ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
それではどうぞ
鉄扉を少し開けて中の様子を確認すると薄暗い通路が20メートルほど延び、突き当りで左右に分かれていて通路の途中ではこちらに背を向けて歩いているフォールンエルフの番人がいた
そしてその番人が通路を右に曲がったので私達は扉を少しだけ開け、静かに中に滑り込みドアを閉めると足音を立てずにダッシュをした
フォールンエルフの番人が向かった右の通路を覗くと足音を鳴らしながらこちらに背を向けて歩いている番人の姿が見えたが通路の先は行き止まりなので確実にこちらに戻ってくるだろうと予想した
次に左の通路を見ると少し先で右に曲がっていたが右側が先がないと分かった以上こっちに進むほかない
キリトさんもそう思ったのか私達に指で合図をしたため私達は再び足音を立てず走り出した
私達が左の通路の角を曲がったのと番人の足音が止まったのはほぼ同じだったが何とか見つからなかったみたいだった
私達が飛び込んだ通路は直線に延びており、左右には木製の扉があった
「長丁場になりそうだけど1つずつ調べてみる他ないな…」
キリトさんがそう言ったため私達は1つずつ扉を開けて確認し始めた
~~~~~~
結論から言うと全部ハズレだった…
そして通路の先で下に向かう階段を見つけるとキリトさんは呟いた
「先はまだまだ長そうだな…」
私が目を擦るとアスナはその様子を見てたのか私に話しかけてきた
「眠たいの?」
「ハッキリ言っちゃうと眠い…」
「あと少しだけ頑張って この先で木箱が見つかる予感がするわ」
私が眠たいと言うとアスナは私の肩を叩いて先へと向かったので私達は後に続いた
そして長い階段を下りた先には上の階とは打って変って巨大な倉庫になっていた
正面には大きな扉があったが重装備なフォールンエルフの衛兵2人に守られており、左右の壁際には木箱が積まれていた
「ホントにあった…」
私達は階段部屋の壁際に身を潜めているとキリトさんが囁いた
「でもこのまま入ると絶対見つかるよな…」
「左右の木箱の影まで行ければいいんですけどね…」
ておさんがこのままは言ったら見つかると言ったので私は左右どちらかの木箱の影までいければそこから接近できるかもと付け加えた
「戦えば倒せるかもしれないけどあのデカい扉の先が気になるな… さっきから妙な音がする気がするし」
「何とかしてあの衛兵の気を逸らせないかしら…?」
キリトさんは戦えば倒せるかもと言ったが何かが扉の先から来るかもしれないと言ったのでアスナは木箱を先に調べることにしたらしく何とかあの衛兵の気を逸らせないかとキリトさんに聞いていた
「ちょっとやってみるか」
それに対してキリトさんは足元にあった小石を持ち上げると右側の木箱のうちの1つを狙って小石を投げた
〔かたん〕
音が鳴ると衛兵たちはそちらに注目したのですぐさま私達は左側の木箱の山の影に忍び足で出せる最大速度で移動した
私達がほとんど革や布装備だけだったと言うこともあってか何とか気づかれずに済んだみたいだった
「ふー… 危なかったな」
「そうだな… じゃぁ木箱の中身を調べてみようか」
キリトさんとておさんが最小の声の大きさでそう言うと私達は木箱の中身を調べてみることにした
キリトさんとアスナは上に何も積まれていない木箱を見つけ、その近くに行ったので私とておさんもキリトさん達とは別の上に何も積まれていない木箱の近くに向かった
「開けるぞ」
ておさんが私に合図をしたので私が黙って頷くとておさんは慎重に蓋を開けると中を覗いた…
「えーっと… これどういうことですかね?」
「さぁ…?」
しかし木箱の中身は空だった すでに持ち出された後なのかな…
キリトさん達も同じだったらしく私達に向かって首を横に振っていた
「大金払ってましたよね…?」
「そうだよな? もう中身が持ち出された後なのかもだけど」
私とておさんが考察をしていた時、突然大扉が開く音がして7~8人程度が中に入ってきたような足音がした
「木箱の中に!」
「了解!」
ておさんが咄嗟にそう言ったので私達は木箱の中に入ると蓋を閉めた
「狭い…」
「狭ッ…!」
中は箱の大きさからは考えられないほど狭かった
蓋を少し押し開けてその隙間から外の様子を確認すると先ほどの足音の正体と思わしきフォールンエルフたちが見えた
先頭に立っていたのは職人っぽい感じで顔の上半分を仮面で覆っており、手には皮手袋をはめて大型のハンマーを持った大男のフォールンエルフだった
咄嗟にカーソルに表示された名前を見てみると【エドゥー:フォールン・エルヴン・フォアマン】と表示されていた
フォアマンには確か親方っていう意味があったよね… つまり手に持ってるのは工具かな…?
私がそう考えているとその親方は立ち止まり、後ろに続いていた人達に向かって言った
「本日の荷揚げで予定の量は全て揃いました」
「うむ 一先ずご苦労であった」
冷たい美声でそう言ったのはいかにもエルフという感じの瘦身長躯の男性だった
その男性に注目すると今まで見てきたフォールンエルフの中では見たことがない金属と革の複合鎧を身に着け、背中には深紅色のマントを流して黒い覆面をしているがその覆面の額には2本の角が伸びていた
「だが組み上げは少し遅れているようだな」
その男性が続けると親方は低頭して言った
「申し訳ございません閣下 遅れは3日後に解消する予定です」
「では予定通り 5日後にはすべて完成すると思ってよいのだな?」
私は興味本位でその閣下と呼ばれた男性に注目してカーソルを出現させた…
出てきたカーソルの色はクリムゾンダークだった つまり私の15レベルを大きく上回っていると言うことになる…
そして名前に注目すると
私がそんなことを思っていると親方は将軍の先ほどの質問に対して答えた
「はっ! 我が命に代えても必ずや成し遂げます ノルツァー閣下!」
「良かろう 頼むぞ エドゥー」
ノルツァーと呼ばれた将軍はエドゥーと呼ばれた親方の肩を叩くと私達のいる木箱へと向かってきた…!?
そのため私は静かにかつ急いで蓋を閉めた
そしてこちらに近づいてきた足音はしばらくすると止まった
「…それにしても実に滑稽な話だな 遥か古に聖大樹の恩寵を絶たれた我々が今もこうしてエルフ族の禁忌に縛られているとはな」
ノルツァーと思わしき声が聞こえてきた後、さっきのエドゥーとはまた別の女性の声が聞こえてきた
「はっ… 下らぬ禁忌さえなければこうして資材を手に入れるために薄汚い人族共と取引せずに済んだのですが…」
「言っても詮無いことだ、カイサラ 今は金貨なぞ幾らでもくれてやればよい 我らがすべての〖秘鍵〗を手に入れ、聖堂の扉が開かれた暁には人族に残された最大の魔法さえも跡形もなく消え去るのだからな」
「その通りです閣下 大願成就の時は刻一刻と迫っております」
「うむ まずは特務隊司令官が取り零した第一の〖秘鍵〗を急ぎ奪還せねばならん 5日後すべての準備が整い次第、作戦を決行する 諸君らの活躍大いに期待しているぞ」
『はっ!』
ノルツァーがそのカイサラと呼ばれた人に対して何か重要そうなことを話すとカイサラはノルツァーの言ったことを全肯定した
そしてノルツァーは今から5日後に〖秘鍵〗奪取の作戦を決行すると言うとその場にいたフォールンエルフたちの声が力強く響いた
無数の足音が遠ざかっていき大扉が閉まる音がしてしばらくたった時に私は木箱の蓋を少しだけ開けて外の様子を確認した
「…行ったみたいですね もう出てきて大丈夫かと」
「お…おう…」
私達は静かに木箱の外に出て少し経つとキリトさんとアスナも外に出てきた
「さっきの人たちが言ってた資材が何なのかについてここを出る前に調べないと… 多分まだ調べてない箱の中に…」
「それはそうかもしれないけど… もしかしたら…」
アスナが他の箱を調べてみようと言ったがキリトさんは何かを言いかけてそのまま考え込んだ
「なぁ あのエドゥーっていうおっさんの職業…?のフォアマンって何かわかるか?」
「私は親方と解釈してますけど他にも工場長や職人頭っていう意味があるみたいですよ」
キリトさんがフォアマンの意味について聞いてきたので私はフォアマンの意味について答えた
するとキリトさんはしばらく考えた後何かが分かったように木箱を凝視した
「何か分かったの? キリト君」
「あぁ でも話が長くなりそうだからいったんここを出よう またあいつらが戻ってくるかもしれないしな」
「その時は違う箱に隠れますから」
アスナが疑問に思ってキリトさんの腕を小突くとキリトさんは一旦考えることをやめ、いったんここを出ようと言ったのでアスナは仮に彼らが戻ってきた場合は別々の箱に隠れると言った
やっぱり何かあったんだね…
そう私が考えている間にキリトさんは入ってきたとき同様に小石を木箱に向かって投げ、衛兵の気を逸らしているうちに倉庫から脱出して1階に戻ってきたが油断してしまい入り口近くの番兵には見つかってしまったが仲間を呼ばれる前に何とか倒した
そしてティルネル号に戻ってくるとキリトさんはティルネル号から〖アルギロの薄布〗を外し、丁寧に畳んでストレージへとしまって急いで出航した
道中で何回か蟹やら亀やらと戦ってようやくダンジョンの外に出ることが出来た
そのタイミングでクエスト更新のサウンドが鳴ったため私達はクエストウィンドウを開いた
そこには『手に入れた情報を然るべき相手に伝えろ』と書いてあった
アスナもクエストウィンドウを見ていたみたいで質問してきた
「然るべき相手ってロモロさんの事かな?」
「うーん… どうだろう… 今までじっちゃんのことは船匠って書いてあったような…」
「じゃぁ水運ギルドのお偉いさんか?」
「もっと話がややこしくなりませんか? そもそも水運ギルドは黒の可能性が高いですし…」
キリトさんが違うかもと言ったのでておさんは水運ギルドのお偉いさんかと聞いたため私は話がややこしくなると言った
「じゃぁ誰なの?」
「それはあとで考えるとしていったん宿屋に戻ろうぜ」
アスナはちょっと不機嫌そうにじゃぁ誰に伝えるのかと聞いてきたがキリトさんはいったん宿屋に戻ろうと提案すると少々不満そうだが渋々了承したが思いついたように付け加えた
「あ そうだ! 宿屋の場所変えない? 転移門広場のところも悪くないけどまた変な騒ぎに巻き込まれるのは嫌だわ」
「そうだな じゃぁ目立たなそうなところで探すか 青組と緑組にも早いとこ造船クエストの情報を渡してやらないといけないし」
アスナが宿屋の場所を変えたいと言ったためキリトさんはそれに同意し、少しだけ考え事をしてから「どこまで情報を出すかはアルゴとも要相談だな…」と呟いた
そして<ロービア>に着くと南西エリアにある小体な宿屋を新しい拠点に決め、すぐにそこで部屋を借りてその部屋にたどり着くとそのままベッドに倒れこんだ
え? あれは無いのかですって…?
ご想像にお任せします
それではまた次回に