第三話 御三家
〜キャスター召喚の2ヶ月前〜
……徐々に落ち葉が目立ち始めてきた9月。
とある屋敷の庭で一人の女性が庭に魔法陣を書いている。
「……よしっ、これで魔法陣は描き終わったわね。あとは魔法陣に聖遺物を置いてっと……」
そう言うと彼女は魔法陣の中央部分に何かのカケラを置く。
そして……
「…… 告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。
誓いを此処に。
我は常世総すべての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷しく者。
汝 三大の言霊を纏う七天
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
詠唱が終わった瞬間、眩しい光が彼女の視界を襲う。
そして、光が無くなり目を開くと……
彼女の目の前には馬に跨っている金髪の騎士が居た。
鎧を身につけており、その手には聖槍が握られている。
「サーヴァント、ランサー。召喚に従い参上しました。問おう、貴女が私のマスターか?」
この聖槍を持っている英霊は1人しか居ない……勝てる!
この英霊がセイバーで来ないのは意外だったが、逸話を考えればまぁランサークラスの適正もあるだろう。
「そうよ、私が貴女のマスターよ。これからよろしくね、ランサー」
この英霊はイギリス出身のサーヴァントだが、聖杯戦争の開催地である日本でも十分知名度はあるはずだ。
アインツベルン……我らアインホルンの好敵手よ、今度こそ私達のあるべき地位を取り戻させてもらうぞ。
「あぁ……サーヴァント、セイバー。召喚に従って参上した。お前がオレのマスターか?」
魔法陣の真ん中には金髪の不機嫌そうな顔をしている青年騎士が立っている。
触媒を使わずにサーヴァント召喚を行ったが、かの騎士を召喚出来るとは……幸先が良いな。しかも、最優のクラスのセイバーと来た。
「あぁ、俺がお前のマスターだ。早速、戦略を立てるぞ」
さぁ、橘家の願い……根源到達を今度こそ成し遂げるとしようか。
俺は十分に勝ち抜けるはずだ。
魔術師の男は、天野市の地図を机に広げた。
「サーヴァント、バーサーカー。召喚に応じて参上してやったぞ……貴様が私のマスターか?」
魔法陣の中央にはかの帝国の軍服を着た金髪の女性が立っていた。
彼女からは圧倒的なカリスマを持っており、心の弱い人ならすぐに頭を垂れてしまいそうだ。
「はい、私が貴女様のマスターでございます……総統閣下」
「どうやら礼儀は弁えているようだな。では、優等種族の格の違いってやつを劣等種に見せつけてやるぞ、我がマスター」
「えぇ、仰せのままに」
ここに最恐のマスターとサーヴァントの組み合わせが誕生した。
天野市にあるとある教会。
今回の聖杯戦争の監督役が居る教会だ。
その中には、その監督役の神父とその横にスーツを着た男が立っていた。
「神父よ、キャスターのマスターが分かったぞ」
「ほう、仕事が早いじゃないか。で、誰なんだ?」
「神塚麗華……という者だ」
「ほう、神塚、神塚麗華と言ったか?」
「あぁ、そうだ」
二人は邪悪な笑みを浮かべている。
「ハハッ、ハハハハハハッ。神塚の娘よ、この聖杯戦争に勝たねば汝らの願いは叶わんぞ! だが……喜べ、少女よ。お前の願いはようやく叶う」