Fate/repeat night   作:神代リナ

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初評価あざっす。
もうちょっとクオリティ上がるように頑張ります。


第九話 狙撃手の一撃

 セイバー、ランサー、キャスターの3騎を遠くから見ている者達がいた。

 

「アーチャー、キャスターのマスターに動きがある」

 

「あぁ、分かってるぜマスター。ありゃあ、セイバーのマスターは死ぬわな。序盤でセイバーが脱落するなんてラッキーだな」

 

 アーチャーと呼ばれた軍服を着ている男はスナイパーライフルを構えており、その横にいるマスターと呼ばれたスーツを着ている男は双眼鏡で敵を観測している。

 

 二人の姿はまるで狙撃手と観測手のチームのようである。

 

「だが、油断してはいけないぞ。ひょっとしたらこの場から逃げ延びて、適当な野良魔術師と契約する可能性もある」

 

「確かにその可能性もあるわな。ただまぁ、キャスターと……どう動くか分からないランサー次第ではこの場で確実に最優のクラスはご退場するだろうよ。期待してるぜ、お二人さん」

 

 彼らは暗闇からひっそりと、ただし鋭い目線で戦場を観察している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 銃弾は防御魔術を予定通りに貫通し、橘一樹の心臓に大きな風穴を開ける。そして、力を保てなくなった彼の身体は重力に従って地面へと倒れる。

 

 心臓から流れ出てくる大量の血で、アスファルトの地面を真紅に染める。

 彼はもうすぐ死ぬだろう。

 

「マスター! クソッ、しっかりしろ」

 

 セイバーは氷を砕き、彼の元へと駆け寄る。

 だが、もう遅い。

 彼の死は既に確定した。

 

 ランサーは何やら念話でマスターと話しているようで、今すぐセイバー陣営か私たちキャスター陣営と戦闘する気はないらしい

 

「セイ……バー……ハハッ、まさかこんな序盤で……敗退する事になるとはなぁ」

 

「もう喋るな、バカ。急いでお前の家に帰ればまだ……」

 

「見れば……分かるだろ。俺はもう……ガハッ」

 

「マスター!!」

 

 彼は大量の血を口から吐き、それ以降二度と目を開ける事はなかった。

 そして、彼の手の甲からマスターの証である令呪が消える。

 依代を失った以上、すぐ主人と同じようにセイバーもこの世から消えるだろう。

 

「……さようなら、橘一樹」

 

 私はそう呟き、この場からそっと去ろうとした。

 しかし……

 

「おい、キャスターのマスター」

 

「⁈」

 

 消滅しかかっているセイバーが私の方へと突撃してくる。

 

「せめてマスターの仇は取らせてもらうぞ」

 

 ありえないほどの速さで距離を詰めてきたセイバーは彼の手に握られている西洋剣で私の首を断ち切ろうとする。

 

「あら、(わたくし)のことはお忘れかしら」

 

 しかし、その剣はキャスターの持つ氷の剣で防がれる。

 ……キャスターの氷の魔術、中々汎用性がある。

 

「チッ、魔術師風情が剣士の真似とはな。まぁ良い、今の俺でもお前の貧弱な剣程度へし折ってやる!」

 

 そう言うと、セイバーはより力を込めて自身の剣でキャスターの氷の剣を押す。

 

 このままだとキャスターの氷の剣はへし折れて、キャスターは切り捨てられる事だろう。

 しかし……

 

「あぁ、めんどくせぇ!」

 

 キャスターは自身の氷の剣の表面を少し溶かして滑りやすくする。

 するとセイバーの剣は勢いよく滑り、セイバーは体勢を崩す。

 

 その隙にキャスターはセイバーから距離を取り、さらにセイバーに向けて空気中の水蒸気を凍らせて即席で作った氷の短剣3本をセイバーに向けて射出。さらに氷の剣をセイバーに向けてぶん投げる。

 

「ふーん、流石は最優のクラスと言ったところね」

 

 キャスターの攻撃は確実にセイバーに当たるはずだった。

 しかし、彼は崩れた体勢にも関わらず、身体を無理矢理捻り、なんとか全ての攻撃を躱したのだ。

 

「次はこっちの番だ……!」

 

 再び彼はキャスターに接近しようと疾走する。

 あまりの力にアスファルトの一部が砕け散り、辺りに飛び散る。

 

「凍りつきなさい」

 

 キャスターは自身の陣地となっている周囲の地面を凍らせて、セイバーを足止めしようとするが……

 

「ハッ、そいつはもう食らわねぇよ」

 

 セイバーは跳躍することでキャスターの攻撃を避け、更にキャスターに接近する。

 そして、キャスターを切り捨てんと彼は剣を大きく振り上げ……

 

「終わりだ、キャスターァァァァァァァァァァ!」

 

 剣を勢いよく振り下げるが……

 

 カランカランカラン

 

 そんな音を立てて、彼の剣は手から滑り落ちる。

 そう、まるで()()()()にあったかのように。

 

「ふふっ、(わたくし)って悪戯っ子なのよ、セイバー」

 

「はぁ……マジかよ」

 

 そう言い終わると、キャスターは一瞬浮かべた笑みを消して、冷たい目線をセイバーに向ける。

 

「じゃあ、死になさい」

 

 キャスターは一瞬で作り出した氷の槍でセイバーの心臓を穿つ。

 霊核を貫かれたセイバーは今度こそ消滅する。

 

「ガッ……まったく……今回の聖杯戦争は……中々、クソだったぜ……」

 

「……ランサー、あなたいつでも私たちを殺せたのに……律儀な騎士様なのね」

 

 私はセイバーの消滅を確認すると、後ろを向いてそう言う。

 そう、私たちの後方にはランサーが居たのだ。

 

「……マスターからの命令だ。セイバーを見殺しにしろと」

 

「なるほどね」

 

 確かに、最弱のクラスであるキャスターよりもセイバーを確実に始末した方が良いって訳か。

 

「じゃあセイバーも消滅したし、今から私たちと戦う?」

 

 私はランサーにそう聞いてみる。

 

「……いや私も多少とはいえ消耗しましたし、今夜はここまでにさせていただきます」

 

 そう言ってランサーは霊体化し、どこかへと去って行った。

 

「……キャスター、私たちも帰ろうか」

 

「そうね、そうしましょう」

 

 橘一樹の死体やこのコンテナ置き場の破損の処理は恐らく天野市の教会にいるであろうこの聖杯戦争の監督役に任せよう。

 

 私はそんなことを考えながらM29を懐にしまってこの場を去ろうとした時、凄まじい悪寒を感じた。

 

 とっさに視力を強化し、周りを見てみると……コンテナ置き場から数百メートルほど離れた所にある高層ビルの屋上にスコープの反射光を見つけた。

 

 狙撃手か……狙いは……

 

「キャスター!!」

 

「えっ? ……レイカ?」

 

 私はキャスターを思いっきり突き飛ばす。

 次の瞬間、私の左肩に強烈な痛みを感じた。

 

 そのまま私は地面へと頭から突っ込む。

 立つ気力も湧かない。

 

「あ……キャスター……良かっ……」

 

 キャスターが無事なことを確認した私は意識を手放した。

 

 




ランサー/真名:???

ステータス
筋力:A
耐久:A
俊敏:A
魔力:A
幸運:C
宝具:A++
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