ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
それではどうぞ
P.S.:劇場版プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォの新ビジュアルかっこよすぎない…?
あの戦いが終わってから3日経ったが私の気分は晴れなくて今日も陰鬱な気分で目を醒ました
身体を起こそうとするとあの日のことを思い出してしまいその都度頭から布団を被ってしまう
ふと時計を見ると10時を過ぎており、大量のメッセージが届いていた
届いたメッセージ群を消化し終わるとお腹が空いたので仕方なくベッドから起き上がり、リビングまで向かうと朝食の準備を始める(と言っても簡単な物だけど)
そして食べ終えると特に何をするというワケでもなくただ椅子の上で蹲った
そこからどれぐらい経っただろうか誰かが玄関の扉をノックする音が聞こえた為そちらへ向かって扉を開けるとそこには私服姿のておさんが立っていた
「あっ… ど…どうも…」
「えっと… 入ってもいいかな?」
「はい… どうぞ…」
「お邪魔します…」
リビングのテーブルまで案内すると椅子に腰かけさせて私はその反対側に座る
最初はお互いに無言であったがしばらくしてから私は口を開く
「それで…今日はどうしたんですか?」
「まずは報告 やっぱりあの戦いで精神をやられた人が相当多かったらしくて1週間ぐらいは攻略は休みにするってさ」
「…そうなんですね…」
ておさんの報告に俯きながら答えると彼は私の顔を覗き込むようにして言葉を発する
「…それと…偶には外に出てみたら? みんな心配してるよ…」
「それは…解ってますけど… いまいち気分が乗らなくて…」
「なら無理強いはしないけど …もう3日も外に出てないみたいだからさ」
そこから再び沈黙がその場を包んだので私はこの空気を何とかしなければと思い、ておさんに訊ねた
「そういえばポテトさん達はどうしてるんですか?」
「あぁ ポテトさんは主にさっき言ってた精神をやられた人達のカウンセリング? っていうのかな…言ってしまえば話を聞いたりしてるよ リオンさんとディアベル、アスナさんは事後処理でここ最近はまともに寝てないって言ってた 他は釣りに行ったりとかリズの素材集め手伝ったりとか…レベリングしてるやつもいたな…」
「そうなんですね」
私はそう呟くようにして言い、ふと時間を確認するといつの間にか12時を回っていたので軽く手を叩いて提案する
「そういえばもうお昼ですね ておさん お昼どうするかは決めてますか?」
「まだだけど…」
「じゃぁ私が作りますよ」
「え? 急だし何で!?」
「暗い雰囲気が続いちゃいましたし 折角家に来てくださったのに何もしないのは失礼ですからね」
「そういうのは別に良いんだけどな…」
「私がやりたいんですから そこで待っててくださいね」
「解ったよ…」
料理をご馳走したいと提案するとておさんは最初こそ断ったが無理やり押し進めると諦めて大人しくなった
そしてキッチンまで向かうと早速準備を始める
~~~~~~
調理を済ませ、冷やし中華のようなものをテーブルへと持っていく
「できましたよ~」
「それってもしかして冷やし中華?」
「のような何かです 味は全くの別物ですのであしからず」
そう言いながら冷やし中華のような何かを目の前に置き、箸を渡すとておさんは早速食べ始めたが私はまだ食べずにておさんを見ながら考えた
私があの場面で戦意を喪失しなければ彼は人を殺さずに済んだかもしれない…
そもそもそれ以前に私がSAOに誘ったりしなかったらこんなデスゲームにすら巻き込まれずに済んだかも…それは元βテスターのひま猫さん以外にも当てはまるけど…
作戦が始まる前に私はておさんに信じろって言ったのに… こんな結果に…
それが顔に出ていたのかておさんはこちらを覗いていた
「どうかしたのか?」
「え? い…いえ! 何でもないですよ! 私も食べないと…」
ておさんにどうかしたのかと聞かれたので私は首を大きく横に振るとその勢いのまま手を合わせ、冷やし中華っぽいものを食べ始めた
~~~~~~
「「ご馳走様でした」」
私達は食べ終わると立ち上がり、手早く後片付けをする
そうして後片付けを終えて再び椅子に腰かけてからしばらくたったところで急にておさんが私に訊いてきた
「そういえばさっき何考えてたんだ?」
「えっ!? な…何でもないですよ?」
その問いに私は咄嗟にかぶりを振る
「でもさっきからずっと辛そうにしてるけれども?」
ておさんは全てを見通したように私の眼を見てくるのでそこでいろんな気持ちが溢れてきてしまう
自分に対する不甲斐なさとておさんに対する懺悔、前々から感じていた罪悪感やあの時モルテに言い返せなかった悔しさなどが次々に出てくる
「ごめんなさっ… 私…わたし… あなたに信じてって言ったのに…っ… あなたに取り返しのつかないことっ…それに私が2年前ああ言わなければておさん達は…! ごめんなさい…っ! ごめんなさい…! ごめっ…ざいっ…!」
私は必死に謝るがておさんは椅子から立ち上がると私のところまで向かい、私を優しく抱きしめると頭を撫でた
「…今まで気づけなくてごめん… 辛かったよな… もう1人で背負う必要は無いから…」
ておさんはそこから私が泣き止むまでずっと優しく頭を撫で続けた
ある程度気持ちが落ち着いてきたところでておさんは私の両手を握りながら優しい口調で話し始める
「確かに俺はあの時1人殺した それはもう変えることはできない事実だ 勿論他に選択肢はあったかもしれない でもな 俺はあの時の自分の選択を後悔していないよ それに俺達はたみのことを恨んだことは1ミリもないよ 寧ろ感謝しかない 嘘だと思うなら今から訊こうか?」
「あっ… それは良いです…」
少しだけ場が和んだような気がするがておさんは変わらず続ける
「まぁちょっとだけ残念に思うのは前々に俺達に相談してほしかったってことかな そこだけは心に留めといて」
「は…はい…」
ておさんの言葉に私は反省して俯く
「それと たとえ約束を破ってしまったとしてもしっかりと反省して次に生かせばそれでいいと思うぞ? 約束なんて守れる方が少ないからな …これは俺の持論だけど」
「ふふっ…」
「だからなんで…まぁいいっか」
ておさんが私の眼を真っ直ぐ見ながら言ったがなぜか急に笑いがこみあげてしまい思わず笑うとておさんは少しだけ落ち込んだが直ぐに穏やかな表情で私を見た
そして私の手からゆっくりと手を離すと向かいに座り直し、しばらくしてから私に声をかける
「…もう大丈夫そう?」
「お陰様で明日から顔を出せそうです 本当にありがとうございます ておさん」
「そっか じゃぁ俺はそろそろ帰るから」
私は思わず椅子から立ち上がったておさんの手を掴んだ
「待って!」
「えっ!? な…何!?」
ておさんを止めたのは良いもののその先を全くと言っていいほど考えていなかったが覚悟を決めるように頷くとこの先の展開を考えて顔が熱くなりながらもなんとか言葉を出す
「え…えと… 今日は…ておさんとずっと一緒にいたい…じゃ駄目… ですかね…?」
「! あ… きょ…今日は…特に予定はないし…ベ…別にいいですよ…?」
私がそう言い終わってもじもじとしているとておさんがなんとなく意味を察したみたいで顔を少し赤くしつつ頬を掻きながら答えた
~~~~~~
そこからは他愛のない雑談(お互いの身の上話等)をしながら時間を潰し、夕食を済ませるとお風呂に入って寝室へと向かう
そして私は自分のベッドに寝転がるとておさんに向かってここに来るようにと示唆するようにして隣を叩く
しばらくベッドを叩いているとておさんはベッドに腰かけ、眼を泳がせながらもこちらに向いた
「覚悟はしてたんだけどいざその時が来るとやっぱり緊張するな…」
「確かに私もちょっと緊張してますけどそれ以上に嬉しさって言うんですかね? そっちの方が大きいです」
その後ちょっとだけお互い無言になったがておさんは気を紛らわせるようにして言った
「そういえば一つだけ気になったんだけどさ… えぇっと… その…
「…私も知り合いから聞いたんですけれどもね? オプションメニューの所のとても深いところに倫理コード解除設定っていうのがあるらしくて…」
「まじで?」
「みたいです」
…そうじゃなくって! 私はしびれを切らして体を起こすと彼の背後から思いっきり抱き着いた
「えっ!? あ…あのっ…!? た…たみちゃん…!?」
「…今日はあなたをもっと近くで感じたい …駄目…かな…?」
「…解った」
ておさんは呟くようにして言うと私を剥がし、立ち上がると振り返ったので私は疑問に思って少しだけ首を傾げたが彼は私の身体をそのまま押し倒した
彼の顔が間近に見えるところで私はそっと目を瞑りておさんに優しい声で囁く
「いいですよ あなたの温もりをもっと近くで感じさせてください」
そしてお互いにゆっくりと口づけを交わした
~~~~~~
翌日
目を醒ました私は隣で寝ているておさんを起こさないように慎重に起きるとリビングへと向かい、早速朝食の用意を始める
昨夜のことを思い出しながら朝食の準備をしていると欠伸をしながらておさんがリビングへと入ってきた
「おはよう たみ」
「おはようございます ておさん」
挨拶を済ませるとできた料理をテーブルへと持っていき、椅子に座るがておさんは部屋の入口に立ったままだったので声を掛ける
「ておさん 朝食出来ましたよ?」
「お…おう!」
私に声を掛けられて我に返ったておさんは慌てて私の向かい側に座ると朝食を食べ始めたので私も同じく食べ始めた
そして朝食を食べ終わると昨日と同じく後片付けをし、お互い向き合って座る
しばらくは双方ともに何を言い出したら分からずに口を結んでいたが空気を変えるようにして私は言葉を発した
「どうしますか? もう出ますか?」
「ん~… そうだな 出よっか」
私達はそう決めて家から出ると手を繋いで54層にある[フリッツ・フリット]のギルドホームへと向かって行く
…ギルドホームに着いた私達はまず私のことを心配したという声を聞かされて、それが収まると今度は私達の関係を素直に祝う声やておさんに対して嫉妬するような声で包まれたので私は思わず笑いが零れた
今までの2人は友達のような付き合いの関係でしたがこれからは傍から見ても付き合っていると判るような関係になります(結婚はまだ)
プログレッシブ編の閑話1話と道中編の閑話を1話挟んでからいよいよアインクラッド編終盤(74層~75層編)へと入っていきます(投稿期間は少し開くかもです)
それではまた次回に