ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

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本当は11月6日に何かしたかったけど忙しくてできなかった…(´・ω・`)

それではどうぞ


2話:届いた手掛かり

そのメッセージは俺が朝食を食べ、着替え終わった時に届いた

 

結構急いだのだろう、件名は『Look at this』という非常に短いもので、本文も一切なかった

 

その代わりに1枚の写真が添付されていた

 

 

そこには、極限まで引き延ばされ、ドットが粗くなっているが、見慣れない白いドレスのような衣装を着た栗色の髪の女性―――アスナが映っていた

 

 

…それだけでも驚きなのだが、その写真を再び見てみると、黒っぽい色で腰辺りまで延びている髪の女性の後ろ姿が移りこんでいた

 

 

何の確証もないが、今の俺はそう思わずにはいられなかった

 

「たみ…!?」

 

俺はそれなりに急ぎ、エギルに対して電話を掛けた

 

 

電話を掛けてから、そう時間がかからずにバリストンボイスの男性が電話に出た

 

「やっぱりお前も掛けてきたか」

「お前もってことは…」

「ご想像通りだ」

「成程」

 

エギルの反応からして、電話を掛けたのはキリトだろう

 

「それで…早速で悪いがあの写真は何だ?」

「長い話になる 台東区御徒町にあるダイシー・カフェに来れるか?」

「解った 直ぐに向かう」

「あぁ 待ってるぞ」

 

そこで電話を切り、コートとバッグを取ると部屋から出て、兄貴に一言告げてから家を出た

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

自転車をしばらく走らせると、2つのサイコロを模った看板が見えてきた

 

 

店の前に自転車を停め、木製のドアを開くと〔カラン〕という乾いたベルの音が鳴る

 

「らっしゃい」

 

その音で禿頭の店主が顔を上げ、カウンターに座っていた3人もこちらを向く

 

事前に聞いていたキリトと、何故か意識と朱猫がいた

 

「テオも来たのか」

「よぉ」

「やっほ テオ」

「えっと… キリトは解るが… 意識と朱猫までいるなんて聞いてないぞ」

 

俺が目をぱちくりとさせていると、朱猫は不服そうな視線を俺に向ける

 

「何? いちゃ悪いの?」

「いや…そういう訳じゃないけど…」

「まぁまぁ いいじゃねぇか」

 

それに対して、エギルは諫めるような声で俺達に言った

 

 

改めてカウンターの空いている席に座ると、コーヒーを注文した

 

 

朱猫がホットココアを飲み、一息ついたところでエギルに対して話しかけた

 

「…それで…全員揃ったところで早速本題に入るけど… エギル あの送ってくれた写真は一体?」

 

その質問に店主は直ぐには答えず、カウンターの下に手をやって、あるソフトを取り出し、キリトに向かってカウンターを滑らせるように渡し、キリトはそれを受け止める

 

そのソフトを覗き込むようにしてみると、これまた驚きだった

 

「こ…これって…!」

「知ってるのか!?」

「知ってるというか…やってるというか…」

「まじか!?」

 

俺がそう言うと、キリト達は驚いていた

 

 

「えぇっと… これはどういったゲーム?」

「簡単に言えばVRMMO 名前はアルヴヘイム・オンライン―――直訳で妖精の国って言うらしい」

「妖精ってことはほのぼの系?」

「その真逆だ PK推奨 どスキル制 プレイヤースキルで強さが決まる」

 

エギルが俺の説明に付け加えるようにして言うと、3人は再び驚いていた

 

「それはえらくきつそうだな… それで、どスキル制ってのは?」

「いわゆるレベルという概念は存在しない 各種スキルは反復仕様で上昇するのみで決してHPは上がらない 戦闘自体もプレイヤーの運動能力依存 簡単に言えば魔法と遠距離武器アリ、ソードスキルなしのSAOってところだな 因みにグラフィックなんかもSAOに迫るスペックだ」

「へぇ…そりゃあ凄いな…」

 

キリトの質問に今度は俺が答えると、3人共頷きキリトの持つソフトのパッケージを見る

 

「それでPK推奨っていうのは?」

「ゲームを始めるときに最初のキャラメイクがあるんだが、違う種族ならキルありなんだとよ」

「結構マニアックなゲームじゃねぇか それじゃぁ人気ないだろ」

 

意識が眉を顰めながら呟くと、エギルは口元に笑みを浮かべる

 

「それが今大人気なんだと そのゲーム 理由は飛べるからだそうだ」

「飛べる…?」

「フライト・エンジンを搭載してて、慣れればコントローラーなしで自由に飛び回れる 因みに俺は自由に飛べるのに約1週間ぐらいかかった」

 

俺がそう言うと3人共異口同音に「へぇ~」と言う

 

「飛べるって言うのは凄いね そりゃぁ人気が出るわけだ…」

「今までのVRゲームは何かを操って飛ぶっていう感じだったからな…」

 

朱猫の呟きにキリトも思わずといった感じに呟く

 

「どうやって羽根を操るんだ?」

「実際にやってみたらわかると思うけど相当むずいぞ 一応初心者に対する救済として、スティックタイプのコントローラーを操って飛ぶ方法もあるけど」

 

…と本題から逸れてしまった

 

俺は出されたコーヒーを一口飲むと同時にキリトもコーヒーを飲んだようで、エギルに向き直る

 

「―――何となくこのゲームについては解った それで、本題に戻るがあの写真は何だ」

 

エギルは再びカウンターの下から1枚の写真を取り出して、俺たちの目の前に置いた

 

「どう思う」

 

エギルにそう聞かれ、俺達はしばらくその写真を凝視してから答える

 

「似てる…と思う…アスナとたみちゃんに」

「そうだよな…」

「やっぱりお前らもそう思うか ゲーム内のスクリーンショットを拡大したものだから解像度は低いけどな…」

「なぁ エギル 教えてくれ この写真は一体何処で撮られたんだ」

 

キリトの質問にエギルはキリトの手からソフトを取って、裏返しにして置き、世界の俯瞰図の中央にある1本の樹を指でこつんと叩く

 

「世界樹、と言うんだとさ」

「現状、プレイヤーの目標地だったよな 確か樹の上にある城に最初に辿り着いた種族がアルフという上位種族とやらになれるらしい」

 

俺は前にフィレイスから聞いた話を何となく思い出しながら、話す

 

「辿り着くって、飛べばいいじゃないのか?」

「なんでも滞空時間ってのがあって、無限には飛べないらしい この樹の一番下の枝にも到達できない だが、どこの世界にも一定数、馬鹿な事をやる奴ってのはいるもんで、体格順に5人が肩車して、多段ロケット方式で世界樹の枝を目指したんだ」

「まぁ何というか、馬鹿と天才は紙一重っていう奴だな」

 

意識が苦笑いしながらも、彼らの事を称賛する

 

「あぁ 見事に目論見は成功、枝にかなり近づいたそうだ 到達こそ出来なかったが、到達高度の記念として写真を何枚も撮った その中の1枚に、奇妙なものが映りこんでいたらしい 枝からぶら下がる、巨大な鳥籠がな」

「鳥籠…」

 

確かに写真を見ていると、何となくそんな雰囲気を感じる…

 

「そいつをぎりぎりまで引き伸ばしたのがそいつってわけだ」

「でもこれって仮にも正式にサービスが提供されてるゲームなんだろ? 何でアスナとタコミカが…」

 

キリトはもう一度ALOのパッケージを持ち上げ、下部に視線を向けた途端、何かあったと言わんばかりの顔をした

 

「どうしたの? キリト なんか顔怖いよ?」

「いや…何でもない それよりエギル もっと他の写真はないのか? アスナとタコミカ以外の『SAO未帰還者』がこのアルヴヘイム・オンラインで同じように幽閉されていた、みたいな」

 

キリトは朱猫の言葉に我に返ったのか、顔をエギルへと向け、質問したが、肝心の店主は眉丘に皺をよせて首を左右に振った

 

「いや…そんな話は聞いてねぇな… というかそんな写真があったらもう確定だろ お前らじゃなくて警察に話をしてるさ」

「ま、そらそうか…」

 

エギルの言葉に、意識は知ってたと言わんばかりの声色で返す

 

 

その中でキリトは迷うことなく、エギルを見上げた

 

「エギル このソフト持って行ってもいいか?」

「構わんが…行くのか?」

「勿論だ この目で実際に確かめる」

 

その返答にエギルは一瞬気遣わし気な顔をしたが、それを気にすることなくキリトはにやりと頬を動かして答えた

 

「死んでもいいゲームなんて温すぎるぜ ―――アミュスフィア買わないとな…」

「…因みにそれナーヴギアでも動くぞ」

「それは助かるな」

 

俺はキリトの言葉に呆れ半分、覚悟半分で答えるとキリトは肩をすくめる

 

それに対して、今度はエギルがにやりと頬を動かす

 

「もう一度あれを被る勇気があるなら…だけどな」

「もう何度も被ってるさ」

「お前ログアウトできなかったらどうするつもりだったんだよ…」

 

まぁ俺もキリトと同じように、何かたみから連絡が着ていないかと何度もナーヴギアを被っている為、人のことは言えないが…

 

 

そしてキリトはおもむろに席を立ちあがり、カウンターにポケットから出したコインを置いた

 

「じゃぁ俺は帰るよ ご馳走様 また何か情報があったら連絡してくれ」

「情報料はツケといてやる ―――必ず2人を助け出せよ そうしなきゃ俺達のSAO事件は終わらねぇ」

「そうだね 2人を助け出したらいつかここでオフやろ!」

「おう!」

 

エギルに対して、朱猫がそう言うと、店主は俺達に対して親指を立てた

 

 

俺達もカウンターにコインを置くと、キリトに続くようにして店を後にした

 

 

 

 

 

店を出て、早速朱猫が口を開いた

 

「さてと…ソフトと本体買わないとね」

「近くの家電量販店どこだったかな…」

「ちょ…ちょっと待ってくれ」

 

それに応じるように、意識はスマホで近くの家電量販店を検索し始めたが、キリトがストップをかけた

 

「どうしたの? キリト」

「その…俺が言うのもあれだけど…怖くないのか…?」

 

朱猫はその質問に直ぐには答えず俯いたが、やがて一言ずつ絞り出すようにして答えた

 

「そりゃぁ…怖いよ? でも、このまま何もできないほうが怖いし、もう二度と誰も失いたくはない …ううん、もっと単純にキリトの力になりたいし、たみちゃんとアスナを助けたい だから私達も行くよ」

「…そっか ありがとな」

 

それに対して、キリトは案外素直にお礼を伝えた

 

 

そして一呼吸置き、俺達に向けて言った

 

「じゃぁお前ら 絶対にアスナとタコミカを助けるぞ」

「「「おう!」」」

 

それに対して、俺達は拳を打ちあわせると連絡先を交換し、真っ直ぐに家へと帰っていった




フェアリィ・ダンス編の人物設定は次の話更新後ぐらいに出したいと思ってます

それではまた次回に
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