やはり俺のSAOでの出会いは間違っていない    作:ふっか

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こんばんは、ふっかです。これでリメイク前のほうの内容はすべて終わりました。
それでは第二話どうぞ。


二話 星なき夜のアリア

十二月四日、日曜日、午前十時。

 

このデスゲームが開始されたのが十一月六日の日曜日の午後一時なので、あと三時間でぴったり四週間が経過する。

 

俺達は今、ボス部屋の前にいる。

 

まさか第1層のボスに挑むまでこんなにかかるとは思わなかった。

 

 

 

「―行くぞ!」

 

 

 

ディアベルは短く一言だけ叫び、ボス部屋の扉を思い切り押し開けた。

 

 

 

ボス部屋に入ると、ほぼ暗闇に沈んでいた室内の左右の壁で、ぼっと音を立てて粗雑な松明が燃え上がった。

 

ぼっ、ぼっ、と松明は次々に奥へ向かって数を増やして行く。

 

 

 

そして、部屋の最深部に設けられた粗雑かつ巨大な玉座の上に第1層のボスである《イルファング・ザ・コボルドロード》が坐していた。

 

 

 

騎士ディアベルが、高く掲げたままの長剣を、さっと前に振りおろした。

 

それを合図に、総勢四十数名からなるボスモンスター攻略部隊は、盛大な鬨ときの声を上げつつ一気にボス部屋へとなだれ込んだ。

 

コボルドの王とその衛兵対プレイヤー四十数人の戦いは、俺の予想を上回る順調さで推進していた。

そして、ボスのHPが四段目の半分を切りボスは武器を持ち替えた。

しかし、ボスが持ち替えた武器は、情報とは違うものだった。

 

「だ……だめだ、下がれ!!全力で後ろに跳べ―ッ!」

 

 キリトがそう叫ぶが、その声は、イルファングが始動させたソードスキルのサウンドエフェクトにかきけされた。

 

ボスが使ったソードスキル《旋車(ツムジグルマ)》により、ボスと対峙していたC隊6人がスタン状態になり、ディアベルは吹っ飛ばされた。

そして、ボスはディアベルをターゲットにし、三連撃技の《緋扇(ヒオウギ)》の構えを取った

やべぇ、このままじゃディアベルが死ぬ。急がねぇと。

気がついたら体が動いていた。

そして、ディアベルとイルファングの間に入り、イルファングの攻撃を剣で受け止め、ソードスキルではね返した。

 

「オレ……は…助かった…のか」

 

「ハチマンが飛び込んで咄嗟にイルファングの攻撃を受け止めたおかげでな」

 

 キリトがディアベルに言った。

 

「なぜ1人で攻撃しに行った?」

 

俺はディアベルに聞いた。

 

「お前達もベータテスターだったら……わかるだろう……?」

 

「ラストアタックによるレアアイテム狙い……お前も、ベータ上がりだったのか」

 

「…頼む。ボスを倒してくれ…みんなのために。オレは…当分動けそうもない。くそっ…自分が情けない…」

 

「わかった。後は俺たちに任せろ」

 

俺はそう言ってキリトとコマチと共にボスへ向かっていった。

 

「みんな聞いて!ボスを取り囲まなければ範囲攻撃は来ないわ!HPが少ない人は一旦交代、回復次第復帰して!」

 

アスナは恐怖で動けないプレイヤー達にそう叫んだ。

そして、俺とキリトとアスナとコマチの四人でボスへと向かって走り出した。

ボスの攻撃をうまく躱しながら攻撃を加えてボスのHPを減らすことができた。

しかし、再び《旋車(ツムジグルマ)》が放たれ、俺たち四人はスタン状態になってしまった。

ボスは、ニヤリと笑い、武器を大きく振りかぶった。

 

「させない!」

 

ミトはそう言って飛び出してきてタゲを取った。

そして、スタンが解けたキリトとミトがボスを上に打ち上げ、コマチとアスナが上のボスへ向けて《リニアー》を放つ。

 

『スイッチ!』

 

キリトとコマチとミトとアスナの四人が叫ぶ。

 

 

「行っ…けえッ!!」

 

俺は、絶叫するや否や、地面を蹴った。

青い光芒をまとった俺の剣が、コボルド王の右肩口から腹までを切り裂いた。

そして、素早く手首を返した。

 

 

「お……おおおおおおッ!!」

 

全身全霊の気勢とともに、剣を跳ね上げる。激戦を経て数箇所刃毀れした刃が先の斬撃と合わせてⅤ字の軌跡を描き、イルファングの左肩口から抜けた。

 

片手剣二連撃技、《バーチカル・アーク》―。

 

コボルド王の巨躯が、不意に力を失い、後方へとよろめいた。

狼に似た顔を天井へと向け、細く高く吼える。その体に、びしっと音を立てて無数のヒビが入る。

両手が緩み、野太刀が転がった。直後、アインクラッド第1層フロアボス、《イルファング・ザ・コボルドロード》は、その体を幾千幾万のガラス片へと変えて盛大に四散させた。

 

俺の視界に、【You got the Last Attack!!】という紫色のシステムメッセージが音もなく瞬いた。

 

「お疲れ様、お兄ちゃん」

 

「お疲れ、ハチマン」

 

「お疲れ様、ハチマンくん」

 

「お疲れ、ハチ」

 

四人がそれぞれそう言ってきた。

 

「見事な剣技だった。congratulations。この勝利はあんたのものだ」

 

途中の英単語を、それこそ見事な発音で言ってのけた巨漢は、口を閉じるとニッと太い笑を浮かべた。

 

「なんでや!なんでディアベルはんを、ワシらを騙したんや!ジブンが最初から情報を伝えとったらディアベルはんが危険な目に遭うことも……ワイらが死にかけることもなかった!」

 

 

「ちょっと待って!ハチマンくんはディアベルさんを助けたのよ。どうしてそんなことを言うの!」

 

 

「それは結果だけの話や。こいつはディアベルはんに危険を押し付けて手柄の横取りでボスを倒したんや!」

 

「まさか…ディアベルさんを囮にして攻撃を回避したのか?」

 

「こいつ、元ベータテスターなんだ!だからボスの攻撃パターンも全部知ってて手柄を独り占めする気だったんだ!」

 

「みんな、やめてくれ。違うんだ彼は……」

 

コマチやキリトとミトとディアベルがベータテスターだとバレなくするためにはあれしかないか。

 

 

 

「そうだよ。手柄を独り占めするためにディアベルを利用した。それと、元ベータテスターだって?俺をあんな素人共と一緒にしないでほしいな。SAOのベータテストに当選した千人の内のほとんどはレベリングのやり方も知らない初心者だった。今のあんたらの方がまだましさ。でも、俺はあんな奴らとは違う。俺はベータテスト時代、他の誰も到達出来なかった層まで行った。ボスのカタナスキルを知ってたのはずっと上の層でカタナを使う敵と散々戦ったからだ。他にも色々知ってるぞ。情報屋なんか問題にならないくらいにな。」

 

 

「なんやそれ…そんなんベータテスターどころやないやんか!もうチートや。チーターやろ、そんなん!」

 

「ベータのチーターだからビーターだ!」

 

「《ビーター》いい呼び名だなそれ。そうだ。俺は、ビーターだ。これからは元テスターごときと一緒にすんな」

 

俺はそう言ってメニューウィンドウを開き装備フィギュアに指を走らせ、今まで装備していた服からついさっきボスからドロップしたばかりのユニーク品、《コート・オブ・ミッドナイト》に変更した。

 

「二層の転移門は俺がアクティベートしといてやる。ついてくるなら初見の敵に殺される覚悟しとけよ」 

 

そう言って俺は、二層への扉へ続く階段に向かって歩き出した。

そして、キリトたちがいるとこで一度止まり、パーティーを解消し、再び扉を目指し、歩き始めた。

 

~第二層~

 

「お前ら、着いてきたのか。来るなって言ったのに」

 

「言ってないな、悪いハチマン。お前に嫌な役やらせてしまって」

 

「別に平気だよ。もう慣れてる」

 

「そうか。そういえばハチマンに、エギルとキバオウから伝言だ」

 

キリトがそう言うと、アスナが伝言の内容を言い始めた。

 

「エギルさんは、『二層のボス攻略も一緒にやろう』って。キバオウは…」

 

アスナは小さく咳払いし、真剣な顔で下手くそな関西弁の再現を試みた。

 

「……『今日はたすけてもろたけど、ジブンのことはやっぱり認められへん。わいは、わいのやり方でクリアを目指す』だって」

 

「…そうか」

 

そして、そのあと俺は、さっきのビーターの件でコマチから説教を喰らったのであった。

 




キャラのステータス

ハチマン Lv.13
装備 アニール•ブレード+6


キリトLv.13
装備 アニール•ブレード+6

アスナ Lv.13
装備 ウインド•フルーレ


コマチLv.13
装備 アイアン•レイピア+6

ミトLv.13
装備 鎌
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