……東京のとある場所。
そこにある何故かほとんどの人が寄り付かない建物の薄暗い部屋に三人の男と一人の少女が話し合いをしていた。
「ふんっ、まさか聖堂教会の連中が我々に泣きついてくるとはな。猫の手も借りたい……いや、異教徒の手も借りたいと言った所か」
と高そうなスーツを着ている青年が皮肉げにそう言い捨てる。
「まぁまぁ、そう言うものでもない。それだけ聖杯戦争とは被害が出るものなのじゃよ」
その青年をかなり歳を取ったと思われる、黒い和服を着ている老人が宥める。
「まぁ、
と赤いドレスに身を包んだ少女が言い放つ。
「お前は気楽で良いな、
と先程の青年が苦笑しながら少女に言う。
「いやぁ、私たちが管理してる土地には問題児が多いもんでね。
「なんだと、テメェ……そこまで言うんなら俺の魔術なんて効くわけはねぇよなぁ!」
「はっ、当たり前でしょ。夢想の名が穢れるから、アンタみたいな田舎魔術師の攻撃なんて喰らうわけないでしょ。良いわ、本当の魔術ってヤツを見せてあげる……!」
両者の周囲は膨大な魔力の渦によって、空間の一部が僅かながら歪む。
大魔術が飛び交う大惨事になるかと思われたが……。
「やめろ、御長老に迷惑がかかる。やるなら外でやれ」
今まで椅子に座っているだけで沈黙を保っていたコートを着ている男がそう言う。
「……まぁ、良いわ。ここは引いてあげる」
と夢想と呼ばれた少女はそう言い、椅子に座り直す。
「たかだか天堂の腰巾着が俺たちに意見するのか?」
「……」
「チッ、まぁ良い」
そして、後藤と呼ばれた青年も椅子に座る。
元の状態に戻った所で老人は口を開く。
「若いもんは威勢が良くて良いのぅ。昔を思い出すわい……まあ、それは良い。さて、聖堂教会の支援要請を我々極東神秘連盟が受けるのに反対するものは居るか?」
……誰一人として、喋る者も手を挙げる者も居なかった。
「ふむ、ならば後で、支援する旨の内容を聖堂教会に連絡しておこう。さて、次の議論に行こう。こちらが本命だ……現天野市のセカンドオーナーの橘家当主を討ち取った神塚を天野のセカンドオーナーに再任命するかどうか……皆はどう思う?」
「後藤家当主として俺は賛成だ。だって麗華の奴、憎き橘を討ち取ったんだろ? なら、問題ないさ」
「夢想家当主として私も賛成です。麗華ちゃんには借りもあるし……ね?」
「私は御長老の判断に従います」
「ふむ、ワシは賛成じゃ。ならば、決まりじゃ。天野の聖杯戦争が終わり次第、神塚家を天野市セカンドオーナーに任命する」
今回の話の内容は三ルート完結後のアフターストーリーに関わってきます