると。

 

ゴブタ

「・・・いっぱい食べたら、おっぱいも大きくなるっすかね?」

 

 と言ってきたので、問答無用で回し蹴りを食らわせてやった。

 吹き飛んだゴブタの代わりに、リグルが謝り『よく躾けておきますので。』と言ってきたので、この件に関してはこれで終わりにした。

 

ゴブタ

「うぅぅ~~・・・」

 

ゴブカツ

「今のはお前が悪い。」

 

 その代わりと言っては何だが、リグルは特上の『牛鹿(うじか)』を用意すると言ってきた。

 リグルの話では最近は森の奥から移動してくる魔獣が多く、獲物が多くて助かっているらしい。

 魔獣は環境の変化で移動したりするから、一時的なものだと思うが一応警備を強化しているらしい。

 俺は豚頭族の一件があるから警備隊に嵐牙を付けることにした。

 俺が『思念伝達』で呼びかけると、俺の影の中から嵐牙が出てきた。

 

嵐牙

「お呼びでしょうか、主。」

 

リムル

「あぁ、警備隊に同行してくれ。」

「もし何かあったら力を貸してやってくれ。」

 

嵐牙

「了解しました。 遠慮はいらん、我を連れていけリグル殿。」

 

 と、ものすごく格好よく見える嵐牙だが。

 

リムル

(その尻尾振りがなければ。)

 

シズ

(狼なのに、ワンちゃんみたい。)

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、ヴェルドラが封印されていた洞窟にやってきた俺とシズさん。

 

シズ

「ここにあの『暴風竜ヴェルドラ』が封印されていたの?」

 

リムル

「あぁ、そうだよ。」

 

シズ

「それで、今はリムルさんの『胃袋』の中にいるんだよね。」

「なんだかリムルさんとリーアルさんの強さの一端を見たような気がするよ。」

 

 まぁ、ヴェルドラとリーアルとは、シズさんと同じ様に運命的な出会いをしたと思う。

 さて、今回俺がここに来たのは自分のスキルの確認をするためだ。

 正直に言うと、俺は自分がどんなスキルを持っているのかしっかりと把握できていないのだ。

 イフリートの戦いのときも、『炎化爆獄陣(フレアサークル)』をくらったとき、終わったと思ったが、『熱変動耐性』のお陰で助かった。

 

 あの戦いの後、俺はシズさんと魂の回廊が繋がったことで『大賢者』経由でシズさんのスキル『変質者(ウツロウモノ)』を解析し、コピーさせてもらったのだ。

 能力は『統合』と『分離』だ。

 これは異なる対象を一つの物へ変質させたり、対象に備わっている異なる性質を別のものとして分離する、という能力である。

 シズさんはこの能力で、イフリートの暴走を抑えていたようだ。

 一見扱いにくそうなこのスキルは、『大賢者』曰く、とても有用なスキルとのことだ。

 

大賢者

《このスキルは・スキルにも適応されます。》

 

 と言っていたので、『大賢者』に任せてみたところ新しいスキルがポンポンと手に入った。

 その一つが。

 

リムル

「・・・・・・なにこれ、えげつない。」

 

シズ

「・・・うん。」

 

 目の前には真っ黒な炎が見える。

 これも獲得したスキルだ。

 

大賢者

《EXスキル・『黒炎』です。》

 

 ちなみにこのスキルの対象になった俺の分身体(スライム体)は、何事もなく生還していた。

 分身体には『範囲結界』と各種耐性をリンクさせたことで獲得した『多重結界』を発動させていた。

 

シズ

「よかった、こっちのリムルさんも無事で。」

 

 そう言って俺の分身体を抱きかかえ、頬ずりするシズさん。

 何だろうな?

 自分の分身なのにモヤモヤする。

 最後にシズさんが付けていた仮面を複製し、着けてみたところわずかに漏れ出ていた魔素が抑えられ、完全に消失した。

 この状態なら人間と認識されると、『大賢者』が言っていた。

 

リムル

「ふむ・・・元がシズさんの体だけあって、やっぱり似合ってるな。」

 

大賢者

《・・・はい。》

 

リムル

「・・・淡白だな。」

 

シズ

「ふ~ん、仮面をつけた私ってこんな感じなんだ。」

 

 しかしそのとき。

 

嵐牙

『主!』

 

リムル

「!?」

 

大賢者

《告 個体名・嵐牙からの思念伝達を確認。》

《声音から・救援要請と推測。》

 

 俺は洞窟の外に向かって駆け出す。

 シズさんは急に走り出した俺に驚いて、慌てて走って追いついてくる。

 魂の回廊をたどって、嵐牙達の元へ急ぐ。

 

 暫く走ると金属同士がぶつかり合う音が聞こえてきた。

 森を抜け広い場所に出ると、目に飛び込んできたのは倒れた警備隊所属のホブゴブリンとテンペストウルフ達だった。

 その近くでは、白装束を身に纏った老人とゴブカツが戦っていた。

 しかし、圧倒的にゴブカツが劣勢だ。

 ゴブリンの中では最高戦力のゴブカツが劣勢というのは意外だが。

 

 そして上空からは嵐牙の遠吠えが聞こえた。

 見上げると黒と青の着物のような服を着た二人組と戦っていた。

 こちらはほぼ互角だろうか?

 黒い方はともかく、青い方は結構強く感じる。

 

ゴブカツ

「ぐっ!」

 

 ゴブカツの方を見ると、胸の部分を斬られたみたいでこっちに退いてきた。

 よく見ると全身切り傷だらけだ。

 

リムル

「ゴブカツ! 大丈夫か?」

 

シズ

「無事!?」

 

ゴブカツ

「リムル様! シズ殿!」

 

リムル

「ほれ、回復薬だ。」

 

ゴブカツ

「有難うございます。」

 

 ゴブカツに回復薬を渡し、回復させる。

 

リムル

「嵐牙、戻れ!」

 

 俺がそう叫ぶと、嵐牙がこっちに戻ってくる。

 

嵐牙

「主よ、申し訳ありません。」

「我が付いていながら、このような・・・」

 

リムル

「いや気にするな。」

 

 すると、一際大きな音が聞こえたのでそっちを見ると、メイス型のモーニングスターを振り回す女一人を相手に、リグルとゴブタが戦っていた。

 しかし、女の方はかなり強く2対1なのにリグルとゴブタを圧倒していた。

 

リムル

「リグル! ゴブタ! お前達も退け!」

 

リグル・ゴブタ

「!!」

 

 俺の声を聴いた二人が、俺のもとにまで下がってくる。

 

リグル

「リムル様・・・申し訳ありません。」

 

ゴブタ

「助かったっす!」

 

 俺は回復薬を二人にぶっかけ、改めてみんなが戦っていた奴らを見た。

 数は5人。全員差はあるが1本から2本の角がある。

 こいつらも魔物か?

 

シズ

「・・・彼等は大鬼族みたいね。」

 

リムル

「え? 大鬼族・・・あいつらが?」

 

シズ

「うん。 ・・・でも、私が知っている大鬼族とは少し違うけど。」

 

 たしかに、俺の中の大鬼族のイメージとずいぶん違うな。

 鎧みたいなのも着ているし、それに赤と青の大鬼族が手に持っているあれはどうみても日本刀だよな。

 白い大鬼族の武器は杖の形をした仕込み刀だよな。

 見た目も人間寄りだし。

 

リムル

(待てよ・・・もしかしてこいつらがリーアルの言っていた大鬼族の生き残りか?)

「おい、お前ら! 事情は知らんがうちの奴らが何か失礼をしたのか?」

「こっちの話し合いに応じる気はあるか?」

 

 実力差は明らかなのに、警備隊の皆は無傷とはいかないが致命傷は与えられていない。

 何か訳ありだろうか?

 

リムル

(とりあえず、リーアルに連絡をして・・・)

 

赤毛の大鬼族

「正体を現せ! 邪悪な魔人め!」

 

 ・・・はい?

 俺のことか?

 

リムル

「おいちょっと待て! 俺がなんだって?」

 

赤毛の大鬼族

「魔物使役するなど、普通の人間に出来る芸当ではあるまい。」

「見た目を偽り、覇気(オーラ)を隠している様だが甘いわ!」

 

白装束の大鬼族

「正体を現すがいい!」

 

青髪の大鬼族

「黒幕から出て来てくれるとは、好都合というもいの。」

 

リムル

(ガーン! 俺の正体なんて、ただの愛くるしいスライムなのに。)

 

 なんでこうも一方的に敵意を向けられないといけないのだろうか?

 俺の本来の姿を見れば絶対癒されると思うんだけどな。

 

シズ

「あの、まず落ち着いて話を聞いてくれるかしら。」

 

白装束の大鬼族

(むっ! ・・・あの女どこかで?)

 

赤毛の大鬼族

「黙れ! すべてはその仮面が物語っておるわ!」

 

 なに?

 それって俺が付けているシズさんの仮面か?

 

リムル

「おい待てよ! 何か誤解してないか?」

 

シズ

「そうよ! これは私が・・・」

 

赤毛の大鬼族

「黙れ! 同胞の無念、その億分の一でも貴様の首であがなってもらおう。」

 

 やばいな。

 向こうは完全にやる気だ。

 何とかして頭を冷やしてやらないと。

 

 とりあえず、リーアルに連絡しないといけないので、『思念伝達』で連絡を入れる。

 

 

 

 

 

 

ーリーアルsideー

 

 次の日の朝を迎えた俺達は、朝食をとり出発の準備に取り掛かっていた。

 そのとき、リムルから『思念伝達』で連絡がきた。

 

リムル

『リーアルちょっといいか。』

 

リーアル

『リムル? どうしたんだ?』

 

 何やら慌てているようだ。

 なにかあったのだろうか?

 

リムル

『今俺の目の前に大鬼族が5人いるんだ。』

 

リーアル

『なに! 本当か?』

 

 それが本当なら朗報だぞ。

 姫様の同胞達が生き残っていたのだから。

 

リムル 

『けどな、問題発生だ。』

 

リーアル

『え?』

 

 リムルの話だと、リムルのことを邪悪な魔人と言って今にも戦いが始まってしまいそうだと言っている。

 しかも、リムルが付けていたシズさんの仮面を見てさらに激怒しはじめたらしい。

 俺は姫様と妹に事情を確認してみることにした。

 

リーアル

「姫様、朗報だ。」

「君達の仲間を俺の仲間が見つけたようだ。」

 

大鬼族の姫

「! 本当ですか?!」

 

姫の妹

「あの! その大鬼族の中に私と同じ赤い髪で目の下に血涙の様な傷跡のある者はいますか?」

 

リーアル

「ちょっと待ってくれ、確認してみる。」

 

 リムルに確認してみると、その大鬼族は確かに目の前にいるようだ。

 他にも紫の髪と黒い一本の角を持つ者。

 青黒い髪と褐色の肌、白い一本の角を持つ者。

 白髪の老人で、二本の角を持つ者。

 大柄で黒い髪で、二本の角を持つ者。

 計5人が目の前にいるようだ。

 

大鬼族の姫

「ーーー! よかった・・・みんな無事だった。」

 

姫の妹

「はい! よかった!」

 

リーアル

「ただ、今にも攻撃されそうになっている様だぞ。」

 

大鬼族の姫

「え?! 何故そのような・・・」

 

 リムルの現状を彼女達に話すと、二人は呆れたような顔をして。

 

大鬼族の姫

「もう、お兄様ったら・・・」

 

姫の妹

「まったく、相変わらず思い込みが激しいんだから。」

 

 どうやら彼女達の兄は、良くも悪くも真っ直ぐな性格らしい。

 そのお陰で思い込みが激しく、こうだと思ったらなかなか止まらないらしい。

 頼りになる兄であり、大鬼族の次期頭領なのだがもう少し落ち着きを持ってほしいと彼女達は思っているようだ。

 

リーアル

『わかった。 そう言う事ならすぐにでもそちらに向かう。』

『しばらく時間を稼いでくれ。』

 

リムル

『あぁ、わかった。 任せておけ。』

 

 そう言って『思念伝達』を解除した俺はキャッスルドランをブックに戻した。

 

リーアル

(リムルはともかく、他は絶対驚くからな。)

「よし、じゃあ君達を連れて俺の心友(ダチ)がいる所まで案内するよ。」

 

大鬼族の姫

「はい! すみませんお兄様の勘違いでこんなことに・・・」

 

リーアル

「いや大丈夫さ。 リムルなら上手いことやるだろう。」

 

 そう言って俺は黄色いライドブックを取り出し、表紙を開いて起動した。

 

ランプドアランジーナ!

 

 すると、俺の近くに空を飛ぶ魔法の絨毯が出現した。

 

大鬼族の姫

「きゃっ!」

 

姫の妹

「え!? 絨毯?」

 

 俺は軽くジャンプして絨毯の上に乗る。

 乗る時バランスが崩れそうになったが、落ちることは無かった。

 

リーアル

「さぁ、二人共乗ってくれ。」

 

 そう言うと、小さめの絨毯で階段を作る。

 小さくしたのは、姫様は着物を着ていたので、足を上げにくいだろうと思っての配慮である。

 まず姫様が乗り、その次に妹が乗り恐る恐る絨毯に座る。

 

リーアル

「大丈夫か?」

 

大鬼族の姫

「はい。 大丈夫です。」

 

姫の妹

「なんだか不思議な感じですね。」

 

リーアル

「よし。 じゃあ出発するぞ!」

 

大鬼族の姫

「はい。 お願いします。」

 

 俺がそう言うと、絨毯がそれへ飛び立ちリムルの所へ向かう。

 リムルだから手加減はすると思うが、なるべく急ぐようにした。

 

 

 

 





 いかがだったでしょうか?

 今回はこれで終わりとさせていただきます。

 最近見る機会がなく撮り溜めていた仮面ライダーギーツを見たのですが、浮世英寿は転生者だったんですね。
 ブーストマークⅡはまさしく赤い狐でしたね。
 強力だがデメリットがあるというのは仮面ライダーあるあるですね。

 そして鞍馬祢音は創世の女神の力で作られた存在というのが判明しましたね。
 闘牛ゲーム2回戦でベロバが祢音の秘密を暴露したとき、英寿は仮面で隠れていましたけどかなり怒っていましたね。
 ひしひしと感じました、英寿の怒りを。

 次回予告を見ると祢音もレーザーレイズライザーでパワーアップするのでしょうか?
 それともサポーターのキューンが3回戦に乱入するだけなのでしょうか。

 どちらにしても、ベロバ絶許ですね。

 次回もよろしくお願いします。
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