気が付いたら、3ヶ月近く更新していませんでした。
今回、この話を執筆している最中、想定の文字数を超えてしまったので、二話に分割することになりました。
次回もすぐに投稿します。
リムル達は武装国家ドワルゴンへ向けて出発した。
ドワルゴンへは大河に沿って北上した先にあるらしい。
歩いて行くと二ヶ月かかるが、牙狼族から嵐牙狼族に進化した狼達ならもっと早く辿り着けるだろう。
ー1日目ー
俺はこの村に残り、村の防衛と発展に役に立とうと思う。
そこで俺はリグルドに聞いてみた。
リグルド
「海ですか?」
リーアル
「あぁ、この近くにないか?」
なぜ海がないか聞いているというと、別に遊びたいわけではない。
海があれば色々採れるからだ。
何より、『塩』が欲しい。
この村は基本、焼くか生食の二択だからな。
塩があれば大抵のものは美味しくいただける。
リグルド
「・・・そうですね。」
「ここから南に行けば、海があるのですが・・・」
リーアル
「何か問題でもあるのか?」
リグルド
「はい。 実は、このジュラの大森林は大陸の東側にあるのですが、この森の周辺にはいくつかの国があるのです。」
リグルドの話だと、今回ドワルゴンに言ったリムル同様大河に沿って南に行けば海に出られるらしい。
しかし、途中に大河が二股に分かれている所があり、一方は『忘れられた竜の都』と呼ばれる国があり、そこには魔王の一人『破壊の暴君』ミリム・ナーヴァが治める国であり、その国の真ん中を突っ切るように大河が流れているためこのルートは、一歩間違えば魔王の怒りを買う恐れがある。
もう一方は先ほどのミリム・ナーヴァの支配領域ともう一人の魔王『獅子王』カリオンの支配領域『獣王国ユーラザニア』の国境沿いを流れるルートである。
しかし、このルートは下手をすれば二つの国の勢力から怒りを買う恐れがある。
リーアル
(て言うか、この世界って魔王がいるのか?)
(・・・いや、ヴェルドラは勇者が居るって言ってたし、その対の存在の魔王がいても不思議じゃ無いか。)
リグルド
「海に何かあるのですか?」
リーアル
「あぁ、塩や海藻とか、他にも海の幸とかが取れるかと思ってな。」
リグルド
「シオ? ですか?」
リグルドのこの反応。
もしかして塩を知らないのか?
まぁ、彼らの食事は焼くか生だもんな。
『調理』という概念がそんなに伝わっていないのだろう。
リーアル
「岩塩でもいいんだけどな。」
リグルド
「ガンエン? それもシオというやつですか?」
リーアル
「あぁ、海の海水から取る塩と違って、以前は海だった所や舐めると塩っぱい味がする湖が干上がった跡地から採れることもあるんだけどな。」
リグルド
「元は海だった所・・・舐めると塩っぱい?」
俺とリグルドが話していると、後ろから話しかける者がいた。
アーセナ
「主様。」
リーアル
「うん? どうしたアーセナ?」
アーセナ
「私、もしかしたら・・・そのガンエン? と言うの言ってるかもしれません。」
リーアル
「! 本当か?」
俺はアーセナの案内で村の南の方向に1時間ほど歩いた所まで来た。
アーセナは鼻を利かせ、何かを探しているようだ。
暫くそうしていると。
アーセナ
「スンスン・・・スンスン・・・! 主様、ここを掘ってみましょう。」
リーアル
「ここか?」
アーセナ
「はい!」
俺とアーセナは地面を掘ってみる。
暫く掘ると、そこから白い塊が出てきた。
そこから周囲の土を掘り進めたら、直径1メートルほどの塊が出てきた。
リーアル
「どれ。」
俺は指を擦り付け、その指を舐めてみた。
リーアル
「・・・うん。」
(相棒、どうだ?)
相棒
『告 解析鑑定の結果が出ました。』
『この白い塊は・岩塩で間違いありません。』
リーアル
「間違いないみたいだな。」
アーセナ
「これが岩塩ですか?」
リーアル
「あぁ! でかしたぞアーセナ!」ナデナデ
アーセナ
「あ! ・・・えへへ。」
頭を撫でてあげると、目を細めて気持ち良さそうに笑顔になる。
俺は月闇を取り出し、岩塩の塊を無限収納にしまう。
その日の夜は採れた塩を使って肉やキノコを焼いてみた。
やはり塩が有ると無いとでは、結構味に差が出るものだ。
ゴブリン達も、いつもと一味違う肉やキノコの味に感動していた。
ー2日目ー
この世界に来てゴブリン達の村のおさの一人になって、ゴブリン達の生活を見てきたが、やはり基本は自給自足である。
自給率を上げるためには自然の恵みだけでは限界がある。
ならば、自分達で育てるしかない。
と言うわけで。
リーアル
「リグルド、この辺りに貝はいるかな?」
リグルド
「え? 貝ですか?」
リーアル
「正確に言うと、貝殻があるところを知ってるか?」
リグルド
「貝殻ですか、それならこの村から西に湖がありますので、辺りに幾らでも有るはずですよ。」
そう言っていたので、俺はアーセナと葛乃葉、後複数のゴブリン達を連れて、湖に来ていた。
リグルドが言っていた通り、湖の周辺には大量の貝殻が落ちていた。
みんなと協力して拾っていると、不意に足が引っ張られる様な感覚がした。
リーアル
「うん?」
何かと思って引っ張られた右足を見ると、突然湖面から。
ザバアアア!
と、湖の中から何かが飛び出してきた。
リーアル
「?! おっと!」
咄嗟に腕?らしき部分を掴んで止める。
その飛び出してきた何かを見てみると。
リーアル
「・・・蟹?」
そう、大きさは俺の知っている蟹より倍くらい大きいが、間違いなく蟹である。
相棒
《告 解析鑑定が完了しました。》
《ジュラグリーンタラバ。》
《ジュラの大森林に生息する蟹の魔物。》
《湖や湿地帯などに生息しており・普段は身を隠し・目の前を獲物が通り過ぎるときに・腕の二本の鋏を用いて捕獲し・捕食します。》
見た目は蟹だけど魔物なんだな。
・・・食えるんだろうか?
相棒
《告 ジュラグリーンタラバは・食用に適しています。》
リーアル
「マジか! よし。」
俺は無限収納から、ゴブリン達が作ってくれたロープを取り出す。
まず蟹をひっくり返してふんず蹴る。
その状態で腕と足をロープで縛り、さらにハサミの部分を開かないように縛ってしまえば。
リーアル
「よっしゃ!」
縛り上げた蟹を無限収納にしまってみんなと合流した。
俺が蟹を捕まえたと言うと、みんな怪我がないか心配したが無傷の俺を見て安心していた。
大量の貝殻のついでに蟹を数匹捕まえて、村に帰還した。
途中、ひまわりの種みたいな物を見つけたので、そこら中にある種を片っ端から拾っておいた。
その後は、拾ってきた貝殻をひたすら焼いて、ひたすら砕く作業に移った。
今はまだ準備ができていないが、この貝殻の粉『炭酸カルシウム』があれば畑の肥料に使えるし、砂と水を加えれば『モルタル』になる。
じゃあ、今俺は何を作っているのかと言うと、今回採ってきたひまわりの種から油を抽出している。
今回は圧搾機がないから、無限収納に入れて『相棒』の力で精錬・生成してもらっている。
抽出できた量は大体50グラムくらいだ。
今回は油が50グラムなので小さな物しか作れなかったが、『石鹸』ができた。
本来は一ヶ月ほど寝かす必要があるが、木の型から取り出し、端から1センチくらいの塊を試しに使ってみたら、軽く泡立ったのでおそらく成功だろう。
ゴブリン達や葛乃葉やアーセナも、初めて見る石鹸に興味津々だった。
その日の夜は獲ってきた蟹を使って、蟹鍋を食べた。
元の世界だと、タラバガニの蟹味噌は食用に適さないみたいだが、このジュラグリーンタラバは普通に食べることができた。
美味かった!
と言っておこう。
ー三日目ー
この日、俺は村のことをリグルドに頼んで、葛乃葉、アーセナの二人と一緒に別行動をしていた。
本当は俺一人で行うつもりだったが、二人がどうしてもと言うので連れて来た。
今回は、以前から気になっていたライドブック、『ワンダーワールドブック』の確認をする。
このライドブックは仮面ライダーセイバーの原作本編にも登場しなかった、未知のライドブックだ。
リーアル
「・・・まぁ、起動してみたらわかるか。」
そう言って俺は、ワンダーワールドライドブックのページを開いてみた。
『ワンダーワールド!』
『この本が開かれし時、不思議な世界への扉が開く・・・』
葛乃葉
「?! 本が!」
アーセナ
「喋りました!?」
すると、俺達の目の前に巨大いな本が出現し、ページが開いた。
リーアル
「・・・ブックゲートみたいなものか?」
葛乃葉
「今度は本が出て来ました!」
アーセナ
「これ・・・なんですか?」
見た目はブックゲートのライドブックを使ったときに出現する本の扉みたいだが、このワンダーワールドライドブックは扉がなくても発動できるみたいだ。
と言うことは、この先にあるのは『ノーザンベース』か『サウザンベース』だろうか?
それとも・・・
リーアル
「・・・行けばわかるか。」
そう言って、俺は本の扉をくぐっていく。
それを見て、葛乃葉とアーセナも慌ててついてくる。
その先にあったのは、ある意味予想外で、ある意味予想通りの場所だった。
ー???ー
葛乃葉
「こ・・・これは?!」
アーセナ
「ふわぁ〜!」
リーアル
「これは・・・思っていた以上にすごいな。」
本の扉を通った先にあったのは、原作にあったワンダーワールドそのものだった。
空には大小様々な浮島が浮かんでおり、巨大な鯨が空を泳いでおり、ブレイブドラゴンやワイバーンが空を飛んでいる。
遠くには一本の巨大な剣が突き刺さり、それに負けないくらい大きな樹がある。
さらには城まである。
そして、そんな中に俺のよく知っている建物があった。
リーアル
「あれは・・・ノーザンベース?」
気になって近づいて見ると、辺り一画に、雪と氷で覆われた神殿みたいな建物があった。
建物の周囲は結界で覆われていて、侵入者を拒んでいるようだ。
その結界に触れてみると。
???
《魔力反応・認証完了!》
リーアル・葛乃葉・アーセナ
「?!」
???
《お帰りなさいませ・マスター。》
声が聞こえた後、目の前の結界の一部が開き、内部へ入れるようになった。
葛乃葉
「・・・あの、大丈夫なのでしょうか?」
リーアル
「あ〜、大丈夫だろう。」
さっきの声は俺のスキル『相棒』と同じ声だった。
だからきっと大丈夫。
・・・大丈夫だよな?
そう思いながら内部へ入ると、まるで宮殿のような、超が付く高級ホテルのような、「入って大丈夫?」と思ってしまう空間があった。
左右に一階から三階にまで伸びる大きな階段。
通路全体に敷き詰められた赤い絨毯。
天井から吊るされ、各階を明るく照らすシャンデリア。
そのどれもが高価な代物だと言うことは、見ただけで分かってしまう。
土足で歩いていいか躊躇してしまう。
???
《正面の扉の先へ・お入りください。》
一階の正面に大きな扉がある。
声の通りに、扉を開けると。
部屋の中央には、八角形のテーブルがあり、聖剣やライドブックを解析する装置がある。
その奥にはさらに扉があり、俺の記憶が確かならその先には、修練場『リベラシオン』があるはず。
左右の階段を登った先には、様々な本が並べられている。
葛乃葉
「あの、リーアル様・・・ここはどう言う所なのですか?」
アーセナ
「なんだかすごい所ですけど!?」
リーアル
「・・・ここは、簡単に言うと秘密基地だな。」
葛乃葉・アーセナ
「秘密基地?」
俺は二人にこのノーザンベースについて、俺の知りうる限りを教えた。
ほとんど理解できていないようだが、俺の持つワンダーワールドブックがあれば、ここに来る事は出来る。
それだけはわかったようだ。
とりあえずノーザンベースの中枢や、リベラシオンはまた今度にして、ワンダーワールドブックで元の場所へ戻った。
その時。
大賢者
《威圧の効果を報告。》
リーアル
「うん?」
大賢者
《逃走16名。 錯乱68名。 失神92名。 失禁23名。》
リーアル
「ん? うん??」
(なんだこれ?)
急に大賢者から報告が上がって来たと思ったら、リムルの奴何やってんだ?
ー4日目ー
今日は何をしようかと、計画を立てていたらゴブリン達が俺を呼びに来た。
何事かと思って来てみると、そこには1メートルくらいの大きな蜘蛛がいた。
見た目は真っ白な体に、黒の斑点が等間隔でついていて、ピンクの八つの目を持つ蜘蛛だ。
リーアル
「こいつがどうかしたのか?」
ゴブカツ
「はい。 村の警備に出たらこの蜘蛛の魔物が現れて、討伐しようとしたのですが・・・」
ホブゴブリンの『ゴブカツ』はそう言って魔物の方を見ると、蜘蛛の魔物は首を振ったり、手を振ったりして、まるで『敵意はない』と言うことをアピールしているようだ。
もしかしたらこの魔物、高い知性があるかもしれないな。
リーアル
「う〜ん・・・ここは任せてもらえるか。」
ゴブカツ
「危険では?」
リーアル
「いや、大丈夫だよ。」
そう言って俺は、蜘蛛の魔物に近づく。
リーアル
「なぁ、お前は俺の・・・いや、俺達の敵か?」
蜘蛛の魔物
「!」フルフル
魔物は顔を左右に振る。
今の質問に受け答えができると言うことは、知性がある証拠だな。
リーアル
「じゃあ、お前は『魔力感知』が使えるか?」
蜘蛛の魔物
「?」
首を傾げている。
使えないんだろうな。
俺は、ちょっとしたコツを教えて、魔力感知を獲得できないか試してみた。
すると、魔物が驚いたようにリアクションし、あっちこっちに顔を振っている。
どうやら獲得できたようだ。
リーアル
「どうだ? できたか?」
蜘蛛の魔物
「!? 貴方ノ声ガ聞コエル!」
リーアル
「こっちも聞こえるぞ。 魔力感知のおかげさ。」
蜘蛛の魔物
「ソンナ事ガ出来ルンデスネ。」
リーアル
「あぁ。 それで、お前はここに何をしに来たんだ?」
蜘蛛の魔物
「・・・実ハ」
この蜘蛛の魔物曰く。
この魔物は、ヴェルドラが封印されていた洞窟で、他の魔物に襲われないように生きてきたが、ここ最近このジュラの森に強い力を持った魔物が生まれた気配を感じ、この森にやって来たらしい。
そして、その気配を辿るとこの村に行きつき、村の状況に驚いたのだ。
この村にはホブゴブリンと嵐牙狼族が共存して生活している。
こんな状況、普通ならありえない。
もしかしたら、この村なら安心して過ごせるのではないだろうか?
リーアル
「なるほど、そう思って思いっ切って俺達の前に姿を現したわけか?」
蜘蛛の魔物
「ハイ。」
リーアル
「う〜ん・・・」
(思考加速! 相棒、どう思うこいつ?)
相棒
《告 解析鑑定の結果・この魔物は『
《人間が定めた脅威度で表すと・Eランクに相当する魔物です。》
《進化前のゴブリンでも・一対一で争っても・油断さえしなければ負けることはありません。》
リーアル
(ちなみに、進化した今なら?)
相棒
《解 状況にもよりますが・おそらく瞬殺かと。》
リーアル
(マジか!)
相棒
《ただ・この個体は高い知性を確認しました。》
《突然変異により・高い知性を獲得した可能性があります。》
リーアル
(ふむ・・・面白そうだな。)
解析鑑定の結果、こいつには俺やリムルと同じ、『鋼糸』と『粘糸』を持っている。
それに、『気配遮断』に『毒牙』か、他にも幾つかあるが、ずいぶん隠密に特化した奴だな。
もしかしたら、この村の警備の強化に使えるかもしれないな。
リーアル
「わかった。 この村に住むことを許可しよう。」
蜘蛛の魔物
「! イインデスカ?」
リーアル
「あぁ。 ただし、この村で暮らすからには、しっかり働いてもらうからな。」
蜘蛛の魔物
「ハイ! 自分ニ出来ル事ナラ。」
リーアル
「決まりだな!」
「あと、この村には俺以外にもう一人主が居るけど、今外出していて居ないから、そいつが帰って来たら改めてお前を紹介するからな。」
蜘蛛の魔物
「ワカリマシタ。 以後、ヨロシクオ願イシマス。」
と言うわけで、この村に新しい仲間ができた。
ゴブリン達や嵐牙狼族達、葛乃葉やアーセナに紹介したら、意外にも快く受け入れてくれた。
そして、こいつにも名前をつけた。
葛乃葉やアーセナと似たような感じで、神とか神話、昔話で良いのが無いかと思い出していたら、一つ名前を思いついた。
リーアル
「今日からお前は、『
蜘蛛の魔物
「犍陀多! 有難ウ御座イマス。」
おそらく、今日までの名付けで一番悩んだだろう。
そのせいか? 俺の魔素がごっそりと持っていかれた。
今回も4分の1くらいだろうか?
これは、明日になったら犍陀多も進化しているんだろうな。
相棒
《告 大賢者より・魔鉱塊を利用したロングソードの情報が送られて来ました。》
《これにより・無限収納内で・ロングソードの製造が可能になりました。》
リーアル
(魔鉱塊を使ったロングソード?)
(昨日の威圧といい、今回のロングソードといい、リムルの奴・・・ちゃんと交渉しているんだろうな?)
とは言え、魔鉱塊を利用したロングソードのレシピを手に入れた。
このレシピがあれば、それを応用して他の武器だって作れるかも知れない。
ー5日目ー
予想通り、犍陀多は進化していた。
犍陀多は『白小蜘蛛』から『
その際、EXスキル『眷属産卵』と言うスキルを獲得したようで、早速卵を産んで自分の眷属を増やしていた。
さらに、EXスキル『眷属支配』と言うスキルで、眷属達に指示を出すことが出来るらしい。
生まれて来た子供達も解析鑑定の結果、『暗殺小蜘蛛』みたいだ。
ただ、大きさが掌に収まるサイズになっている。
犍陀多の子供達にはこの村の周囲に散らばってもらった。
村と周辺の警備と監視のためである。
間違って踏んでしまわないように注意しないと。
・・・と思っていたら、なんと!
犍陀多の子供達は器用にも、上空5メートル程の高さに糸で作った専用の橋・・・と言うか道みたいなものを作っていたのだ。
下にいる人物に用がある場合は、バンジージャンプのようにジャンプして顔の真横あたりに降りてくる。
俺は再びノーザンベースへやって来た。
目的は、武器がないか?
もしくは、武器に関する本がないか探すためである。
正面ゲートのホールで、質問してみると。
リーアル
「なぁ、お前って『相棒』か?」
???
《・・・はい。 その通りです・マスター。》
やっぱり、思った通りだ。
雰囲気が相棒そのものだったし。
どうやら相棒は、このノーザンベースと一体化しているみたいだ。
この中にいるときだけ、相棒の声は他の人物にも聞こえるらしい。
そして、相棒の案内で当初の目的の武器を見つけることができた。
どうやら武器庫のようだ。
ただ、剣士の拠点だから剣しかないと思っていたら、そうではなかった。
武器庫には剣の他に、刀、大鉈、ナイフ、戦斧、槍、ハルバート、大鎌、メイス、トンファー、モーニングスター、弓矢、スリングショット。
なんと現代武器の銃もあった。
他には、鉄扇、鉤爪、鎧、盾、籠手などの暗器や防具まであった。
まぁ、今の所必要なのはロングソードだけなので、手頃な剣を手に取った。
リーアル
「これを使って、魔鉱塊製のロングソードを作れるか?」
相棒
《解 このロングソードは・魔鉱塊製のロングソードを製造する上で・良い材料になります。》
大丈夫のようだ。
試しに無限収納にしまって、相棒に頼んでリムルから送られて来たレシピを元に、魔鉱塊製のロングソードを作ってもらった。
すると、あっという間に終わった。
ロングソードを見ると、仄かに刀身が光っていた。
レシピの記述には、『持ち主のイメージに沿って、成長する剣』らしい。
リーアル
「物凄い厨二心をくすぐる剣だな。」
成長する剣なんて、漫画の『魔○騎士レイ○ース』くらいしか知らないが。
つまり、この世界でただ一つの、オンリーワンの武器になると言うことだ。
取り敢えず、今作った剣はリグルにでも渡すことにしよう。
俺は他にもいくつか武器を無限収納にしまい、相棒に頼んで魔鉱塊製の武器に精錬・生成して貰うように頼んだ。
ー6日目ー
今日は昨日のうちに作っておいた魔鉱塊製の武器を、この村を警備を担当しているゴブリン達に渡した。
ゴブリン達は最初、「俺個人のものを使うなんて恐れ多い」と言っていたが、「皆んなの為に作ったんだから貰ってほしい。」「いざと言う時はその武器で身を守ってほしい。」と言ったら、歓喜を上げたり、涙を流したりして受け取ってくれた。
嵐牙狼族達が羨ましそうにしていた、今度は彼らの防具でも作ってみるか。
劇場版T○Vのラ○バートみたいな感じのやつを。
この日はなんと、周囲に点在する他の村のゴブリン達が、庇護を求めてこの村にやってきた。
だが、数が多い!
相棒に聞いてみると。
相棒
《告 その数・500匹です。》
リーアル
「ごひゃ!」
流石にこの村で500のゴブリンは狭すぎる。
開拓するか、新しい土地を探して一から村作りをしないと。
リーアル
(・・・断ったらどうなると思う? 相棒。)
相棒
《告 現在・ジュラの森では・
《進化前のゴブリンでは・淘汰されるでしょう。》
リーアル
(そんな簡単に・・・)
それってリムルがヴェルドラを『無限牢獄』ごと捕食したからだよな。
この場合、俺も共犯になるだろうか?
流石に、淘汰されると分かっているのに追い出すのは、寝覚めが悪すぎる。
だが、ここまで規模が大きくなると、俺だけで事を進める訳にはいかない。
一度リムルが帰って来てからだな。
取り敢えず、今回訪れて来たゴブリン達は村の周囲に一旦散ってもらった。
と言っても、村の中から見える範囲でだが。
住む場所を確保するため、周囲の木々を切り倒したが、ここで活躍したのは魔鉱塊製の剣や斧を持ったホブゴブリン達だった。
彼らが剣や斧を振ると、なんの抵抗もなく「スパッ!」と木が切れてしまうのだ。
切った本人達も、「木を切った感覚がほとんど有りませんでした!」と、言っていた。
物は試しに、俺もやってみたが本当に切った感覚がなくて、逆に気持ち悪かった。
実は今日の出会いはこれだけでは無かった。
犍陀多の子供達の警戒網に、引っ掛かった魔物がいたのだ。
それは、全長30センチくらいの大きな蜂だった。
犍陀多の子供達の糸で全身を縛られて、プルプル震えている。
他にも全長15センチサイズの前足二本が鋭い槍みたいになっている、複数の蜂達も糸でグルグル巻きになっている。
小さな冠みたいなものを頭に乗せた奴が、女王蜂みたいだ。
ただ、この村を襲いに来たわけではなく、子供達の見えない糸の警戒網に誤って引っ掛かってしまっただけらしい。
敵意はないので、取り敢えず糸を解いてやった。
解析鑑定の結果。
この15センチサイズの蜂は『
そして冠を乗せた蜂はその女王で『
女王は知性があるようで『魔力感知』を教えたら、すぐに習得して会話ができるようになった。
彼女達は今まで住んでいた巣を、新たな女王に任せ新たな巣を探して旅をしていたらしい。
リーアル
(分蜂ってやつか?)
そして、たまたま偶然この辺りの上空を飛んでいた時に、さっきの様な目にあったとの事。
リーアル
「すまなかった。 君たちの旅を邪魔してしまって。」
女王蜂
「イエ、ソチラノ事情モ分カリマシタカラ。」
そう言ってくれると助かる。
すると、改めて女王蜂が話しかけてきた。
女王蜂
「アノ、宜シケレバコノ村ノ近クニ住マセテハ頂ケナイデショウカ?」
リーアル
「この近くにか?」
女王蜂
「ハイ。 貴方ハ
「貴方様ノオ側ナラ、安心シテ暮ラスコトガ出来ルト思イマス。」
「貴方様ノ配下ニ加ワラセテクダサイ。」
そう言って女王が頭を下げると、そばにいた蜂達もそろって頭を下げる。
まぁ、500匹のゴブリンよりマシだろう。
彼女達に住むところの希望はないか、聞いてみると。
女王蜂
「花ガ沢山アル所ガ一番イイデス。」
と言うので、近くを探してみたら村の北の方に300メートルほどの場所に花が咲いている所があり、近くには果実の木がなっている。
ここを見つけたとき、彼女達はとても喜んでいた。
俺は一旦ワンダーライドブックを起動し、ノーザンベースからノコギリやハンマーやのみ等の工具を持ってきた。
リーアル
(何でも有るな、ノーザンベース。)
俺はゴブリン達の力を借りて、蜂達の為の木製の小屋を作った。
縦横高さ3メートル位の大きさで、風通しと蜂が外へ出る為の通り道として直径20センチの穴を開けてある。
小屋と言っても、天井に関しては犍陀多がスキル『操糸』で『粘糸』を多く含んだ糸で編んでくれた、防雨性を高めた布を張っているだけである。
俺の世界では蜂にとって暑さは子育てをする上で、障害になる。
この布は「日除け」の意味で天井に張ってある。
念の為に、人一人が入れるように横にスライド出来るドアも作っておいた。
素人大工にしては、意外に上手く行った方だと思う。
相棒のおかげでも有るけどな。
相棒
《・・・ふふん。》
リーアル
(なんか得意げだな。)
ついでに、女王蜂の彼女には『アリスタ』という名前をつけた。
元ネタは養蜂の神様の名前からもらった。
勿論この時も、魔素が4分の1くらい持って行かれた。
彼女も進化するんだろうな。
さて、そんなこんなで村の住人が確実に増えていく。
リーアル
「・・・リムルはどうしてるかな?」
「上手く行っているといいけど。」
この時、俺は知る由もなかった。
まさかリムルが、武装国家ドワルゴンで裁判沙汰を起こしているなんて。
そしてそこで、英雄・ガゼル=ドワルゴに出会っているなんて。
ーリムルsideー
俺は今、裁判所にいる。
そして今俺の目の前には、ドワーフの英雄であり国王、ガゼル=ドワルゴが鎮座している。
リムル
(・・・ヤバイ! あいつはヤバイ!)
あの男は本格的にヤバイ!
明らかにこの中で一番強い!
俺も自分の強さには多少自信があったが、この男にだけは絶対勝てない。
こんな男の前で裁判とか、冗談だろ?
=====================
○オリキャラ紹介
名前:犍陀多
種族:暗殺小蜘蛛
好きなもの:糸を使った技の考案
嫌いなもの:寒さ
所持スキル
UQスキル
・
・隠密:世界そのものに同化する
攻撃に転じる際、効果が薄くなる
・無音:移動する際、完全に音が立たなくなる
・思考加速:通常の300倍に近く速度を上昇させる
・パリング:ダメージを確率で無効にする
EXスキル
・魔力感知:周囲の魔素を感知し、周囲の状況を認識することができる
意志が込められた音波や魔力を理解できる言葉へ、自動的に変換する
思念を乗せて音波や魔力を発すると、会話も可能
・猛毒牙:致死性の猛毒を牙を使って、相手に注入する
・眷属産卵:自分の眷属を生み出すことができる
・眷属支配:自分の眷属に指示を出すことができる
このスキルを持つ限り、眷属は裏切らない
Cスキル
・粘糸・鋼糸:粘りのある柔軟な糸と、硬く頑丈な糸を操る
・操糸:生み出した糸を自在に操ることができる
・斬糸:斬撃を付与した糸を出す
・斬撃耐性:斬撃に対して耐性を得る
・打撃耐性:打撃に対して耐性を得る
・耐熱耐性:熱に対して耐性を得る
・状態異常強化:与える状態異常を強化し、成功率が上がる
・自己再生:体の欠損した箇所、傷ついた箇所を自動的に修復する
・毒合成:状態異常を与える毒を生み出す
・薬合成:回復薬、状態異常を回復する薬を生み出す
・思念伝達:念話が可能になる
複数人での会話も可能
○人物紹介
元々は、ヴェルドラが封印されていた洞窟で隠れながら生きてきたが、ヴェルドらの消失したことで洞窟内の魔物たちが活性化したため、洞窟を出てきた。
その途中でリーアルが守っているホブゴブリンと嵐牙狼族が共に暮らしている村を発見する。
この村なら安心して過ごせると思ってホブゴブリンたちの前に姿を現した。
リーアルから許可をもらい、村に住むことになる。
『犍陀多』という名前を与えられたことで、『白小蜘蛛』から『暗殺小蜘蛛』へと進化した。
進化によって手に入れたスキル『眷属産卵』と『眷属支配』を使い、村の警備と周辺の監視に貢献する。
基礎能力も上昇しており、今の犍陀多なら嵐牙狼族なら2匹同時に戦っても勝てる。
容姿
イメージは『蜘蛛ですが、何か?』アニメ版に登場する蜘蛛子さん。
ファンシーな方ではなく、リアルな方。
外見は『白小蜘蛛』の時は『スモールレッサータラテクト』。
『暗殺小蜘蛛』の時は『ゾア・エレ』。
○
名前:アリスタ
種族:
好きなもの:花の蜜・果物
嫌いなもの:暑い日差し
所持スキル
UQスキル
・
・鋼針:針を使った攻撃の貫通力が増す
・蜂の報復:針を使った攻撃が、相手より後に出た場合、必ず相手より先に攻撃が当たるようになる。
・心核穿ち:実体を持たない者、不定形な者に対してダメージを与える
・思考加速:通常の280倍に知覚速度を上昇させる
・眷属管理
・眷属産卵:自分の眷属を生み出すことができる
・眷属支配:自分の眷属に指示を出すことができる
このスキルを持つ限り、眷属は裏切らない
・眷属感知:眷属の状態を知ることができる
・陣地構築:自らに有利な陣地を作り出すことができる
EXスキル
・麻痺毒針:毒針を放ち、相手に強烈な麻痺の状態異常を与える
・魔力感知:周囲の魔素を感知し、周囲の状況を認識することができる
意志が込められた音波や魔力を理解できる言葉へ、自動的に変換する
思念を乗せて音波や魔力を発すると、会話も可能
Cスキル
・状態異常強化:与える状態異常を強化し、成功率が上がる
・熱源感知:周囲の熱源を感知する
・思念伝達:念話が可能になる
複数人での会話も可能
・爆発耐性:爆発に耐性を得る
・痛覚耐性:痛みに耐性を得る
・耐熱耐性:熱に対して耐性を得る
・自己再生:体の欠損した箇所、傷ついた箇所を自動的に修復する
○人物紹介
以前住んでいた巣を、次の女王に任せ半数の眷属達と安住の地を探して旅をしていた。
そんな時、犍陀多の子供達が張り巡らせた警戒網の糸に誤って引っ掛かってしまい、眷属諸共拘束されてしまう。
リーアルに出会い、彼の配下となることで名前と新しい住処を与えられ、眷属達と巣を作っている最中。
『アリスタ』の名を与えられ、『軍隊女王蜂』から『龍蜂女王』に進化した。
リーアルの要望で、定期的にハチミツを届けている。
眷属達もアリスタの進化に合わせ、『軍隊蜂』から『
新たに生まれてくる眷属達も軍隊龍蜂で、それぞれ『偵察』『育児』『採取』の役割を与えられている。
容姿
イメージは『ポケットモンスター』の『ビークイン』で、冠を載せたイメージ。
ちなみに眷属の容姿は同じく『ポケモン』の『スピアー』である。
数は少ないが、女王であるアリスタを守る、近衛兵の役割を与えられた者の容姿は『メガスピアー』になっている。
名前:ゴブカツ
種族:ホブゴブリン
人物紹介
なんて事のない、モブのホブゴブリン。
この先活躍するかは、本人次第。
いかがだったでしょうか?
この小説は基本、オリ主視点なのですが、次回はリムル視点の話になります。
次回も読んでみてください。