ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

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今回は【ザ・グリームアイズ】戦です!

それではどうぞ


6話:"青眼の悪魔"戦

迷宮区の最上階で【リザードマンロード】の群れと接敵した私達は手こずりながらも、何とか交戦していた

 

安全圏を出てから約30分経つが、"軍"のパーティに追いつくことはなかった

 

「この先ってボス部屋だけなんだろ? だったらアイテムでもう帰っちまったとかじゃね?」

「だといいですけど…ねっ!」

 

クラインさんが冗談交じりにそう言って、ポテトさんは【リザードマンロード】の攻撃を弾きながらクラインさんの言ったことに同意した

 

ぶっちゃけそうじゃないということは薄々解っている為、内心はかなり焦りながら交戦していると…

 

うわあぁぁぁぁぁ…!

 

突如として誰かの悲鳴が聞こえてきた

 

「今のって…!」

「野郎…! やりやがったな!」

 

朱猫さんと意識さん、キリトさんとアスナは思わず顔を見合わせると、朱猫さんは純粋に驚き、意識さんはコーバッツに対して毒づいていた

 

しかし4人共何かを迷っている様子だったので、私は声を出した

 

「朱猫さん! 意識さん! キリトさん! アスナ! 行って! 後で必ず追いつくから!」

「解った じゃぁ先行くね!」

 

そして朱猫さん達は敏捷パラメータをフルに生かして、ボス部屋に向かって駆け出していった

 

残された私達はボス部屋に向かう為、【リザードマンロード】を大急ぎで狩ることにした

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDE:朱猫

 

 

ボス部屋に続くであろう大扉は既に大きく開かれており、内部からはボスの咆哮や金属音、それから悲鳴が聞こえてくる

 

既にキリト達を大きく引き離しているが更にスピードを上げ、ボス部屋の前で急ブレーキをかける

 

ブーツの底から物凄い火花を出しながらボス部屋の入口ぎりぎりで止まると、そのままボス部屋の中を覗き込むようにして半身を乗り入れた

 

「ねぇ! だいじょ…!」

 

扉の内部は――――地獄絵図と言っても過言ではなかった

 

床一面に青い炎が吹き上げており、青い肌の山羊頭の巨体…【ザ・グリームアイズ】がこちらを背にして屹立している

 

まだHPバーは3割も削られておらず、部屋の奥では"軍"の人達が逃げまどっている

 

私がこうして見ている間にもHPバーが残り僅かの人が1人いたので咄嗟に大声を出す

 

「何してるの! 早く〖転移結晶〗か〖回廊結晶〗、それが無かったら〖回復結晶〗使って!」

 

私の声を聞いた内の1人がこちらに向けて叫ぶ

 

「さっきからやってるけど駄目なんだ! どれも使えない!」

「嘘…」

 

彼の言う通りならこのボス部屋は結晶無効化空間ということになる…今までそんな仕掛けボス部屋にはなかったのに…!

 

私が考えている間に意識が到着した

 

「状況はどうだ!?」

 

私は首を左右に振ると状況は芳しくないことを説明する

 

「それが…このボス部屋結晶無効化空間らしくて…!」

「まじかよ…!」

 

そして再びボス部屋を確認してみると、先ほどいたHPが残りわずかな人がいなくなっていた

 

「…っ!」

 

思わず目を逸らすとがそれで状況が良くなることは絶対にないので、何とか持ちこたえると思考を巡らせて何かないかと考える

 

そこから少し間を開けて、キリトとアスナがボス部屋に辿り着いた

 

「朱猫! 意識! 状況は!?」

「俺もさっき朱猫から聞いたところだけど、どうやら結晶無効化空間らしい…それに咄嗟に数えてみたがさっきより2人足りない」

「なっ…!」

「何てこと…!」

 

2人に対して意識が説明すると2人は思わず息を呑んだ

 

私達は全員スピード型なのでむやみやたらに助けに入れないどころか下手すれば、全滅の可能性すらある

 

そう考えていると1人のプレイヤーが剣を高く掲げ、怒号を上げた

 

「我々解放軍に撤退の2文字は在り得ない! 戦え! 戦うんだ!」

「野郎…!」

 

コーバッツの声に意識は明らかに怒りの色を帯びた声を出していた

 

その時、ようやくたみちゃん達が追いついてきた

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「おい! どうなってんだ!」

「状況は!?」

「あのバカがやりやがった 脱出させようにも連中がいるのは入り口とは真逆、おまけにボス部屋は結晶無効化空間 ハッキリ言って奴らを脱出させるのは諦めたほうが良い」

 

クラインさんとポテトさんの質問に意識さんがあくまでも冷静に、尚且つ手短に説明すると、クラインさんの顔が歪み、ポテトさんの表情も暗くなる

 

「意識の言うことは一理あるけどよぉ… 何とかできねぇのか?」

「確かに意識さんの意見は最もですけど… だからって見捨てるのは…」

 

私達が躊躇っている間にもコーバッツの声が響いてきた

 

「全員…突撃!」

 

床に倒れている2人を除く8人を4人ずつの横列に並べて、コーバッツがその中心に立ち突進を始めた

 

止せ!

 

ておさんが叫ぶが届かず、【ザ・グリームアイズ】は地響きを伴う雄たけびと共に、青白いブレスを巻き散らす

 

青白いブレスをもろに受けた"軍"の人達のHPバーを咄嗟に見るがブレス自体のダメージはそこまで高くはないらしい、しかし勢いが激しいらしく、突撃の勢いはブレス攻撃で緩む

 

そこにすかさず巨剣を突き立て、1人がすくい上げるようにして切り飛ばすと、その人は悪魔の頭上を越えて私達の目の前の床に落下してきた

 

「だ…大丈夫ですか! しっかりしてください!」

 

廻道さんが声を掛けるが、既にその人…コーバッツのHPバーは消滅しており、自身に何が起こったか理解できないといった表情でゆっくりと口を動かした

 

―――有り得ない

 

そう言った直後、コーバッツは不快な効果音と共に無数のポリゴン片になって消滅した

 

「そんな…っ!」

 

あっけない消滅に対して、アスナが短い悲鳴を上げる

 

リーダーを失った"軍"の人達はたちまち瓦解し、恐怖に駆られたのか喚き声を上げながら逃げ惑う

 

既に全員のHPが半分以下になっており、このままだと全滅するのも時間の問題だ

 

私はどうにかできないかと必死に考えるが、その間にもまた1人悪魔の魔の手にかかろうとしていた

 

「駄目…駄目よ…もう…」

 

その時、絞り出すような声が聞こえてきた為、咄嗟に彼女の腕を掴もうとしたが一瞬遅く、絶叫と共に武器を抜刀し、駆け出した

 

ダメェェェェェェ!!

 

そこで私はアスナに向け、咄嗟に叫ぶ

 

「「アスナ!」」

 

私が叫んだのとほぼ同時にキリトさんも叫ぶと、【ザ・グリームアイズ】に向けて駆け出した

 

「たみ! キリト!」

「たみちゃん!」

「たみさん! 皆さん! 覚悟を決めて行きますよ!」

「もうどうにでもなりやがれ!」

 

ておさんと朱猫さんも続いてボス部屋へと突撃し、ポテトさん、じんじんさん、めらさん、廻道さんとクラインさん達もそれに付随する

 

「くっそ! こうなったら行ってやるよ!」

 

残された意識さんも、やむなしと言った感じでボス部屋に飛び込んだ

 

 

アスナの捨て身の攻撃は不意を突く形でヒットしたが、HPはほとんど減っていない

 

【ザ・グリームアイズ】は怒りの叫びと共に振り向くと、猛烈な勢いでアスナに向かって大剣を振り下ろした

 

アスナは咄嗟にステップで回避したものの、完全には回避しきれず攻撃の余波を受けて倒れこんでしまう

 

そこに容赦なく悪魔の攻撃が降り注ぐ

 

「アスナ!」

 

その直前にキリトさんが振り下ろされる大剣に対して、攻撃を当てて攻撃軌道を逸らし、アスナからわずかに離れた地面に大きな衝撃と共に、地面を抉るようにして突き刺さった

 

「下がれ!」

 

キリトさんがそう叫ぶと、アスナは素早い動きで後退し、キリトさんが代わりに【ザ・グリームアイズ】の攻撃を剣で受ける

 

そこからは私達が入る隙すらない、激しい連撃をキリトさんはパリィやステップなどで躱すが、ボスの使う攻撃自体が私達の扱う両手大剣より少しカスタマイズされている為、時折掠める刃によってじわじわとキリトさんのHPが減って行く

 

このままだとジリ貧なので思わず、"軍"の人達を退避させているクラインさん達とポテトさん達にあとどれぐらいで全員退避できるのかを訊ねる

 

「あとどれぐらいかかりそうですか!?」

「すまねぇ! もうしばらくかかりそうだ!」

 

その時、敵の1撃がキリトさんに入り、HPバーがぐっと減少する

 

キリトさんの装備は私から見ても、じんじんさんの様な(タンク)仕様ではないのでこれ以上は耐えられない、かといってじんじんさんにスイッチしようにも今は"軍"の人達を退避中なので難しい

 

そう思ったとき、キリトさんがこちらに向けて叫んだ

 

「テオ! タコミカ! 意識! 朱猫! 頼む! 10秒でいいから時間を稼いでくれ!」

「1分だ! それぐらい稼ぐ! 何か策があんだろ!? それだけあれば十分にお前も準備できるだろ!」

「解った! じゃぁ俺が合図したら俺に代わってくれ!」

 

それに対し、意識さんが1分稼ぐと言ったのでキリトさんは頷くと右手の剣で悪魔の攻撃を弾き、無理やりブレイクポイントを作るとそのまま床に転がるようにして後ろに下がった

 

間髪入れず意識さんが飛び込み、短剣で応戦する

 

そして入れ替わるような形で朱猫さん、ておさんとボスに飛び込んでいき、私も両手斧でボスと対峙する

 

「いいぞ!」

 

そして被弾しながらも何度か打ち合ったところでキリトさんから合図があったので、無言で頷き攻撃を躱すと【ザ・グリームアイズ】の武器の側面に思いっ切り攻撃を当てて、ブレイクポイントを作る

 

「せいっ!」

 

物凄い火花が散り、私と悪魔は互いにノックバックして、間合いが出来たところですかさずキリトさんは叫び、前に出た

 

「スイッチ!」

 

硬直から回復した悪魔は大剣を大きく振りかぶるが、キリトさんは右手の剣ではじき返し、間髪入れずに左手を背中に回し、新しい剣の柄を握りそのままボスの胴体に1撃与える

 

ボスのHPバーが目に見えて減少すると、悪魔は憤怒の叫びを洩らしながら再び上段からの切り下ろし攻撃を行ってきたが、キリトさんは()()()()()2()()()()を交差させて攻撃を受け止めると、押し返す

 

悪魔の体勢が崩れたところにキリトさんはラッシュを開始した

 

今まで見たことがないソードスキルを放ちながら、キリトさんはとてつもないスピードで剣を振るい続ける

 

「なんだ あのスキルは…!」

 

途中何回か攻撃が阻まれるが、お構いなしにキリトさんはただひたすらに【ザ・グリームアイズ】に対し、徐々に剣をふるう速度を上げながら攻撃を放ち続ける

 

 

「…はぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

 

そしてキリトさんが雄たけびを上げながら突き攻撃すると同時に、悪魔も咆哮を上げながらキリトさんに向かって大剣で攻撃をしようとしていた

 

しかし、その攻撃はキリトさんに当たることはなく、逆にキリトさんの攻撃が【ザ・グリームアイズ】の胸を貫いていた

 

キリトさんのその攻撃がとどめとなったのか【ザ・グリームアイズ】は全身を硬直させ、膨大な青いポリゴンの欠片となって爆散した

 

部屋中にきらきらと輝く光の粒が降り注ぐ中、部屋の中央に Congratulations! という文字が表示される

 

その中でキリトさんはただ茫然と立っていたが、突如として床に声もなく倒れた

 

「キリト君!?」

 

咄嗟にアスナが叫び、キリトさんに駆け寄った




かなり難しかったけど何とか書き終えた…

それではまた次回に
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