ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
それではどうぞ
1話:あれから約2年
第74層迷宮区
「たみさん スイッチ!」
「了解です!」
ポテトさんが迷宮区にいる敵の【モシー・バグ】の身体を使ったのしかかり攻撃を両手槍で弾き、私に対してスイッチの指示を出したのですかさず前に出て、≪アバランシュ≫を発動させて攻撃を加える
ソードスキル発動後にある硬直状態の私に対して攻撃を加えようと、体を鞭のようにしならせてソードスキルを発動させようとしたが、その前にキャラメレさんが≪クロススパン≫を発動させて攻撃を中断させた
「プレッシュ! スイッチだ!」
「はいよ! だあっ!」
転倒した隙を逃さずキャラメレさんはプレッシュさんにスイッチし、それに対してプレッシュさんは≪ロックフォール≫を発動させ、【モシー・バグ】の身体を砕くようにして攻撃を入れたがギリギリ耐えて起き上がろうとしていたのでプレッシュさんは振り向いた
「エル! スイッチ!」
「任せろ!」
エルさんはすかさず≪閃打≫を発動させて、【モシー・バグ】に叩き込むとHPバーが消し飛び、その直後ポリゴン片となって四散した
リザルト画面を確認した私は武器を鞘に納めて、今日パーティを組んでいるポテトさん、キャラメレさん、プレッシュさん、エルさん、それとておさんとハイタッチを交わす
「お疲れ様です」
「お疲れ様です~」
「お疲れ~ たみちゃ」
「お疲れ~」
「お疲れ様」
「お疲れ」
ひと段落着いたところで時間を見てみると、もうすぐで午後3時になるところだったので私は帰るかどうかを訊ねることにした
「もうすぐ午後3時ですしそろそろ帰りますか?」
「そうだね~ それにそろそろ帰らないと夕食に間に合わなくなっちゃいますし…」
「じゃぁ早く帰ろっか 皆もそれでいい?」
「こっちは大丈夫」
「右に同じく」
「問題ない」
それに全員同意したので、今日の攻略はここで終わりにすることになった
~~~~~~
迷宮区から出て、しばらく歩いたところで私は口を開く
「私はこれからエギルさんのお店に行こうと思ってますけどどうします?」
「エギルさんの所ですか… たみさんが行くんでしたらついでに売りたいものもありますし一緒に行きますよ」
「じゃぁ俺も行くよ」
「俺はパス」
「こっちもやめとく」
「俺も他に用事があるから行くのはやめとく」
「了解です」
ポテトさんとておさんが一緒に来ることになり、道中は特に何事もなく74層の主街区<カームデット>へと戻ってこれた
「じゃぁ今日はここで解散ですかね?」
「になりますかね?」
「俺の家は<アルゲード>にあるし50層には一緒に行くよ」
「了解です ではプレッシュさん エルさん お疲れ様でした」
「うん お疲れ」
「お疲れ様」
プレッシュさんとエルさんに別れを告げて、私達は転移門から50層の主街区<アルゲード>へと向かった
自分のホームに戻るキャラメレさんと別れ、相変わらず煩雑な街を数分ほど進んでいくと、エギルさんのお店が見えてきた
そして扉を開けるといかつい商人と黒いコートの剣士が商談をしている所だったが、こちらを見ると2人共軽く返してくれた
「よぉ お前らも売りに来たのか?」
「そんなところです ついでに何か良いものがあれば買おうと… ところでキリトさんはなぜここに?」
「実はな? こいつ〖ラグー・ラビットの肉〗を手に入れたらしくて…」
最後に入ったポテトさんが扉を閉めるとキリトさんは先頭の私に訊ねてきたので私は返し、逆になぜここにいるのかを質問すると、キリトさんの代わりにエギルさんがキリトさんを指差しながらキリトさんが〖ラグー・ラビットの肉〗を手に入れたと言った…
「「「…えぇ!? 〖ラグー・ラビットの肉〗!?」」」
少し私達はフリーズしたが直ぐに驚きの声を上げ、ポテトさんが若干テンパりながらもキリトさんに訊く
「それって確かS級の食材ですよね? 何が一体どうなって手に入ったんです…?」
「帰りに偶然【ラグー・ラビット】に遭遇して これまた偶然に狩れたっていうワケ」
「な…ナルホド…」
キリトさんの強運にポテトさんが納得したように頷く
「それで… それを売るつもりだったのか?」
「あぁ そのつもりだったんだが…」
少し考え始めたポテトさんに代わるようにして、ておさんがキリトさんに対してエギルさんのお店に来た理由を訊くと、キリトさんは何かを考えているような顔をしながら私の方に向く
「なぁ タコミカ お前料理スキル上げてるって前に言ってただろ? 今どれぐらいある?」
「私はもうすぐで900ぐらいですから多分キリトさんやテオさんよりは成功確率は高いと思いますけど失敗しないとは言い切れないです…」
「そうか…」
私もS級食材を食べたいのは山々だが、失敗してしまったら目も当てられないような状況になってしまう せめて私より料理スキル熟練度が高い人がいれば…
そう思っているとエギルさんのお店の扉が開く音がした
「元気そうね タコミカ」
声を掛けられたので振り返ると栗色のロングハーフアップで真紅と純白に彩られた騎士服を着ており、私よりも少しだけ背が高い女性プレイヤー…アスナがそこに立っていた
その背後には先日彼女本人から聞いていた護衛のプレイヤーが2人いる
私から視線を逸らすとキリトさんとておさんに声を掛けた
「それとキリト君にテオ君も元気そうね」
「久々だな」
「珍しいな アスナ こんな吹き溜まりみたいな場所に顔を出すなんて」
テオさんは普通に返したが、キリトさんはエギルさんのお店を卑下しながら返す… うん 普通に失礼だね エギルさんも眉をひそめてるし…
「もうすぐボス戦だからタコミカに会いに来たのよ」
と本人は唇を尖らせながら言ってるけどキリトさんに会いに来たのが本心というのは私は見抜いている
「エギルさんとポテトさんもお久しぶりです」
「えぇ お久しぶりです アスナさん」
アスナはエギルさんとポテトさんにも声を掛けたのでポテトさんが返す
そしてキリトさんは意を決したようにアスナに訊いた
「…なぁ アスナ 今料理スキルってどれぐらいあるんだ?」
キリトさんの質問に対して、アスナは不敵な笑みを滲ませながら答える
「先週
「なぬっ!?」
この人絶対アホかって思った 顔から確信できる
私がキリトさんを呆れながら見ていると、キリトさんはメニューを操作し始めた
「…その腕を見込んで1つ頼みがある」
そしてアスナに対して手招きをして呼び寄せるとウィンドウを見せたので、アスナは訝し気にウィンドウを覗き込み、そこに表示されているアイテムを見て驚いたのか眼を丸くしていた
「嘘!? これって〖ラグー・ラビットの肉〗!?」
「取引だ こいつを料理してくれたら1口食わせてやる」
キリトさんの提案が気に入らなかったのか、言い終わらないうちにアスナはキリトさんの胸ぐらを掴むと、そのまま自分の顔に引き寄せる
「は・ん・ぶ・ん!」
「わ…解った…」
「やった!」
予想しなかった不意打ちにキリトさんが咄嗟に頷くと、アスナは大喜びしたように笑顔で左手を握っていた
その様子を温かく見守っていると、アスナがこっちを見ていることに気が付く
「う? どうしたの?」
「よかったらタコミカとテオ君も一緒にどうかな?」
「いやいや 普通に悪いって 折角2人きりなのに邪魔しちゃ それに私達までご馳走になったら1人当たりの量も減るし…」
「細かいことは良いの! 折角の美味しいものなんだしみんなで食べたほういいって」
「解ったよ…」
アスナは私達も一緒にどうかと誘ったので私は2人の邪魔をしたら悪いと思い、首を横に振って断ろうとしたが、強引に押されてしまったので少し考えて、渋々了承した
「というワケだから取引中止だ 悪いな」
「それは良いけどよ… 俺らってダチだろ? な? だったら俺にも一口くれたって…」
「味の感想は後日800字以内にまとめて文章で提出してやるよ」
「そ…そりゃねぇぜ…」
「ど…どんまいですエギルさん」
キリトさんはエギルさんに対して無慈悲に告げると、エギルさんはがっくりと肩を落とし、ポテトさんがそれを慰める
そんな彼らを放置して、店の外に出たキリトさんのコートの裾をアスナが引っ張って止めた
「でも 料理するにしてもどこでするつもりなの?」
「えっと…」
この人そこら辺考えてなかったな?
一応私の家という手もあるけど、私の家は元々1人で住む用に家具などを置いているので4人は流石に無理だ
そんな私の考えを見抜いたようにアスナは呆れながらも口を開く
「どうせキリト君やテオ君の部屋にはろくな道具は置いてないだろうし、前にタコミカの家に遊びに行ったことはあるけど流石に4人となると無理だと思うわ だから今回だけ、食材に免じて私の部屋を提供してあげるわ」
「まじですか?」
「まじよ 私の部屋だったら4人ぐらいは大丈夫だわ」
アスナの思い切った提案にておさんは思わず声を出していたが、アスナは平然と返す
そして背後の護衛2人に向くと声をかける
「今日はこのまま<セルムブルグ>に転移するので護衛はここまでで結構です お疲れ様」
アスナがそう伝えた途端、初めから不機嫌そうだった長髪を後ろで束ねた痩せている方の護衛の人が声を荒らげた
「アスナ様! こんなスラム街に足をお運びになるだけならまだしも、ご友人であるタコミカ様はともかくとして、こんな素性の知れぬ奴らをご自宅に伴うなど…言語道断です!」
その護衛の人の物言いに多少苛ついたが、アスナはうんざりとした表情を浮かべていた
「こっちのテオロング君はギルド[フリッツ・フリット]に所属してるから素性が知れないなんて有り得ないわ それにこの黒ずくめのヒトは素性はともかくとして腕は確かよ たぶんあなたより10はレベルが上じゃないかしら クラディール」
そんな表情ながらもておさんとキリトさんの紹介を軽く終えたが、クラディールと呼ばれた男性は憎々し気な視線をキリトさんに向ける
「私がこんな奴に劣るだと…? そうか! その黒ずくめの服装…貴様"ビーター"だな!?」
「あぁ そうだ」
何か合点がいったように顔を歪ませ、叫んだ言葉にキリトさんは無表情で返す
「アスナ様 こいつら自分さえよけりゃいい連中ですよ! こんな奴に関わると碌なことがないんだ! タコミカ様からも何か言ってやってくださいよ!」
それに対してアスナは不快そうに眉を顰め、私も彼に対して嫌悪感を覚え始めてきた
いつの間にか周囲に結構人が集まっており、周囲の人達からはアスナのことや私のことが聞こえてくる
アスナもそれに気が付いたようで、興奮の度合いが増しているクラディールに対して言い放った
「兎に角 今日はここで帰りなさい 副団長として命令します」
そしてキリトさんの腕を掴むと、そのまま転移門広場の方へと引っ張り始める
「お…おい いいのかよ?」
「いいんです!」
事態の収拾に動き始めたポテトさんを残して、私達は2人の後を追いかけて人混みに紛れるようにして歩き始めた
オリジナルMOBの紹介
【モシー・バグ】
74層迷宮区にいる苔の生えた石造りの芋虫型MOB
身体を使った攻撃を得意とする
オリジナルソードスキルの紹介
≪クロススパン≫
鞭のソードスキル
簡単に言えばド〇クエで言うところの双竜打ち 但しこっちはバランス崩壊していない
≪ロックフォール≫
片手斧のソードスキル
勢いよく飛びあがってその勢いで斧を振り下ろし、攻撃をするソードスキル
それでは次回に