とある家の屋根から戦いを見守っている女がいた。
彼女は神塚麗華を初めて襲った金髪の女性だった。
「まったく、まさか戦力を貸し出すハメになるとはなぁ」
拳銃を手で弄びながらそう呟く。
ただまぁ、十分な見返りはあったから別段構わないが。
自分のマスターの手の甲に追加されているだろうもう一画の令呪を頭に思い浮かべながらそんなことを思う。
「まさか、こんな所で会うとは思いませんでした、バーサーカー」
いつの間にか、彼女の横には槍を構えた金髪の麗人が立っていた。
「騎士王か。お前が何の用だ?」
「貴女の同じですよ。彼らの戦闘の偵察です」
「なるほどな、だがならば何故その槍をこちらに向けている?」
口の端を上げながら、彼女はそう言う。
「偵察中、致し方ない事情があれば戦闘も許すとマスターから許可を貰っています。そして、今は偵察中に敵に合ってしまったという状況。これなら戦闘になっても仕方ないと言うもの……実を言えば一度貴女と戦って見たかったのです、総統閣下殿」
「はっ、なるほど。ならば第二次アシカ作戦と洒落込もうではないか」
彼女は
ここに、語られる事のないもう一つの戦闘が始まる。
「……貴方、誰ですか?
「おう、俺はライダーのクラスで召喚されたサーヴァントなんだが……すまねぇな。なるべく上物の
そう、黒い制服の兵士たちに言う。
「「「了解」」」
新たな主人に従順に返事をする兵士たち。
……いや、ライダーに従順なのではなくて、
「あら、貴方自身は戦わないの?」
「あー、使えるものはなんでも使う。これが俺の方針なものでね。自分が危険を侵さずに利益を得られるならそれに越したことはないだろ? てことで、俺は遠くから指揮を取るからこれでさよならだ」
笑顔でライダーの奴、帰って行ったわね……
さて、残った小銃を持っている三人の兵士をどうにかしないと。
コイツら、さりげなく一騎一騎がサーヴァント並みの霊基を持っている。
油断は禁物だ。
にしても、コイツらがサーヴァントって気はしないし、誰かのスキルで召喚された幻霊か何かなのかしら?
まぁ、コイツらの正体は今は置いておくとしよう。
彼らが銃の照準を
そして、その内の一人の兵士が小銃の引き金を引こうとするが……
「……アサシン、援護は任せたわ」
「闇討ちは僕の得意分野だ、任せてくれ」
その兵士は気配遮断を解いたアサシンの
「あら、
当然、兵士たちは躱そうとするが……
「なっ!?」
足が凍りついていて避けれず、呆気なく氷の槍は兵士たちの霊核を貫く。そして、兵士たちは消滅し、黒い制服の兵士集団は壊滅した。
「……思ったより、呆気なかったわね」
そう呟き、
「キャスター、まだ居るぞ! 油断するな!」
「あっ……」
あの夜のように、
だが、今回は
「ッ……なめないで!」
氷で即席の壁を作り、なんとか防ぐ。
「……囲まれたか」
アサシンの呟きを聞いて、辺りを見回してみると。
「何……これ?」
遠くの屋根には複数の狙撃手の姿が。
そして、路地裏から二十人ほどの兵士が次々と出てくる。
……デタラメにも程があるわよ。