Fate/repeat night   作:神代リナ

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第六話 戦略

 あの後、家に帰ってからしばらく経った。

 さて、そろそろ今夜からの方針をたてるとしよう。

 

「キャスター、聖杯戦争の戦略を考えよう」

 

「分かったわ」

 

 私はテーブルの上に天野市全体の地図を広げる。

 

「そう言えば……シャーロットさんの家で何か言おうとしてたけど何を言おうとしてたの?」

 

「アレのことはもういいわ。忘れて」

 

「ん、分かった……じゃあ、話を戻そうか」

 

 私はこの家から少し離れた所を赤色のペンで丸く囲む。

 

「ここが天野市のセカンドオーナー、橘一樹(たちばなかずき)が住んでいる場所だよ。まぁ、多分彼はこの聖杯戦争に参加しているでしょうね」

 

「その……カズキって人の実力はどのくらいなの?」

 

 橘一樹の実力か……

 うーん、あんまり会ったことがないからなぁ。あんまり情報が無いなぁ。

 

「えーっとね、時計塔に通っていたことがあって、風属性魔術を使うってことしか知らないんだよね」

 

 場所が分かっている数少ない魔術師ってこともあって積極的に対策を考えたいんだけどね……私があまり魔術師としてのステータスが高くないせいで情報がほぼないんだよね。

 

「カズキはこの土地のセカンドオーナーなのだから多分、この聖杯戦争の開催に関わっているでしょうし、三騎士のいずれかを召喚している可能性が高いわね」

 

 とキャスターが言う。

 

 うんうん、まぁそうだろうね。キャスターの言う通りだろう。

 

「そうだね。そしてこの郊外にある大きな屋敷はドイツの魔術師、アインホルン一族の別荘だね。で、今ここにアインホルンの人が居るのかどうか探るために使い魔を放ってみたら……使い魔が迎撃された」

 

「つまり、誰かが居るってことね」

 

「そう。そしてアインホルンは錬金術を生業とする一族なの。つまり……」

 

 かつて、冬木の聖杯戦争で聖杯作成を担当したアインツベルンもまた錬金術を得意とする一族だったらしい。

 

「聖杯を作り得る存在……ってことね」

 

「そういうこと。そして、冬木の聖杯戦争での御三家に橘とアインホルンが当てはまるってことだね」

 

 大方、遠坂の枠が橘、アインツベルンの枠がアインホルンってところだろうか。

 

「確か、冬木の聖杯戦争において彼ら御三家は他の魔術師より早くにサーヴァントを召喚出来るのよね?」

 

 そんな事も知ってるのか。

 聖杯も結構知識をくれるんだね。

 

「らしいね。そして、多分冬木の聖杯戦争の模倣であるこの地の聖杯戦争もそのルールは同じだろうから……もう、彼らはサーヴァントを召喚しているだろうね」

 

 私達が知りうるこの聖杯戦争の参加者は彼らのみである。

 つまり、今後しばらくの間は彼らと……昨日の夜に遭遇したサーヴァントを最も警戒するべきだろう。

 

「……だから、今日からしばらくの間は橘とアインホルンの屋敷を偵察しよう」

 

「分かったわ。それでいきましょう。それはそうとレイカ、昨日の夜に襲って来たサーヴァントの真名って分からないかしら?」

 

 あー、あのサーヴァントか。

 真名は流石に分からないけど……あのサーヴァントの出身地とどの時代の英霊かかなら分かる。そして、真名候補なら分かるかも。

 

「流石に真名は分からないんだけど、あのサーヴァントがどの地、どの時代出身かなら分かるよ。一応、そこから真名候補は何人か出せるけどまぁこれは参考程度ってとこかな」

 

「一応、教えて欲しいのだけど」

 

「元からそのつもりだよ。……まず、あのサーヴァントは鉄十字勲章を付けていたからドイツ出身なのは間違いないね」

 

「ドイツ……ね」

 

 ……キャスターは何かドイツに因縁でもあるのだろうか? 

 

「そして、あの鉄十字の中心にはハーケンクロイツのマークが刻まれていた。そう、ナチス第三帝国のシンボルであるハーケンクロイツが」

 

「ナチス第三帝国…… (わたくし)の死後に現れたドイツ帝国の成れの果て……」

 

 ……キャスターはドイツ帝国が存在していた時代の英霊なんだ。ふーん、結構最近の英霊なんだ。

 

「で、あのデザインの鉄十字勲章は1939年から1945年の間のみ使われたもの。つまり、あのサーヴァントはナチス第三帝国で名をあげた英霊って事だね。ここから導き出される真名候補だけど……ヒトラーとかゲッペルスとかロンメルとかハイドリヒとか……まぁここら辺かな? ただ、今あげた人達も含むナチス第三帝国でサーヴァントになれるほど活躍した人って全員男性だったはずだけど……まぁここはもう分からない。今分かるのはこんな感じかな?」

 

「聞いといてあれだけ…… (わたくし)はあまり分からないわ。ごめんなさい」

 

「別に構わないよ」

 

 そういえば、キャスターってなんか偵察に有利になる能力とか持ってないかな。

 そしたら今日からの偵察も楽になるんだけど。

 

 ……ステータス、見てみようかな。

 

「……ねぇ、キャスター。ちょっと君のステータスを見てもいい?」

 

「勿論いいわよ。というか別にわざわざ(わたくし)に許可なんてとらなくていいわよ。貴女がマスターなんだから」

 

「まぁ、そうなんだけどさぁ。なんか、こっそりステータスを見るって覗きみたいで嫌じゃん」

 

「はぁ……そういうものですか」

 

「そういうもの。じゃ、早速見てみるね」

 

 えっと……確か……

 パスを意識するんだよね……

 

 こうかな? 

 

 ん、なんか見えた。

 これがサーヴァントのステータスか。

 なんかゲームみたい。

 

 所々、読めないな。

 キャスターが真名を隠そうとしてるからかな? 

 それとも私が未熟だから? 

 まぁどっちでもいいか。

 

 うーん、偵察に使えそうなスキルは無いなぁ。

 まぁ、キャスターだしなぁ。偵察系のスキル持ってるならアサシンだろうし、仕方ないか。

 うん? 陣地作成EX……EX⁈

 




情報解放

キャスター/真名:■■■■■■
マスター/神塚麗華

スキル
陣地作成(EX)
彼女がサーヴァントとして召喚されている間は、一時的に周囲数メートルが「■■■■■の陣地」として機能する。他スキルと重なることで、その陣地は更に拡大していく。

妖精契約(A)
■■■の大地に住む妖精ヴィイとの契約。本来、妖精は不可視の存在であるが■■■■王朝と契約したヴィイは特例で第三者にも視認され、能力も行使できる。

透視の魔眼(D)
バロールを祖とし、直死の魔眼とは別系統の退化を辿った魔眼。■■■■■■の力ではなく、ヴィイの能力。あらゆる結界を打破し、時には城塞の弱点すら見つけ出す。■■■の■■■■はヴィイよりこの能力を授かることで攻城戦において極めて有利に戦ったという。

■■■■■■■(B)
詳細不明

■■■■■■■■(B)
詳細不明

ステータス
筋力:D
耐久:D
俊敏:C
魔力:B
幸運:C
宝具:C

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