ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

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今回で圏内事件編は完結になります

それではどうぞ

P.S.:UA10000突破しました! 本当に皆様ありがとうございます!


21話:すれ違いの愛

私とアスナに連れてこられたグリムロックさんはキリトさんとておさんから3メートルほどの所で立ち止まるとまずシュミットさんを続いてカインズさんとヨルコさんを見て、最後に苔むした小さなお墓を見てから口を開いた

 

「やぁ…久々だね 皆」

 

この場の雰囲気に似つかわしくない低く落ち着いた声の数秒後、ヨルコさんが応じた

 

「グリムロックさん… あなたは本当に…」

 

事前にキリトさんかておさんから説明を聞いたのだろう、ひどく動揺したような様子でヨルコさんはグリムロックさんに訊ねていた

 

その問いかけにグリムロックさんは直ぐには答えず、私達が武器を収めてキリトさんとておさんの元へと向かうのを確認するとようやく微笑が滲んだままの唇を動かす

 

「…誤解だよ 私はただ事の顛末を見届ける責任があろうと思い この場に来ていただけだよ そこのお姉さん方の脅迫に素直に従ったのも変な誤解を生まないようにしたかったからだ」

嘘よ!

 

グリムロックさんの詭弁に反論したのはアスナだった

 

「あなたブッシュの中で隠蔽(ハイディング)してたじゃない! タコミカが看破(リピール)しなければ動く気も微塵もなかったはずよ!」

「仕方がないでしょう 私はただのしがない鍛冶屋だよ 見ての通り丸腰なのにあの恐ろしいオレンジ達の前に飛び出せなかったからと言ってなぜ責められなければいけないのかな?」

 

グリムロックさんはあくまででも穏やかに言い返し、皮手袋に包まれた両手を軽く広げる

 

確かに一応筋は通るけど…どうしてもその雰囲気故に彼がラフコフをこの場に呼んだとしか思えない

 

アスナは再度言い返そうとするがキリトさんに制止させられる

 

「初めまして グリムロックさん 俺はキリトっつう…ただの部外者だけどあんたの言う通り、この場にあんたがいたことと[笑う棺桶(ラフィン・コフィン)]の襲撃を結びつけるものは何もない 奴らに訊いたところで素直に答えてくれる訳ないしな」

 

キリトさんは「でも」と言い言葉を続ける

 

「去年の秋のギルド[黄金林檎]の解散の原因になった『指輪事件』にはあんたは必ず関わっている‥いや主導している なぜならグリセルダさんを殺したのが誰かに関わらず指輪はストレージを共有していたあんたの手元に残ったはずだ その事実を明らかにせず指輪を秘かに換金し、半額をシュミットに渡した これは犯人にしか取り得ない行動だ 故に今回の『圏内事件』に関わった動機もただ1つ…関係者の口を封じ過去を闇に葬り去ることだ 違うか?」

 

キリトさんの言葉を聞いたグリムロックさんの顔に強い陰影が浮かぶがやがて口許が奇妙に歪み、わずかに温度が下がった印象のある声が流れる

 

「成程…面白い推理だね探偵君 …だが残念ながらその推理には1つだけ穴がある」

「何?」

 

反射的に問い返したキリトさんをちらりと見るとグリムロックさんは黒い手袋をはめた右手で頭にかぶっている鍔帽子を引き下げる

 

「確かに君の推理通り、当時私とグリセルダのストレージは共有化されていた だから彼女が殺された時、そのストレージにあった全アイテムは私の手元に残った …しかし」

 

グリムロックさんは抑揚の薄い声でその先を口にした

 

「もしあの指輪がストレージに格納されていなかったとしたら? つまり既にオブジェクト化して彼女が装備していたとしたら…?」

「あっ…」

 

確かに盲点だった…

 

装備しているアイテムはそのプレイヤーが死亡すると無条件でそこにドロップする その為もしもグリセルダさんが例の指輪を装備していた場合、その指輪はグリムロックさんの手元には残らず殺人者の手に渡ることになる

 

動揺した私達の反応に好機を感じたのかグリムロックさんの口角が少し上がるのが見えたが直ぐにその表情が消え、額に右手の指先を当てながら悼むように首を動かす

 

「…彼女…グリセルダはスピードタイプの剣士だった あの指輪の効果である凄まじい敏捷補正を売却する前に少しだけ体感したくなったとしても可笑しくないだろう? いいかな 彼女が殺された時、確かに彼女との共有のストレージに格納されていたアイテムはすべて私の手元に残った しかしそこにはあの指輪は存在しなかった そういうことだよ 探偵君」

 

現状でグリムロックさんの主張を論破するような材料が存在せず、もしそれがあるとするならグリセルダさんを殺したラフコフのメンバーだろう…まぁ話を聞くのは無理だろうけど…

 

黙り込んだままの私達に向け、グリムロックさんは帽子の鍔を軽く持ち上げるとぐるりと見まわして慇懃に一礼をする

 

「では私はこれで失礼させてもらうよ グリセルダ殺害の首謀者が見つからなかったのは本当に残念だがシュミット君の懺悔だけでも彼女の魂を一時は安らげてくれるだろう」

 

そしてグリムロックさんがこの場を去ろうとした時、ヨルコさんが短くも烈しさを秘めた声を投げかけた

 

「待ってください…いや、待ちなさい グリムロック」

 

その声に足を止めたグリムロックさんはわずかに顔をこちらに向け、厭わしそうな視線をヨルコさんに向ける

 

「まだ何かあるのかな? 無根拠且つ感情的な糾弾なら遠慮してくれ、私にとってもここは神聖な場所なのだから」

 

滑らか且つ傲然に言い放った彼に対し、ヨルコさんは一歩踏み出すと両手を胸の前に持ち上げて一瞬底に視線を落とすと再び正面を向いて強靭な光を目に浮かべながらグリムロックさんに言葉を浴びせた

 

「グリムロック、あなたこう言ったわよね リーダーは問題の指輪を装備していた だから転送されず殺人者に奪われたのだと でもね…それは有り得ないのよ」

「どんな根拠で?」

 

ゆっくりとに向き直ったグリムロックさんに対してヨルコさんは先ほど同様苛烈な声で続ける

 

「ドロップしたあの指輪をどうするか、ギルド全員で話し合った時の事 あなたも覚えているでしょう? そこで私、カインズ、それにシュミットはギルドの戦力にする方がいいと言って反対したわ その席でカインズが本当は自分が装備したかったはずなのにリーダーを立ててこう言ったわ ―――[黄金林檎]で一番強いのはリーダーだ だからリーダーが装備したらいい と」

 

ヨルコさんの隣でカインズさんがややばつが悪そうな顔をしたがヨルコさんはそれを気にせず身振りを交えながら続ける

 

「それに対してリーダーがなんて答えたのかは今でも鮮明に思い出せるわ あの人は笑いながらこう言った ―――SAOでは指輪アイテムは片手に1つずつしか装備できない 右手のギルドリーダーの印章(シギル) そして…左手の結婚指輪は外せないから私には使えない いい? あの人が片方の内どちらかを外してレア指輪をこっそり試すなんて真似はできるはずがないのよ!」

 

鋭い声が響くとヨルコさん以外の私達は小さく息を呑んだ

 

確かにヨルコさんの言う通り指輪アイテムは片手に1つずつしか装備できないので既に2つを装備していたら新しく指輪は装備できない

 

でもそれだけだと心無い気がするがどちらかを解除すればいいだけなので弱い気がする…

 

そんな私の思ったことをグリムロックさんは代弁するように低く呟く

 

「何を言うかと思えば… ()()()()()()()? それを言うならまずこう言ってもらえるかな グリセルダと結婚していた私が彼女を殺すはずがない…と 君の言っていることは根拠のない糾弾そのものだ」

「いいえ」

 

それに対しヨルコさんは囁くように答え、首を大きく横に振った

 

「根拠だったらあるわ …リーダーを殺した実行犯は殺害現場となったフィールドに不要だと判断したアイテムをそのまま放置していった そしてそれを発見したプレイヤーが幸いリーダーの名前を知っていて、遺品をギルドホームまで届けてくれた だから私達はここを…この墓標をリーダーのお墓にすると決めた時、彼女の使っていた剣を根元に置いて、耐久度が減少して消滅するのに任せた …でも それだけじゃないの みんなには内緒にしてたけど…私はもう一つだけ 遺品をここに埋めたの」

 

そう言うや否やヨルコさんは振り向いて直ぐ近くの墓標の裏に跪くとそこの地面の土を素手で掘り始めた

 

私達がその様子を見ているとやがてヨルコさんは銀色に輝く小さな箱を持って立ち上がるとそれを右手に乗せて差し出した

 

「それってもしかして…〖永久保存クリケット〗…!?」

 

アスナが小さく叫んだそれはマスタークラスの細工師のみが作ることが出来るということを聞いたことがある耐久度無限という恐るべき保存箱である

 

この中に入れたものはたとえフィールド上に放置しようと消滅することはなく存在し続けるがその大きさは最大でも10センチ四方の為入れられるとしたら指輪やイアリング程度のものだろう

 

ヨルコさんがそれの蓋を左手で持ち上げると中には白い絹布の上に鎮座している2つの指輪があった

 

その片方の銀製で大型の見覚えのあるが平らになっている天頂部には林檎の彫刻がされている指輪…ギルド印章(シギル)をヨルコさんが持ち上げると口を開く

 

「これはリーダーがいつも右手の中指に装備していた[黄金林檎]の印章(シギル)よ 同じものを私も持っているから見比べればすぐに解るわ」

 

それを箱の中に戻してもう一方の黄金に煌めく細身のリングを取り出した

 

「そしてこれが―――彼女がいつでも左手の薬指に嵌めていた あなたとの結婚指輪よ グリムロック! 内側にはしっかり貴方の名前が刻んであるわ! …この2つの指輪がここにあるということはつまり、リーダーがポータルで圏外に連れ出されて殺されたその瞬間、両手にこれらを装備していたという揺るぎない証拠よ! 違う!? 違うなら何か反論してみせなさいよ!!」

 

最後の方は涙交じりの絶叫でヨルコさんは大粒の涙を零しながらも金色の結婚指輪を真っ直ぐグリムロックに突きつけた

 

しばらく口を開く者は現れず、私達はただ対峙している2人の様子を見守っていた

 

グリムロックさんは口許を小さく歪ませたまま10秒以上も凍り付いていたがやがて唇の端が細かく震え、きつく結ばれる

 

「その指輪… 確か葬式の日に君は私に訊いたね ヨルコ グリセルダの結婚指輪を持っていたいかと そして私は剣と同じく消滅するのに任せると答えた あの時私が欲しいと言っていれば…」

 

深く俯いたグリムロックさんは帽子の広い鍔で顔を隠し、まるで糸が切れたかのように膝をついた

 

ヨルコさんは金色の結婚指輪を箱に戻すと蓋を閉め、胸の前に掻き抱くと天を振り仰ぎ濡れる顔を歪ませて鋭さの消えた声で囁いた

 

「…なんで…なんでなの グリムロック どうしてリーダーを…奥さんを殺してまで指輪を奪ってお金にする必要があったの…?」

「金…? 金だって…?」

 

グリムロックさんは膝立ちのまま掠れた声で「く、く」と笑う

 

左手を振りウィンドウを操作するとやや大きめの革袋をオブジェクト化した

 

それを無造作に投げるようにして地面に置くと鈍い音の後、澄んだ金属音がいくつも重なるようにして鳴る

 

私はその中身が相当な額のコル金貨であると直ぐに解った…恐らく指輪を打ったときに発生したお金のシュミットさんに渡さなかった分だろうと予想できるがそれにしてはあまりにも減っていないと思った

 

「これはあの指輪を処分したときに発生した金の半分だ あの時から金貨1枚だって使っちゃいないさ」

「え…?」

 

戸惑った様子のヨルコさんを見上げると次に私達を順番に見まわしたグリムロックさんは乾いた声で言った

 

「金の為などではない 私は…どうしても彼女を殺さねばならなかった …彼女がまだ私の妻でいる間に」

 

グリムロックさんは丸眼鏡を小さな墓標に向けると直ぐに視線を外して続ける

 

「グリセルダとグリムロック 頭の音が一緒なのは単なる偶然ではない 私と彼女はSAO以前にプレイしていたネットゲームでも常に同様の名前を使っていた そしてシステム的に可能ならば必ず夫婦だった… なぜなら…なぜなら 彼女は現実でも私の妻だったからだ」

 

私はグリムロックさんの発言に思わず息を呑んだ

 

「私にとっては一切の不満もない理想的な妻だったよ 可愛らしく、それでいて従順でただの1度も夫婦喧嘩もしたことがなかった …だが…この世界に囚われたのち…彼女は変わってしまった…」

 

グリムロックさんは帽子に隠れた顔を左右に振ると低く息を吐く

 

「強要されたデスゲームに怯え、疎み、怖れたのは私だけだった 一体彼女のどこにそんな才能があったのか… 戦闘能力においても、状況判断力においてもグリセルダ…いや ユウコは私よりもはるかに上回っていた それだけではない 彼女は私の反対を押し切ってギルドを立ち上げ、メンバーを募り、鍛え始めた 彼女は現実にいた時よりも遥かに生き生きとし…充実した様子で… その様子を傍らで見ながら私は確信したのだ 私の愛したユウコは消えてしまったのだと… 例えゲームがクリアされ現実に戻れる日が来たとしても前の大人しく従順な妻だったユウコはもう永遠に戻ってこないのだと」

 

長衣の肩が小刻みに震え、囁くような声で続ける

 

「…私の畏れが君たちに理解できるだろうか…? もし現実世界に戻った時…ユウコに離婚を切り出されでもしたら…そんな屈辱に私は耐えることが出来ない …ならばいっそ私が彼女の夫でいる間に、合法的に殺人が可能なこの世界にいる間に ユウコを永遠の思い出に封じてしまいたいと思った私を…誰が攻められるだろうか…?」

 

長く、それでいておぞましい自白が途切れた後も誰も言葉を発しなかった

 

 

しかしておさんが唐突にその沈黙を破るようにしてグリムロックさんに向かって怒りの表情を向け、怒鳴った

 

ふざけんな! たったそれだけの理由で…あんたは奥さんを殺したのかよ!?」

 

そして殴りかかろうとしたので私は全力で止める

 

幸い私の方が筋力パラメータは上なので止めることが出来、私に抑えられて少ししたら頭が冷えたのか大人しくなった

 

まぁ気持ちは解らなくもないけど今ここで彼を殴ったとしても何の解決にもならない

 

 

そんなておさんと私のやり取りをよそにグリムロックさんは囁きかける

 

「それだけの理由…? 違うな 十分すぎる理由だ 君達にもいつか解るよ 愛情を手に入れ、そしてそれが失われようとした時にね」

 

その言葉に私はておさんを離すと軽く俯きながら口を開く

 

「そんな愛情なら私は最初からいらない…そもそもそれは愛情じゃない それはただの所有欲だ!

 

最後はグリムロックさんの顔をしっかりと見据えて叫んだ

 

そんな私の叫び声に呼応するようにアスナが静かに告げた

 

「彼女の言う通りよ もし仮に違うと言うのならその左手の手袋を外してみせなさい グリセルダさんが死ぬ時まで絶対に外そうとしなかった指輪をあなたは既に処分してしまっているのでしょう?」

 

グリムロックさんは右手で左手を掴み、放そうとしなかった…つまりそれが意味することは…

 

 

そこから再び沈黙が訪れたが今回その沈黙を破ったのはここまで黙っていたシュミットさんだった

 

「…4人共 この男の処遇は俺達に任せてくれないか 元GAのメンバーとして絶対に私刑にかけたりはしない だが必ず罪は償わせる」

 

その声にはもう怯えた様子はなく、鎧を鳴らしながら立ち上がるとキリトさんは小さく頷いた

 

「解った 任せるよ」

 

シュミットさんは無言で頷き返すとグリムロックさんの右肩を掴んで立ち上がらせ、しっかりと確保すると「世話になったな」と言い残して丘を降っていった

 

それに続いて小箱を埋め戻したヨルコさんとカインズさんも続き、私達の横で立ち止まると深く一礼をし、ちらりと眼を見交わすとヨルコさんが口を開いた

 

「アスナさん タコミカさん キリトさん テオロングさん 本当に何とお詫びを…そして何とお礼を言ったら良いか…皆さんが駆け付けてくれなければ 私達は殺されていたでしょうし…『指輪事件』の真実も暴くことが出来なかったと思います」

「いや… あれは最後に、あの2つの指輪のことを思い出したヨルコさんのおかげだよ 見事な最終弁論だった 現実に戻ったら検事か弁護士になるといいよ」

 

キリトさんの言葉にヨルコさんはクスリと笑うと肩をすくめる

 

「いえ… 言っても信じてもらえないかもしれないですけど あの時リーダーの声が聞こえた気がしたんです ―――指輪のことを思い出して って」

「…そっか…」

 

ヨルコさんはもう一度深々とお辞儀をするとシュミットさんの後に続いて丘を下りて行った

 

私達はその場に立ったまま静かに見守り続けた

 

 

やがて4つのカラーカーソルが主街区方面に消えていくのを見届け、しばらくするとアスナとキリトさんが話をしているのが見えた しかし内容までは聞こえなかったが結構いい感じだったので私は安心する

 

「何というか…喧嘩するほどっていう奴ですかね」

「まぁ そうだな~ 昨日までのあれは何だったのかって思うほどだな」

 

2人のことを茶化しつつも私はふと気になったことをておさんに訊ねた

 

「ておさん…もし仮にですよ? 結婚した相手に隠れた裏の一面って言うんですか…? それが見つかった時…あなただったらどうしますか?」

 

私がそう訊ねるとておさんは「う~ん…」と腕組をしてしばらく考えると答えた

 

「嬉しい って思っちゃ変か?」

「どういう意味ですか?」

「いやさ 相手がそういった一面も見せられるほど自分のことを信じてくれているって思ったらさ… 嬉しいじゃん?」

「…フッフフフ…」

 

ておさんの答えを聞いた私は思わず笑ってしまう …やっぱりておさんはておさんだな…

 

「なんで笑うのさ…」

「ごめんなさい… でもやっぱり私の眼は間違っていなかったなって思いまして…」

 

私が目元の涙をぬぐいながら言い、キリトさんとアスナに合流しようと思った時、ねじくれた枯れ木の根元にポツンとある、苔むした小さな墓標の所に薄い金色に輝き、半ば透き通っている女性プレイヤーの姿があった

 

ておさんもそれに気が付いたのか視線が釘付けになっていた

 

そしてもう一度そちらに視線を向けると先程の女性プレイヤーの姿はなかった…

 

 

しばらく私達は立ち尽くしていたが気持ちを切り替えるようにしてアスナが微笑みながら言った

 

「…さてと 前線から2日も離れちゃったから明日から頑張らないと…」

「…そうだな 今週中に今の層は突破したいな」

「そうですね グリセルダさんの為にも今は前に進みましょう」

「あぁ そうだな そして見守っててください…グリセルダさん」

 

私達の声がグリセルダさんに届いたのかどうかはわからないけどきっと届いたのだと信じたい

 

そして私達は昇ってきた朝日を背にして小さな丘を降ると主街区に向けて歩き始めた




タコミカはちょっとだけロマンチストです


次回から心の温度編へと入ります

それではまた次回に
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