「……やっぱりな」
天野市のとあるビルの屋上から、俺は
スコープに写っているのは、ここから1km離れた別の高層ビルの屋上を警戒しながらまるで何かを……いや、誰かを探しているかのように歩き回っている男女のペアだ。
男の方は知っている。
アイツはアサシンのサーヴァントだ。
という事はあの少女はアサシンのサーヴァントであろう。
……彼らの同盟相手と思わられるキャスターのサーヴァントとそのマスターは近くにはいない。
どこかに隠れているのだろうか?
まぁいい。じきに姿を現すだろう。
やはり、俺の感は正しかったという訳だ。
喜ぶべきなのか、悲しむべきなのやら。
まぁそれはいい。
この戦いは、彼らに近づかれたら俺の負け、彼らが近づく前に彼らを始末出来れば俺の勝ち。
世界大戦とは違い、分かりやすくて結構。
さぁ、戦闘開始だ。
「……麗華、C地点はハズレだね。次は……D地点、最後のビルだね」
萌から連絡が来る。
次が最後のビルだ……恐らくそこにアーチャーとそのマスターがいるはずだ。
「……萌、そこからD地点は見えるよね?」
「うん、見えるよ」
……もし、D地点にアーチャーとそのマスターが居るなら間違いなく、C地点の屋上にいるならもう既に萌達に気づいているはず。
とりあえず、狙撃されないように萌を下がらせるか。
「……萌、あなたが狙撃されるかもしれないからD地点の屋上から見えないところに行って」
「もうそうしてる。私だって頭に風穴を開けられたくないからね」
「それは良かった。あとは……」
アーチャー達が逃げないように牽制をする必要がある。
……アサシン一人にD地点のビルに突撃させるか?
それはリスクが高いかもしれない。
ひょっとしたら、ビル内にトラップが仕掛けられているかもしれない。
これは聖杯戦争、他の人が住んでいるビルだから仕掛けなんてないと判断するのは良くないだろう。
屋上へ続いている階段にクレイモアを設置することぐらい平気でやってのけるかもしれないし……まったく聖杯戦争はイカれてる。
あと、取れる選択肢はアサシンにアーチャーと狙撃戦をすること、だが……。
それこそリスクが高い、というか高すぎる。
かといってアーチャーに対して何もしなければ、私とキャスターがD地点に着く頃には何処かにトンズラしてしまうだろう。
うーん、どうしたものか。
「神塚麗華、聞こえるか?」
電話からアサシンの声が聞こえる。
「君たちがこちらに来る前に僕があのビルに突入する。安心してくれ、策はある。少なくとも、君たちが来るまでヤツらを足止めするくらいなら問題ない」
次話は20日に投稿します