ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

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今回は視点がころころと変わります

それではどうぞ


27話:笑う死戦 前編

ラフコフのアジトへと到着した私達はまず出入口を塞ぎ、準備を万全にしてから彼らが根城にしている洞窟内へと入っていく

 

しばらく歩いていると先頭を歩くディアベルさんが振り向いて声を上げた

 

「今回の作戦はあくまででも捕縛が目的だ でも彼らはレッドプレイヤー…和解の余地なしだと判断したら一切躊躇せず交戦してくれ それと…この場所はいわば彼らの独壇場だ その為周囲には十分警戒しておいてほしい」

 

その言葉により一層空気が引き締められるのを確認したディアベルさんは「じゃぁ行こうか」と言って前に向き直り、再び進み始める

 

 

そこからしばらく進んだところで殺気を感じて咄嗟に上を向き、武器を抜くのと同時にリオンさんが叫んだ

 

来るぞ! 全員構えろ!!

 

リオンさんが叫ぶと何人ものオレンジプレイヤー達が襲い掛かってきたので他の人達も遅れて武器を手にする

 

不意は突かれたが幸か不幸か警戒していたおかげで直ぐに体制を立て直し、各自交戦状態に持ち込んだ

 

そして私もこちらへと向かってきた一人のプレイヤーと交戦する

 

「死ねやぁ!」

「せいっ!」

 

振り下ろしてきた武器を〖ディプリーション・ブレード〗で防ぎ、≪風廻≫で防いでいた武器を蹴り飛ばして無防備になった腹にパンチを入れる(ソードスキルは発動しないように細心の注意は払って)

 

「ぐえっ!」

 

するとそのままダウンしたためポーチに入れていたロープを取り出してきつく縛る

 

そしてその場を後にしようとした時、ふと背後から声が聞こえてきた

 

「いや~ 探しましたよ "彩姫"さぁん」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDE:朱猫

 

 

 

ラフコフが奇襲を仕掛けてきてからは意識と連携して〖雷毒剣〗を使い、目に付いたラフコフの面子を片っ端から無力化していった

 

「てめぇ…!」

「麻痺毒を扱えるのがそちらだけの特権だとは思わないことだね」

 

フード越しにこちらを睨みつけてくるのをよそに私は武器を取り上げるとロープを取り出して念のため縛り上げる

 

「サンキューな! 朱猫ちゃん!」

 

そう言ってくる野武士面のサムライに軽く手を振り、再び駆け出そうとした時、咄嗟に殺気を感じ取って急いで振り向くと目の前まで迫ってきていたダガーを回避する

 

「おいおい… あの至近距離を避けるって反射神経半端ねぇな」

 

ダガーが飛んできた方向を睨みつけると袋頭のプレイヤー…ジョニー・ブラックがこちらにゆっくりと向かってきていた

 

「ジョニー・ブラック…!」

「俺も幸運だよな まさか"蒼い彗星"サマに会えるとはなぁ」

「私は会いたくはなかったけどね」

「そうつれねぇこと言うなって てめぇを麻痺らせたらたっぷり可愛がってやるからよ」

 

如何にも路地裏にいそうな不良みたいなことを言いつつ奴は器用に毒ナイフを指でクルクルと回すと早速仕掛けてきた

 

「おらっ!」

 

それを回避して攻撃しようとするがこちらの攻撃も回避される

 

「やっ!」

「おっと あぶねぇあぶねぇ 一発喰らえばアウトだからなぁ… やりにくいったらありゃしねぇ」

 

お互いに距離を取るとこの乱戦状態には似つかわしくない膠着状態へと突入した

 

ふと視線を逸らすと()()()()()が見えたので奴にばれないように短く合図を出す

 

それが終わり、奴に考える時間を与えない為奴に向けて走り出すとあちらも同じようにこちらに向けて走り出した

 

そうしてお互いに攻撃をしようとしたが互いの短剣がぶつかり、思いっきり鍔迫り合いになる

 

しかし奴の方が筋力は上なのか徐々に押されていく

 

「ぐぐぐ…」

 

そして一気に押し込まれたので私はバランスを崩したが咄嗟に軽業スキルを使用して回避するとジョニー・ブラックが私のいたところにナイフを突き出しているのが見えた

 

「てめぇ! 避けてんじゃねーよ!」

「あれは避けるでしょ 普通」

 

奴は攻撃が当たらなかったことに苛つきながらこちらを見たので私は呆れながら答える

 

「でもそのままよけ続けてもいずれ体力切れんじゃねぇか? 筋力は俺の方が上みてぇだしこのままだといずれ攻撃が当たるぜ?」

「まぁそうね ()()()()()()()いずれ攻撃が当たるかな」

「あん? てめぇそれはどういう…」

 

私がそう言うと()()()()()()()の部分が引っかかったのか私に訊ねてきたがその前に()()()()()が奴に向けて攻撃を仕掛けた

 

こちらに気を取られてくれたおかげで攻撃はしっかり入り、奴は麻痺でダウンしてくれた

 

「てめぇ… 気を取られてる隙に背後から攻撃とか卑怯だぞ…!」

「この手を散々使ってきたお前にだけは言われたくないな ジョニー・ブラック」

 

意識はため息をつきながらこちらを睨んでくる奴に向けて言い放った

 

「おお! 私が言うのもあれだけどあのサインでよくわかったな!」

「多分あれ俺以外にはわからんぞ…」

 

意識は苦笑いしながらも私と拳を打ち付けると麻痺の効果中のジョニー・ブラックから毒ナイフを取り上げ、ロープで先ほどよりきつく縛り上げた

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDE:メラオリン

 

 

 

僕は向かってくるラフコフの面子を槍でいなしつつザザを探していると正面から≪リニアー≫の攻撃が飛んできたのでうまく避ける

 

「見つけたぞ "白き槍"!」

「やっぱりというか予想通り僕の所に仕掛けに来てくれて助かったよ ザザ」

「この前は 逃げられた からな リベンジマッチと 行こうか…!」

「あぁ! 今度はしっかりお前を牢屋に入れてやる!」

 

そして奴のエストックと僕の〖ウィスケル・スピア〗が互いにソードスキルを放って武器同士がぶつかって大きい音を立てる

 

「やはり 一筋縄では 行かないか だが そうでなくてはな!」

 

僕はザザの言葉を無視し、次の手を見極める

 

 

奴の放つソードスキルをこちらもソードスキルで相殺しているとザザは次第に距離を詰めてきた

 

「流石だな では この攻撃は 避けられるか?」

 

そう言うと奴はエストックを握り直し、≪クルーシフィクション≫を放ってきた

 

その攻撃にまずは縦の攻撃を槍で防ぎ、その後横の攻撃を槍を横に傾けて槍の柄に当てるように防ぐ

 

「流石に ≪クルーシフィクション≫は 防ぎやすかったか なら これならば どうだ…!」

 

そして奴は≪ニュートロン≫を放ってきたため僕は≪スプレッティング≫で応戦する

 

「はぁ!」

 

お互いにソードスキルを相殺しつつ最後の一撃がザザに入りそうになるが直前で硬直時間が解け、回避される

 

「今のは 危なかった」

「あー… 惜しかったな」

 

そして武器をお互い構えなおすとザザの近くの地面に狙いを定めた…その時

 

 

うわあぁぁぁ!?

 

誰かの悲鳴の後、破壊音が2度聞こえてきたためそちらに思わず視線を向けると一人の黒いローブを着たラフコフのメンバーがHPゲージはレッドだがそんなことはお構いなしに近くのプレイヤーに襲い掛かっていた

 

「っ!?」

「あちらは うまくやっている ようだな」

 

ザザの言葉に僕は思わずそちらに振り向き、叫ぶようにして言葉を発した

 

「正気か!?」

「例えHPが レッドゾーンに入っても 俺達は 退かない さぁ 戦おうか」

 

そのザザの呟きにどこか悍ましいものを感じつつも平常心を保ち、先ほど同様ザザの近くの地面に狙いを定めつつも視線はザザに向ける

 

「…行くぞ!」

 

奴がそう言うと≪スター・スプラッシュ≫を放ってきたが僕はそれを無視して≪ショッティング・アサルト≫を放って槍を地面に突き立てた

 

「なっ!?」

 

僕の突然の行動に奴は驚いていたが僕は槍を垂直に立て、そのままの勢いでそれを支柱にするように自分の体を回転させ、ザザの後頭部に向けて蹴りを放った

 

「かはっ…! バカ…な…」

 

それがクリーンヒットしたのかザザはそのまま沈んだので僕はエストックを取り上げ、奴を拘束した

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDE:キリト

 

 

 

俺は〖エリュシデータ〗でドゥクスの大振りな攻撃を防ぎつつ反撃の機会を狙っていた

 

「先ほどから押されていないか? "黒の剣士"よ」

「くそっ…!」

 

先程から戦ってはいるもののこれといった隙が全く見当たらない

 

一瞬()()()()()を使おうとも考えさせられたほどで流石はPoHと同等の実力だと言われてただけはあるなと敵ながら純粋な戦闘スキルは称賛に値する

 

「ブロから殺すなとは言われてはいたが… 誤って殺してしまいそうだ」

「ぐっ!」

 

しかしこのまま防いでいても平行線であるのでどこかで仕掛けなければならない

 

そう思った瞬間ドゥクスの扱っている両手剣の腹が見えたためそこに≪バーチカル≫を打ち込んで弾く

 

「おぉ…!」

「行ける…!」

 

そうしてそのまま攻撃しようとした時にふと奴がにやりと口許を歪めた気がしたので咄嗟に距離を取る

 

その時に見えたのは俺が元々いた場所に奴が≪エンブレイサー≫を放とうとしている所だった

 

「今のを避けるか…」

 

そう呟きながらソードスキル発動をキャンセルすると再び両手剣で攻撃してきたがそれを突然乱入者が弾いた

 

「大丈夫か キリト」

 

攻略組では唯一と言ってもいい体術を主軸に戦うプレイヤー…テツロンが俺に振り向くと声を掛けてきた

 

「あ…あぁ…」

 

それに軽く頷くと〖エリュシデータ〗を構えなおす

 

「颯爽とした登場だな」

「これ以上 年下に無理させるわけにはいかないんでな 俺も本気でいかせてもらう」

「ほう…? ならばこちらも手加減は無しにしよう」

 

奴がそう言うと今までより研ぎ澄まされた気迫を纏う

 

 

俺達はそれに呼応するようにして臨戦態勢を取ると奴は早速こちらに向かってきたので、俺は迎撃の体勢を取る

 

そして俺に向かって両手剣を振り下ろしてきたタイミングで剣を側面に撃ち込んで相殺するとテツロンがすかさず攻撃を仕掛けるがまるでその攻撃が来ることがわかっていたように回避する

 

 

そこからしばらくは攻防を繰り返していたが突然としてドゥクスは「そろそろ時間か…」と呟くと〖回廊結晶〗を懐から取り出し、「コリドー・オープン」と叫んだ

 

「ま…待て!」

「案外悪くなかったよ ではまた会おう"黒の剣士" "体術使い"」

 

そう言うと青い光の渦の中へと消えていった

 

「くそっ!」

 

俺は苦虫を噛み潰したように呟き奴に続いて青い光の渦の中に入ろうとしたがテツロンに止められる

 

思わず振り向くとテツロンは黙って首を横に振った

 

「この先には何があるか分からない …一先ず他の連中の援護に回ろう」

「…解った」

 

俺は頷くと渦が閉じるのを見届け、次の目標へと走り出した




今回出てきたオリジナル武器とオリジナルソードスキル紹介

オリジナル武器

〖ディプリーション・ブレード〗
両手剣に属しており、鈍い青黒い色の刀身をしている武器

〖雷毒剣〗
短剣に属しており、まるで稲妻のようにジグザグした形の麻痺毒武器

〖ウィスケル・スピア〗
両手槍に属している全体が鈍い灰色に輝く武器


オリジナルソードスキル

≪風廻≫
体術のソードスキルで横方向に2連撃の回し蹴り

≪スプレッティング≫
両手槍のソードスキルで上の2回、真ん中2回、下2回突く6連撃

≪ショッティング・アサルト≫
両手槍突撃ソードスキル クールタイムは短い

次回は少しだけ(朱猫の戦闘開始ぐらいまで)時間を遡ります

それでは次回に
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