ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

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今回からフェアリィ・ダンス編へと突入します!

フェアリィ・ダンス編は基本的にはテオロング目線で行きますのでよろしくお願いします

それではどうぞ~


1話:戻ってきた日常と戻らない彼女

俺はいつもの目覚ましで起き、布団から起き上がると大きく伸びをした

 

 

 

 

 

キリトがヒースクリフを倒しSAO(あの世界)を終わらせてから早いものでもう2ヵ月経っていた

 

 

 

―――あの後、結局看護師さんに見つかってしまい、半ば強制的に病室へと戻らされた

 

その1時間後ぐらいに総務省SAO事件対策本部の人がやってきて、様々なことを根掘り葉掘り聞かれたので俺は対価として、あちらで知り合った人たちの居場所(主にたみ)の居場所を聞きたかったが、さすがに断られた

 

 

断られることは薄々とだが判っていたので、妥協して連絡先を条件として交渉した

 

…結論から言えば、それも駄目だったけど

 

 

そんなこんなで手元に残ったのは結局ナーヴギアのみとなった

 

 

一応コミュニティアプリのたみ宛てのDMにメッセージを送ったりもしたが、全く音沙汰なし

 

 

 

 

完全に手詰まりだと思った時、キリトこと桐ケ谷和人から電話がかかってきた

 

 

 

 

最初、俺は夢でも見ているのかと思ったが、実際に会ってみたら正しく(まさしく)あの世界で出会ったキリト本人であった

 

再開したときには、少し泣きそうになった…しかしその余韻に浸る間もなく、そこでアスナこと結城明日奈と、たみこと水明千秋がいまだに目覚めていないということを知った

 

始めは何かの冗談だと思ったが彼女がこんな冗談をやるとは考えにくいし、何より和人の顔がずっと暗いままだったことからすべてが真実だということが分かった

 

彼女の意識がどこにあるのかは分からないが俺は彼女との約束を守るつもりだ

 

 

因みに彼女たちの入院している病院は埼玉県の所沢市にある

 

その病院はなんとたみの父親である水明 悠仁(すいめい ひさひと)氏が経営している…らしい

 

 

 

俺はパジャマ替わりにしているジャージから着替えると、兄貴の待つリビングへと向かう

 

「おはよう兄貴」

「おう! 透! 遅かったな 今日はどうすんだ?」

「悪い… パスで」

 

この人は俺の兄で名前は火崎 隆司(ひざき りゅうじ) 今は大学に通っている

 

兄貴はこうやって時々俺をランニングに誘ってくれるが、今日はあまり乗り気ではないため断った

 

「そうか… 別に気にすんな 朝ごはん出来てるぞ」

「お! サンキュー!」

 

今日はご飯とみそ汁、それからサケの切り身の如何にもな感じの和食だ

 

和食はあの世界に基本的には無かったので、今でも懐かしいような気持ちになる

 

 

 

そして俺は食事を終えると家を出ることにした

 

「今日も行くのか?」

「まぁな…」

「俺も今日は大学だから鍵持って行けよ」

「了解」

 

 

兄貴がそう言った為、俺は家の鍵と肩掛けタイプのバッグを持って、その病院へと行くことにした

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

そこから電車やバスを何回か乗り継いでようやくその病院へと到着した

 

距離が距離なので、あまり頻繁に来ることはできないが、それでも来れるときには来るようにしている

 

 

守衛さんに挨拶をして病院へと入ると受付で通行パスを発行してもらい、エレベーターに乗り最上階へと向かう

 

ここは長期の入院者が多い階層ということを彼女の兄である水明 照春さんから聞いているため人影は少なかったが俺は一刻も早く彼女の元へと向かいたいという気持ちを抑えて歩いて病室まで向かう

 

何回か病室の前を通り過ぎると«水明千秋 様»と書かれた鈍く輝くネームプレートがある病室へと辿り着いた

 

そのネームプレートのすぐ下にあるスリットに受付でもらった通行パスを首から外してスライドさせると薄いグリーンに塗装されている扉がスライドする

 

 

一足部屋に踏み込むと涼しげな花の香りが鼻に入ってくる

 

ホテルの部屋かと見間違うほどの病室は俺が初めて来たときは驚いた

 

部屋の中央には色とりどりの生け花が飾られている

 

広い病室の奥はカーテンで仕切られており、俺はそこに近づく

 

俺はかすかな希望を持ちつつそのカーテンを引く

 

 

そこにあったのは俺が病院にいた頃に使っていたようなジェル素材の最新型のフル介護ベッドに窓から差し込む光を受けて淡く輝く白い肌掛けをして―――今も眠っている彼女の姿だった

 

和人に連れてこられて初めて来たときはもしかしたら彼女は意識のない自分の姿を見られるのを嫌がるかもしれないと思ったがその心配を飛ばすかのように彼女の姿は儚くありつつも美しかった

 

窓から差し込む光によって茶色に輝く髪がクッションの四方に流れており、肌も透き通るほどの色をしているが適度に手入れされているのか病的なほどではなく、頬は少し赤みがかっている

 

体重も俺と比べるとそこまで落ちていないように見え、病院着から覗く鎖骨のラインは間違いなくあの世界の彼女と同一人物なのだと思わせる

 

まるで眠っているだけのようにも思え、今にも長い睫毛を震わせて目が開きゆっくりと上体を起こして

――今日も来てくれたんですね 透さん

と言いそうだが頭には濃紺のヘッドギアが正常に作動しておりその素振りを見せない

 

ナーヴギアは今も正常に通信が成功している証である3つのインジケーターLEDが青く輝いており、それが時折星のように点滅する

 

彼女は今もSAOではないどこかの仮想世界に囚われている

 

俺は昔に彼女がそうしてくれたように右手で彼女の頬に優しく触れると暖かなぬくもりを感じられる

 

それに俺は涙が出そうになるが何とか堪えて小さく彼女の名前を呟く

 

「千秋…」

 

 

気が付いたら時刻は午後1時を過ぎていたため俺は病室を後にすることにした

 

「じゃぁ…そろそろ帰るな? またできるだけ日にちを開けずに来るから」

 

俺がたみに話しかけて立ち上がりドアの方を向くとそのドアが開いて2人の人物が中に入ってきた

 

「あ! こんにちは! 透さん! 今日も来てくれたんですね」

「冬華 あんまり騒いじゃ… あら火崎君 今日も来てくれたのね」

 

その人物は1人が黒髪の短髪で彼女の妹である水明冬華ちゃんでもう一人が彼女のような茶髪だが髪はサイドテールにしている水明楓さんだった

 

因みに水明楓さんはとても大手のファッションブランドである⁽ラフリーソイ₎に勤めており、ファッション関連のことをあまり知らない俺でさえその名前を知っていたので彼女から聞いた時には結構驚いた しかも現在は副社長との事…

 

俺は軽くお辞儀をすると口を開く

 

「お邪魔してます 楓さん」

「そんなにかしこまらくても大丈夫よ それにこの子だって火崎君が来てくれて嬉しがってるわ きっと」

 

楓さんはそう言うと彼女の髪を優しく撫でた

 

「それはそうと今から帰るところだったのにそれを止めて悪かったわね…」

「いえ… お気になさらず…」

 

それから楓さんは俺が帰ろうとしているところだったことに気が付いて謝罪したが俺は別に気にしていないためそれを止める

 

 

俺と楓さんが話をしていると冬華ちゃんは千秋のベッドの傍にある花瓶の中の花を入れ替え終わったようで、古い花を新聞紙に包んでいるのが見えた

 

…今度花でも持ってこようかな

 

予想外のこともあったが今度こそ病室を後にすることにした

 

「では そろそろお暇しますね」

「えぇ また会えたら嬉しいわ」

「また来てくださいね」

 

俺は2人の声を受けながら病室を後にした

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

帰りで適当にお昼を済ませ、自宅に帰ると本日はログインしないという趣旨をALO(あちら)で出会い、現在はこうやってチャットまでする仲になったフィレイスに送る

 

フィレイスはALOでは火妖精族(サラマンダー)を選んでいるが俺と同じく脱領者(レネゲイド)として一緒に世界樹を目指している女性プレイヤーである

 

 

世界樹に向かおうと思ったきっかけは何となくである

 

なので世界樹には最初、俺一人で行こうとしていたのだが、サラマンダー領を出る直前に彼女が話しかけてきた

 

俺は彼女の提案を断ろうとも考えたが、ALOについては全く無知なのと目的地が同じということもあって、お願いすることにした

 

 

 

因みに俺は元々、SAO事件(あの件)もあってこの手のゲームは二度とするまいと思ってはいたのだが、やっぱり俺も生粋のゲーマーなのだろう 結局は購入してしまって今に至るが、予想以上に楽しい

 

ALOへのダイブにはナーヴギアを使っている為か、一部を除いたスキル熟練度がSAOのものを引き継いでいたり、アイテムや武具類が文字化けしており、オブジェクト化できない(見つかったら不正判定されかねないのでやむを得ず破棄したが)と不審な点は幾つかみられたが…

 

 

まぁそんなこんなで今は<ルグルー>と呼ばれている鉱山都市にいる

 

 

フィレイスに訊いたところ、<ルグルー>のある{ルグルー回廊}を抜けて、真っ直ぐ行けば世界樹もとい央都<アルン>に辿り着けるらしい

 

その為、俺はそこまで急いで世界樹に辿り着くつもりではなかった

 

 

 

 

 

―――翌日、エギルからあるメッセージが届くまでは…




最近忙しくて全然書けてなかった…

それではまた次回に
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