ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
時系列としては道中編の8話から10話辺りのお話になります
タイトル回収()
それではどうぞ
☆フライドポテト再現計画
SIDE:ポテト
「えーっと… まず細切りにしてからお湯で茹でて…」
俺はギルドホームにあるキッチンで超が付くほど好物である某ファストフード店のフライドポテトを再現しようと試みている
ぶっちゃけこの為だけに料理スキルを取ったと言っても過言ではないが何回も失敗して遂に先日熟練度が600を突破した
「ポテトさんまたやってるんですか…」
たみさんにまたやってる的な眼で見られるがこればっかりは譲れない
「俺にとってはこれは攻略よりも重要なんですよ」
「あはは…」
彼女の苦笑いをよそにお湯から細切りした〖スノー・ベイク〗をお湯からザルにあげると少しだけ粗熱を取り、氷で冷やす
これがあるのとないのとでは出来上がりに雲泥の差ができる
しばらく冷やした後、〖スノー・ベイク〗をスプーンとフォークをうまく使って軽く混ぜて再度氷で冷やす
「何してるの?」
そこでいつの間にかギルドホームに来ていたたらこさんがこちらを見ながら声を掛けてきた
「またフライドポテトの再現を…」
「またか…」
たらこさんも呆れたような視線で見てくる中、〖サン・オイル〗を熱して揚げる準備をする
「そろそろ仕上げに入りますよ~」
一応2人にそう声を掛けると〖スノー・ベイク〗を入れて蓋をするとダブルクリックをし、タイマーをセットする
そこから1分経ったところでタイマーが鳴ったので蓋を開け、油をしっかりと切ってから取り出して冷めないうちに無色の〖ジュエル・ソルト〗を細かく砕いたものを振り掛け再びよく混ぜる
器に盛りなおしてテーブルへと運ぶと椅子に座り、2人に対して声を掛けた
「たみさん たらこさん 出来ましたので感想聞かせてください」
「「はーい」」
3人で一斉にできたフライドポテトもどきを口にした
味は普通にいけるが某ファストフード店のフライドポテトには何かが足りないような気がする
「これ美味しいですよ」
「普通にフライドポテトだこれ」
俺の視点から見ると2人の評価はかなり高そうだが個人的には納得していない
「食感良し味良し… 後は何が足りないんだろう…」
空になった器の底を見つめながら呟く
「うーん… 揚げる時間とかはどうですか?」
「揚げる時間か… 成程… ちょっと試してみましょうか」
そういえば油を変えてから揚げる時間変えてなかった
たみさんの提案に対してやってみる価値はあると思い再びキッチンへと向かうことにした
~~~~~~
揚げる時間を1分30秒にしてみたが先ほどよりも少し油っぽくなってしまったので次は30秒にしてみたところ今度は少しだけ生っぽくなり、45秒でやってみたところ最初にやった時よりも少し理想のものに近づいた
「これでも普通においしいですけどね」
「たみさんもそう思うよね?」
「でも何かが違うんですよね…」
先程のように食べながらも首を傾げながら何が足りないのかを考える
「うーん…」
じっくり考えているといつの間にかやってきていたテオさんから思いもよらない提案が出てきた
「材料を変えてみるのは?」
「材料…ってことは今使ってる〖スノー・ベイク〗を変えると言いたいんですか?」
「そそ 試しにこれを」
そう言いながらテオさんはメニューを操作するとタロイモのような見た目だが橙色をしている何かをオブジェクト化するとたみさんがテオさんに対して訊いた
「なんですか? これ」
「40層で手に入る〖メリック・タロリー〗っていうアイテム これでもC級食材らしいよ」
「へ~ でもなんかジャガイモっぽい見た目じゃないものを使うのはちょっと…っていう感じはしますけどね…」
「ほら物は試しっていうじゃない? やってみたら?」
「…そうですね 試しにやってみましょうか」
たらこさんの言葉で意を決し、〖メリック・タロリー〗を手に取るとキッチンへと向かう
~~~~~~
先ほどの手順で作り、器に盛るとテーブルへと運ぶ
そして早速口にすると今まで作ったフライドポテトの中で一番某ファストフード店のフライドポテトに近かった
「! 今までで一番近いかも!」
「違いが判らないですけどね… まぁ美味しいのは美味しいですけど」
「まぁね~」
あっという間に今作った分は無くなったのでテオさんに対して〖メリック・タロリー〗の情報を詳しく聞くことにした
「テオさん これって第40層で取れるって聞きましたけど具体的にはどこで取れるんですか?」
「あぁ えーっと…確か【ジェイル・イーター】っていう敵からのドロップ品だったと思う」
「成程… そうなんですね…」
「場所は…」
テオさんの詳しい説明を次々にメモしていく
「…ありがとうございます 参考になりました」
「一応 何個かはあるから渡しておきますよ」
テオさんは何十個かの〖メリック・タロリー〗をトレードで飛ばしてきたので素で驚いた
「いいんですか?」
「俺は料理スキル持ってないですし こんなにも使い切れないので…」
「じゃぁ ありがたく…」
〖メリック・タロリー〗を貰うと内心でガッツポーズをしながらも冷静に軽く咳払いをしながら3人に向かって訊ねる
「そういえば皆さんもうお昼は過ぎましたけど午後からはどうするんですか?」
「僕は最前線に行こうと思ってるよ」
「成程 たみさんとテオさんはどうするつもりですか?」
俺が2人に対して聞くと2人は顔を見合わせながら考え始めた
「久々にリズのお店のヘルプに行こうかな…? 手が空いてたら手伝ってほしいってメッセージは来てたし」
「じゃぁ俺はたらこと一緒に攻略しようかな」
「了解です」
「ポテトさんはどうするんですか?」
「俺は今日はギルドホームにいようと思います」
2人の予定を聞くとたみさんが俺の予定を聞いてきたのでホームにいると話すと納得したように頷く
「そうですか では私そろそろ行きますね~」
「じゃぁ俺らもそろそろ行くか」
「あいよ それでは~」
そして時間を確認したたみさんは足早に去っていき、それに続いてテオさんとたらこさんもその場を後にした
「はいはーい 頑張ってくださいね」
彼らを見送ってしばらくしてから今日使った道具等の後片付けを始めた
後片付けをある程度終え、椅子に腰かけてのんびりしているとやる気君がやってきた
「やる気君いらっしゃい それからククルさんも」
「どうもです」
やる気君は軽く頭を下げ俺に対して挨拶をしてくる
「今日はどうしたんです? お昼休憩?」
「それもあるけど少し相談がありまして」
「じゃぁちょっと待っててくださいね 今作りますから」
「あぁ… すみません… じゃぁお言葉に甘えて」
やる気君に声を掛け、立ち上がると再び昼食を作る準備を始める
そして出来上がったフライドポテトをテーブルまで持っていく
「おぉ~ もしかしてこれって…」
「そうです まぁ試しに一口」
恐る恐ると言った感じにやる気君はそれを口にすると驚いたような反応を示す
「凄い! まじであのフライドポテトじゃん!」
「実は先ほどほぼ完成したばっかりなんですよ」
「へぇ~!」
それからは黙々といった感じで食べ進め、ある程度落ち着いたところで先ほどの話題を振った
「それで…相談って何です?」
「実はそろそろ新しい商品を出したいって思ってて… でもそれも解消しました」
「? と言うと?」
やる気君は一息置いてから口を開いた
「このフライドポテトをお店で出したいんですけど… どうですかね?」
それに対して少し考えたがやる気君のお店の売り上げの1~2割程度はこちらに納めてもらっているので頷く
「いいですよ 売り上げの一部はこちらに納めてもらっているのでこれでよかったら…」
「ありがとうございます! 早速ですけどレシピとか教えてもらってもいいです?」
「メモがメッセージにあるからそれでもいい?」
「それで大丈夫です」
早速レシピの覚え書きをある程度見やすいようにまとめ、ついでにトレードで材料をやる気君に送るとしっかり届いたみたいで少し困惑していた
「えと 本当にありがとうございます 特許料と材料料払いますね」
「そういうのは良いって… それにいくら何でもそんなに一人で食べきれないし」
やる気君がお礼を言ってお金を払おうとしたので俺は遠慮する
「じゃぁせめて全力で売りますので早速行きますね」
「うん 頑張って」
そして立ち上がって扉の方へと向かったので彼を見送りながら軽く手を振る
その後やる気君が頑張ったのかあのフライドポテトはちょっとしたブームになったと噂で聞いた
オリジナルアイテム紹介
〖スノー・ベイク〗
第55層にいる【アイスロック・バグ】のドロップ品で見た目は青色の芋
D級食材
〖サン・オイル〗
第47層にいる【サン・シュレッド】のドロップ品で植物製の油
C級食材
〖ジュエル・ソルト〗
第27層の鉱山によくある塩
味は塩をベースに色によって異なる(無色は塩味のみ)
E級食材
〖メリック・タロリー〗
第40層にいる【ジェイル・イーター】のドロップ品で見た目は橙色のタロイモ
C級食材
某M印のファストフード店のポテトのレシピで検索すると結構再現レシピ出てくるんですね…
それではまた次回に