ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

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今回は前半タコミカサイドで後半はたまぶくろサイドになります

それと久々に彼女が登場します(まぁ皆さんご存じとは思いますが)

それではどうぞ


22話:昔馴染みの鍛冶屋さん

第48層主街区<リンダース>

 

 

ここでは私の親友の1人が鍛冶屋を経営している

 

今日も武器のメンテナンスをしてもらおうと水車が目印のお店へと向かう

 

 

そしてそのお店…リズベット武具店へと到着すると一応裏口の方を確認しておく

 

理由は簡単で閃光様が偶に裏口から入ろうとするからである

 

何度も注意はしているものの全然表から入ろうとしない…

 

私の予想通り彼女が裏口から入ろうとしていたので私は後方から彼女を掴んで止める

 

「わっ!?」

「アスナ… 何度も言ってるんだけど? 何でいっつも裏口から入ろうとするのさ…」

「だってこっちからの方が直ぐにリズに会えるし…」

「もしリズが武器を作ってるところだったらどうするの…」

「うぅ…」

 

ちょっと気まずい雰囲気になったが私は特に気にすることなく彼女を連れてお店の表から入るといつも通りNPCの店員さんが出迎えてくれた

 

私はいつも通りその店員さんにリズを呼んでもらうようにお願いすると奥からエプロンドレスを着たピンク髪のリズが姿を現した

 

「いらっしゃい アスナ タコミカ」

「おはよ リズ」

「やっほ~ リズ」

 

軽く挨拶を済ませるとリズが用事を聞いてきた

 

「…で 今日も武器のメンテ?」

「うん お願いできる?」

「あ 私もお願い」

 

私が背中から鞘ごと両手剣を外してカウンターに置くとアスナも腰からレイピアを鞘ごと外し、カウンターに置いた

 

リズはまず私の両手剣を手に取るとわずかに刀剣を取り出して吟味すると鞘にしまい、続いてアスナのレイピアを手に取ると同様に吟味して鞘にしまった

 

「タコミカの方は確かに必要だけどアスナの方は研ぐにはまだ早いんじゃない?」

「そうだけどピカピカにしておきたいのよ」

「ふぅん…?」

 

リズはそう呟くとアスナを頭からつま先まで見やる

 

「なぁんか怪しいなぁ? それによくよく考えたら今日は平日じゃない? タコミカはあれだけどアスナが休むなんて珍しいじゃない」

「ちょっと? それはどういう意味?」

「あんたって基本自由人っていうところがあるじゃない」

「むむむ… まぁ間違っちゃいないけどさ…」

 

私は頬を膨らませながらも答える

 

「それで…アスナはどうなの? 確か63層の攻略が行き詰ってるって言ってたじゃない?」

「んー 今日はオフにしてもらったのよ ちょっと人と会う約束ができたから…」

「へぇぇ?」

 

アスナがどこか照れたような笑みを浮かべながら答えるとリズはカウンター越しにアスナに詰め寄る

 

「詳しく聞かせなさいよ だれと会うのよ」

「ひ…秘密!」

 

アスナが顔を赤くしながらそっぽを向くと代わりに私に対して訪ねてきた

 

「タコミカ あんたは知ってるでしょ 誰なのよ?」

「知ってるよ~ え~っとねぇ…」

駄目ぇ!「むぐっ!」」

 

私が発言しようとすると大慌てでアスナが私の口を塞ぐ

 

その様子を見ていたリズが腕組みをしながら頷くと言った

 

「成程ねぇ… あんたこの頃妙に明るくなったと思ったらとうとう男ができたかぁ」

「ベ…別にそんなんじゃないわよ!」

 

アスナはますます顔を赤くして否定するが軽く咳払いをするとリズを横目で見ながら呟いた

 

「私…そんなに変わったかな…?」

「そりゃあね タコミカに紹介してもらったときは本当に"攻略の鬼"っていう感じでさ ちょっと張り詰めすぎなんじゃないかって思ったときもあるけど 春先から少しずつ変わってきたよ 大体平日に休むなんて前のあんただったら想像すらできなかったよ」

「そ…そっか …やっぱり影響受けてるのかな…」

「…誰なのよ? アタシの知ってる人?」

「知らないと思うけど…どうだろ…」

「今度連れてきなさいよ」

「本当に全然そんなのじゃないの まだ全然…その…一方通行だし…」

「へぇ~!」

 

確かにキリトさんへのアプローチはアスナが一方的にやっているという感じがする

 

SAOで5本の指に入るほどの美人である彼女のアプローチに気付かないキリトさんにも少し問題はあるけど…

 

「なんだかね~ 変な人なの」

 

アスナはうっとりとした表情で宙を見ながら言う 口元には微笑が浮かんでおり、まるで夢見る乙女のような感じがした

 

「掴みどころがないっていうか… マイペースっていうか… でもその割には強いし…」

「あんたより強いの?」

「もう 全然 デュエルしても1分も持たないよ」

「ほほう? それはかなり限られてきますなぁ…」

 

リズが手を当てながら考え始めるとアスナが慌てて両手を振った

 

「想像しなくっていいって!」

「まぁ そのうち会わせてもらえることを期待しますか でもそう言うことならウチの宣伝よろしく!」

「しっかりしてるねホント 紹介はしておくけどね」

 

アスナがそう言うと鐘の音が聞こえてきた

 

「…あ やば 早く研磨お願い!」

「はいはい 直ぐに研ぐからちょっと待ってて」

 

 

リズが私達の武器を工房に持って行き、少しすると再び私達の武器を持って帰ってきた

 

私達はそれぞれ自分の武器を受け取ると100コル銀貨を1枚ずつリズへと手渡した

 

「毎度!」

「じゃぁ 私 急ぐからこれで」

 

アスナは腰にレイピアを吊ると入口へと急いで向かって行った

 

そんな彼女に対してリズは小さく呟いた

 

その内容は私達には聞こえなかったがアスナは足を止める

 

「どうしたの?」

「ううん 何でもない うまく彼とやりなさいよ?」

「も~! だからそんなのじゃないって! じゃぁね」

 

アスナはそう言うと今度こそお店から飛び出していった

 

 

アスナがお店から飛び出して行ってからしばらくすると私に声をかけてきた

 

「で…あんたは行かなくていいの?」

「もうそろそろ行くよ?」

「そう じゃぁあたしも工房に籠るとしますか」

「そっか 頑張ってね」

 

私は応援の言葉をリズにかけると店を後にしようと背中に両手剣を吊り、扉へと向かう

 

「タコミカ」

 

その途中でリズに呼び止められたので思わず振り返る

 

「何? リズ」

「あんたも彼氏とうまくやりなさいよ?」

「へ!?」

 

完全に不意打ちだったので思わず顔が熱くなる

 

あんまり話題には出さなかったつもりなのに…

 

 

そして私はお店を後にしながら女性は恋をするとより美しくなるという言葉を頭のどこかに思い浮かべていた

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDE:たまぶくろ

 

 

 

ある日、リズにいつも通り武器を研いでもらおうと<リンダース>に訪れた僕は何やら迷った様子のキリトを発見した

 

「何やってるんだ?」

 

僕がそう声をかけるとあちらも気が付いたようでこちらに寄ってきた

 

「丁度良い所に! なぁ たま リズベット武具店の場所分かるか?」

「分かるけど… 訊かなかったのか?」

「ついさっきうっかり聞き忘れてることを思い出して…」

 

頬を掻きながらそう答えたキリトに対して僕はため息をつきつつも口を開いた

 

「はぁ… じゃぁ一緒に行く? 丁度僕も用事があったし」

「いいのか? 悪いな」

 

そしてキリトを連れて僕はリズベット武具店へと向かった

 

道中でふとキリトに訊ねた

 

「そういえば…何でまたリズベット武具店に?」

「アスナに紹介されたんだよ」

「成程… 因みに武器のメンテ?」

「いや 新しい武器が欲しいんだよ」

「どうしてだ? お前既に武器持ってるだろ? しかも魔剣クラスのものを」

「えっと… ほら 万が一折れたりしたら大変だろ? だから予備用のものを持っておきたくて」

 

キリトは何故か視線を泳がせながら俺の質問に答えているとリズベット武具店が見えてきた

 

「見えてきた あの水車が目印だよ」

「おぉ! 有難う」

 

改めてリズベット武具店を見てみると店先のポーチにある揺り椅子で寝ている女店主の姿が見えた

 

「寝てる…のか?」

「ちょっと起こすわ」

 

キリトにそう告げ、僕はリズの元まで向かうとそっと肩を揺らしながら穏やかな声で起こす

 

「リズ~ お客さんだぞ~」

 

何回か肩を揺らしているとリズが目を開け、その直後まるでばね仕掛けの玩具のように飛び上がりながら起きた

 

「えっ!? は…はい! ごめんなさい!」

「わわっ!?」

 

僕はその様子を唖然とした顔で見てしまう

 

「あれ…?」

 

辺りを見回した彼女は僕を確認すると咳ばらいをした

 

「いらっしゃい たま 今日はどうしたの?」

「武器を研いでほしいのと…お客さんを案内してきた」

「ど…どうも…」

 

僕はキリトの方を向くとキリトは軽くお辞儀をした

 

 

リズは改めて僕たちを店内へと案内し、キリトを片手剣の棚へと案内する

 

「片手剣はこちらの棚になりますね」

 

しかしキリトは困った様子で微笑みながら言った

 

「あ、えっと… オーダーメイドをお願いしたいんだけど…」

 

それにリズは営業的口調で申し訳なさそうに言った

 

「只今少し金属の相場が上がっておりまして… 多少お高くなってしまうと思うのですが…」

 

それに対してキリトは平然と言い放つ

 

「あ~ それに関しては心配しないで 今作れる最高峰のものを作って欲しいんだ」

「と言われましても… 具体的にどのぐらいを目標としているかを出していただけないことには…」

 

キリトはそれに対して軽く頷く

 

「それもそうだな じゃぁ…」

 

そして背中に背負っている剣を細い剣帯ごと外すとリズに差し出した

 

「この剣と同等以上の性能…ってことでどうかな」

 

リズはそれを受け取ると危うく落としそうになるが何とか耐え、恐る恐るという感じに刀身を抜き出してほとんど漆黒に近い刃を確認するとそれを指先でクリックして性能を確認する

 

その剣をキリトに返すとカウンターまで向かい、店の正面奥に掛けていた1本のロングソードを外してカウンターに置くと鞘から抜く

 

「これが今うちにある最高峰の武器よ 多分 その剣に劣ることはないと思うわ」

 

キリトはその剣を持ち上げて何回か降るがどうやら微妙だったらしく首を傾げていた

 

「少し軽いかな?」

「…使ったインゴットがスピード系のものだから…」

「うーん…」

 

どうしてもしっくりこないと言わんばかりな顔をしながらも何回か降っていたがやがてリズに視線を向けた

 

「ちょっと試してもいいか?」

「? 試すって?」

「耐久力をさ」

「おい馬鹿 やめろ」

 

僕は咄嗟に止めようとするがキリトは聞かず、左手に持ったままの魔剣を抜くとカウンターの上に横たえるとその前に立ち、右手に握った赤い剣を振りかぶる直前でリズはキリトを止めた

 

「ちょっとちょっと! そんなことしたらあんたの剣が折れちゃうわよ!」

「折れるようじゃダメなんだ もし仮に俺の剣が折れた場合はその時さ」

「な…」

「ま…待て! 今ならまだ間に合うから…!」

 

僕は最悪の事態を予想したので止めようとするがキリトは完全に無視してソードスキルを放った

 

「せいっ!」

 

物凄い速さで振り下ろされ、剣と剣同士が眩い光を放ちながら物凄い衝撃音を立てる…

 

その瞬間、リズの作った剣の方が真っ二つに折れた

 

…だから僕はあれほどやめろと…

 

うぎゃああああ!?

 

一連の流れを見ていたリズは悲鳴を上げるとキリトの右手にしがみつき、残った剣の下半分をもぎ取ると必死に眺めまわすが…

 

「…修復…不可…」

 

どうやらもう手遅れだったらしくがっくりと肩を落としていた

 

その直後に追い打ちをかけるようにして剣がポリゴン片になり消滅した

 

数秒間の沈黙を経てゆっくりとリズは顔を上げる

 

「な…な…」

 

そしてキリトの胸ぐらを掴むと怒鳴りつけるように叫ぶ

 

何すんのよこのーっ!? 折れちゃったじゃないの!

 

キリトはその気迫に押されたのか顔を引きつらせながら答えた」

 

「ご…ごめん! まさか当てたほうが折れるとは思わなくって…!」

 

やめろやめろ 煽るな煽るな

 

「それはつまり 私の作った剣が予想以上にやわかったっていうワケ!?」

「えー あー まぁ… うむ そうだ」

「開き直りやがった!」

 

僕は思わず叫ぶとリズは掴んでいた服を離し、今度は自身の腰に手を当てて胸を反らせる

 

「言っておきますけどね! 材料さえあればあんたのその剣なんてぽきぽき折れる様な武器はいくらでも鍛えられるんですからね!」

「…ほぉ? それは是非ともお願いしたいねぇ この剣がぽきぽき折れる奴をね」

 

キリトはカウンターに置いてあった自身の剣を鞘に納めるがもう取り返しがつかないところまで来てるし2人のことをただ見ていることしかできない僕の心情を理解してほしい

 

「そこまで言ったからには全部付き合ってもらうわよ! 金属を取りに行くところから何もかもをね!」

「…そりゃぁ構わないけどさ 俺だけで行った方が良いんじゃないか? 足手まといは御免だぜ」

「むき~っ!!」

 

只今ストレスマッハなんですがそれは…

 

リズはまるで駄々をこねる子どものようにバタバタと両腕を振りながら抗弁する

 

「馬鹿にしないで欲しいわ! これでもマスターメイサ―も兼ねてるんですからね!」

「ほほ~う」

 

キリトはリズの抗弁を聞くと口笛を吹いた… 完全に遊んでるな…

 

「そう言うことなら腕前を見せてもらおうかな ―――一先ずさっきの剣の代金を…」

「要らないわよ! その代わりあんたの剣より強いのが出来たら うんとふんだくってやるんだから!」

「どうぞ ご自由に ―――俺の名前はキリト 剣ができるまでの間、ひとまずよろしく」

 

キリトに対してリズは腕を組みながら顔をふいっと背けながら言った

 

「よろしく キリト」

「うわ いきなり呼び捨てかよ まぁいいけどさ よろしく()()()()()

「むか!」

 

やめろ一応パーティ組むんだから険悪になるな

 

でも僕はこれ以上の長居は不要だと思いゆっくりと店の出口の方へと向かおうとした

 

「じゃぁ… 僕はこの辺で…また武器の研磨は日を改めて…ということで」

 

しかしそんな僕の両肩を2つの手がしっかりと掴んだ

 

「どこに行くつもりかしら? たま まさかこいつと一緒に行けなんて言わないわよねぇ?」

「そうだぞ まさか俺達を置いて帰ろうなんて思っていないよな?」

「…アッハイ…」

 

こうして僕もキリトの武器用の素材を入手しに無理やり行くことになった

 

…因みに武器の研磨は普通にやってくれた




リズベット武具店の常連(オリキャラ勢)

タコミカ、テオロング、意識、朱猫、たまぶくろ

テオロングと意識と朱猫はタコミカの紹介で常連になりました


それではまた次回に
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