ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

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今回のタイトルあまりいいのが思いつかなかった…

それではどうぞ


11話:ココロ

木立の合間を縫って第六区の市街地へと入り、裏通りに入るとNPCショップや民家の庭を突っ切って進んでショートカットしていく

 

しばらく進んでいると、前方の細い通路を塞ぐ10人ぐらいの"軍"の一団が目に入った

 

躊躇せずに路地裏に駆け込んだサーシャさんが足を止めると、それに気づいた"軍"のプレイヤー達が振り向き、下衆な笑みを浮かべた

 

「おっ 保母さんの登場だぜ」

「…子ども達を返してください」

 

サーシャさんは硬い声を出したが、男たちは全く動じていない様子だった

 

「人聞きの悪いことを言うなって ちょっと社会常識ってやつを教えたらすぐに開放してやるよ」

「そうそう 市民には納税の義務があるからな」

 

そう言い終わると、男たちは甲高い笑い声を上げた

 

サーシャさんも我慢の限界が近いのか、硬く握られた拳を震わせている

 

「ギン! ケイン! ミナ! そこにいるの!?」

 

しかしサーシャさんは怒りを抑え、男たちの向こう側にいるであろう子どもたちに呼びかけると、少女の声が返ってきた

 

「先生! 先生…助けて!」

「お金なんていいから、全部渡してしまいなさい!」

「それが駄目なんだ…先生…!」

 

サーシャさんは子ども達に対して叫ぶと、今度は少年の声が返ってくる

 

「くひひっ」

 

道を塞ぐ男達のうちの1人が、ひきつるような笑いを吐き出した

 

「あんたら 随分と税金を滞納してるからなぁ… 金だけじゃ足りないよなぁ」

「装備も置いてってもらわないとなぁ~? 防具も全部…何もかもな」

 

男たちの下卑た笑いを見て、私は彼らを絶対に逃がさないと決心した

 

「そこを…そこをどきなさい…! さもないと…」

「さもないと何だい? せんせい? あんたが代わりに税金を払うかい?」

 

にやにやと笑う男たちはその場を動こうとしないが、私達にとっては特に問題はない

 

アスナも私と同じことをやろうとしているようで、私達を見ると言った

 

「行こう 3人共」

「あぁ」

「了解」

「オーケー」

 

頷き合うと、思いっきり地面を蹴った

 

そして呆然としているサーシャさんと"軍"の男達の頭上を軽々と飛び越え、四方を壁に取り囲まれた空地へと着地した

 

空地の片隅には10代前半ぐらいの男の子2人と女の子1人が固まるようにして身を寄せ合っており、防具は既に除装されていて、インナーのみの姿だった

 

アスナはその子たちに対して歩み寄ると、安心させるような優しい口調で微笑みながら言った

 

「もう大丈夫よ 装備を戻して」

 

子ども達は眼を丸くしていたが、直ぐに頷いて足元にある防具を拾い上げると、ウィンドウを操作し始める

 

「おい…おいおいおい!」

 

その時、ようやく我に返った"軍"の男の内の1人が喚き声を上げた

 

「なんなんだお前らは!」

「我々の任務を妨害するのか!」

「まぁ待て…」

 

それを皮切りとして次々に声を上げるが、一際重装備の男が押し止めると、前に出てくる 恐らくリーダーだろう

 

「あんたら見ない顔だが…解放軍に楯突く意味が解ってるだろうなぁ? 何だったら本部でじっくり話聞いてもいいんだぜ」

 

リーダーと思わしき男は腰から剣を引き抜くと、わざとらしい動きで刀身を手のひらにに打ち付けながら歩み寄ってくる

 

剣の輝きから恐らく、まだ一度も修理等をしていないのだろうということが判る

 

「それとも いくか? 圏外? あぁ!?」

 

そこで我慢の限界だったのか、アスナがキリトさんに囁いた

 

「…キリト君 ユイちゃんをお願い」

 

そしてキリトさんにユイちゃんを預けると、いつの間にか実体化させた細剣を手に持って前に出たので、私もておさんに対して呼びかける

 

「ておさん 子ども達お願いできますか?」

「問題ないよ まぁ 止めても無駄だろうから止めないけど…やりすぎないでね?」

「解ってますよ」

 

そうは言ったものの、今回ばかりは徹底的にやるつもりだ

 

私は助走をつけて再び"軍"の男達の頭上を飛び越えると、サーシャさんの前に降り立った

 

サーシャさんは再び呆気に取られていたが、直ぐに我に返り、若干大声で話しかけてくる

 

「あの…! タコミカさん! 子ども達は無事なんですか!?」

「はい 先ほど装備は元に戻しました それと…少し後ろに下がっててもらえますか?」

「わ…判りました…」

 

サーシャさんを後ろに下がらせたところで、私はウィンドウを操作して〖ルナール・カエルム〗を装備し、いつでも行けるように準備を整える

 

すると、轟音と共にリーダーの男性が吹っ飛んできた

 

「安心して 圏内ではどんなに攻撃を受けてもダメージはないわ 軽いノックバックが発生するぐらいよ」

 

細剣を抜刀したアスナは揺るぎない歩調で、リーダーの男に歩み寄る

 

「でも 圏内戦闘は恐怖を刻み込む」

 

そこでようやくリーダーの男はアスナの意図を悟ったように悲鳴を上げた

 

「や…やめっ…てばっ!」

 

アスナの剣技によって再びリーダーの男は地面に打ち倒される

 

「お…お前ら…! 見てないで何とかしろっ…!」

 

その言葉によって、他の"軍"の男達も武器を抜くが、アスナがレイピアの先を向けると悲鳴を上げて逃げ出した

 

しかし私は逃がすつもりは微塵も無い

 

「どこに行かれるおつもりですか?」

 

私は逃げてきた男たちに対して、容赦なくソードスキルを浴びせると、悲鳴を上げながら面白いように吹っ飛んだ

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

数分後…空き地には無数の男達が転がっていた

 

私は武器を収めると、その中の1人を胸ぐらを掴んで無理やり起こす

 

「起きてくださーい まだ終わってませんよ~?」

「う…うわあぁぁぁ…!?」

 

男は私の顔を見るなり悲鳴を上げる

 

「でもそうですね… 私もそろそろ飽きてきましたし… 誠意ってのを見せてもらったら見逃してもいいですよ」

 

私がそんな提案を出して、男が言いそうなことを先回りして詳しく話す

 

「どんなのかって…? 簡単ですよ 先ほど子ども達に言ってたことをあなたたちが実践するんです 防具から何から何まで全部置いてって下さいな …まさかできないとかじゃないですよねぇ…?」

 

私が笑みを浮かべながら、胸ぐらを掴んだまま男を壁に打ち付けると、男は悲鳴を上げながらウィンドウを操作し始めた

 

「わ…わかった! わかったから! 頼む! これ以上はやめてくれ!」

 

男は装備を全解除して、全てのアイテムをオブジェクト化するとインナー姿のまま、悲鳴を上げながら走り去っていった

 

 

私は手をはたくと大きく息をついた

 

そこで全員が唖然としたように私の方を見ているのに気が付いて、誤魔化すように口許を押さえながら笑う

 

「お…おほほほほ…」

 

しかし、子ども達の反応は私の思っていたのと真逆の反応だった

 

「すげぇ…すっげぇよ姉ちゃん達! 俺 あんなの初めて見たよ!」

「な? 言ったろ? この姉ちゃん達は無茶苦茶強いって」

 

ニヤニヤ笑いながらユイちゃんを抱えている、キリトさんが進み出てきた

 

困惑していると、アスナと私に子供たちがわっと歓声を上げて一斉に飛びついてきた

 

サーシャさんも胸の前で両手を握りしめながら、泣き笑いのような表情をしている

 

私がそんな子供たちに対して、絶対に真似しないように注意を促そうとした時…

 

「みんなの…みんなの、こころが」

 

その声にハッとなってそちらに視線を向けると、キリトさんの腕の中でユイちゃんが宙に向かって右手を伸ばしていた

 

「みんなのこころ…が…」

「ユイ! どうしたんだ、ユイ!」

 

キリトさんが呼びかけると、ユイちゃんは2、3度瞬きをするときょとんとした表情を浮かべる

 

アスナは慌てて、キリトさんに駆け寄るとユイちゃんの手を握った

 

「ユイちゃん…何か思い出したの…!?」

「わたし…わたし…」

 

ユイちゃんは眉を寄せ、俯く

 

「わたし…ここには…いなかった…ずっと…ずっとひとりで、くらいところにいた…」

 

そして何かを思い出そうと、顔をしかめ唇を噛むと、突然…

 

「うあ…あ…ああぁぁぁ!」

「っ…!?」

 

高い悲鳴が迸り、〔ザ ザッ〕というノイズじみた不快な音が私の耳に響いてきたので、思わず悲鳴を上げながら目を閉じ、耳を塞いでしまう

 

「ゆ…ユイちゃん!」

「ママ…こわい…ママ!!」

 

少ししてから恐る恐る目を開くと、突如起きた怪現象は収まっており、ユイちゃんは気を失ったのか、体の力が抜けた様子でアスナに抱かれていた

 

「なんだよ…今の…」

 

静寂に包まれた空き地に、キリトさんの呟きが低く流れた




書いてて思ったけどもうこれどっちが恐喝してるのか判らないですね…(でも相手が相手なので後悔はしてないです)


今回はちょっと短めですけど、キリがいいのでここまでにしておきます

それではまた次回に
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