転生したこの男、龍で、剣士で、仮面ライダー   作:ナハト02

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 皆さんお待たせしました。

 今回は牙狼族の撃退から、名付け、リムルとリーアルがそれぞれの行動を取ります。

 オリキャラが登場します。

 原作に沿ったストーリーだと、サクサク書けますね。
 オリジナルのストーリーだと、やはり時間がかかります。


戦い、そして別れ道

 俺とリムルは洞窟を出た。

 

 しばらく森を彷徨っていると、ゴブリンの一団に出会った。

 そのゴブリン達は、牙狼族との勢力争いで被害が出ているらしい。

 俺とリムルはゴブリン達に頼まれ、牙狼族達と戦うために準備を進めた。

 

 今はゴブリン達を、村の中央に集めている。

 

 

 

リムル

「・・・・・・」

(牙狼族との戦いには、あまり期待できそうにないな。)

 

リーアル

(貧弱そうだし、装備もボロボロだな。)

 

 まぁ、ゲームでも漫画でも、ゴブリンといえば小柄で貧相な体付きな描写が一般的だ。

 中には、進化した個体で、『ゴブリン・ヒーロー』とか『ゴブリン・チャンピオン』とかが居るけど。

 

リーアル

(この世界でそんな進化とかするのか?)

 

相棒

『解 結論から言うと・この世界の魔物は・進化します。』

 

リーアル

(そうなのか?)

 

相棒

『魔素量が規定値に達している場合・もしくは・進化するに見合う数のスキル等を所持している場合・進化が始まる可能性があります。』

 

リーアル

(そうなのか。)

 

 相棒と脳内で会話をしていると、リムルがゴブリン達を励ましていた。

 ゴブリン達もやる気が出て来たようだ。

 

 その次は、前回の牙狼族との戦いで負傷したゴブリンが収容されている場所へ案内してもらった。

 

ゴブリンの村長

「できる限りの手当てを施したのですが・・・」

 

 そこには手当てをされ、横になっている複数うのゴブリン達がいた。

 全員、まるで鋭い牙や爪で引き裂かれたような傷跡が、包帯の隙間から見える。

 

リーアル

(どうにかしてやりたいが・・・)

 

相棒

『解 マスターの無限収納内にある・回復薬を使うことを推奨します。』

 

リーアル

(あ! そうか。)

 

 相棒に言われて無限収納を開き、その中にある回復薬を取り出した。

 それは、極薄の膜で覆われた、キラキラ輝く水だった。

 

リーアル

(これをどうすれば?)

 

相棒

『解 そのまま・膜が破れるまで・押しつけてください。』

 

リーアル

(こうか?)

 

 相棒に言われるまま、目の前で横になっているゴブリンに、回復薬を押しつけてみる。

 すると、『パシャッ!』と膜が破れて、中の回復薬がゴブリンに浴びせられる。

 ゴブリンの体が薄く光だし、次の瞬間には傷が全部塞がっていた。

 

ゴブリン

「あ・・・あれ?」

 

ゴブリンの村長

「!!!」

 

リーダーのゴブリン

「傷が治った?!」

 

リムル

「おー! すげーな、俺達の回復薬。」

 

リーアル

「あぁ、そうだな!」

 

 それから俺とリムルは、負傷しているゴブリン達を治療してまわった。

 ただ、リムルは一度ゴブリン達を捕食して、自分の体内で回復薬をぶっかけて、それが終わったら体内から吐き出していたのだが。

 その吐き出し方が雑で、ゴブリン達は顔から地面にキスをするハメになるのだった。

 

リーアル

(もう少し丁寧に出してやればいいのに。)

 

 という訳で、これで治療は終わった。

 次は村の防備を固めないとな。

 

 とは言え、たった一日でそんなに上等なものができるはずもなく。

 欲を言えば、柵の根本部分を70cmくらい高くして、高くした部分に石を積んだ、石積みの防護柵を作りたかった。

 だがそれには、人手も時間もない。

 なので今回は、縦に打ち込んだ丸太と丸太の間に、斜めに丸太を打ち込んだ後、先端を削って尖らせておいた。

 さらにダメ押しに、俺とリムルはスキル『粘糸・鋼糸』で柵を補強しておいた。

 

リムル

「さて、迎え撃つ準備はこんなところか?」

 

リーアル

「そうだな。 あとは村の正面入り口に付近に『鋼糸』を張り巡らせるくらいか?」

 

リムル

「ワイヤートラップか?」

 

リーアル

「あぁ、村長の話だと前回も入り口の方からやって来たみたいだからな。」

「あとは、索敵用の『粘糸』を貼っておくか。」

 

 状況的にも、種族の格的にも優位な牙狼族が、わざわざ不意打ちなんてするとは考えにくいが、念を入れておいて損は無いだろう。

 

 そうして、村から半径500メートル四方を『粘糸』の糸を張った。

 それがちょうど終わった時に。

 

相棒

『告 魔力感知に・反応があります。』

 

リーアル

「え? 牙狼族か?」

 

相棒

『否 牙狼族とは別の種族です。』

『反応が微弱なため・疲弊していると思われます。』

 

 牙狼族ではないようだ。

 魔力感知を確認すると、ここから100メートルほど先に弱々しい反応がある。

 本来なら、リムルにも来てもらうべきだと思うが。

 様子を見るくらいなら、俺一人でも大丈夫だろう。

 

リーアル

「ちょっと見に行こう。 何かあったら知らせてくれよ相棒さん。」

 

相棒

『了 承りました。』

 

 反応のする場所までできるだけ音を立てないように進んだ。

 するとそこには、人が倒れていた。

 ただ、髪が銀色で、頭に狐のような耳に、フサフサの尻尾があった。

 そして、全身にひどい怪我を負っていた。

 

リーアル

(相棒、こいつは一体なんだ?)

 

相棒

『告 解析鑑定が終了しました。』

『種族名は・善狐族(ぜんこぞく)です。』

 

リーアル

(善狐族? 狐の獣人なのか?)

 

相棒

『是 とても珍しい種族です。』

『個体数が少なく・人々に幸運をもたらすと言われている獣人種です。』

 

リーアル

(幸運をもたらすか、助けても大丈夫だろうな。)

 

善狐族の小女

「うぅ・・・」

 

リーアル

「大丈夫、すぐ助けるから。」

 

 そう言って俺は無限収納から回復薬を出し、彼女に押し立てる。

 膜が破れ、中に入っている回復薬がかかると、彼女の傷が治っていく。

 うっすらと、彼女の目が開く。

 

善狐族の小女

「・・・あれ? 私・・・」

 

リーアル

「よかった。 治って。」

 

善孤族の小女

「?! 人間?」

 

 俺の姿を見て、ビックリしたのか後ろに飛び退く。

 仕方がないだろう、気がついたら目の前に見知らぬ男がいるのだから。

 だが、俺を見て人間だろ思っているようだ。

 相棒の言う通り、覇気(オーラ)を抑えておけば人間と認識してくれるようだ。

 

リーアル

「大丈夫、見た目は人間だけど俺も魔物だから。」

 

 そう言って魔力操作で抑えていた魔素を解放した。

 すると、今まで引っ込んでいた角が現れ、周囲の覇気がもれ始めた。

 

善狐族の小女

「?! な! ・・・あ・・・あぁ・・・」

 

 彼女は顔を青くして、震え出した。

 まるで、この世の終わりを見ているような顔をしている。

 

リーアル

(俺の覇気って、そんなにすごいのか?)

 

相棒

『解 今のマスターは・個体名・暴風竜ヴェルドラから名を与えられたため・ただの魔物ではなく・その存在は上位魔人と遜色ないレベルです。』

 

リーアル

(魔人?)

 

 相棒曰く魔人とは、魔物の中でも特に強い力を持った上位存在。

 魔素溜まりから生まれた者、突然変異によって生まれた者、動物や魔獣が何らかの方法で進化した者。

 魔人が生まれる方法は様々あるが基本、知性があり生殖機能を持ち、膨大な魔素を保有している者達を『魔人』と呼ぶらしい。

 

リーアル

(そんな存在からこんな風に覇気をぶつけられたら、それが意図してのことでなくても怯えるに決まってるよな。)

「怯えないでいいぞ、俺は君に何もしないから。」

 

 そう言って、もう一度魔力操作を使って、魔素を引っ込めた。

 

善狐族の小女

「・・・・・・はい・・・」プルプル

 

リーアル

(・・・涙目でプルプル震える姿・・・なんか・・・こう・・・保護欲を掻き立てられるな。)

 

善狐族の小女

「?」

 

リーアル

「・・・コホン・・・それで、君はどうしてこんな所にいたんだ?」

「怪我をしていたのも、どうして何だ?」

 

善狐族の小女

「・・・それは・・・」

 

 彼女の話を簡単にまとめると、鍛錬のために世界を旅していたのだが、このジュラの森にやってきた時、牙狼族の大群に襲われてしまい命からがら命からがら逃げ延びたが、ここで力尽きたのだ。

 

 彼女は、彼女の部族の中でも一番強く、脚技と『仙術』という魔法とは違う術を使った戦いが得意で、本来なら牙狼族程度なら簡単に撃退できるのだが、それでも数の暴力には敵わなかったらしい。

 

善狐族の少女

「お腹の傷が致命傷で、もうダメだと思っていました。・・・でも・・・」

 

リーアル

「そこへ偶然、俺がやってきたと言う訳か。」

「・・・それで、このあとはどうするんだ?」

 

善狐族の少女

「それは・・・」

 

リーアル

(・・・ノープランか。)

 

 せっかく助けたのに、また襲われでもしたら後味が悪いな。

 行く宛があるかどうかは分からないが、このまま放っておくわけにもいかないし。

 

リーアル

「・・・君さえ良ければ、俺と一緒に来るか?」

 

善狐族の少女

「え?」

 

リーアル

「何か目的があったり、行く宛があるのなら無理にとは言わないけど?」

 

善狐族の少女

「・・・・・・」

 

 少し悩んでいるようだ。

 いきなりこんな事を言っても戸惑うだろう。

 だが彼女は、すぐに顔を上げてこっちを見ると。

 

善狐族の少女

「・・・もし宜しければ、貴方と共にいさせて頂けますか?」

 

リーアル

「・・・今俺はゴブリンの村にいて、彼らを牙狼族から守るために戦うことになるけど、それでもいいかい?」

 

善狐族の少女

「! ・・・はい。 力ある魔人様である貴方のお側にいさせてください。」

 

 一瞬驚いたようだが、すぐに頷き返事をした。

 

リーアル

「それじゃあ、これからよろしくな。」

「俺はリーアル=テンペスト、君は?」

 

善狐族の少女

「すみません、私に名前はありません。」

 

リーアル

「そうなのか?」

 

善狐族の少女

「はい、申し訳ありません。」

 

 名前がないか?

 そう言えば自分も最初は名前がなかった。

 ヴェルドラに名前をつけてもらって、初めて『名持ちの魔物(ネームドモンスター)』になった訳だし。

 この世界じゃ、名前がないのが普通なんだろうか?

 

リーアル

「じゃあ、仕方ない。」

「案内するから、着いて来てくれ。」

 

善狐族の少女

「はい、リーアル様。」

 

リーアル

(リーアル様?! ・・・なんかむず痒いな。)

 

 その後、ゴブリンの村に戻った俺は、村のみんなに彼女を紹介した。

 彼女はすぐにゴブリン達に受け入れられ、共に牙狼族撃退のために協力することになった。

 リムルからいろいろ質問攻めにあったが、快く受け入れてくれた。

 善狐族の彼女は、スライムに名前があり、普通に喋っていることに戸惑っていたが、「俺の友達だ」と言うと色々納得したようだ。

 

リーアル

(さて、あとは牙狼族が来るのを待つだけか。)

 

 

 

ー夜ー

 

 夜になり、戦えるゴブリンの戦士達と、善狐族の少女、そして俺とリムルは村の広場に待機していた。

 すると、索敵用に張っていた粘糸が切れた感覚があった。

 方角は予想していた通り、村の入り口の方からだ。

 

リーアル

「リムル!」

 

リムル

「来たか?」

 

リーアル

「あぁ。」

 

 俺とリムルが村の入り口に陣取ると、ゴブリン達はあらかじめ立てておいた作戦通り、柵の内側から弓矢で攻撃するグループと、柵の隙間から入ってこようとする牙狼族を接近して攻撃するグループに分けて陣取った。

 善狐族の少女は、仙術によるゴブリン達の支援をしてもらう。

 「自分も前に出て戦う」と言ってきたが、ゴブリン達に自信をつけさせる意味もあるから、今回は引いてもらった。

 

丸顔のゴブリン

「・・・・・・! 来た! 来たっす!」

 

 見張りのために、木の上に配置していたゴブリンから知らせが入る。

 ゴブリン達に一気に緊張が走る。

 

リーアル

「焦るなよ。」

 

リムル

「落ち着いて、作戦通りにやるんだ。」

 

リーアル

「それに、いざと言う時は俺達に任せろ。」

 

 作戦が上手くいけば、そうそう苦戦はしないと思うが、世の中100%上手く行くことの方が稀だからな。

 本当にいざという時以外は、ゴブリン達に任せよう。

 牙狼族達はこちらの異変に気付き、一旦止まる。

 

牙狼族の長

「ふん! あのような柵などを作って、何になる。」

 

牙狼族の長の息子

「親父殿、あの者達です。」

 

牙狼族の長

「お前の言っていた強大な覇気を放っていた魔物か?」

「・・・スライムと人間?」

「息子よ、貴様夢でも見たか? ただのスライムと人間ではないか。」

 

牙狼族の長の息子

「馬鹿な? あの者の気配は間違いなく魔物だったはず?」

 

 どうやらこっちを警戒しているようだ。

 それに、よく見たらあの額に星の形の模様がある狼は、以前俺とリムルの前に現れた狼達の中にいた奴だ。

 

リムル

「・・・このまま引き返すなら何もしない。」

「今直ぐここから去れ!」

 

牙狼族の長

「ふん! スライムの分際で偉そうに!」

 

赤毛の牙狼

「長殿、油断してはなりません。」

「もしかしたら意図的に覇気を隠しているのかもしれません。」

 

 一際目立つ赤毛の牙狼が、忠告する。

 

牙狼族の長

「黙れ! 余所者が口出しするな!」

「あの柵を薙ぎ倒せ! ゴブリン達を血祭りに上げろ!」

 

 牙狼族のリーダーが雄叫びをあげると、他の牙狼達が突っ込んできた。

 だが、村の入り口付近にまで辿り着くと、一匹、また一匹と見えない何かによって傷つけられた。

 その隙をついて、ゴブリン達は善狐族の少女によって強化された身体能力で、矢を放つ。

 その全ての矢が牙狼族を貫いていく。

 

牙狼族の長

「何が起きている?」

「・・・・・・! 糸!?」

 

リーアル

「気づいたか? 俺のスキル『鋼糸』さ。」

 

 牙狼族のリーダーだけでなく、血が付いたことで糸が見えるようになり、糸を避けて柵に到達する牙狼族が出始める。

 しかし、柵を越えようとした時点で、鈍器や棍棒を持ったゴブリン達の餌食になっていく。

 その光景を見て、牙狼族のリーダーは怒り始める。

 

牙狼族の長

「たかがスライムと人間の分際で! 捻り潰してくれる!」

 

牙狼族の長の息子

「親父殿!」

 

赤毛の牙狼

「いけません!」

 

 牙狼族のリーダーが突っ込んできた。

 血がついたことで糸のトラップが露わになり、その鋭い牙で切り裂かれる。

 俺とリムルの命を刈り取るために、襲いかかってくる。

 

ゴブリンの村長

「リムル様!」

 

善狐族の少女

「リーアル様!」

 

 まぁ、これも俺とリムルの予想した通りの展開だがな。

 俺は、手を広げてスキルを使う。

 

牙狼族の長

「うっ?! 何だ?」

 

 牙狼族のリーダーが空中で静止している。

 勿論これは俺のスキル『粘糸・鋼糸』だ。

 粘糸でも十分拘束出来ると思ったが、念のために鋼糸も発動し、粘糸を補強しておいた。

 

リーアル

「じゃあリムル、任せる。」

 

リムル

「おう。」

 

 リムルは牙狼族のリーダーに近づいて行く。

 

リムル

「『水刃』!」

 

 リムルの『水刃』が牙狼族のリーダーの首を切り裂いた。

 遅れて、切り口から血飛沫が噴き出す。

 血飛沫がおさまってから、糸の拘束を解く。

 牙狼族のリーダーの体がドサッ!と地面に落ち、血溜まりができ始める。

 

リーアル

(普通なら吐き気を催す場面なのに、特に何とも感じないな。)

(今の俺は魔物だからだろうか?)

 

 俺がそんな事を考えていると、牙狼族達が明らかに動揺している。

 

リムル

「聞け! 牙狼族達!」

「お前達のボスは死んだ!」

「選ばせてやる。 降伏か、死か!」

 

リーアル

「ちょ!?」

「リムル、それあいつらの逃げ道潰してるぞ。」ボソ

 

リムル

「あ!」

 

 そう、「降伏か、死か?」では彼らの「逃げる」という道を塞いでいる。

 リムルの奴、一体どうする気だ。

 

リムル

(ヤベー、どうしよう?)

「・・・・・・あ! 『捕食者』!」

 

 リムルは目の前に転がる牙狼族のリーダーの死体を、『捕食者』で捕食した。

 すると。

 

相棒

『告 個体名・リムル=テンペストが・牙狼への擬態が可能になりました。』

『さらに・牙狼固有スキルの獲得に成功。』

『魂の回廊を通じ・スキルの獲得に挑戦・・・成功しました。』

『『超嗅覚』『思念伝達』『威圧』を獲得しました。』

 

 リムルが獲得したスキルが手に入った。

 リムルは、早速牙狼に擬態した。

 

リーアル

(・・・なんか、目の前にいる牙狼達より、牙狼に擬態したリムルの方が強そうだな。)

 

リムル

「ククク、聞け!」

「仕方がないから今回は見逃してやる。」

「二度とこの地に手を出さないのなら、この場からさる事を許す!」

「・・・ワオオオオオオオオオォォォ!!!

 

牙狼達

「!!!」

 

ゴブリン達

「「「「「!!!」」」」」

 

善狐族の少女

「ヒッ!!!」

 

リーアル

「・・・・・・」

 

 リムルが放ったスキル『威圧』により、俺以外のこの場にいる全員が威圧の影響を受ける。

 リムルは牙狼の雄叫びを聞かせて、自分の方が上位の存在だと知らしめて、追い払おうとしているのだろう。

 

リーアル

(これならワンチャンありか?)

 

リムル

(頼む、これで逃げてくれ。)

 

 だがこちらの思惑とは裏腹に、牙狼族達はゆっくりと此方に近づいてくる。

 この『威圧』の中でも動けるなんて、中々根性があるな。

 

リムル

(おいおい、まだ戦うつもりか?)

 

 リムルが『威圧』の威力を上げるが、牙狼族達は尚もこっちに近づいてくる。

 そして、リムルに接触するまであと30㎝くらいのところまできた時。

 

牙狼族達

「「「「「我ら一同、貴方方に従います!」」」」」

 

リムル・リーアル

「え?」

 

リムル

(・・・逃げてくれてよかったのに?)

 

リーアル

(そう来たか。)

 

 まさか全面降伏するとは思っていなかった俺とリムルは逆に戸惑う。

 まぁ、このまま戦っても牙狼族が勝てないのは目に見えて明らかだ。

 リーダーが倒された時点で牙狼達は戦意を喪失していた訳だし。

 

ゴブリンの村長

「か・・・勝ったのですか?」

 

リムル

「・・・あ〜、そうだな。」

 

リーアル

「戦う気がないのなら、こちらも争う必要はないな。」

 

リムル

「あぁ、やっぱり平和が一番だな。」

 

 俺達の言葉を聞き、ゴブリン達は大喜びで勝鬨をあげた。

 とりあえず、今はこの勝利を噛み締めよう。

 問題は・・・

 

 

 

ー翌日ー

 

 次の日の朝、俺とリムルは改めて牙狼達とゴブリン達を村の広場に集合させた。

 

リムル

(ゴブリンだけじゃなく、こんなに沢山の狼達の面倒も見ないといけないのか?)

 

リーアル

『まぁ、俺達がこいつらの主なんだし、責任は取らないとな。』

 

リムル

(う〜ん・・・あれ? 今リーアルの声が。)

 

リーアル

『スキル『思念伝達』だ。』

『リムルも昨日獲得したろ。』

 

リムル

(あ!)//////

 

 どうやら忘れていたようだ?

 スキル『大賢者』と言う有能なスキルがあるのに忘れるなんて、この感じだと自分がどんなスキルを覚えているか、ちゃんと把握しているかどうかも怪しい。

 

 だが、今はこの状況を如何にかしないといけないので、深く追求しない。

 

リムル

『・・・みんな大体同じくらいの数か?』

 

リーアル

『そうだな。』

 

大賢者

『解 牙狼族は92匹・ゴブリンは・雄雌含めて・90匹です。』

 

リムル

『そっか。』

 

 魂の回廊と思念伝達のおかげか、俺にも大賢者の声が聞こえる。

 相棒と口調は同じだが、声が違うな。

 

リムル

「は〜い、みんな聞いてくれ!」

 

ゴブリン・牙狼

「「「「「!?」」」」」

 

リムル

「え〜っと、これから皆んなにはペアを組んで、一緒に過ごしてもらう。」

 

ゴブリン・牙狼

「「「「「ペア?」」」」」

 

リーアル

「意味はわかるか?」

 

ゴブリンの村長

「リムル様、リーアル様、ペ・アとは何でしょう?」

 

 わからないようだ。

 二人一組になる事だと言ったら、皆んな素直に各々好きな相手とペアを組んだ。

 牙狼族の長の息子と赤毛の牙狼はそれぞれ、俺とリムルが組んだ。

 

リムル

「昨日の敵は今日の友! これからはお互いに協力し合い、共に生きてくれ。」

 

リーアル

「お互いがお互いを助け合うように、困っている奴がいたら助けてやるようにな。」

 

ゴブリン・牙狼

「「「「「はい!」」」」」

 

 これで取り敢えず、共存の関係ができたかな?

 

リムル

「あとは〜、そうだな・・・」

(そう言えばコイツら、名前なんだっけ?)

(そもそも、名前あったっけ?)

「なぁ、お前達名前は何だ?」

 

 リムルがゴブリンの村長に名前を聞いている。

 善狐族の彼女もそうだが、この世界の魔物に名前は無いんじゃないか?

 

ゴブリンの村長

「普通魔物に名前はありません。」

「名前が無くとも意思の疎通は出来ますからな。」

 

リムル

「そうか。」

 

 名前なしで意思の疎通は図りにくいと思うのは、人間ならでわの発想だろうか?

 とは言え名前が無いと言うのは、不便だな。

 

リムル

「よし! 今からお前達に名前をつけよう。」

 

 リムルがそう言うと、この場にいるゴブリンと牙狼達が、信じられないと言う感じでリムルを見てきた。

 何だろう?

 何でそんなに驚く?

 

ゴブリンの村長

「名前?! よろしいのですか?」

 

リムル

「うん? 名前がないと不便だし、いいけど?」

 

 すると、今度は歓声が上がった。

 ゴブリンの村長なんか、御老体なのに喜びを体全体で表している。

 名前をつけるだけで。

 

リムル

『なんでコイツら、名前付けるだけでこんなに喜んでるの?』

 

リーアル

『さぁ? なんでだろう?』

 

 と言うわけで、若干引っかかる部分があるが、リムルが名付けを始めた。

 

リムル

「そうだな・・・村長には・・・そう言えば、息子はなんて名前だったんだ?」

 

ゴブリンの村長

「リグルです。」

 

リムル

「リグルか・・・よし、村長今日からお前はリグルドだ。」

 

 リムルが村長に『リグルド』と名づけると、リグルドの体が光り始めた。

 これは俺とリムルにもあった事だ。

 『名持ちの魔物』になったことで、パワーアップでもしたのだろう。

 

リグルド

「あ! 有難う御座います。」

「リグルド、感激です!」

 

リムル

「お、おう。」

「それで、弟のお前は、兄の名を継いでリグルを名乗れ。」

 

リグル

「はい!」

 

リグルド

「!! 息子にリグルの名を継がせていただき、感謝します!」

 

リグルド・リグル

「ハハー!!」

 

 なんなんだろうな?

 名前を付けるだけでこの喜び様。

 リグルドなんて泣いてるんだが?

 

 それから順調に名付けは進んでいく。

 

リムル

「お前は・・・ゴブタ。」

 

ゴブタ

「はい! 有難う御座います。」

 

リムル

「ゴブチ・・・ゴブツ・・・ゴブテ・・・・・・お前はゴブゾウな。」

 

 なんだか適当になってきている。

 喜んでくれてるのに、なんだか悪い気分になってくる。

 俺がつけている訳では無いが。

 

リーアル

(数が数だし、仕方ないか?)

 

 リグルドが「そんなに名前をつけて大丈夫ですか?」と聞いてくるが、リムルは「大丈夫。」と言って名付けを再開する。

 次にやってきたのは、雌のゴブリンだ。

 

リムル

「お前は・・・ハルナ。」

 

ハルナ

「はい!」

 

 なんで雌のゴブリンには普通の名前を付ける?

 他意はないんだろうけど?

 

善狐族の少女

「あの・・・」

 

リーアル

「うん?」

 

 すると、善狐族の子が俺に話しかけて来た。

 

善狐族の少女

「もし、宜しければ・・・私にも名前をいただけますか?」

 

リーアル

「・・・俺にか?」

 

善狐族の少女

「はい! 是非!」

 

赤毛の牙狼

「私にも、よろしければお願いします。」

 

 赤毛の牙狼もやって来て、名をつけて欲しいと言う。

 リムルの方はまだまだ終わりそうにない。

 それに、2人とも俺に名をつけて欲しそうだし、俺が付けよう。

 

リーアル

「わかった。 俺が付けよう。」

 

善狐族の少女・赤毛の牙狼

「! 有難う御座います!」

 

リーアル

「じゃあ、まずは善狐族の君から。」

 

善狐族の少女

「お願いします。」

 

 自分が誰かに名付けをする日が来るなんて、人生何が起こるかわからないな。

 ・・・この世界に転生してまだまもないけど。

 

リーアル

(・・・善狐族・・・狐・・・狐関連でなんかいい名前があったような?)

(確か、伝説上の狐で、神の使いとも言われていた・・・く・・・く・・・くずのは?)

(! 葛乃葉!)

「よし、今日からお前は『葛乃葉』だ。」

 

葛乃葉「葛乃葉・・・素敵な名前を、有難う御座います!」

 

 気に入ってもらえたようで何より。

 葛乃葉の体が光り始める。

 すると。

 

リーアル

(うん? なんか魔素が減ったような?)

 

 大体4分の1くらいだろうか?

 確かに魔素が減ったような気がする。

 もしかして、名付けをすると魔素を消費するのか?

 

リーアル

(けどリムルは平気そうだし?)

(気のせいか?)

「・・・まぁ、いいか。 次はお前だな。」

 

赤毛の牙狼

「はい。」

 

リーアル

(・・・こいつも葛乃葉と同じ様な感じで、名前を付けるか。)

(狼・・・狼の神・・・マーナガルム・・・はなんか違うな。)

(スコール・・・フレギ・・・マルコシアス・・・どれもイマイチだな。)

(う〜ん・・・アーセナ・・・!)

「よし! 今日からお前は『アーセナ』だ。」

 

アーセナ

「アーセナ・・・有難う御座います!」

 

 アーセナが気に入っていると言うのは嫌でもわかる。

 だって、思いっきり尻尾を振っているから。

 そしてアーセナの体が光り、またさっきの感覚が襲ってきた。

 

リーアル

(! またか!)

(やっぱりこれ、名付けに魔素を消費しているだろ!?)

(だとしたら、リムルがやばい!)

 

 リムルに今すぐ名付けを中断させようとする。

 ちょうど、牙狼族の長の息子の名付けが終わったようだ。

 名前は『嵐牙』らしい。

 その時、リムルの体に変化が起きた。

 

リムル

「ぐ! か・・・体が・・・うごか・・・なく・・・」

 

リグルド

「リムル様!」

 

嵐牙

「主!」

 

相棒

『告 個体名・リムル=テンペストの魔素残量が・一定値を下回った事を確認しました。』

低位活動状態(スリープモード)への・移行を確認。』

『完全回復の予定時刻は・三日後となります。』

 

リーアル

「遅かったか。」

 

 

ー夜ー

 

 その日の夜、俺は改めてリグルドに名付けについて聞いてみた。

 やはり、名付けの際にはそれに見合う魔素を消費するみたいだ。

 リムルの魔素の量が桁外れだったから、あれだけ沢山のゴブリン達に名を与えられたんだと思う。

 それだけでなく名付けの際に、より熟考したり、特別な思い入れがある名を与えた場合、与える魔素の量が多くなると相棒が言っていた。

 逆に、例えばゴブタとか、ゴブチとか深く考えずに直感で名付けをすると、消費する魔素は最低限で済むみたいだ。

 

リーアル

(俺も葛乃葉とアーセナの名前は、神の使いと言われている狐の名前だったり、狼の神の名前だったりしたから2人合わせて俺の魔素の半分が持っていかれた訳か。)

(先に言って欲しかったよね。)

 

 それともこれは、この世界では常識の類いなのだろうか?

 

 リムルの方を見ると、複数の雌のゴブリン達に世話をされている。

 ゴブリンとはいえ、女の子にお世話をされるなんて羨ましい。

 リムルが完全回復するまでは、俺がなんとかするしかないか。

 

リーアル

「・・・取り敢えず、寝よ。」

 

 その日はもう寝ることにした。

 

 

 

ー翌日ー

 

 次の日の朝になり、目を覚ました。

 

リーアル

「う〜〜〜ん! さて起きるか。」

 

???

「リーアル様、おはよう御座います。」

 

リーアル

「あぁ、おはよう。 ・・・・・・!!?」

 

???

「?」

 

 これは夢か幻か?

 今俺の前にとんでもない美女がいる!?

 銀色の髪と尻尾、金色の瞳。

 確実にEほどある形の綺麗な胸。

 綺麗な腰のくびれ。

 丸くハリのあるお尻。

 

 正直、見入ってしまう程綺麗で、「なんで裸?」と言う疑問が霞んでしまう。

 

???

「あの・・・リーアル様?」

 

リーアル

「ハッ! ごめん、思わず見入ってしまった。」

 

???

「いいえ、気にしてませんから。」

「・・・・・・むしろ、見て欲しいです。 今の私を。」//////

 

リーアル

「いやいやいや!!!」//////

 

 ほんとに誰なんだ?

 この妙に大胆な女性は?

 

相棒

『解 個体名・葛乃葉です。』

 

リーアル

「・・・・・・はぁ!?」

 

葛乃葉?

「?!」

 

 目の前にいるのが葛乃葉?

 彼女は何方かと言えば()()()だったろ?

 それが今はどうしてこんな()()になった?

 

リーアル

「え〜っと、葛乃葉、なのか?」

 

葛乃葉

「はい。 そうです。」

 

リーアル

「昨日の今日で、一体何があった?」

 

葛乃葉

「それは、名を頂いたからです。」

 

リーアル

「・・・え? そんだけ?」

 

 葛乃葉の話だと。

 『名持ちの魔物』になることは、魔物としての格が上がり、その魔物に進化をもたらす場合があるみたいだ。

 葛乃葉の急成長も、進化によるものらしい。

 

リーアル

「じゃあ、今葛乃葉は種族も違っているのか?」

 

葛乃葉

「はい。 本来なら長い年月をかけないと、到底その領域に至れないのですが、リーアル様から名を頂き、魔素を分けて頂いた事で今の私は、善狐族から『龍天狐(りゅうてんこ)』に進化しました。

 

リーアル

「龍天狐。」

 

 確か千歳を超えた狐が、強力な力を持ち、神の領域に到達した狐のことを『天狐』と呼ばれていたはず。

 そこに俺の龍としての魔素が加わり、龍の因子を持つ『龍天狐』に進化したんだろう。

 さらにその上に『空狐』という存在がいたはずだが。

 彼女はさらに、進化する可能性があるのだろうか?

 

???

「主様! おはよう御座います。」

 

 すると、俺と葛乃葉のいる天幕にまたしても美少女が入ってきた。

 葛乃葉同様裸で、赤い髪と尻尾。

 緑の瞳に、幼さの残る可愛らしい顔立ち。

 体型は、葛乃葉に比べると起伏がそれほどなく、スレンダーな体型だ。

 

リーアル

「え〜っと、もしかしてお前・・・アーセナか?」

 

アーセナ

「はい!」

 

 なんとなくそうじゃないかと思っていたが、当たったようだ。

 だが、これはどう言うことだ?

 昨日まで普通に狼の姿だったのに、人型になっているんだが?

 

リーアル

「お前も進化したのか? けど、なんで人型に?」

 

アーセナ

「それは多分、私がそれを望んだからだと思います。」

 

リーアル

「望んだ?」

 

 進化する際に本人が潜在的に望んでいることが、反映されるらしい。

 身体的な成長を望めば、そのように進化し、潜在的な成長を望めばそのように進化するらしい。

 今回のアーセナの場合、身体的な成長と進化を望んだ結果、このような愛くるしい人型になったにである。

 ちなみに、今の彼女の種族は『龍人狼(ドラゴウルフ)』と言う種族になったらしい。

 

リーアル

「なるほどな。 それで今の人型の姿か。」

 

アーセナ

「はい。」

 

リーアル

「ところで二人共・・・」

 

葛乃葉・アーセナ

「はい?」

 

リーアル

「・・・取り敢えず、これを着ろ!」

 

 いい加減に目のやり場に困るので、さっきからスキル『粘糸・鋼糸』で編んでいた服を着せた。

 服と言っても、何処からどう見ても白い色のスポーツインナーとスパッツである。

 以前編み物の本を読んでいた時の知識が、こんなところで役に立つとは。

 因みにサイズは、『龍瞳(ドラゴンアイ)』の解析鑑定でバッチリである。

 おかげで二人のスリーサイズもわかってしまった。

 

葛乃葉

「・・・リーアル様、これ・・・すごく着心地がいいですね。」

 

アーセナ

「ん〜! スベスベで気持ちいです。」

 

リーアル

(・・・・・・これはこれで・・・いやいや、考えるのはやめよう。)

 

 これ以上考えると、本気でこの二人に対して良く無い事をしてしまいそうだ。

 

リーアル

「・・・なぁ、アーセナ。」

 

アーセナ

「はい? なんでしょう?」

 

リーアル

「ちょっと気になっていたんだが?」

 

アーセナ

「?」

 

 そう、彼女に対してどうしてもやって見たい事があったのだ。

 ちょっとした好奇心だが。

 俺は、アーセナの前に移動して。

 

リーアル

「・・・・・・お手。」

 

 と言って手を出す、アーセナは耳と尻尾をピンッ!と伸ばして。

 

アーセナ

「ワン!」

 

 と鳴いて、お手をしてきた。

 

リーアル

(おぉ! 可愛い!)

 

葛乃葉

(か・・・可愛い!)

 

アーセナ

「・・・ハッ! 何させるですか、主様!」

 

リーアル

「可愛かったぞ。」

 

葛乃葉

「えぇ、可愛かったわ。」

 

アーセナ

「む〜、アーセナは犬じゃなくて狼ですから〜!」

 

 と、可愛いアーセナをみたことだし、俺達は取り敢えず外に出てみることにした。

 そこにいたのは、進化したゴブリン達と牙狼族だった。

 

 一番驚いたのはリグルドだ。

 昨日までは杖をついたヨボヨボの爺さんだったのに、今は筋骨隆々のゴリマッチョになっていた。

 思わず、「誰お前!!」と驚き、聞いてしまった。

 他のゴブリンも、雄のゴブリンは『ホブゴブリン』に、雌のゴブリンは『ゴブリナ』に進化していた。

 

 そして、牙狼族も何故か進化していた。

 リムルが名前を付けたのは、長の息子の嵐牙だけなのに?

 嵐牙に聞いてみると。

 

嵐牙

「我々牙狼族は、『全にして個』なのです。」

「我が新たに一族の長となり、我と同胞達の繋がりは、より強固になりました。」

「故に、我の名が種族名のなったのです。」

「今の我々は、牙狼族ではありません。 今の我々は『嵐牙狼族(テンペストウルフ)』なのです。」

 

 つまり、名付けをされた嵐牙が進化したことで、種族全体が進化したってことか。

 嵐牙狼族の中でも、嵐牙の変化が一番顕著だ。

 以前は2mくらいの大きさだったのに、今は5mくらいの大きさになっている。

 あと、頭に一本の角が生えている。

 

 そして、リムルが完全回復した日。

 進化した村の住人を見て、俺同様驚くのだった。

 

 

 

 リムルも復活に、改めて村の住人全員で話し合いの場を設けた。

 リムルが校長先生のモノマネをした時は、懐かしさの余り吹き出してしまったが、ゴブリン達には通じなかった。

 まぁ、当然だが。

 そこで決まったルールは。

 

 一つ。

 ・人間を襲わない

 

 二つ。

 ・仲間内で争わない

 

 三つ

 ・他種族を見下さない

 

 ここでリグルが、ルールその一について「何故ですか?」と質問してきた。

 うん、疑問を持つことは良いことだ。

 その質問に対するリムルの答えは。

 

リムル

「俺達が人間が好きだからだ。」

 

 であった。

 それでひとまず納得してくれたようだが、実際、人間達とは仲良くしておいて損はないと思う。

 だが、俺は一つ付け加えることにした。

 

リーアル

「ただ、人間達がこっちを殺すつもりで襲い掛かってきたら、その時はお前達も抵抗しろよ。」

「わざわざ殺されてやる必要はないからな。」

 

 世の中には、良い奴もいれば悪い奴もいる。

 それは人間であれ、魔物であれ変わりはない。

 仲良くする気があるのなら、受け入れるし、仲良くできないのなら、無理をして付き合う必要はない。

 

 次はそれぞれの役割分担だな、

 村の周囲を警戒する、警備班。

 食料調達をしてもらう、狩猟班。

 村の整備や拡張などをやってもらう、整備・開拓班。

 あと、それらを纏めて報告してもらう、調停役。

 こうやって考えると、やること山積みだな。

 

リーアル

「・・・・・・」

『なぁ、リムル。』

 

リムル

『どうした?』

 

リーアル

『提案なんだが、リグルドにみんなのまとめ役になってもらったらどうだ?』

 

リムル

『あぁ、ちょうど俺もそう考えていたところだ。』

 

 どうやらリムルも同じことを考えていたようだ。

 と言うわけで、リグルドにはこの村の調停役『ゴブリン・ロード』に任命した。

 それを聞いたリグルドは、涙を流し。

 

リグルド

「ハハァー!! このリグルド、身命を賭してその任、引き受けさせていただきます!」

 

 と言って、引き受けてくれた。

 『君臨せずども統治はせず』・・・いい言葉だよな。

 まぁ、最終的な決定は俺とリムルがするわけだけど。

 けど、俺達の指示がないと何も出来ない様では話にならないからな。

 

 警備や、食料調達に関しては問題なさそうだ。

 目下一番の問題は、やはり衣食住の衣と住だな。

 一応、ゴブリン達に家を建ててもらったが、やはり知識がないのか、まともな出来ではない。

 ゴブリン達は謝っていたが、建築についての知識がないのなら仕方がない。

 衣服に関しても同じである。

 今は俺とリムルのスキルのおかげで、ゴブリン達は『粘糸・鋼糸』の糸で作ったスポーツインナーとゴブリナにはスパッツ、ホブゴブリンにはインナーパンツを履いてもらっているが、服とは呼べない。

 荒布くらいなら作れそうだが、本職の人が作ったそれと比べると劣る。

 

 リグルドと話し合ったた結果、以前何度か取引をしたものがいるらしい。

 そいつらなら、もしかしたら協力してくれるかもしれないと言っていた。

 それは、『武装国家 ドワルゴン』に住む『ドワーフ族』である。

 あの鍛治の達人のイメージがある、あのドワーフである。

 

 翌日。

 リムルはドワルゴンに行くことになった。

 お供には、リグル、ゴブタ、他に3名

 そして、嵐牙を筆頭に嵐牙狼族達。

 計12匹が行くことになる。

 

 いざという時の備えと、村の整備と拡張に協力するために残ることにした。

 正直に言うと、俺も行きたかった。

 まぁ、また次の機会があるだろう。

 リムル達の帰りを待ちながら、村を少しでも発展させておくことにしよう。

 

 

 

 

 

 

=====================

○オリキャラ紹介

 

名前:葛乃葉

 

種族:龍天狐

 

武器:アーマーブーツ(近接戦闘用)

   鉄扇(仙術用)

 

好きな物:甘い物・リーアル様

 

嫌いな物:辛い物

 

B:W:H・95:66:92(Eカップ)

 

所持スキル

 UQスキル

 ・仙通者(ヨステビト)

  仙術の効果が増幅する

  その他に、『神足通』『天眼通』『天耳通』『思考加速』のスキルを持つ

  ・神足通:自分の行きたい場所に、行くことができる

  ・天眼通:遠くの出来事や、隠している物を見通す

  ・天耳通:あらゆる音や声を、聞き取ることができる

  ・思考加速:通常の500倍に知覚速度を上昇させる

 

 EXスキル

 ・魔力回復上昇

  魔力が回復する速度が上昇する

 

 ・気功術

  『気』を操ることができる

  体内の『気』を循環させ、コントロールし能力を強化する『内気功』

  他者から『気』を受け取ったり、外部へ排出し治療や攻撃に使う『外気功』がある

 

 ・多重結界

  異なる種類の結界を張り、さまざまな攻撃に対処する

 

 Cスキル

 ・痛覚耐性

  痛みに対して耐性を得る

 

 ・恐怖耐性

  恐怖に対して耐性を得る

 

 ・脚術の心得

  足を使った攻撃や技術(アーツ)を使用する際、威力と命中率に補正が掛かる

 

仙術

 

 ・炎弾乱射(えんだんらんしゃ)

  炎の玉を複数生み出し、対象に向けて複数の炎の弾丸を発射する

  炎の球は、術者が解除するか、術者の魔力が尽きるまで止まり続ける

  術者の魔力が尽きるまで撃ち続けることができる、半永久砲台

 

 ・水圧閃刃(すいあつせんじん)

  圧縮した水をレーザーのように撃ち出す

  射角を操作することで、物を切断することができる

  指先から放つが、水の球を複数作り、そこから射出することもできる

 

 ・風神爆封(ふうじんばくふう)

  対象を風の牢獄に閉じ込める

  後に、圧縮された風の刃が牢獄内の対象を切り裂く

 

 ・地烈隆起(ちれつりゅうき)

  土を操作する

  用途は多々あり、攻撃にも防御にも使える

  他にも農業や地面の整地などにも使える

  土のある所でしか使えない

 

 ・心気合一(しんきごういつ)

  筋力強化・耐久力強化・速度強化などの身体強化を行う

 

 ・鎧袖一触(がいしゅういっしょく)

  腕や足、武器や鎧などにさまざまな能力を付与する

 

人物紹介

 

 元善狐族の少女。

 幸運をもたらす種族と言われ、人間族から狩りの対象とされたこともあり、個体数が少ない。

 

 ジュラの森より南の国に住んでいたが、住んでいた国と自分の価値観が噛み合わず国を出る。

 修行も兼ねて旅をしていたが、ジュラの森で牙狼族の勢力争いに巻き込まれ、重傷を負う。

 リーアル=テンペストに救われ、彼に名を与えられた事で、善狐族から龍天狐に進化し、リーアルに尽くすことになる。

 

 進化したことで、美少女から美女になり、強大な魔素を持つようになりる。

 仙術という魔法とは違う術を使う。

 本人は足を使った近接戦闘が得意で、仙術はその際の身体強化に使うのがほとんど。

 

容姿

 

 イメージは『魔導巧殻 闇の月女神は導国で詠う』に登場するネネカ=ハーネス。

 

 髪や頭の耳と尻尾の色が銀色。

 瞳の色は金色。

 

 

 

 

名前:アーセナ

 

種族:龍人狼

 

武器:ステークシールド

 

好きな物:昼寝・主様(リーアル)

 

嫌いなもの:ベトベトする物・湿っぽい所

 

B:W:H・80:55:79(Bカップ)

 

所持スキル

 UQスキル

 ・専防者(マモルモノ)

  防衛戦において絶大な身体強化の恩恵を受ける

  『戦況把握』『絶対防御』『多重結界』『思考加速』を持つ

  ・戦況把握:戦場の状況を把握することができる

  ・絶対防御:盾を持っている場合、どんな攻撃を受けても盾にも自身にも傷一つ付かない

        ただし、痛みは感じる

  ・多重結界:異なる種類の結界を張り、さまざまな攻撃に対処する

  ・思考加速:通常の400倍に知覚速度を上昇させる

 

 EXスキル

 ・活性化

  体の細胞を活性化させ、自然治癒能力を促進させる

 

 ・前進防御

  他者に対する遠隔攻撃(矢や投石などの攻撃・魔法攻撃)の標的を自分に移し替える

 

 ・同朋活性

  味方と認識する者の各種基礎能力値を強化する

 

 Cスキル

 ・思念伝達:念話が可能になる

       複数人での会話も可能

 

 ・超嗅覚:鋭い嗅覚で周囲の状況を探ることができる

 

 ・威圧:気迫や咆哮等で、周囲のものに恐れを抱かせる

 

 ・反撃倍加:武器で反撃した際に、相手が受けるダメージを倍にする

 

 ・痛覚耐性

  痛みに対して耐性を得る

 

人物紹介

 

 元牙狼族の少女

 通常の牙狼とは違い、体毛が赤い

 別の部族との争いにアーセナの一族は敗北し彼女だけ逃げ延びる。

 後に嵐牙(後にリムルが名付け)の部族に拾われるが、余所者であり体毛が赤いことで周囲から孤立する。

 心を許せるのは、親友の嵐牙と、嵐牙に従う複数の牙狼達だけだった。

 

 リーアルに名を与えられ、龍人狼(ドラゴウルフ)に進化し、人の姿を得る。

 明るく活発な性格で、主のリーアルを信頼しており、よく甘えて来る。

 人の姿を得てからも、嵐牙とは無二の親友。

 足の速さは健在で、全力疾走した嵐牙と並走できるほど足が速い。

 

 自身のスキルを確認してからは、闘い方を一新し、盾を使った防御とカウンターに特化した戦い方をするようになる。

 

容姿

 

 イメージはVenusBloodーHYPNOーのノエル。

 

 髪と耳と尻尾の色が赤色

 耳は垂れた耳ではなく、立ち耳。

 

 

======================

 

リムル=テンペストの『大賢者』の声は、cv.豊口めぐみさんですが

リーアル=テンペストの『相棒』の声は、cv.沢代りずさんです

 

 




 今回はここまでです。
 読んでくれてありがとうございました。
 基本的に、オリ主視点で物語を描くので、次回は村に残ったリーアルのストーリーになります。

 そしてアニメですが、劇場版で転スラの映画が上映されるみたいですね。
 紅丸の兄が出てくるとか?
 なんか、タイトルを見ると続編があるみたいな感じですけど、どうなるんでしょう。
 楽しみですね。

 あと、もしよろしければ、リムルが獲得した『影移動』なんですけど。
 どのタイミングで獲得したか、知っている人がいたら、感想でもメッセージボックスでも良いので情報よろしくお願いします。

 よかったら次回も、見てやってください。
 
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