ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

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今回はちょっと短めかな…?

それではどうぞ


7話:エクストラスキル『二刀流』

「キリト君! キリト君ってば!」

 

アスナが必死に呼びかけると、顔をしかめながらも上体を起こした

 

キリトさんが倒れていたのはほんの数秒だけど、キリトさんの様子を見て私も安堵する

 

「いてて…」

 

未だに青い光の残滓が待っている中、キリトさんは辺りを見回し、キリトさんの近くに座り込んだアスナに訊ねた

 

「どれぐらい俺、気絶してた…?」

 

アスナは今にも泣きだしそうな表情で答える

 

「ほんの数秒よ…バカッ…! 無茶して…!」

 

叫ぶと同時にキリトさんの首に凄い勢いでしがみついた

 

「…あんまり締め付けると俺のHPがなくなるぞ」

 

キリトさんは場を和ませようとしたんだろうけど、こちらがどれだけ心配したことか…

 

アスナがそんな私の怒りを代弁するように、真剣に怒った表情でキリトさんの口に〖ハイ・ポーション〗を突っ込む

 

そしてキリトさんがすべて飲み終えたのを確認すると、キリトさんの肩に額を当てた

 

そんなキリトさんとアスナに対して、ポテトさんは近くまで向かうと遠慮がちな声で話しかけた

 

「…現時点で残ってる"軍"の人達の回復は済ませましたけど…」

 

ポテトさんはそこから先を言うのを躊躇っていると、クラインさんがキリトさん達に歩み寄ってきて、続けるようにして口を開いた

 

「…コーバッツとあと2人が死んだ」

 

キリトさんはその報告に少し俯く

 

「…そうか ボス戦で犠牲が出たのは67層以来だな…」

「こんなのが攻略って言えるかよ… あのバカ野郎が… 死んじまったら何にもなんねぇだろうがよ…!」

 

クラインさんの言う通り、少なくとも今回のボス戦は攻略とは言えない…

 

少し陰鬱な空気が広がったが、クラインさんは首を横に振って大きく息を吐くと、気持ちを切り替えるようにしてキリトさんに訊ねた

 

「そりゃあそうと おめぇさっきの何だよ!?」

「…言わなきゃダメか…?」

「あたりめぇだ! 今まで見たことねぇぞあんなの!」

 

確かにこの世界で剣が2本使えるようになるというスキルは今まで見たことがない

 

クラインさんの質問でほぼ全員がキリトさんが話すのを待っていると、キリトさんは意を決したように口を開いた

 

「…エクストラスキルだよ 『二刀流』」

 

キリトさんの言葉に「おぉ…」と言うどよめきが流れ、クラインさんが興味を持ったように急き込むように再び訊ねる

 

「しゅ…出現条件は!?」

「解ってたらもう公開してるよ」

 

キリトさんが首を横に振ると、クラインさんは「まぁ そうだろうな…」と唸る

 

ほとんどのエクストラスキルは最低でも10人以上は取得しており、取得方法も知られているが、ヒースクリフさんの持つ『神聖剣』と先ほどの『二刀流』だけは、他に取得した人が出たという話は聞いていない

 

「ったく…水くせぇなぁキリト そんなすげぇ裏ワザ黙ってるなんてよ」

「スキルの出現方法が判ってたら隠したりしなかったさ でも…さっぱり心当たりすらないんだ」

 

ぼやくクラインさんに対してキリトさんは肩をすくめると、指で頬を掻きながら、ぼそぼそと続ける

 

「それに…こんなスキル持ってるって知られたらって思ってな…」

「ネットゲーマーは嫉妬深いからなぁ… 俺は人間ができてるからともかくとして、そりゃあ妬み嫉みはあるだろうなあ…」

「自分で言いますかね…それ まぁ間違ってはいないですけど…」

 

ポテトさんの言う通り、クラインさんは人ができている

 

女性に対しての部分を除けば本当に信頼できる大人の1人だと思う

 

 

私がクラインさんをぼんやりと眺めながらそう思っていると「それに…」と呟き、キリトさんにしっかりと抱き着いたままのアスナを見やり、にやにやと笑いながら言う

 

「ま 苦労も修行の内だ 頑張り給え若者よ」

「…勝手なことを…」

 

そして腰をかがめ、肩をポンと叩くと続いて"軍"の人達の方へと向かって行った

 

「お前たち 本部までは戻れるか?」

 

クラインさんの言葉にまだ10代と思わしき男性は無言で頷く

 

「よし もう既に廻道がある程度伝えてると思うけど 今一度お前たちの口から今日のことをしっかりと上に伝えてくれ そしてもう二度とこんな無謀な真似をしないようにな」

「はい …あ えぇっと… その…今日は有難うございました」

「礼ならあいつらに言ってくれ」

 

クラインさんがキリトさんと私達に向けて親指を振ると、"軍"の人達はよろよろとではあるが立ち上がり、まずは座り込んだままのキリトさんとアスナに向けて深々と頭を下げ、次いで私達に向けてお辞儀をした

 

そしてボス部屋を後にして回廊に出たところで、次々と〖転移結晶〗を使ってテレポートしていった

 

青い光が収まったところでクラインさんは両手を腰に当てた

 

「俺達はこれからこのまま75層の転移門をアクティベートしに行くけどお前はどうするんだ? 今日の立役者だしお前がやるか?」

「いや 任せるよ 俺はもうへとへとだ」

「そうか …気をつけて帰れよ」

 

クラインさんは頷いて、お仲間さん達に合図を出して上層へと続く大扉の方へと歩いて行ったので、私達もクラインさん達の後に続くように上層へと続く大扉の方へと歩き始めた

 

大扉の前でクラインさんは立ち止まると、キリトさんに背を向けたまま話し始めた

 

「その… キリトよ おめぇがどんな理由でボス部屋に飛び込んだのかは聞かねぇが… "軍"の連中を助けに飛び込んだ時な…」

「なんだよ…?」

「俺は…なんつうか…嬉しかったよ …そんだけだ じゃぁな」

 

クラインさんは相変わらずキリトさんに対して背を向けたまま手を振ると、そのまま大扉を開けてその先へと足を踏み込んだ

 

それに続いて私達もキリトさんとアスナを残して第75層へと向かって行った

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

そして75層を解放した翌日の新聞は74層が突破されたことと、やはりと言うかキリトさんの『二刀流』のことが大々的に載っていた(多少着色はされてるけど)

 

それとなぜかキリトさんとヒースクリフさんがデュエルするという話をアスナがフレンド・メッセージで送ってきたときは本当に驚いた




廻道はALFのリーダー、サブリーダーと繋がりがあります

それではまた次回に
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