転生したこの男、龍で、剣士で、仮面ライダー   作:ナハト02

5 / 10
 続きましてはリムル視点の話です。

 前回に引き続き、今回もオリキャラが登場します。

 後、タグを追加しておきます

 オリジナル聖剣追加
 他作品の技名使用


ドワーフの国、裁判

 

ーリムルsideー

 

 俺は今、武装国家ドワルゴンに来ている。

 目的は俺の住んでいるゴブリンの村に技術者を招く為で有る。

 三日目の昼頃にドワルゴンの検問所に着いたのだが、そこで複数のゴロツキに絡まれ、仕方なく撃退した。

 しかし、そのせいで警備兵に捕まってしまった。

 

 だが、この俺が牢屋の中で樽の中に入れられている時に、鉱山で事故が起き複数の作業員が巻き込まれたようだ。

 そこで俺はとっておきの回復薬を提供したのだ。

 そのお陰で、作業員は全員無事だったようだ。

 

 翌日無事釈放された俺は、警備隊の隊長のカイドウさんと一緒に街へ繰り出した。

 ドワーフの国はゴブリンの村に比べてとても文明的な国だ。

 中でも特にすごいのは武器や防具である。

 一部の武器はうっすら光って見える。

 カイドウさんの話だと、これから行く鍛冶屋にそれらの武具を作ったドワーフがいるようだ。

 

 その鍛冶屋に行くと、「カーン!」「カーン!」と言う音がした。

 目の前にいるのはカイジンと言う鍛治職人。

 頑固一徹の職人みたいだ。

 すると、昨日牢屋で会ったドワーフの3兄弟と出会った。

 

 彼らは長男のガルム、次男のドルド、三男のミルド。

 そしてその奥に、一心不乱にハンマーを叩く女のドワーフが一人いる。

 剣を鍛えているみたいだ。

 

カイジン

「なんだ? お前達知り合いか?」

 

ガルム

「カイジンさんこの方ですよ!」

「昨日俺達を助けてくれたスライムは。」

 

カイジン

「何! そうだったのか。」

 

 ガルムからそう聞くと、カイジンは俺に礼を言ってきた。

 しかし、今は立て込んでいるようだ。

 どうやら今週末までに、ロングソードを20本納品しなければならないらしい。

 だが、作ろうにも素材が足りないと。

 

カイジン

「国が各職人に割り当てた仕事だ、引き受けたからには、出来なかったじゃ最悪、職人の資格を剥奪されかねない。」

 

カイドウ

「無茶な仕事なら、引き受けなければいいじゃねぇか?」

 

リムル

「その通りだ。」

 

カイジン

「俺だって最初はむりだって言ったんだよ!」

「そしたら、あのクソ大臣のベスターが・・・」

 

 「おやおや。 王国でも名高い鍛治職人であるカイジンともあろう者が、この程度の仕事もできないのですか?」

 と言ってきたらしい。

 しかも、国王の前で。

 そのベスターという大臣、かなり嫌なやつだな。

 どこの世界でも、人間関係って面倒だな。

 

 あと五日で仕上げないといけないのに、いまだに一本しか作れていないらしい。

 ドワーフ三兄弟、そして未だに槌を降り続けている女ドワーフ。

 そしてカイジンの5人体制で、フル回転で回している状況。

 

リムル

「ところで彼女は?」

 

カイジン

「うん? あぁ、あいつか。」

「あいつは・・・まぁ、俺の自称弟子だ。」

 

リムル

「弟子?!」

 

カイジンの弟子

「フッ! ・・・うん?」

「あれ? お客さんですか?」

 

カイジン

「オメェ、今気づいたのか?」

 

 かなり集中していたもんな。

 彼女はカイジンの腕に惚れ込んで、所属していた王国騎士を除隊して、カイジンに弟子入りしたらしい。

 カイジン本人はそれを認めておらず、自称弟子とのこと。

 

カイジンの弟子

「初めまして、私はエイダと言います。」

 

 彼女の名前は、エイダ=ドリュウズ。

 なんか彼女だけ他のドワーフと違う。

 まず肌が色白だし、体格も細身だな。

 ただ、華奢かと言われればそうではなく、きちんと引き締まった健康的な身体付きをしていた。

 やはり、元騎士と言うだけあって、鍛えていたのだろうか?

 

 ロングソードの足りない材料は『魔鉱石』という鉱石だ。

 ドワーフ三兄弟が昨日鉱山に採りに行ったが、甲殻トカゲ(アーマサウルス)が出て坑道が崩れてしまったらしい。

 しかし、どのみち掘り尽くしており、もう魔鉱石は残っていないようだ。

 

 その時俺は気付いた。

 

リムル

(あれ?! 魔鉱石って、俺・・・持ってるよな!)

 

大賢者

《告 胃袋に収納されている・『魔鉱石』を現在精錬・生成中・すでに完了している・『魔鉱塊』を取り出しますか?》

 

リムル

(YES!)

 

 俺はカイジン達の前に魔鉱塊を吐き出した。

 カイジン達は最初、純度の高い魔鉱石だと言っていたが、俺がよく見ろと言うと、カイジンは目の前にあるそれが魔鉱石ではなく、魔鉱塊であることがわかり、驚いていた。

 これがあれば、さらに強力な武器が作れると言う。

 

 カイジンは明らかに目の色が変わっていた。

 譲ってくれるのなら、代金はこっちの良い値を出すとも言ってきた。

 どうしようかと、勿体ぶっている俺に、「俺に出来る事なら、なんでもする。」と言ってきたので、俺は親父さんに。

 

リムル

「親父さんの知り合いで、技術指導として俺の村まで来てくれる人が居ないか、探して欲しい。」

 

 と言ったら、カイジンは予想外だったのか。

 

カイジン

「・・・・・・そんなことで良いのか?」

 

 と言ってきた。

 今俺の村に必要なのは、衣食住の『衣』と『住』だ。

 あと、定期的な衣類や武具の調達も頼んだ。

 

 カイジンはそれを、引き受けてくれた。

 「任せておけ」と。

 話が一段落すると、早速5人は仕事に取り掛かった。

 しかし、今から20本揃えるとなると、かなりの無茶だよな。

 

リムル

(大賢者さん、ちょっと宜しい?)

 

大賢者

《はい。》

 

 俺はカイジンに、すでに出来ているロングソードを見せてもらった。

 これは見事だ!

 素人目にもカイジンの腕が一流だと言うことがわかる。

 この剣もうっすら光って見える。

 

 カイジン曰く、魔鉱石を剣の芯に使っているかららしい。

 魔鉱石を使用して鍛えた武器は、「持ち主のイメージに沿って、成長する武器」になると言っている。

 すごいの一言だ!

 こんなのを見せられたら、この親父さんにうちに来て欲しくなるな。

 しかし、カイジンはこの国の王様に恩義があるだろうし、無理はできないな。

 

 俺は持ってきてくれたロングソードを、『捕食者』で捕食した。

 周りのみんなが慌てているが、心配ない。

 

リムル

(大賢者さん、解析鑑定よろしく!)

 

大賢者

《解 魔鉱石を使用したロングソード・・・解析鑑定・成功しました。》

 

リムル

(魔鉱塊を使用して、コピーを作ってくれ。)

 

大賢者

《了。 ・・・・・・魔鉱塊を使用したロングソード20本・コピー完了。》

 

 コピーしたロングソードを出すと、その場にいる全員が大きな叫び声を上げた。

 カイジン達はすぐに剣の鞘を作って、納品しに行った。

 しかし、よく見ると一本多かったので、それだけ俺が持っている。

 

リムル

(大賢者さん、一本多いよ。)

 

大賢者

《告 21本目は・私の遊び心です。》

 

リムル

(なんだすりゃ?)

 

 よく見るとその剣は、まるで俺が使える『水勢剣流水』とよく似ていた。

 大賢者曰く、外見を真似ただけの魔鉱塊を使用したロングソードだそうだ。

 これはこれで面白そうだし、リーアルに見せてみるか。

 と思っていたら。

 

エイダ

「リムルさん!」

 

リムル

「は! はい?」

 

エイダ

「その剣、見せてもらって良いですか?」

 

リムル

「え? 良いけど。」

 

 そう言って剣を渡すと、彼女の目つきが変わった。

 まるで、「原子の動き一つ一つを見逃してたまるか!」と言わんばかりに、剣を凝視している。

 そうこうしている内に、カイジン達はロングソードの納品を済ませてきたようだ。

 すると、カイジン達が打ち上げをすると言ってきた。

 「ぜひ俺にも参加して欲しい」と言って。

 

リムル

「いや〜、そんないいよ。」

(俺味覚ないし。)

 

ガルム

「まぁ、まぁ、そう言わず。」

「綺麗なお姉ちゃんだっていっぱいいるよ。」

 

リムル

ピクッ!

 

ドルド

「そうそう! 『夜の蝶』って言ってね、若い子から熟女まで、紳士御用達の店だよ。」

 

リムル

ピクピクッ!

 

ミルド

コクコク

 

リムル

(なんか言えよ!)

 

カイジン

「おいおい、旦那がこねぇと、始まらないぜ。」

 

リムル

「・・・・・・そ、そこまで言うなら・・・な。」

 

 俺がそう言うと、男衆はテンションが上がったみたいだ。

 リーアル、済まない。

 俺だけこんな良い思いをして。

 今度連れて行くから。

 

エイダ

「・・・ふぅ〜。」

「リムルさん。」

 

リムル

「え? はい。」

 

 ここで、今までじっと剣を見ていたエイダさんが口を開いた。

 

エイダ

「この剣、オリジナルがありますよね。」

 

リムル

「?!」

 

エイダ

ガシッ!「・・・それ。 見せてくれますか?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

 

リムル

「ひっ!」

 

 エイダさんは俺を掴んで、そう言ってきた。

 デザインの元になった剣があるなんて、よく分かったものだ。

 しかし、今のエイダさん怖!

 有無を言わさぬ気迫がある。

 鼻息も荒くなっている。

 断ったら粉々に潰されそうだ。

 

 俺は聖剣を出すしかなかった。

 

リムル

「ど、どうぞ!」

 

 俺は水勢剣流水を渡した。

 その剣を見たエイダさんは。

 

エイダ

「ーーーーーーーーーーーーー!!!」

(う・・・美しいいいいいいい!!!)

 

 流水を見た瞬間、まるで感極まったように、流水を見てウットリとしている。

 おおよそ、女性がしていい顔じゃない。

 

リムル

(・・・・・・もしかしてこの人、武器マニアか剣マニアか?)

 

エイダ

「・・・・・・リムルさん、しばらくこの剣を拝見させていただいても?」

 

リムル

「どうぞ! 心ゆくまで!」

 

エイダ

「ーーー! はい!」

 

カイジン

「あ〜、また始まりやがった。」

 

 カイジンの話だと、彼女は武器マニアというより、見たこともない武器を見ると調べたくて仕方がなくなるらしい。

 カイジンから見ても、俺が出したあの剣は相当の業物だと言うことがわかるみたいだ。

 業物どころか、聖剣なんだけどね。

 

 ああなると、エイダは納得するまで止まらないから、放っておいてカイジン達の案内で打ち上げに行くことになった。

 扉を入ると、綺麗なお姉さん達が出迎えてくれた。

 

リムル

(FOOOOOOOO!!!)

 

 どっちを見てもエルフ! エルフ!! エロフ・・・もといエルフ!!!

 ちょっと待て、これはどう言うことだ?

 魔力感知を全開にしているのに、絶妙に見えない境界線を死守している。

 エルフの一人が。

 

エルフの女性

「きゃあああ! 可愛い!」ギュー!

 

リムル

(来たああああああ!!)

 

 俺は抱きしめられた。

 ちょ! やばい! 服薄い!!

 俺は取っ替え引っ替え、彼女達の胸の中に収まる。

 彼女達はこのスライムボディが気持ちいいと言っているが、むしろ気持ちいいのはこっちだ。

 これが女の人の胸の感触か!

 やばい! 初めてだ!

 

カイジン

「乗り気じゃ無かった割に、ずいぶん楽しそうじゃねぇか。」

 

リムル

「・・・・・・はっ! そ、そんなことは。」

 

 カイジン達男衆はそんな俺を見て、ニカッ!っと笑う。

 ミルドはさらにサムズアップしている。

 

リムル

「・・・・・・くう〜。」

 

エルフのママさん

「さぁ、楽しく飲みましょ!」

 

 その声と共に楽しい打ち上げが始まった。

 ・・・この時、俺は間違いなく天国にいた。

 許されるのなら、一生ここで暮らしたい。

 そう思える一時だった。

 

 カイジンが自分の力作を俺があっという間に量産してしまったことに、複雑な表情を浮かべていたが、次はもっと凄いのを作って見せると意気込んでいた。

 余計なことをしたかなと、ちょっとした罪悪感みたいな感情が湧いたが。

 人助けができて、良かったと思っておこう。

 

 そんな時、褐色肌のエルフのお姉さんが、水晶玉を出して「私得意なんだよ。やってみる?」と言ってきた。

 どうやら占いをしてくれるみたいだ。

 何を占って貰おうか悩んでいると、俺を膝の上に乗せているお姉さんが、「スライムさんの運命の人とかどう?」といった。

 ここにいる全員が気になるようだ。

 確かに俺も気になる。

 じゃあ、それで占ってもらおう。

 

 褐色肌のエルフさんが、水晶玉に手をかざす。

 どんな人なんだろうか?

 いや、人じゃなくてスライムだったり?

 けど、リーアルやヴェルドラとの出会いも運命といえば、運命的な出会いだったし。

 運命の人=恋人というわけじゃないか。

 

 そんなことを考えていると、水晶玉に何か移り始めた。

 そこには5人の子供達と、黒髪で白い服を着て、左目の下に火傷みたいな跡がある女の人がいる。

 この人がそうだろうか?

 俺の運命にどう絡んでくるんだろう?

 ・・・綺麗な人だったけど。

 

 その時だった。

 突然水晶玉が光り出した。

 

褐色肌のエルフ

「え?! 何?」

 

リムル

「な、なんだ?!」

 

 水晶玉に映し出されたのは、俺の親友の一人、リーアル=テンペストだった。

 だが、彼の周囲は炎に包まれており、手には俺の見た事が無いゴツゴツとした聖剣が握られている。

 しばらくすると、一人の人間がやって来た。

 黒い服を着た青みがかった銀髪に金色の瞳を持つ美少年・・・いや美少女?

 手には水勢剣流水を握っている。

 

 二人はそれぞれ、ワンダーライドブックを手に取り、ページを開く。

 

 『ブラッディドラゴン!

 『全てを血で染め、自らも血で染め上げた神獣がいた・・・

 

 『ライオン戦記!

 『この蒼き鬣が新たに記す、気高き王者の戦いの歴史・・・

 

 というところで、突然消えた。

 テレビの電源を消すみたいに。

 

リムル

「・・・ねぇ、お姉さん。」

「いまのって?」

 

褐色肌のエルフ

「わ、私にもわからない。 ごめんなさい。」

 

リムル

「いや、いいよ。」

 

 なんとなくだけど、こんな事にはならないで欲しい。

 そう思う光景だった。

 そんな時、嫌味そうな声が聞こえてきた。

 

???

「こんな所で油を売っていて良いのですかな? カイジン殿。」

 

 その声の方向に目を向ければ、男が一人椅子に座っていた。

 カイジンが小さい声で、「大臣のベスターだ。」と言ってきた。

 あいつがそうか。

 なんか、いかにも粘着質そうな感じだ。

 

ベスター

「ちゃんと間に合うのですか? 確かロングソードの期限は「さっき納めてきた。」間に合わなければ・・・」

「え?! 納めてきた!!?」

 

カイジン

「あぁ、20本きっちりとな。」

 

ベスター

「え? いや・・・しかし・・・」

 

カイジン

「納品書の確認でもするか?」

 

 これ以上の追及は悪手だろう。

 実際、納品書がこっちにはあるんだし、確認すればすぐにわかることだ。

 ロングソードに対する大臣の追求は終わった。

 しかし、次は矛先が俺に向いた。

 

ベスター

「ところで、それは何ですか?」

 

リムル

「え? 俺?」

 

ベスター

「いけませんね。この上品な店に下等な魔物がいるなど・・・気分が悪くなる。」

 

リムル

(ムッ!)

 

 大臣のクレームに、エルフのママさんが対応しているが、いくら言っても聞く耳持たない大臣。

 (おもむろ)に、酒の入ったジョッキを手に持って。

 

ベスター

「ふん! 魔物にはこれがお似合いよ。」

 

 と言って、俺に酒をぶっかけてきた。

 俺は咄嗟に『捕食者』を発動し、体にかかった酒を捕食した。

 そのおかげで、俺を膝に乗せているお姉さんのドレスが汚れないで済んだ。

 

エルフの女性

「スライムさん! 大丈夫?」

 

リムル

「あぁ、大丈夫だよ。」

 

エルフの女性

(あれ? ドレスが濡れていない?)

 

 正直カチンときたが、相手は一国の大臣だ。

 俺の短気でカイジンやこの店に迷惑をかける訳にはいかないな。

 と思って、堪えていたのに。

 いきなり、カイジンがベスターに鉄拳制裁した。

 それにより、ベスターは縦に錐揉み回転しながら吹き飛んだ。

 

カイジン

「ベスター! 俺の客人に舐めた真似しやがって、覚悟はできてんだろうな!」ゴキゴキ!

 

ベスター

「き、貴様! 私にそのような「やかましい!!」」

 

 そう言って、またしても鉄拳制裁。

 それで気絶してしまった。

 

 ていうか、こんなことをして、カイジンはもうこの国に居られなくなるんじゃ?

 そう思っていたら、カイジンが自分を俺の村に行かせてくれないかと言ってきた。

 

リムル

「願ってもないことだが、良いのか?」

 

カイジン

「あぁ。」

 

 まさか来てくれるなんて。

 こんなに嬉しいことはない。

 ・・・・・・だが、そう喜んでもいられない。

 

 店での騒ぎを聞きつけて、警備隊がやってきた。

 大臣は担架で担ぎ込まれ、店に来ていたカイジン達は手錠をかけられ、俺はというと全身を鎖で締め上げられていた。

 

カイドウ

「兄貴、一体何やったんだい?」

 

 若干呆れ顔で、カイドウさんがカイジンに聞いた。

 

カイジン

「・・・フン! あのバカ大臣が、リムルの旦那に失礼なことをしやがるもんだから、ちぃとお灸を据えてやっただけよ。」

 

カイドウ

「えぇ〜・・・大臣相手にそれはまずいだろ。」

「とにかく、こっちも仕事だから、裁判まで拘束させてもらうぜ。」

 

リムル

「え? 裁判?」

 

 それで俺達はまた牢屋の中に逆戻りした。

 牢屋の場所も以前と同じだった。

 なぜわかるかって。

 なぜなら、ゴブタが逆さ吊りで眠っているからさ!

 

 ゴブタがなぜこんなことになったいるのか?

 最初にこの牢屋に連行された時、呑気に自分だけ寝ていたので、暇潰し兼お仕置きを兼ねて、天井に吊るしたのだ。

 だがしかし、今この瞬間まで寝ているとか。

 

リムル

「ロングスリーパーかい!!」

 

 思わず突っ込んでしまった。

 そして、牢屋に入れられてから2日後、裁判の日がやってきた。

 

 

 

ー裁判所ー

 

 武装国家ドワルゴンの裁判では、王の許しがない限り、当事者ですら発言は許されない。

 発言した瞬間、即有罪なんて当たり前らしい。

 冤罪も何もあったもんじゃない。

 おっかない事この上無い。

 

 よって、ドワルゴンでの裁判には弁護人を立てるのが普通なのだ。

 だが・・・

 

弁護人

「ーーーとこのように、店で酒を嗜んでいたベスター殿に対し、カイジン達は複数で暴行を加えたのです。」

 

リムル

(おいおいおい!!!)

 

カイジン

「・・・買収されたな。」ボソ

 

リムル

「あの野郎・・・」ボソ

 

 カイジンはベスターのことを悪人ではないと言っていたが、あいつ悪人だろ。

 非常にまずい。

 発言が許されないこの状況では、事実無根であることも主張することもできない。

 どうしたものか?

 

ベスター

「王よ! この者たちに厳罰をお与えください!」

 

 カン! カン!

 

裁判官

「静粛に! 判決を言い渡す!」

「・・・カイジンには、鉱山での強制労働20年を申し渡す。」

「その他者は、鉱山での強制労働10年を申し渡す。」

「これにて、裁判を閉廷します。」

 

リムル

「ちょっ!」

 

 発言が許されていなくても関係ない。

 罪のない者が罰せられ、罪を犯した者が救われるなんて納得できるか!

 最悪カイジン達だけでも助けないと。

 

ガゼル

「・・・待て。」

 

「「「「「!?」」」」」

 

 この場にいる全員の視線がガゼル=ドワルゴに集まった。

 今まで一言も喋らなかった人物が、口を開いたのだ。

 

ガゼル

「カイジンよ。 久しいな、息災か?」

 

カイジン

「はっ! 王におかれましては、ご健勝そうで何よりです。」

 

 先ほどの鋭い眼光は鳴りを潜め、久しぶりに友人に出会えて、懐かしんでいるような眼差しをカイジンに向ける。

 カイジンもなんだか嬉しそうだ。

 

ガゼル

「良い。 ・・・カイジンよ、余の元に戻ってくる気はないか?」

 

ベスター

「!」

 

リムル

(おぉ!)

 

 やっぱりカイジンって、王に気に入られているんだろうな。

 それだけの信頼関係があるってことだ。

 このままいけばカイジン達だけでも助かるんじゃ。

 

カイジン

「・・・恐れながら王よ、私はすでに新たな主を得ました。」

「この誓いは、私にとって宝です。」

「これは、例え王命であっても、覆ることはありません。」

 

リムル

(カイジン。)

 

 もしかしたら、また王のために働けるかもしれなかったのに、王に対してここまで言えるなんて。

 いや、お互い信頼しているからこそ、嘘偽りなく言えることもあるよな。

 

ガゼル

「・・・であるか。」

「新たに判決を言い渡す!」

「カイジン及びその一味は国外追放とする。」

「今宵、日付が変わって以降、この国に滞在することは許さん。」

「余の前より消えるが良い!」

 

 その王の言葉で、裁判は閉廷となった。

 どうにか命はつながって、何よりだ。

 ・・・けど、ガゼル王もカイジンも、寂しそうだった。

 

 俺達は知らなかったが、この後ベスターはガゼル王に呼び出された。

 

 それは、カイジンの弁護人を買収しとことではなく、俺がこの国に来たときに警備隊に渡した回復薬をベスターに見せるためである。

 それを見たベスターは驚愕したのだ。

 俺も大賢者に聞くまでは知らなかったが、俺の作った回復薬は『完全回復薬(フルポーション)』と言って、ヒポクテ草の成分を99%抽出することで作ることができるもので、ドワーフの技術の全てを集めても、98%の抽出しか出来ず、この場合は『上位回復薬(ハイ・ポーション)』になるらしい。

 たった1%の違いだが、現在ドワーフ国ではこの1%の壁を越えることが出来ないでいる。

 

 ベスターはガゼル王に問う、「誰がこれを作ったのですか?」と。

 ガゼル王は言う、「それを我が国にもたらしたのは、あのスライムだ。」と。

 

 結果を見ればベスターは、この国と俺の繋がりを切ってしまったのだ。

 

ガゼル

「ベスターよ、何か言いたいことはあるか?」

 

ベスター

「お・・・王よ、私は・・・」

 

 ベスターは何も言えなかった。

 そして考えていた、なぜ自分は自身が仕える王に問い詰められているのか?

 まだ幼い日に見た、この国へ凱旋した王を見た時、自身に誓いを立てた。

 『この王に仕え、役に立つのだ。』

 そう誓いを立てたはずなのに。

 自分はいつ道を誤ったのだろうか?

 カイジンに嫉妬した時から?

 ・・・それとも、もっと以前から?

 

ガゼル

「・・・もう一度問う。 ベスターよ、何か言いたいことはあるか?」

 

ベスター

「・・・・・・何も、何もありません。 王よ。」

(私は・・・なんて愚かなのだ。)

 

ガゼル

「そうか・・・ベスターよ、其方(そなた)の王宮への出入りを禁止する。」

「二度と余の前に姿を見せるな!」

「・・・最後に一言、其方に言葉を送ろう。」

 

ベスター

「?」

 

ガゼル

「・・・これまでの働き、大義であった!」

 

ベスター

「!!」

 

 そう言って、ガゼル王はベスターの前から去った。

 ベスターは暫く、その場に崩れ、涙を流していた。

 

 

ードワルゴン 検問所前ー

 

カイドウ

「兄貴、元気でな。」

 

カイジン

「おう! お前もな。」

 

 俺は今、カイジン達と一緒に検問所の前にいる。

 裁判の後、カイジン達は急いで身支度を整えて、ご近所に軽く挨拶をして今ここにいる。

 店で聖剣に夢中になっていたエイダさんは、みんながなかなか帰ってこなかったことに心配していた。

 事情を話すと、エイダさんも一緒に行くことを決めてくれた。

 「師匠達が出て行くのなら、私も一緒に行きます。」と言って。

 

カイドウ

「リムルの旦那、兄貴達をよろしくな。」

 

リムル

「心配ない。 ただこき使うだけさ。」

 

カイドウ

「はは、そうか。」

 

 まぁ、こき使うと言うのは言葉のアヤだけどな。

 本人達が「ここで働きたい。」と言えるような職場を作らないとな。

 ブラック企業、それは悪い文化である。

 

カイドウ

「判決に則り、カイジン及びその一味は国外追放とする。」

「早々に立ち去れ!」

 

 と言って、カイドウさん達警備隊は、門の内側に帰っていった。

 

リムル

「・・・さて、行くか。」

「森の入り口で俺の仲間が待っている。」

 

カイジン

「・・・あぁ。」

 

 一悶着あったが、無事に目的は果たせた。

 それも、これ以上ない位最高の腕を持つ職人達が来てくれた。

 

 そして、もう少しでリグル達が待つところに着くときに、ふと思った。

 

リムル

「・・・何か忘れているような?」

 

 そう思った時、ドワルゴンの方から俺達の方に向かって何かがやってきた。

 

ゴブタ

「リムル様ーーー!!!」

「ひどいっすーーー!!!」

 

リムル

「あ!!! ゴブタ忘れてた!」

 

 すっかり忘れていた。

 ゴブタを置き去りにしてきたことを。

 

リムル

(・・・あれ? 今ゴブタの奴、嵐牙狼族に乗ってきたよな?)

 

 一体どうやった?

 と思っていたら、「ひどいっす!」「あんまりっす!」と、収まりがつかなくなってきたので、今度綺麗なお姉さんのいる店に連れて行くことで、手打ちにしてくれた。

 ・・・けど。

 

リムル

(ドワーフ国出禁になったから、当分先になるだろうけど。)

(・・・まぁ、いいか。)

 

 

 

ードワーフ国 王宮の通路ー

 

ガゼル

「・・・弁護人は捕らえたか?」

 

???

「は!」

 

ガゼル

「厳罰に処せ。」

「あのスライム動向を監視せよ。」

「決して気取られるなよ。 絶対にだ!」

 

???

「は!」

 

ガゼル

「・・・あのスライムは化け物だ!」

「まるで『暴風竜ヴェルドラ』の如く!」

 

 

 

 

======================

 

人物紹介

 

 名前:エイダ=ドリュウズ

 

 種族:ドワーフ

 

 使用武器:剣・戦斧

 

 好きなもの:見たことがない武器や研究

 

 嫌いなもの:シャバい(冴えない)と言われること

 

 B:W:H・80:56:79(Cカップ)

 

所持スキル

 EXスキル

  ・殺意感知:他者からの殺意を感知する

 

  ・知覚強化:知覚速度を50倍に強化する

 

 Cスキル

  ・剣術の心得:剣を使った攻撃や技術を使った時、威力と命中率に補正がかかる

 

  ・戦斧の心得:戦斧を使った攻撃や技術を使った時、威力と命中率に補正がかかる

 

  ・身体強化:自身の身体能力を強化する

 

  ・武器破壊:相手の武器を攻撃し、確率で破壊する

 

所持技術

 

  ・蒼破刃:斬撃を飛ばし、離れた敵を攻撃する

 

  ・雷神剣:電撃を纏った踏み込み突きで攻撃する

 

  ・爆砕斬:地面に武器を叩き付け、発生した石礫で前方を攻撃する

 

  ・裂旋斧:武器を振り回し、全周を攻撃する

 

 

人物紹介

 

 武装国家ドワルゴンの王国騎士に所属していた、元騎士。

 外見は少女のようだが、それはドワーフだからであり、実年齢は80歳を超えている。

 騎士であると同時に研究者でもある。

 次期将軍に抜擢されるほどの実力者。

 騎士団に所属する女性騎士からは、『働く女性の理想像』と言われ、その凛とした立ち居振る舞いから男女問わず人気があった。

 しかし、彼女は『見たこともない武器』や『新たな研究や技術』を見つけると、夢中になってしまい休憩無し食事無し睡眠無し、ひどい時は服の着替えすらしないで長時間、もしくは数日も没頭してしまうという欠点がある。

 本人はこの歳になっても未だにいい人が見つからない事を、気にしている。

 が、恋愛に関しては奥手で、男性と手を繋いだことがなく、自分が理想とする男性とキスをするところを想像しただけで顔耳首を真っ赤にしてしまう程。

 

 カイジンがまだ王国の工作部隊の団長だった時、当時副官だったベスターが計画していた『魔装兵計画』が失敗に終わり、その責任をカイジンになすり付けたことに激怒し、カイジンを擁護し必死になって庇った人物の一人。

 

 しかしカイジンは、無実の罪の責任を取り、軍を辞めることになり、ベスターはお咎めなしになった事が納得がいかず、その時自分も騎士団を除隊している。

 それからは、自称カイジンの弟子を名乗り、一緒に鍛冶屋を営んでいたが、鍛治の腕はカイジンの方が上である。

 リムルがやって来た事がきっかけで、カイジン及びドワーフ3兄弟と共にドワルゴンを去ることになる。

 

 現在の興味はリムルが持つ『水勢剣流水』を調べること。

 

容姿

 

 イメージは『魔導巧殻 闇の月女神は導国で詠う』に登場する、エイフェリア=プラダ元帥。

 

 彼女は原作では、三つあるルートの内二つは生存できるが頼れる仲間的なポジション、残り一つのルートでは、メインヒロイン級の存在になるが必ず死亡するという不遇な女性。

 

 この作品で、ドワーフでオリキャラを出すことを決めた時、エイフェリアが思い浮かんだので、この作品で容姿と『エイダ』という愛称を名前に使わせていただきます。




 いかがでしょうか?

 次回はいよいよリムルの運命の人を出すつもりです。
 その次の話で、いよいよリーアルが変身するかも?

 しかし、次はもう一つの作品に集中します。

 できるだけ早く更新しますので、待っていてください。

 それでは、また次回会いましょう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。