ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

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今回から朝露の少女編へと入っていきます

それではどうぞ


9話:訪問=トラブル発生?

キリトさんとヒースクリフさんのデュエルから数日後…

 

経緯はわからないけど、キリトさんとアスナが結婚したということを直接2人からメッセージで受け取った

 

そこで私達は慎ましくではあるものの結婚式をサプライズで開いて、2人の結婚を心から祝福した

 

 

 

それから早くも1週間が経ち、改めて2人の結婚を祝う為、代表して私とておさんが1週間前には用意できなかった皆が用意した結婚祝いの品を持って、2人の新居がある第22層へとやってきた(勿論アポなしで)

 

第22層はハッキリ言って湖と森以外には何もない層である

 

この層はフィールドにMOBが湧かず、ボスも前の層に比べてかなり弱かったのでわずか3日で攻略された

 

それでいて効率の良い狩場やクエストなんかも皆無、おまけに絶景スポットや観光地なんかも無しの為、人は少ないが個人的にはこの層のような落ち着いた雰囲気も結構好きである

 

 

私が考え事をしているうちに目的のログハウスが見えてきた

 

「えーっと… あれかな…?」

「ですかね?」

 

そして家の前に着くとドアをノックした

 

少しそのままで待っているとドアが開かれ、中からアスナが出てきた

 

「はーい どちら様… タコミカ!? テオ君まで!」

「こんにちは~」

「よっす」

 

アスナは私達の姿を確認するなりとても驚いた様子だった

 

「ビックリした… 来るなら来るって連絡してよ!」

「だって色々と準備してもらうのは悪いし、今日は皆から預かってるものを渡したら帰る予定だったから…」

 

アポなしできた私達に対してアスナは注意したので、私はアポなしで来た理由を伝えた

 

「誰が来たんだ…? ってテオにタコミカか!?」

「あ キリトさん こんにちは」

「お キリト」

 

しばらくするとキリトさんが顔を出したので、すかさず挨拶をかわす

 

「今日は何しに来たんだ?」

「さっきアスナにも話したけど皆から預かってるものを渡しに来ました」

「成程 実は俺達も相談したいことがあってな…とりあえず中に入ってくれ」

「「お邪魔します…」」

 

そしてキリトさんにもアスナと同じ説明をすると、中に入るように言われたので家の中に入る

 

少し進むと8歳ぐらいの女の子がソファに座っているのが見えた

 

?????

 

私は意味が分からずフリーズしたが、状況を理解して2人に対して捲し立てるようにして質問を投げかける

 

「え? え? 子供!? なんで? なんでです!? 2人の子どもですか!? この世界では結婚したら子供ができるんですか!? いやでも グリセルダさんとグリムロックさんの時は子供がいるようには見えなかったような…? まさか… 2人共一線を越えたんですか? 夫婦の営みってやつですか!?」

「た…たみ!? い…いったん落ち着け! 2人共驚いてるだろ!」

 

ておさんが混乱している私を強制的に落ち着かせる

 

 

若干落ち着いた私は改めて2人に対して質問を投げかけた

 

「でもなんで女の子がここにいるんですか?」

「昨日…

 

~~~~~~

 

…というワケでとりあえずうちで面倒を見てるってことだ」

「成程…」

 

キリトさんの話を簡単にまとめると今、アスナが相手している女の子―――どうやらユイちゃんというらしい は森にいたところを2人が発見し、一旦保護したとの事

 

「そうだったんですね…てっきり私はここでは子供が急成長するものだと…」

「そんな訳ないだろ… というかこれからどうするんだ?」

 

私の発言にておさんがツッコミを入れると、キリトさんにこれからどうするのかを訊ねた

 

「俺らはこれから<はじまりの街>に向かおうって思ってる」

「<はじまりの街>って確か"軍"のテリトリーだったはずですけど…」

 

キリトさんは<はじまりの街>に行くと言ったので、私はすかさず"軍"のテリトリーということを思い出して話す

 

「まぁ俺らが警戒しとけば大丈夫か」

「そうですね …勝手に決めちゃいましたけど良かったですか? キリトさん」

「あぁ 人探しとなると人手は多いほうが良いからな」

 

私とておさんは勝手に2人について行くことを決めちゃったけど、どうやらキリトさんはそれでよかったみたい

 

「それじゃぁそろそろ行きますか?」

「そうね それじゃぁいこっかユイちゃん」

「うん パパ、抱っこ」

 

私がアスナに対して顔を向けるとアスナは頷き、ユイちゃんに声を掛ける

 

そしてキリトさんのところまで走ってきて両手を伸ばすと、キリトさんは苦笑いを浮かべながらもユイちゃんの体を抱え上げた

 

 

家を出る前にすっかり渡すタイミングを見失っていた結婚祝いの品をアスナに渡し、手早くウィンドウを確認するとアスナに続いてドアへと歩き始めた

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

数ヵ月ぶりに<はじまりの街>へと降りたつが、やはり上を見上げると、まるで昨日のことのように2年前のことを思い出して、何とも言えないような複雑な気持ちになる

 

そんな感情を振り払うように首を小さく横に振ると、キリトさんに抱っこされたままのユイちゃんの顔を覗き込みながら聞く

 

「ユイちゃん 何か見覚えのあるものってあるかな?」

「ユイ わかんない…」

 

ユイちゃんは私の質問に首を横に振る

 

因みにここに来るまでの道中で私とておさんもユイちゃんに自己紹介はしたんだけど、言いにくいのか私のことはねぇね ておさんのことをにぃに と呼んでいる

 

「まぁ <はじまりの街>は恐ろしいほど広いからな しばらく歩いていればそのうち思い出すかもしれないさ 一先ず中央市場に行ってみようぜ」

「そうだね」

 

それに対してキリトさんはさほど気にすることはなく、ユイちゃんの頭を一撫ですると頷き合い、南にある大通りに向かって歩き始めた

 

 

しばらく歩いていると、不意にアスナが私達に対して訊ねてきた

 

「ねぇ 3人共?」

「ん?」

「ここって今プレイヤー何人ぐらいいるの?」

「うーん… 生き残ってるプレイヤーが約6300人で"軍"のメンバーも含めると3割ぐらいがここに残ってるらしいから、おおよそ2000人弱ってところか…?」

「その割には人が少ないって思わない…?」

 

言われてみれば確かに数人とすれ違ったぐらいで、その数人も転移門広場に向かうか、その出口に向かうかの2種類だったような気がする

 

「確かに… マーケットの方に集まってるのか…?」

 

ておさんも疑問に思ってたみたいでふと呟いていた

 

 

しかし、大通りをしばらく歩き、店や屋台が立ち並ぶ市場エリアに差し掛かっても街は閑散としており、店員NPCの客を呼び込む声が虚しく通りに響いている

 

誰かいないかと探していると、通りの中央にある大きな樹の下に座り込む男性を見つけた

 

「あの人に訊いてみましょうか」

「そうしましょう」

 

私達はその男性に話を聞いてみることにして、早速アスナが声を掛けた

 

「すみません」

 

男性は高い樹を見上げながら、面倒くさそうに口を開く

 

「なんだよ」

「あの… この近くで訊ね人の窓口になっているような場所ってありますか?」

 

そこでようやく男性はアスナに視線を向け、遠慮すらない目つきでアスナの顔を眺めまわす

 

「なんだ あんたらよそ者か」

「え…えぇ あの…この子の保護者を探してるんですけど…」

 

アスナはキリトさんの腕の中でウトウトしているユイちゃんを示す

 

それを見た男性はチラッとユイちゃんを見ると、多少目を丸くして驚いていたが、直ぐに視線を再び樹の上部分へと移した

 

「…迷子か 珍しいな …東七区の川べりにある教会にガキのプレイヤーがいっぱい集まってるから行ってみな」

「あ…有難う…」

 

まさか初めに声を掛けた人から有益な情報を得ることが出来るとは思わず、呆気にとられたがアスナはその人に感謝するようにしてペコリと頭を下げた

 

そしてついでにアスナは追加でもう一つ質問を投げかける

 

「あのー… 一体ここで何をしているんですか…? それにどうしてこんなに人がいないんです?」

 

その質問に男性は渋顔を作りながらも、満更でもなさそうに答えた

 

「企業秘密って言いたいところだが、よそ者ならいいか ほら 見えるだろ? あの枝」

 

男性が伸ばした指の先を目で追うと、すっかり紅葉した葉が付いている枝が見えたが、その葉の影に幾つか黄色い果実が生っているのが見える

 

「勿論この街路樹は破壊不能オブジェクトだから登っても実はおろか葉っぱ1枚すら取れないけどな」

 

私達がその生っている実を見ている間にも男性は続ける

 

「1日に何回かあの実が落ちるんだよ… ほんの数分で腐って消えちまうけどそれを逃さず拾えば、NPCに結構良い値で売れるんだよ 食ってもうまいしな」

「へぇぇ~」

 

アスナは男性の話に興味があるのか頷いていた

 

そこで私はアスナに続けるようにして男性に対して、実の売値を聞いてみることにした

 

「因みにいくらぐらいで売れるんですか?」

「…これはここだけの話にしておいて欲しいんだが…1個5コルだ」

 

男性は得意げに話していたが、私は思わず絶句した

 

苦労に対する成果が見合っておらず、それぐらいだったら街の外にいるボアを何体か倒したほうが稼げる

 

「あ…あの… 聞いておいてなんですけどそれじゃぁ割に合わないっていうか…フィールドでMOBを何体か倒したほうがもっと稼げますよ…?」

 

私がそう言った途端、男性はまるで頭のおかしな人を見るような視線を私に向けてくる

 

「本気で言ってんのかよ それ フィールドでモンスターと戦ったりしたら…死んじまうかもしれねぇだろ」

 

その言葉を聞いた時、私達と<はじまりの街>に住んでいる人たちの常識はまるで別世界のようになっているのだということを理解した

 

多分どっちが正解というものはないと思うけど…

 

私の複雑な心情などそっちのけで男性は続ける

 

「それで…人がいない理由だったか? 別にいないっていう訳じゃないぜ 皆宿屋の部屋に閉じこもってるだけさ 昼間は"軍"の徴税部隊に出くわすかもしれねぇからな」

「ちょ…徴税…? それはいったい?」

「要はカツアゲさ 気をつけろよ あいつらはよそ者だからって容赦しねぇぜ おっと 1個落ちそうだ…話はここまでだ」

 

男性は話を切ると、再び樹の枝を真剣な眼差しで睨み始めた

 

私とアスナは男性に対し一礼すると、後ろを振り返った

 

そこには戦闘中のような眼差しで、黄色い実を見つめているキリトさんの姿があった

 

「やめなよもう!」

「だ…だってさ… 気になるじゃん」

「ユイちゃんが真似したらどうするんですか!」

 

アスナはキリトさんの襟首を掴み、そのままずるずると引きずって歩き始め、私はすっかり眠ったユイちゃんをておさんから受け取ると(恐らくキリトさんから預けられたのだろう)、キリトさんに向かって怒った

 

「あ…あぁ… うまそうなのに…」

 

未練たらたらな様子のキリトさんの耳をアスナは無理やり引っ張って振り向かせる

 

「それより…東七区ってどの辺? 教会で若いプレイヤーが暮らしてるみたいだから行ってみようよ」

「…はぁい」

 

そしてアスナにユイちゃんを預け、マップを確認しながら歩き始めたキリトさんの後に続いた

 

 

 

相変わらず人の少ない広い道を南東に向かって数十分歩くと、色づいた広葉樹が多くある広大な庭園のようなエリアへ差し掛かった

 

「えーっと… マップではこの辺が東七区なんだけど… その教会っていうのはどこだろう?」

「あれじゃねぇか?」

 

ておさんは未知の右手に広がる、林の向こう側の一際高い尖塔を視線で示した

 

視線の方を見てみると、確かに青灰色の塔の天辺に、十字に円を組み合わせた金属製のアンクが輝いているのが見える

 

間違いなく教会の印だ

 

SAOでは各街に1つはある施設で、中では某RPGの様にセーブはできないものの、呪いの解呪や対アンデッド用に武器に祝福を行うことが出来る他、コルを継続的に収めることで宿屋の様に部屋を借りることもできる

 

気を取り直して教会に向かって歩いていると前を行く2人が何かを話しているのが見え、ユイちゃんを抱いているのも相まって本当の家族のように見えた

 

ゆくゆくは私も結婚して…あの2人みたいな家庭を作るのかな…

 

私はておさんをチラッと見ると、そんな淡い希望を抱きながら教会へと向かって行った




オリキャラ勢の結婚祝いの品一覧

タコミカ
エプロンとキリトとアスナの人形

テオロング
屋外用のテーブルと椅子

ポテト
ガラスドーム入りの造花

ひま猫
ケチャップを完全再現した調味料

メラオリン
黒と赤のマグカップ

きるやん
食材アイテム

意識
まな板と包丁

朱猫
フライパンと鍋

リオン
フォトフレーム

キャラメレ
フレンジー・ボアの置物

たまぶくろ
ネックレス(リズベット製作)

じんじん
食器類

たらこ
キャンドル

プレッシュ
タオル

廻道
2つの手鞠(黒色と赤色)

テツロン
紅茶ギフト


それではまた次回に
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